(2178:東証マザーズ) トライステージ 2016年2月期業績レポート

2016/06/15

tristage

今回のポイント
・テレビ通信販売を中心としたダイレクトマーケティングを行う顧客企業に対し、表現企画、媒体選定、受注、顧客管理などのサービスを総合的に提供し顧客企業の売上拡大を支援。映像でモノを売る力に優れ、豊富なテレビ番組放送枠、受注管理ノウハウ、データ・情報の分析、蓄積なども強み。海外事業、WEB事業に積極投資。・16/2期の売上高は前期比15.4%増の371億31百万円。上期の活況な通販市場を背景にクライアントの出稿意欲が高まり、ダイレクトマーケティング支援事業が好調。また、新業種クライアント開拓など営業力の強化も奏功した。
前期から行っている営業プロセス管理の徹底とメディア枠の仕入量適正化により粗利率が改善し、売上総利益は同12.0%増の35億76百万円となった。中長期成長に向けた人員増強により販管費が増加し、営業利益は同2.3%減の8億98百万円となったが、売上、利益共に期初予想を上回った。

・17年2月期の売上高は前期比9.0%増の404億78百万円の予想。営業利益は同34.8%減の5億85百万円の予想。来期以降の成長に向けた準備期間と位置づけ、中期経営計画達成に向けたM&Aと新規事業への投資を積極的に進める。配当は前述の様に、中期経営計画期間中は配当性向100%とする方針に基づき、76円と予想している。

・前期後半から特定の大口顧客の出稿意欲が低下し、通期決算は期初予想を上回ったものの、第4四半期の営業利益は低水準にとどまった。この流れを受け今期業績も慎重に見ているという。株価も年初来安値水準での推移となっている。ただ、今期は「18年2月期売上高555億円、営業利益(EBITDA)24億円、のれん控除後ROE10%」達成に向けた種蒔きの期であり、足元の数字も勿論だが、M&Aを始めとした投資が確実に実行されるかを見守りたい。2016年3月3日同社は創業10周年を迎えた。妹尾社長の言による「第2創業期」を迎えた同社が次の10年間、どのような成長路線を辿るのかを注目したい。

会社概要

テレビ通信販売を中心としたダイレクトマーケティングを行う顧客企業に対し、表現企画、媒体選定、受注、顧客管理などのサービスを総合的に提供し顧客企業の売上拡大を支援。映像でモノを売る力に優れ、豊富なテレビ番組放送枠、受注管理ノウハウ、データ・情報の分析、蓄積なども強み。海外事業、WEB事業に積極投資。

【沿革】

大手広告代理店に勤務していた妹尾社長は、クライアントであった通信販売企業の依頼で新聞に商品広告を出稿した。反響は良好で掲載商品の売上が好調だったため、クライアントは同じ内容の広告を別の新聞にも出稿することとしたが、残念ながら今度は前回ほどの売上が上がらなかったため、クライアントは妹尾社長に二度目の広告費の値下げを依頼した。広告業界では一旦出稿した広告料を事後的に値下げするということは商慣習上殆どあり得ないため、妹尾社長は当初当惑したが、通販企業にすれば広告は商品の認知を上げるための「宣伝広告費」ではなく、売上を増加させるための「販売費」であり、広告出稿によってどれだけ商品が売れたかが最も重要な判断基準であることを理解した。
長年広告業界に身を置き、各種広告媒体の特性などを熟知していた妹尾社長は、広告出稿にとどまらず、こうしたノウハウを通販実施企業に提供して売上増に貢献できれば、大きなビジネスになると考え、属していた広告会社との円滑な話し合いの下、2006年3月に同社を設立した。
広告会社時代のクライアント企業が設立当初から顧客となったため、極めてスムーズに立ち上がり、設立2年というスピードで2008年8月に東証マザーズ市場に上場した。

