(6184:東証マザーズ) 鎌倉新書 2016年1月期業績レポート

2016/04/13

kamakura

今回のポイント
・「人と人とのつながりのお手伝い」をコンセプトにライフエンディング市場(終活、葬儀、墓、仏壇等)にフォーカスして事業展開。葬儀社・斎場・火葬場検索サイト「いい葬儀」、霊園・墓地・墓検索サイト「いいお墓」、仏壇・仏具店検索サイト「いい仏壇」等、この分野で国内最大級のポータルサイト運営を中心に、出版事業等を手掛けている。仏壇・仏具業界向け書籍の出版を祖業とするが、「提供する価値は“情報”」と定義し、出版業ではなく情報加工業という視点で事業を拡大させてきた。・高齢化が進む国内において、ライフエンディング市場の成長性については今さら説明する必要がないだろう。ただ、ライフエンディング関連のポータルサイト運営に限れば、追い風はそれだけではない。具体的には、ITリテラシーの高い高齢者の増加、スマートフォンの普及、更にはライフエンディングサービス関連でのネット利用の増加等の恩恵も受ける。同社はこうした追い風を活かしつつ、葬儀等に対する消費者の意識の変化をくみ取りながら事業を拡大させていく考え。

・16/1期は売上高11億47百万円(前期比25.1%増)、経常利益2億11百万円(同7.8倍)。墓、葬祭、仏壇の成約報酬が順調に伸びる中、Yahoo!エンディング関連の一時的な費用が一巡した事に加え、経費節減効果も表れた。17/1期予想は前期比14.6%の増収、同49.2%の経常増益。同社が重視している経営指標である紹介数が大きく伸び、成約率の改善が進む見込み。

会社概要

「人と人とのつながりのお手伝い」をコンセプトに、ライフエンディング市場にフォーカスした事業展開を進めている。ライフエンディング市場とは、死別後に備えた事前準備から、葬儀、仏壇、墓、更には遺族の生活の再構築に関わる市場の事。葬儀社・斎場・火葬場検索サイト「いい葬儀」、霊園・墓地・墓検索サイト「いいお墓」、及び仏壇・仏具店検索サイト「いい仏壇」等のポータルサイト運営を中心に、日本初で唯一の供養業界を網羅したビジネス誌である月刊「仏事」やライフエンディングに関連する書籍の制作・販売を手掛けている。

【企業理念】

企業理念は、“私たちは、人と人とのつながりに「ありがとう」を感じる場面のお手伝いをすることで、豊かな社会づくりに貢献します”。
「親切」と「ありがとう」の交換は、豊かな社会を形成する土台である、との考えの下、人生の様々な局面で「ありがとう」を感じる瞬間を社会の中に増やしていく事、そのために鎌倉新書は存在していきたい、としている。

【沿革】

1984年4月、仏壇・仏具業界向け書籍の出版を目的に設立された。1990年には、現在、代表取締社長を務める清水祐孝氏が証券会社を経て入社。「顧客がほしいのは情報であり、印刷物ではない」との観点から、既存のノウハウを活かす事ができ、市場規模も大きく更なる拡大も期待できるライフエンディング市場にフォーカスしつつ、清水氏主導で出版社から「情報加工会社」への転身が図られた。

以後、様々な形の情報発信に取り組んだが、飛躍のきっかけになったのは、2000年10月に開設した供養業界初の葬儀社・斎場・火葬場検索サイト「いい葬儀」。2001年6月には、日本初で唯一、供養業界を網羅したビジネス誌 月刊「仏事」を創刊し、葬祭・仏壇・墓・寺院を一つの大きなカテゴリとしてのビジネス動向についての発信を開始した。2003年12月に、霊園・墓地・墓検索サイト「いいお墓」を、仏壇・仏具店検索サイト「いい仏壇」をそれぞれ開設。2014年7月には、ポータルサイト「Yahoo!JAPAN」上で「Yahoo!エンディング」の運営を開始した。

