(6669:JASDAQ) シーシーエス 2016年7月期第2四半期業績レポート

2016/04/06

CCS

今回のポイント
・16年7月期第2四半期累計の売上高は前期比2.6%増収の34億64百万円。国内MV事業は計画通り進捗し増収。海外も、原油安などによる北米の減速を欧州がカバーして増収だった。営業利益は同0.4%増加の3億86百万円。海外MV事業は収益率が改善したが、国内MV事業でプロダクトミックスにより粗利率が低下、研究開発費の増加、テスティングルームの増加などもあり横這いだった。前期の為替差益が為替差損に転じたため、経常利益は減益となった。

・通期業績予想に変更はない。16年7月期の売上高は前期比12.2%増収の78億円の予想。MV事業、新規事業の両事業とも堅調に推移。販管費も増加するが粗利増で吸収し、営業利益は同19.0%増の9億2千万円を見込む。配当は前期と同じく20.00円/株を予定。予想配当性向は15.3%。(但し、A種優先株式も含めた予想配当性向は20%。)

・各務社長にインタビューしたところ、今期前半やや低調だった受注も上期終盤から好調になっており、受注残は前年同期比で2割ほど増加しているという。また原油安による設備投資先送りで減収だった北米も第3四半期より回復に向かっているそうだ。各務社長就任以来掲げている「ダントツトップシェアの回復」は、数値管理の徹底などきめ細かい営業行動改革、ものづくり力の底上げ、調達力の向上などにより着実に回復している。横這いにとどまった新規事業のレビューもほぼ終了したということで、デバイスビジネスを中心とした新規事業がどのように成長していくのかを注目したい。

会社概要

画像処理用LED照明のリーディングカンパニー。いち早くLED(発光ダイオード)に着目し、自動検査の際の光源として使われる画像処理用LED照明を様々な業界の生産現場に提供してきた。目視検査に代わる画像処理による自動検査技術は、現在、電子・半導体業界、三品(食品・医薬品・化粧品)業界、自動車業界など幅広く浸透しており、国内外で高いシェアを有する。連結子会社は、CCS America Inc.(米国)、CCS Asia PTE.LTD.(シンガポール)、CCS Europe N.V.(ベルギー)、及びCCS-ELUX LIGHTING ENGINEERING PVT.LTD.(インド)、東莞鋭視光電科技有限公司(Rsee)の5社。(2015年7月末現在)社名の「シーシーエス(CCS)」は「Creating Customer Satisfaction」の頭文字をとったもので、「“顧客満足の創造”を企業活動の原動力としたい」と言う思いが込められている。

【事業概要】

事業はLED照明事業の単一セグメント。同事業はMV(マシンビジョン)(画像処理用LED照明)事業と同分野で培った技術・ノウハウを活かした新規事業に分かれ、MV事業では電子半導体、太陽電池、二次電池、自動車、三品(食品、医薬品、化粧品)業界等を顧客としている。また、新規事業では、UV(紫外)硬化等に使われるUV照射器向け製品等も手掛けるほか、LEDデバイス、美術館・博物館用照明、メディカル、アグリバイオ照明等の開拓に取り組んでいる。地域別売上高は、日本58.1%、北米12.4%、欧州13.7%、アジア15.7%。(2015年7月期)

【沿革】

1992年5月、FA(ファクトリー・オートメーション)機器の設計・開発を目的に創業。翌93年にシーシーエス(株)として法人組織に改組した。その後、検査用画像処理装置の光源としてのLEDの優位性に注目し、画像処理用LED照明の開発に特化。94年1月に同社第1号製品「超高輝度LEDフラット照明機器(LFLシリーズ)の開発に成功し、販売を開始した。以後、目視検査から画像処理による自動検査へシフトする顧客ニーズを捉え、電子半導体、自動車、三品業界等を中心に事業が拡大。海外へも積極的に展開し、99年の米国子会社設立を皮切りに、04年11月にかけて、中国(駐在員事務所)、シンガポール、欧州に子会社を設立。この間の04年6月にJASDAQ上場を果たした。

05年4月には植物研究用LED照明ユニット「ISシリーズ」を開発し、同年6月には植物育成実験プラント(千葉県)が本稼動。栽培した野菜の販売やレストラン・カフェの運営に進出した他、08年12月には植物育成プラント事業を手掛ける(株)フェアリーエンジェル(10年9月に(株)フェアリープラントテクノロジーに商号変更)を子会社化し同事業を本格化した。しかし、同事業は先行投資負担が重く、またリーマンショックによる画像処理用LED照明の売上の落ち込みが重なった事もあり、09/7期、10/7期と2期連続で営業損失を計上。10/7期には早期退職優遇制度の実施などリストラを余儀なくされた。