【企業理念など】

企業理念として、「顧客の商品・サービスが、消費者と正しく絆を結ぶために全身全霊で課題を解決する企業として社会に貢献いたします。」を掲げ、また社是を「消費者の喜びは、クライアントの喜びであり、私たちの喜び」としている。

「顧客企業の売上拡大に徹底して貢献して、顧客が感謝してくれることが最大のやりがい」という社風である。

【市場環境】
<ダイレクトマーケティングとは?>

テレビやインターネットなどのメディアに電話番号やURLなどの連絡先を明示し、電話やe-メール等で消費者と直接型・対話型のコミュニケーションをとり商品やサービスを販売する活動。通信販売とほぼ同義。

<市場規模>

物販に関するダイレクトマーケティング市場は2015年(推測)で約9.5兆円。過去10年間に年率10.0%で成長している。主な牽引役はインターネット通販(7.4兆円、13.8%)となっている。

テレビ通販の同伸び率は1.5%と市場全体の伸び率を下回っているが、市場規模は2015年(推測)で5,400億円と一定規模で堅調に増大している。
テレビ通販市場のうち、商品別では健康食品・医薬品が約1,490億円と最大で、28%を占めている。

テレビ通販に強い同社は、高齢層に強く安定した市場であるテレビ通販を基盤として更に強化しつつ、市場規模が大きく成長性も高いWEB分野を強化していく。

【事業内容】

事業セグメントは、ダイレクトマーケティング実施企業に対して、テレビ番組放送枠をはじめとする各種メディア枠の提供、商品開発、各種表現企画・制作、受注・物流等におけるノウハウの提供等の各種ソリューションを提供する「ダイレクトマーケティング支援事業」と、ダイレクトメールや商品の発送代行や封入発送代行を行う「ダイレクトメール発送代行事業」の2つ。

(1)ダイレクトマーケティング支援事業

「売上高 28,301百万円、営業利益902百万円(2016年2月期実績)」

顧客であるダイレクトマーケティング実施企業が通信販売を実施し、効果的に売上を拡大させるには、消費者が関心を持つ商品開発、商品に対し十分な魅力を感じてもらうための表現方法、情報を伝達するための適切な媒体の選定、消費者の購入申し込みを確実に受注する体制など、様々な機能が必要となる。

同社は、ダイレクトマーケティングに必要なこうした様々なサービスを、同社独自のノウハウをベースに、広告代理店、番組制作会社、コールセンター等から仕入・外注して顧客企業に提供。「ダイレクトマーケティングの総合支援企業」としてバリューチェーンの全ての局面をサポートしている。
仕入・外注費に、商品の売上に応じた報酬を加えたサービス代金が主たる売上となる。

前述の様に、ダイレクトマーケティングで売上を効果的に拡大させるためには様々な機能が必要だが、特に同社が独自のノウハウと強みを持って高い付加価値を提供しているのは以下の各分野である。

◎企画提案

ダイレクトマーケティングを実施する顧客企業の商品を、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどで販売するうえで、どの媒体をどの程度利用して販売するのが最適かを、顧客の戦略や予算その他の条件を把握したうえで、これまでに培ったノウハウを活用して提案する。

◎表現企画支援

「長年の経験やノウハウの蓄積」、「独自の番組評価システム」といった強みを武器に、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット、モバイル等、それぞれの媒体特性に応じた形で、顧客企業の商品特性に最適なコンセプト設定から表現物制作まで、商品の魅力を最大限に伝える番組制作を支援している。
特に、「映像でモノを売る力」には大きな自信を持っている。

◎媒体選定支援

テレビ番組枠やテレビCM枠の調達や放送計画の策定など、媒体選定業務も、消費者と商品の接点を効率的に増加させ、商品の売れ行きに大きな影響を与える重要な要素である。
「効率的なテレビ番組枠の保有」、「蓄積データ・情報の活用」などが同社の強みで、商品や媒体の特性、事業計画、予算等に応じてレスポンスが見込まれる可能性の高い媒体展開計画をサポートしている。