2015年12月4日、「日本の高齢社会」に向けたライフエンディング全域を扱う「インターネットサービス」の会社として初めて東京証券取引所マザーズに上場した。

【事業内容】

事業は、マッチングプラットフォームとなるポータルサイト運営を中心としたライフエンディングサービス事業と、ライフエンディングに関わる書籍の企画・制作・賑売を行うライフエンディング関連書籍出版事業に分かれる。16/1期の売上構成比は、ライフエンディングサービス事業79.1%、ライフエンディング関連書籍出版事業20.9%。

ライフエンディングサービス事業

終活から葬儀、仏壇、墓、遺産相続といったライフエンディング全域をカバーするポータルサイト群を通してサービスや商品の情報を発信すると共に、お客様センターで問合せや相談に応じる事で、サイト利用者の意思決定をサポートしている。一方、ポータルサイトに掲載される葬儀社、仏壇仏具店、石材店、寺院霊園等の事業者に対しては、販売支援サービスの提供や掘り起こした見込み客の紹介を行う。サイト利用者には無料でサービスを提供し、紹介した見込み客と事業者との間で契約がまとまった時に成約報酬を受け取る(成約金額の10~15%程度)。16/1期の売上の内訳は、墓63.6%、葬祭25.7%、仏壇10.7%。

同業者としては、葬儀サービスでは、流通大手イオングループのイオンライフ(株)、「小さなお葬式」や「葬儀本.com」等を展開する(株)ユニクエスト・オンライン等があり、墓では、「もしもドットネット」を運営する首都圏石材協同組合、メモリアルアートの大野屋、(株)日本仏事ネット等を挙げる事ができる。

KPI(重視する経営指標) 成約報酬 = 紹介数 × 成約率 × 販売単価 × 手数料率

成約報酬の拡大に向け、同社は紹介数の増加と成約率の向上に取り組んでおり、その結果としてのシェア拡大を手数料率の引き上げにつなげていきたい考え。紹介数の増加には、コンテンツの充実、導線の改良、デザインの改良、広告等の活用がポイントであり、成約率の向上には、サイトユーザーとのコミュニケーション強化や事業者との連携強化が必要となる。

ライフエンディング関連書籍出版事業

供養業界の事業者に向けたビジネス情報誌である月間「仏事」(年間購読料:税込み16,200円)等、葬儀や墓・仏壇等、供養に関連する様々な出版物を発行している。出版社としての知名度や信頼感、業界ネットワーク、コンテンツ生成力がインターネットサービスにも活かされている。売上や利益では測れない、シナジーを有する事業である。

【社会的背景と鎌倉新書の役割】

核家族化が進み、前の世代からの慣習や知議等の引き継ぎが減っているため、消費者は、ライフエンディング全般に、「誰に頼めばいいかわからない」、「どうすべきかわからない」、「選ぶ基準がわからない」、「費用が適正化どうかわらない」といった悩みを抱えており、インターネットで情報検索するケースが増えている。

一方、事業者は、「集客やセールスのコストがかかり過ぎる」(仏壇の製造販売を手掛ける上場企業の15/3期は、売上総利益率が63.5%と高かったが、販管費率も58.1%と高く、営業利益率は5.4%にとどまった)、「信頼感をもたれていない」といった悩みを抱えている。このため、10~15%程度の成功報酬で顧客開拓できる鎌倉新書のポータルサイト活用は魅力的であり、信頼感と言う点では、業界誌の発行体として30年以上の実績を有する同社が仲介する意義は大きい

東京圏人口を中心に三大都市圏人口の割合が上昇しており、三大都市圏以外の人口の割合が低下している。こうした人口動態も、慣習や知議等の前の世代からの引き継ぎがなされない要因の一つとなっている。