早期の経営建て直しを目指し、10年9月に野菜の販売やレストラン・カフェの運営から撤退。12年には、3月に新規事業の一環として取り組んでいたコンシューマー向け事業(100W電球やデスクスタンド等)から撤退した他、4月には植物育成プラント事業からも撤退し、7月に(株)フェアリープラントテクノロジーを解散。一連の構造改革とMV事業のシェア奪回策、自然光LEDを応用した新規事業の立ち上がりなどで2013年7月期は大きく業績を回復。2014年1月には中国に合弁会社を設立。今期以降もアライアンスの強化、国内外でのシェアアップ、新規事業の育成等による成長軌道への本格回復を目指している。

【同社の強み】
ハード、ソフト、及びパッケージング(デバイス開発)を組み合わせて最適なライティングを実現

同社の画像処理用LED照明は機構設計、放熱、実装等のコア技術(多くの特許を取得)をベースに開発・生産され、標準品の製品ラインアップは1,400機種以上にのぼる。また、これまで蓄積してきた約50,000件の撮像実績を駆使して、見えないものを見えるようにする「ライティング技術」(光の当て方:ライティングソリューション)を提案できる点も同社の強み。ハード面でのコア技術とソフト面での「ライティング技術」、更にはLEDパッケージング(デバイス開発)における独自の技術とノウハウを組み合わせる事で比較優位を確立し、最適なライティングを実現している。
太陽光に限りなく近い波長を実現した自然光LED (後述)はこの強みを結集したもので、美術館・博物館用照明、メディカル、アグリバイオ、デバイス、UV照射器などへ事業領域の拡大を進めている。

1993年創業以来の画像処理用LED照明専門メーカーとしての実績

同社は、エリア実験室及びラインセンサ用実験室を完備し、数百種類・10,000台以上に及ぶ無料貸出機を準備する事で顧客の研究開発をサポートしている。ワーク撮像実績は約50,000件を数え、カスタム照明の設計・開発・製作の実績も約10,000種類に達する。

太陽光に限りなく近い波長を実現した自然光LED

07年11月、同社は山口大学との共同研究の下、「平均演色評価数(Ra)98」と言う業界最高レベルの演色性(太陽光のもとで見た時の色の見え方の差、Raの数値が高いほど太陽光に近い)を有する「自然光LED」の開発に成功した。これまでも、LED以外で自然光を謳った製品はあったが、長寿命・低消費電力のLEDを使った製品は同社が初めて。

太陽光に近い光を再現する「自然光LED」。
色の再現性を標準化・数値化した平均演色評価数において、「自然光LED」は業界最高クラスの“Ra98”(相関色温度:5000K)を達成。
「平均演色評価数 Ra 98」とは、JIS規格で定義された色を平均98まで再現できる光である。

自然光LEDの演色性の高さに対しては美術館・博物館から大きな関心が寄せられている。
絵画、仏像などの展示物が、電気による明かりが無かった時代に、朝昼夕の自然な光の中でどのように見えていたかを再現することができる。また、絵画、書といった保存に細心の注意が必要な展示物に優しい点も自然光LEDの大きな特徴である。
同社の自然光LEDは一般的な白色LEDと比べて突出したピーク成分を持たず、損傷性の高い紫外線や赤外線を含まないため、高演色性と低損傷性を兼ね備えている。また、パルス駆動(短い間隔で明滅させる。)させることにより肉眼での明るさは確保したまま、展示物への照射量を減らして損傷を低減させることもできる。同社は2013年7月「文化財保存修復学会 第35回大会」において、これらの検証、証明を発表し、文化財保存の領域での認知、信頼性を高めている。

他にも、顕微鏡用や目視検査用、或いは医療用(より正確な観察が可能)、ホテル、ホール、店舗用(太陽光の下での色味を確認できる)等、自然光LED搭載照明の商品化に注力している。

2016年7月期第2四半期決算概要
増収も投資増、為替差損などで経常減益

売上高は前期比2.6%増収の34億64百万円。国内MV事業は計画通り進捗し増収。海外も、原油安などによる北米の減速を欧州がカバーして増収だった。
営業利益は同0.4%増加の3億86百万円。海外MV事業は収益率が改善したが、国内MV事業でプロダクトミックスにより粗利率が低下、研究開発費の増加、テスティングルームの増加などもあり横這いだった。
前期の為替差益が為替差損に転じたため、経常利益は減益となった。