同社が得意とするのはテレビにおける通販番組枠やCM枠などで、地上波、BS、CSなどあらゆるテレビ電波の通販番組・CM枠を取り扱っている。
同社が蓄積しているデータは、「曜日」、「時間帯」、「時間尺」、「メディア種別」毎に、「想定顧客獲得数」と「媒体費」が紐づけられたもので、顧客企業は適正な媒体価格で、ターゲットに合わせてあらゆる時間帯での放送が可能である。
媒体の種類としてはテレビが中心だが、ラジオやインターネットにも積極的に対応している。

◎受注支援

番組を見た消費者が注文をする際の受注手段が電話やインターネットなど多様化するなかで、顧客企業及び商品に最適な受注方式を提案し、実際の受注業務を請負っている。
「消費者の注文を効率的に受ける受注業務」、「消費者や商品の特性に応じた受注業務」等が同社の強みで、特にテレビにおいては、一時に大量のレスポンスが発生した際にも対応できるノウハウも有している。

◎顧客管理(CRM)支援

取得した顧客データをもとに、継続してデータ分析を実施し、ダイレクトメールの発送などにより最適な顧客にアプローチし、効率的に商品のアップセル(以前より高級なものの購入を促す)や、クロスセル(関連商品の購入を顧客に促す)を促進し、売上拡大をサポートしている。

(2)ダイレクトメール発送代行事業

「売上高 8,832百万円、営業損失4百万円(2016年2月期実績)」
子会社、メールカスタマーセンター株式会社において、顧客企業のダイレクトメール発送代行を手掛けている。また、収益性を引き上げるために、2015年2月には、川上分野であるネット印刷サービスも開始している。

中期経営計画「Tri’s next vision 2015」の中では、「2018年2月期 ROE(のれん控除前)10.0%」を掲げている。
のれん控除前のROEは15年2月期 7.3%、16年2月期 8.2%。

【特徴と強み】

同社は以下にあげる3つの強みにより、ダイレクトマーケティング支援事業における圧倒的な競争力を築いている。総合的に顧客企業を支援できる同業他社は存在しないと会社側は考えている。

①豊富なテレビ番組放送枠

広告会社・テレビ局との安定取引により、豊富なテレビ番組放送枠を確保している。
大量仕入(テレビ通販に適したテレビ放送枠を大量に仕入)、継続仕入(一度購入した番組枠の多くを継続的に仕入)、先行仕入(顧客企業からのオーダーがある前に、同社の判断によって先行して仕入)を行う事により、広告会社やテレビ局との強力かつ安定的な取引関係を構築している。

②受注管理ノウハウ

消費者の注文を効率的に受注する受注管理ノウハウを保有している。
複数のコールセンターを組み合わせることで、消費者を待たせない受注体制を構築しているほか、商品ごとに独自のマニュアルを用意し、消費者の商品理解度を深める受注業務を実施している。
化粧品や健康食品の通信販売においては、試し買いで訪れた消費者に定期購入して貰う事が重要だが、同社では電話受付時に商品の理解を深めてもらうと同時に、定期購入のメリットを丁寧に説明している。この対応によりかなり高い確率で定期顧客を獲得できでおり、同社の受注体制は顧客企業から高く評価されている。

③データ・情報の分析、蓄積

多種多様な商品と媒体の取扱い実績をベースに 「1.効果的な媒体選定」、「2.消費者の目を引く番組制作」、「3.効率的な受注業務」を可能にするデータ・情報の分析、蓄積を行っている。
これら長年に亘って分析、蓄積したデータ・情報をもとに、商品や媒体の特性に応じた番組を制作・放送して消費者と商品の接点を効率的に増加させている。