2016年1月期決算
売上・利益共に過去最高を更新

売上高は前期比25.1%増の11億47百万円。収益性・効率性重視で臨んだ書籍他(セミナー等を含む)の売上が同3.2%減少したものの、ポータルサイトを介した、墓、葬祭、仏壇の売上が順調に伸び、WEBサイト運営による売上が同36%増と伸びた。
営業利益は前期の12百万円から2億25百万円に拡大。前15/1期はYahoo!エンディングのコンテンツ開発や立ち上げに伴い労務費や業務委託費が増加した他、先行投資的な人件費や広告宣伝費等の増加も負担となった。一方、当期は、引き続き人件費や広告宣伝費が増加したものの、売上が順調に増加する中、Yahoo!エンディング関連の一時的な費用が一巡した事に加え、経費節減効果も表れた。営業外では、保険解約返戻金(15百万円)がなくなる一方、株式公開費用等(13百万円弱)を計上した。

導線の改良やサイト構成の手直し等による訴求力の向上で仏壇の紹介数が大きく伸びた他、墓及び葬祭の紹介数が順調に増加した。また、墓と仏壇は、お客様センターでのコンサルの強化で成約率が向上し、葬祭も、お客様センターでのコンサルの強化による販売単価の上昇で手数料単価が上昇した。

期末総資産は前期末に比べて1億79百万円増の8億68百万円。2015年12月4日のマザーズ上場に伴う資金調達で純資産(資本金)及び現預金が増加。一方、借入金を返済したため、有利子負債が前期末の2億68百万円から35百万円に減少した。現預金が総資産の70%弱を占め、自己資本比率は71.7%。投下資本利益率は23.0%。

税引前利益の増加で前期は17百万円のマイナスだった営業CFが1億95百万円の黒字に転換。保険積立金の解約による収入がなくなったため投資CFが減少したものの、1億95百万円のフリーCFを確保した。

*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。

16/1期のROEは売上高当期純利益率の改善で27.53%と、15/1期の3.72%から大きく改善した。総資産回転率とレバレッジが低下傾向にあるのは、好業績を反映した自己資本の充実が要因。ただ、16/1期の決算は、スケールメリットが顕在化しつつあり、先行投資負担を吸収して利益を伸ばせる体制が整ってきた事を感じさせる。

2017年1月期業績予想
前期比14.6%の増収、同49.2%の経常増益

売上高は前期比14.6%増の13億15百万円。収益性を重視して営業利益率の改善を目指す書籍他の売上が2億06百万円と同13.8%減少するものの、墓、葬祭、仏壇の全てが順調に伸び、WEBサイト運営による売上が11億08百万円と同22.2%増加する。
利益面では、広告宣伝費の増加を見込むものの(売上高の10%程度を予定)、増収効果と書籍他の収益性改善で営業利益率が24.3%と4.6ポイント改善。株式公開費用等がなくなり営業外損益も改善するため、経常利益が3億15百万円と同49.2%増加する。

組織の変更

人材は同社の最も重要な経営資源の一つであり、更なる事業拡大には人材の採用・育成が不可欠である。このため、今期より、代表取締役社長 清水氏が人事部を管掌する事となった。また、書籍やセミナーの収益性の向上に向け、これまで各事業部に分散していた書籍やセミナーの機能を一本化するべく書籍・コンテンツ事業部を新設した他、仏壇事業の強化を目的にライフエンディング事業3部を新設し仏壇事業部を独立させた。

墓、葬祭、仏壇のいずれも紹介数が大きく伸び、成約率の改善も見込まれる。特に紹介数の大きな伸びが見込まれる葬祭については手数料単価の上昇も見込まれる。尚、紹介数の高い伸びは、足元のトレンドを反映したもの。

17/1期は、墓、葬祭、仏壇の全てで、同社が重視する経営指標の一つである紹介者数の高い伸びが見込まれる。この背景にあるのは、2040年まで続くとみられている高齢化による年間死亡者数の増加に加え、シルバー世代のネット利用の増加(ITリテラシーの高いシルバー世代の増加)、スマートフォンの普及である。しかも、ライフエンディングサービス関連での商品・サービスの購入に際してのネット利用率は1.3%と未だ僅少。