顧客の設備投資はやや足踏み状態だが、電子・電気半導体は一時期より回復している。新規案件の引き合いは活発だ。
中国の景気減速により、中国関連に減速感はある。
本厚木(神奈川)、淀屋橋(大阪)、サンノゼ(米国)にテスティングルームを開設し、顧客へのサポート体制を強化した。
引き続き訪問件数管理・案件進捗管理など顧客密着型の営業活動を継続している。
レンズ・カメラ等の周辺商材を含めたソリューション提案の取組みにより、受注機会が増加している
同業他社・周辺商材を取扱う企業とのアライアンスの取組みを継続している。
◎欧州

半導体市場の回復基調により、大手顧客向けの売上が増加した。現地で技術スタッフを増強し、顧客へのサポート体制を強化するとともに、特注対応のスピードアップを図り、大型案件獲得に注力した。

◎北米

エネルギー部門の低迷とドル高への懸念から、特に第2四半期は製造業の多くが設備投資を先送りしたが、新規案件の引き合いは継続している。西海岸にテスティングルームを開設し、現地ニーズを取込む体制を構築した。メキシコを含む中南米エリアでの営業活動に引続き注力している。

◎アジア

アジア向け売上のうち約6割を占める中国が景気減速でペースダウンした。シンガポールは堅調だった。

<デバイスビジネス>

継続案件は堅調に推移しており、そこから横展開した案件を開発中だ。医療分野で「自然光LED」の特性を活かした試作開発が複数進行している。米国で展示会に出展するなど本格的な海外展開に向けての準備も進めている。

<UVビジネス>

印刷業界向け高出力UV照射器の出荷を本格的に開始した。アライアンスによる商材を拡充したことで提案の幅が広がり、活動が活発化している。

<その他>

美術館向け大型案件が寄与した。アグリバイオの大型案件は下期以降にずれ込んだ

現預金、売上債権の増加などで流動資産は前期末比1億58百万円増加。固定資産は投資その他の資産の減少等で同73百万円減少。資産合計は同85百万円増加の67億49百万円となった。有利子負債が85百万円増加したが賞与引当金の減少等で負債合計はほぼ変わらず。純資産は利益剰余金の増加等で同82百万円増加した。この結果、自己資本比率は前期末の58.8%から0.5%上昇の59.3%となった。

営業CFは、利益減などでプラス幅が縮小。無形固定資産の取得などで投資CFのマイナス幅は拡大し、フリーCFのプラス幅も縮小した。前期にあった社債償還による支出が無くなり財務CFのマイナス幅は縮小した。キャッシュポジションは上昇した。

2016年7月期業績見通し
業績予想に変更無し。MV事業、新規事業共に堅調な伸びを見込み、2ケタの増収・増益予想。

業績予想に変更はない。売上高は前期比12.2%増収の78億円の予想。MV事業 同9.9%増、新規事業 同35.6%増と、引き続き両事業とも堅調に推移する。販管費も増加するが粗利増で吸収し、営業利益は同19.0%増の9億2千万円を見込む。前期は繰延税金資産の積み増し等で法人税等の負担率が低かったが、今期は通常の負担率を想定しているため、当期純利益は減益となる。
今期は前期と同じく20.00円/株を予定。予想配当性向は15.3%(但し、A種優先株式を含めた予想配当性向は20%)。
連結の配当性向は20~30%を目標としている。

(2)重点施策の実施状況

同社は、事業拡大に向け、地理的拡大として「MV事業の海外展開」、事業領域の拡大として「自社の強みを発揮できる事業領域への展開推進」、ソリューションの拡充として「事業連携による周辺機材を含むシステムソリューション提案の加速」を挙げており、各事業構成を以下の様に変化させていくことを目指している。

また、これを実現させるための重点施策としては、1.経営体質の強化、2.事業基盤の強化、3.開発力の強化と革新を掲げている。

事業基盤の強化では、先述のテスティングルーム増設のほか、アライアンスを引き続き積極的に推進している。

◎電源の専業メーカー京都電機器株式会社(京都府)と業務提携契約を締結(2015年9月)

京都電機器(株)は、電源装置を主体に画像処理照明装置、各種自動制御計測装置等を製造・販売。高出力電源のカスタム対応等に強みを持ち、高信頼性、高効率を誇る同社の電源装置は産業用途をはじめとしてあらゆる分野に幅広く使われている。
シーシーエスは、画像処理用照明開発で蓄積した技術とノウハウを応用し、樹脂の硬化やインクの乾燥などの工程で使用されるUV(紫外)硬化用LED 照射器の製品開発・販売にも取り組んでいるが、両社の強みを活かし、シーシーエスのUV(紫外)照射器用高出力電源を京都電機器が開発し、2015年9月より販売を開始した。