2016年2月期決算概要
2桁の増収も投資先行で減益。期初予想を上回って着地。

売上高は前期比15.4%増の371億31百万円。上期の活況な通販市場を背景にクライアントの出稿意欲が高まり、ダイレクトマーケティング支援事業が好調だった。また、新業種クライアント開拓など営業力の強化も奏功した。
前期から行っている営業プロセス管理の徹底とメディア枠の仕入量適正化により粗利率が改善し、売上総利益は同12.0%増の35億76百万円となった。
中長期成長に向けた人員増強により販管費が増加し、営業利益は同2.3%減の8億98百万円となったが、売上、利益共に期初予想を上回った。
期末の従業員数は単体157名、子会社19名の合計176名で、前期末より21名増加した。

◎ダイレクトマーケティング支援事業

2桁の増収も減益となった。

<テレビ事業>

新業種クライアント獲得に取り組み、2年以内に取引開始した新規クライアントの売上高は前期比78%増の36億円となった。また、販売効果の高い自社通販番組の実施を新たな施策としながら、引き続き営業力強化、商品力強化、コスト適正化に取り組んだ。
営業力強化においては、営業プロセスの管理を徹底した。また、2015年9月に関西支店を開設した。
商品力強化においては、2015年8月に機能性表示食品の広告表現相談サービスKINO-ad(キノアド)を開始した。
コスト適正化においては、同社が過去に蓄積してきたテレビ枠の基本情報、レスポンス数及び販売数などの実績データを集約管理・分析することにより、メディア枠の仕入量が適正化され、販売価格も安定した。
上期はこうした取り組みと出稿量増加により売上高、売上総利益ともに好調だったが、3四半期後半から顧客の出稿意欲が鈍化し、低調に推移した。

<WEB事業>

テレビを見てWEBでの購入に至る貢献度(オフラインアトリビューション)を可視化し、顧客企業のマーケティング予算配分を最適化するサービスを利用したWEB広告提案を積極的に実施した。現在、マーケティングソリューション提供で実績のある株式会社ロックオンと新たな広告効果測定サービスの共同開発に取り組んでいる。

<海外事業>

ベトナム、台湾、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシアで各国の状況に合わせたマルチチャネル型の販売支援強化に取り組んだ。タイでは2014年12月に発足した現地合弁会社ROSE STAGE CO.,LTD.を本格的に稼働させるとともに、現地大手通販支援企業とタイ、マレーシアの両国での業務提携を行うなど、積極的な展開を推進した。
インドネシアでは現地のテレビショッピングチャンネル向けに商品を供給するPT MERDIS INTERNATIONALの株式を26%取得した。

一方、中期経営計画に基づく各施策を実行するための人員の増加を図ったこと等によりコストが増加した。

◎ダイレクトメール発送代行事業

2桁の増収で営業損失は縮小した。
子会社メールカスタマーセンター(株)において、「ゆうメール」及び「クロネコDM便」の取扱通数の規模を活かした仕入の下、積極的に営業活動を展開した。新規顧客獲得および既存顧客からの受注は好調だった。営業損失とはなったが、EBITDAは前期比112.1%増と大きく増加。今期以降も連結業績への貢献を期待している。

前期末に比べ売上債権が増加したが、自己株式の取得などにより現預金は減少し流動資産は同34億90百万円減少。固定資産はインドネシアでの株式取得などで投資有価証券が増加し同3億64百万円増加。資産合計は同31億25百万円減の98億61百万円となった。

仕入債務の増加等で流動負債は同5億74百万円増加し、負債合計も同4億55百万円増加の44億48百万円となった。自己株式が同35億47百万円増加したこと等により純資産は同35億81百万円減少。この結果自己資本比率は前期末より14.6%低下したが54.5%と、引き続き安定した財務基盤を有している。
また、のれん控除前ROEは8.1%となった。

営業CFのプラス幅は拡大。投資CFは定期預金の預入による支出額の減少等でプラスに転じた結果フリーCFのプラス幅は拡大した。
自己株式の取得により財務CFのマイナス幅は拡大。
キャッシュポジションは上昇した。