内閣府「平成27年版高齢社会白書」によると、2015年に1,311千人だった年間死亡者数が、2040年には1,669千人に増加する見込み。また、総務省「平成27年度版情報通信白書」によると、近年、ITリテラシーの高い高齢者層の増加で40~60歳代(同社「いいお墓」ユーザー全体の約70%を占める)のインターネット利用率が高まっている。更に、葬儀の手配は急を要するケースが多いため、スマートフォンの普及も追い風。しかも、未だライフエンディングサービス関連でのネット利用率は低い。葬儀市場は1兆5千億円(平成26年特定サービス産業実態調査)と巨大だが、表現文化社月刊「SOGI」No.126によると、インターネットで葬儀を決めると答えたのは全体の1.3%に過ぎなかったと言う。紹介数は引き続き高い伸びが見込めそうだ。

※ インターネット利用率の向上(総務省「平成27年度版情報通信白書」より)

ICTの利活用は年代を超えて広がっている。2002年と2014年の年代別インターネット利用率を比較すると、全ての年代で利用率が上昇しており、同じく2002年と2014年の世帯主年代別ネットショッピング利用率を比較すると、こちらも全ての年代で利用率が上昇しており、シニア世帯の利用率も大きく上昇していると言う。

下のグラフから、特に40歳代から60歳代のインターネット利用率の上昇が大きい事が分かるが、同社のサービスの一つである「いいお墓」では利用者の約70%を40~60歳代が占めている。

清水社長に聞く

16/1期決算説明会後のご多忙時にもかかわらず、清水社長に貴重な時間を頂く頃ができた。「企業理念」、「好調な業績」、今期から直轄とされた「人事」、更には「今後の成長戦略(既存事業の深堀り及び新たな取り組み)」について伺った。

【企業理念】

「私たちは、人と人とのつながりに『ありがとう』を感じる場面のお手伝いをすることで、豊かな社会づくりに貢献します」と言う企業理念には、どのような思いが込められているのだろうか。

人生のいろいろな場面に、人と人とのつながりを感じ、「ありがとう」を言う場面がある。例えば、子どもが生まれてきた時、親は赤ちゃんに向かって、生まれてきてくれて「ありがとう」、結婚する2人は親に向かって、これまで育ててくれて「ありがとう」、葬儀の時、故人に向かって、これまで家族でいてくれて「ありがとう」等。人生の様々な局面で「ありがとう」を感じる瞬間を、この社会の中に増やしていく事、そのために鎌倉新書は存在していきたい。人と人とのつながりに「ありがとう」を感じる場面のお手伝いをする事で、豊かな社会づくりに貢献していきたい、と言う。

同社の収益は、墓、葬儀、仏壇を扱う事業者から得る手数料だが、「事業者はパートナーであり、ポータルサイトの利用者こそが、お客様である」と言う。同社は商品やサービスの直接の提供者ではないが、取り扱っている商品やサービスが、生活者であるお客様にとって、どのような意味があり、どのような便宜や価値を提供しているのかを常に考え、自らが変化しながら社会から必要とされる事業を行っていきたい、と言うのが清水社長の考え。

(株)インベストメントブリッジ所感

時と共に消費者の意識や価値観も変わる。インターネットで葬儀会社等を探す消費者が増えてきた事が、同社の成長要因の一つだが、それは「過去の慣習やしきたりにとらわれない消費者が増えてきた」という事でもある。消費者の意識の変化によって、消費者が「ありがとう」を感じる場面が新たに生まれる。それを成長の糧にしていこうという考えだ。同社を「葬儀や墓のサポートをする会社」的にとらえてしまうと、同社の潜在成長力を見誤ってしまいそうだ。

【好調な業績】

2040年まで続くとみられている年間死亡者数の増加に加え、シルバー世代のネット利用の増加やスマートフォンの普及もあり、事業環境は良好だ。このため、16/1期に続き、17/1期も高い利益成長が見込まれる。ただ、良好な事業環境だけでなく、取り組みの成果も着実に現れているようだ。好調な業績の要因を改めて伺った。