◎産業用カメラメーカー 株式会社シーアイエス(京都市)と産業用カメラを共同開発(2015年12月)

(株)シーアイエスは、マシンビジョンカメラ、セキュリティカメラ、放送品質カメラ及びイメージングシステムを開発から製造販売まで手掛けている。創業以来、最高レベルの技術、製品品質、画像品質を強みに業界をリードしている。

今回は、小型カメラの筐体にLED照明コントローラを内蔵し、カメラの供給電源を活用することで同軸ケーブル1本でLED照明とカメラを駆動させることができ、パソコンからの制御が可能な、「小型スマートライティングCoaXPressカメラ」を共同開発した。
「小型スマートライティングCoaXPressカメラ」は、カメラの露光タイミングとLED照明の発光タイミングを完全一致させたタイミングが簡単に設定できるほか、外部電源供給により、電力の大きな照明にも対応可能。
VGAから5Mまで5種類の解像度をラインナップ予定で、また、LED照明は、シーシーエスの豊富なラインナップから、検査シーンに合わせて選ぶことができるため、多くのアプリケーションに使用可能となっている。

また以下のような新製品の販売を開始している。

◎ストロボ・オーバードライブ電源 「PODシリーズ」 (2015年12月発売)

LED照明の細やかな調光コントロールを実現し、製造ラインの多様化に対応する。通常の調光機能に加え、更に明るく発光させることが可能なオーバードライブ機能を装備している。

◎照明調光機能付き画像処理用LED照明 「IUシリーズ」 (2016年1月発売)

欧米でニーズの高い、スマートカメラと一体でのコントロールに対応できる。スマートカメラとは、画像の撮影から画像処理まで行えるカメラのこと。同シリーズは、ケーブル1本で電力の供給が可能なLED照明である。

◎画像処理検査用LED照明 「UV2シリーズ」 ラインアップ拡充 (2016年2月発売)

従来品の3倍の放射照度を実現したナロータイプを6機種追加した。従来の照射範囲が広いワイドタイプと合わせて、全16種のラインアップとなる。

加えて、開発力の強化と革新においては、「新事業展開に結びつく技術シードの発掘」にも取組んでいる。
一例としては、「高出力化を実現する深紫外LED光源技術の開発」が挙げられる。

波長200~350nmの深紫外(Deep Ultraviolet: DUV)光は、高密度光情報記録、菌やウィルスの殺菌、飲料水・空気の浄化、生体・材料分析、院内感染予防、光線外科治療など、情報・電子デバイスから安全衛生、環境、医療応用に至るまで、幅広い分野でその重要性が増している。

従来、深紫外光源として、主に水銀ランプやエキシマレーザーなどのガス光源が使用されてきたが、ガス光源は寿命が短く、光源サイズ、消費電力も大きいことから、小型・低消費電力の半導体固体光源への置き換えが望まれている。さらに、水銀やフッ素といった人体や環境に有害な物質の削減に向けた国際的な取り組みが加速しており、低環境負荷で高効率、長寿命な深紫外発光ダイオード(LED)の実用化が強く望まれ、世界中で研究開発が進んでいる。

産学官で連携した情報通信技術の開発を目的とする独立行政法人「国立開発研究法人 情報通信研究機構(NICT)」では深紫外LEDに関する研究開発を行っているが、この研究開発は独立行政法人科学技術振興機構の研究成果展開事業A-STEP(産学共同促進ステージ(ステージII)シーズ育成タイプ)に採択されている。
シーシーエスは、NICTの井上振一郎氏との共同開発を進めており、高出力深紫外LEDの実用化を目指している。

今後の注目点
各務社長にインタビューしたところ、今期前半やや低調だった受注も上期終盤から好調になっており、受注残は前年同期比で2割ほど増加しているという。
また原油安による設備投資先送りで減収だった北米も第3四半期より回復に向かっているそうだ。
各務社長就任以来掲げている「ダントツトップシェアの回復」は、数値管理の徹底などきめ細かい営業行動改革、ものづくり力の底上げ、調達力の向上などにより着実に回復している。
横這いにとどまった新規事業のレビューもほぼ終了したということで、デバイスビジネスを中心とした新規事業がどのように成長していくのかを注目したい。
株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
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