(3)トピックス
◎配当予想を再度修正

2015年12月28日に自己株式の取得結果を考慮し、2016年2月期の1株当たり配当予想を従来の54.00円から60.00円に引き上げたが、中期経営期間中は配当性向100%を目指すという方針に基づき、16年2月期の単体のEPS実績 75.68円を踏まえ、75.00円に再度引き上げた。

◎子会社が日本の特産品・名産品を取扱う小売業「日本百貨店」事業を承継

連結子会社株式会社トライステージリテイリングを承継会社とした吸収分割により、日本の特産品・名産品を取扱う小売業「日本百貨店」事業を株式会社コンタン(東京都台東区)から承継した。

<「日本百貨店」事業承継の目的>
トライステージは、中期経営計画において」既存のテレビ通販支援事業に加え、投資枠100億円を設定し、WEB、海外分野等を中心としたM&A戦略を柱に、積極的に事業拡大を目指している。国内のダイレクトマーケティング市場は、テレビ通販の堅調な推移、ECの成長による拡大基調が続いているが、クラインアントの主力取扱商品である美容・健康食品については競争が激化しており、新たな商材の取り扱いとテレビ、ラジオ以外の販売チャネルの獲得が急務・課題であった。
「日本百貨店」運営は、そうした課題解決のための有効な手段となると考え、コンタン社の状況もあり事業を承継することとした。

<株式会社コンタン概要>

「ニッポンのモノづくりとスグレモノ」をテーマに、自社で目利きした日本各地の特産品・名産品を販売する「日本百貨店」のブランドを掲げる小売業を営み、首都圏の有力商業施設を中心に6店舗を展開。地方生産者にとっての首都圏での販路獲得の有力な手段なっている。
各県のアンテナショップと比較し日本全国の地方を横断して魅力的な商品を取り揃えているため、日本人から外国人観光客まで顧客層は幅広く、政府の「地方創生」の取り組みに後押しされたこともあり、直近3年間で売上高の平均成長率は50%を超え、急拡大している。
こうした中、今後観光立国を目指す日本のインバウンド需要の獲得を見据えた有力商業施設からの旺盛な出店依頼及びそれらに応じるための資金調達ニーズ、多くの顧客からのテレビ、EC通販出店、海外展開ニーズへの対応等課題も明らかになり、対応が必要となっていた。

<今後の展開>

2016年3月1日よりトライステージリテイリング社は商号を株式会社日本百貨店に変更した。
株式会社日本百貨店はトライステージがダイレクトマーケティング支援を通じて培った経験と実績及び強力な財務基盤を最大限に活かし、テレビ、ラジオ、ECなどの販売チャネルの拡大、国内での「日本百貨店」の新規出店の加速、さらにはトライステージグループのタイ、インドネシアを始めとする海外拠点を活かし、東南アジアを中心とした海外展開も展望した成長戦略を進めていく。
今回の事業承継は「日本百貨店」事業の持続的な成長とさらなる発展に繋がり、トライステージグループの大きな成長の原動力になると考えている。

◎双日株式会社と資本業務提携契約を締結

2016年4月19日、双日株式会社と資本業務提携契約を締結した。

<資本業務提携契約締結の背景>

トライステージは現在進行中の中期経営計画において、成長戦略の一つとしてWEBや海外分野を中心としたM&A戦略を掲げ、投資枠100億円を設定している。特に海外においては、テレビ通販支援のみでなく、リテールへの進出を展望した更なる事業拡大を推進している。

一方双日は、国内有数の総合商社として、国内外において自動車・食料・資源・航空機・リテール事業等における実績と様々なネットワークやノウハウを有しており、特にリテール事業において、アジアを中心に、食品流通事業、国内におけるショッピングセンターをはじめとする商業施設運営事業等を積極的に展開している。

両社は、トライステージが持つダイレクトマーケティング支援事業におけるノウハウと、双日が持つリテール事業における実績、海外におけるネットワークを掛け合わせることにより、両社は企業価値の更なる向上を実現することができると判断し、資本業務提携契約を締結することとした。