2015年の死亡者数は前年比2%強増加したようだが、同社が重視する経営指標の一つである紹介数の伸びは、これを上回る7~8%。導線の改良やサイト構成の手直し等による訴求力の向上が、死亡者数を上回る紹介者数の伸びの要因のようだ。また、お客様センターでのコンサルを強化した事で、販売単価が上昇し手数料単価も上昇した。手数料率の引上げ交渉にも力を入れていると言う。

(株)インベストメントブリッジ所感

葬儀、墓、仏壇といった同社のポータルサイトは、相談対応やコンサルが必要になるため、単なる価格比較サイトと異なる。また、紹介実績が増えれば、手数料率改定の余地も出てくる。人材の質的向上が不可欠となるが、法人営業も含めた営業力やコンサルタント力を強化したり、サイトの完成度を高めたりする事で成長力や収益力を強化できる。死亡者数を上回る紹介者数の伸びは、こうした取り組みが一部で成果をあげつつある事の証左であると考える事ができる。

【人事部を管掌】

17/1期より、人事部を清水社長が管掌する事となった。人事についてのお考えを伺った。

企業にとって人材の質はバランスシートには載らないが最大の資産であり、場合によっては負債にもなる。同社は中途採用を中心に新卒採用も行っているが、どのような人材価値を求めているのかについて明確に理解していないと組織とのミスマッチを起こしてしまい、資産ではなく、負債になりかねない。特に中途採用の場合、既に実績の出ている人材が組織の中間層かトップ層に入ってくるため、負債になった場合の弊害が大きいと言う。

(株)インベストメントブリッジ所感

同社のような成長著しい企業の人材採用には、優れた実績を有する方が応募されるが、同社の経営理念を理解し、実績を上げる事ができる方は多くないようだ。マザーズ上場を機に更に入社希望者が増えるだろうから、「どのような人材価値を求めているのか」を最も良く知る清水社長が直接タッチしようという訳だ。人材採用では、これまでも苦労が多かったようだ。

【新たな取り組み】

既存事業の深掘りに加え、新たな取り組みについてもお考えを伺った。

例えば、葬儀社は長年、死後の一瞬のタイミングにフォーカスしてマーケティング活動を行ってきた。病院営業はその一例だが、即時に検索ができるスマホの普及で、その戦術にハマる消費者は減ってくると言う。このため、高齢者の生前の意思決定に、いかにして介入するかが、今後の葬儀事業のポイントとなると言う。同社は、生前に受けるサービスである、「介護」、「成年後見」、「看取り」、「信託」等へ事業展開する事で高齢者の生前の意思決定に介入し、ユーザーの囲い込みを行っていく考え。

(株)インベストメントブリッジ所感

昨今、「遺族に迷惑をかけたくない」と言う高齢者の方が増えていると言う。こうした高齢者の意識の変化で、「ありがとう」を感じる場面が新たに生まれるはずだ。同社にとってビジネスチャンスである。

【株主還元】

同社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けており、経営成績及び財政状態を勘案して、利益還元を決定していく方針。ただ、現状では、当期純利益を計上しているものの、未だ内部留保が充実しているとは言えず、また、現在、成長過程にあると認識している事から、「内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等を優先し、なお一層の事業拡大を目指す事が株主に対する最大の利益還元につながる」としている。

このため、同社はこれまで配当をしておらず、17/1期も無配の予定である。これに対して、清水社長の回答は「本則市場への早期指定替えを目指しており、そのタイミングで株主還元を開始したい」と明確だった。

今後の注目点
弊社は「エンディングあるいはシニア向けの情報ビジネス」ではなく、「人と人とのつながりに『ありがとう』を感じる場面のお手伝い」というコンセプトでビジネスを行っています。「葬儀やお墓のサポート」を行う会社ではありません、と言う清水社長の言葉に、当初は戸惑いを感じたが、取材を終えて納得した。外部要因、自助努力の両面から既存のポータルサイト運営による成約報酬の成長余地は大きく、新たな取り組みに早急な成果を期待する必要はない。17/1期業績予想にしても、先行投資の規模いかんではあるが、前提としている紹介数の伸びや成約率の改善を考えると、かなり保守的なのではないだろうか。
株式会社インベストメントブリッジ
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