業務提携の効果最大化のためには、双日がトライステージの株式を保有することで将来にわたり確固たる関係を構築していくことが重要であると判断し、業務提携と合わせて、資本提携を実施することとした。

<第三者割当による自己株式処分について>

今回の資本提携においては、トライステージが保有する1,445,600株の自己株式(普通株式)を処分価額一株に付き2,100円で、2015年5月12日に双日を割当先とした第三者割当により処分した。

自己株式処分により調達した3,030百万円は、2016年5月から2018年2月までに、海外において、事業領域の拡大と企業価値向上に繋がる企業をM&Aする資金として使用する考えだ。

2017年2月期業績見通し
増収も、成長に向けた積極投資継続により減益へ。

売上高は前期比9.0%増の404億78百万円の予想。
営業利益は同34.8%減の5億85百万円の予想。
来期以降の成長に向けた準備期間と位置づけ、中期経営計画達成に向けたM&Aと新規事業への投資を積極的に進める。
配当は前述の様に、中期経営計画期間中は配当性向100%とする方針に基づき、1株当たり76円としている。

今後の注目点
前期後半から特定の大口顧客の出稿意欲が低下し、通期決算は期初予想を上回ったものの、第4四半期の営業利益は低水準にとどまった。この流れを受け今期業績も慎重に見ているという。株価も年初来安値水準での推移となっている。
ただ、今期は「18年2月期売上高555億円、営業利益(EBITDA)24億円、のれん控除後ROE10%」達成に向けた種蒔きの期であり、足元の数字も勿論だが、M&Aを始めとした投資が確実に実行されるかを見守りたい。
2016年3月3日同社は創業10周年を迎えた。妹尾社長の言による「第2創業期」を迎えた同社が次の10年間、どのような成長路線を辿るのかを注目したい。

<参考:中期経営計画「Tri’s next vision 2015」>
(1)前3か年計画の総括

2013年2月期から2015年2月期の前3か年中期経営計画においては以下のような成長戦略を掲げ、一定の成果を残すことができた一方課題も残った。
今後の成長基盤整備は完了したため、今期から始まる新しい中期経営計画「Tri’s next vision 2015」で再成長を目指すこととしている。

<概況>
前3か年の初期において既存事業の業績が低迷した。これは、既存事業の多くを占める放送枠の商品力が低下したため、販売放送枠の減少や単価下落により売上および粗利率が低下したことによる。ただ、メディア枠の見直しと需要に応じた柔軟な仕入れにより商品力を強化したことにより、売上は底入れし、利益率も改善した。
この取組みにより後期においては、正確な販売予測から仕入、放送枠の効果実績データベースに基づく仕入価格の適正化、顧客商品に最適な枠割振りシステムの稼働などにより、売上は底入れ・拡大し、利益率も回復した。
<主な実績>
通販番組枠内のメインターゲットであるシニア市場における新業種や、新領域・新業種のクライアントの開拓が進んだ。(女性向け健康体操教室、大手進学塾、大手通信会社等)
同社では約3万のテレビ枠を約80社のクライアントに割り振っているが、これまでは人手に依存した作業を行っていた。これに対し、枠効果実績データベースを活用した枠割振りシステムを構築し、テスト運用を行った結果、旧来の割り振りに比べ1.4倍の効果(媒体費用に対する売上高)を確認することができた。また膨大な作業工数を効率化する事もできたため、今後の収益性の改善に繋がると期待している。
「TVを見た消費者がどの程度WEBを通じて申込みするか?」はダイレクトマーケティング市場では大きな関心を集めている。同社はTVからWEB申込みへの影響「オフラインアトリビューション」の分析サービスを開始し、5社9商品で実施した。平均でWEBに約20%の受注が流れている(電話で100件注文があれば、WEBでも25件、全体の20%注文が発生する。)という事で、WEB受注に対するTVの影響の大きさが確認されたため、TVとWEBの効果を最大化するWEB広告商品を新たにリリースする予定。
顧客企業の消費者に対するCRMを支援するため、2012年11月、ダイレクトメール発送代行大手のメールカスタマーセンター株式会社を子会社化した。また、より収益性の高い事業を展開するため、2015年2月よりWEB印刷通販会社大手のラクスル株式会社と業務提携し、WEB印刷通販サービス「メルプリ」を開始した。
2012年10月のベトナム進出を皮切りに、台湾(2013年1月)、マレーシア(2013年9月)、タイ(2013年12月)、シンガポール(2014年3月)で事業を開始した。
(2)中期経営計画「Tri’s next vision 2015」の全体像と成長戦略

2016年2月期から2018年2月期までの3年間を対象とした中期経営計画「Tri’s next vision 2015」において、3年後のビジョンおよび数値目標を以下の様に掲げている。

◎成長戦略

各事業の主要な成長戦略として以下を上げている。
特に、海外事業及びWEB広告事業を強化するために両事業部門で専門性の高い人材を積極的に採用する。

①TV事業

仕入においては、販売予測枠効果実績に基づく最適な仕入れを実施する。
また番組制作においては、TV広告形態の拡充のために、既存のインフォマーシャル型に加え、より販売効果の高い自社通販番組を制作する。
加えて、TV番組枠の販売においては、前中計に引き続き、既存クライアント業種のみでなく、新業種のクライアントの獲得を進める。また、顧客に最適な番組枠を選定し、コストに応じた売上増を支援し、顧客満足度の向上を図る。

②DM事業

収益性の向上に関しては、直接取引顧客を獲得すると共に、収益性の高い商品(制作、印刷、データ処理、作業等)のクロスセルを進める。
また新規事業との連携によるDMに強い印刷会社へのアプローチも推進する。

③海外事業

インドネシアを加えたASEAN5か国に台湾を加えた6か国において日本企業向けのマルチチャネル型通販支援事業を展開する。
同社自らがBtoC型の通販事業を本格的に開始する。ただこれは、現在の顧客である日本の通販企業の競合になるという意味ではなく、そうした顧客企業が海外進出にあたりまず同社が拠点を作り、委託または在庫を保有の形態で顧客企業の商品を販売するというもの。順調に販売が拡大すれば顧客企業自らが通販を実施する事を支援する。
アジアにおいても着実に通販は成長しているが、各国ごとに事情が異なるので、それぞれの国で適切なアライアンスを検討する。
日本の魅力ある商品をASEANに紹介することで、現在日本政府が力を入れている「地方創生」にも貢献できると考えている。

④WEB広告事業

前述の様に、TV通販番組がWEB申込みに与える影響は大きい事が確認されている。
そこで、TV事業で培った「映像でモノを売る力」を活かし、TVとWEBの連動広告等、新しい販売手法の開発を積極的に進める。

◎投資戦略

以上の戦略を実効力とスピードを持って推進するために、今後3年間でM&Aや資本提携に100億円規模の投資を実施する。
2015年2月末の貸借対照表上の現預金残高は52億円であり、資金調達が必要となるが、投資家の声を尊重しつつ、公募増資、借入など多様な手法を検討する。

◎財務戦略
①ROEの向上

今後M&Aを積極化する中、のれん控除前ROEを前期の7.2%から18年2月期には10.0%まで引き上げる。
ROEをデュポンフォーミュラで分解し、各要素に関し以下のような道筋で目標達成を目指す。

②配当について

利益目標を大幅に超過し、成長事業のための資金は十分にあるため、2015年2月期の配当については配当性向100%で、71円/株とした。
現状で十分な内部留保を確保している事、3年間で100億円の投資を実施するものの公募増資、借入など多様な資金調達により投資資金は確保できると考えているため、今後3年間も配当性向は100%とする。

◎組織戦略

意思決定の迅速化およびTV事業の強化のための組織変更を実施する。

ガバナンス強化及び新規事業拡大のための組織体制を構築する。

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