(2179:JASDAQ) 成学社 2016年3月期第3四半期業績レポート

2016/03/16

Seigakusya

今回のポイント
・16/3の第3四半期の業績は、ほぼ計画通りに推移している。第2四半期までクラス指導部門の売上高が計画を下回ったこと、その他の部門に含まれる保育園の開園が遅れたことや、学校法人等への派遣事業が苦戦したが、第3四半期ではその出遅れを戻し、売上高は前年同期比2.2%増の80億99百万円となった。11月時点のグループ総数は、前年同月比横ばいの25,545人となった。教室展開に係る費用および教室運営費用は圧縮できたが、事業拡大に伴う人件費が増加し、営業利益は前年同期比6.2%減の6億7百万円となった。減損損失の減少等から当期利益は同17%増の3億71百万円となった。・16/3期通期業績予想に変更はない。売上高は前期比5.9%の増収、新規事業の立ち上がりによる費用増加により9.1%営業減益を計画している。配当は前期に比べ0.30円/株増配の9.80円/株とする。

・第2四半期までの遅れを取り戻す決算だった。クラス指導部門の事業環境は引き続き厳しいようだが、個別指導部門が全国展開に向けて、堅調に推移しており、今後も期待できよう。短期的には季節要因で減益となる第4四半期でどれだけ持ちこたえるか?、中長期的には幼児教育から大学入試までの一貫サービスのシナジー効果がどのように現れるのか?を注目していきたい。

会社概要

大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。2015年4月には、乳幼児から未就学児を対象にした保育園事業を開始した。また、子会社において、英会話教室、学習塾の運営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢、2015年12月に子会社化した(株)global bridge 大阪の連結子会社3社。

<沿革>

1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には奈良県へ教室展開。15年3月には、徳島県、香川県にFC教室を開校し、四国にまで教室展開を拡大した。15年4月には、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」を開園し、乳幼児から未就学児までを対象とする保育園事業を開始した。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システム アイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックス(13年に当社を存続会社として吸収合併)を設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタートした。11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビー(13年に子会社アプリスを存続会社として吸収合併)を連結子会社化した。また、15年12月には、認可保育所を運営する(株)global bridge 大阪の全株式を取得し、連結子会社化している。
03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在2店舗を運営している。

<事業内容>

事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ97.9%、0.5%、1.6%(15/3月期)。

教育関連事業

クラス指導部門では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」、「京大セミナー」、「サンライトアカデミー」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「個別教育システム アイナック」のほか、高校生以上を対象にインターネットを通じた授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開。その他の指導部門では、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」の運営、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」の運営を行っている。

飲食事業

大阪市内に飲食店舗を2店舗運営している。

不動産賃貸事業

不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。

<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>

学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、ICT時代に対応できる授業コンテンツの提供も含め、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。

2016年3月期第3四半期決算概要
個別指導部門が堅調だったものの人件費増などで増収・営業損失

第2四半期までクラス指導部門の売上高が計画を下回ったこと、その他の部門に含まれる保育園の開園が遅れたことや、学校法人等への派遣事業が苦戦したが、第3四半期ではその出遅れを戻し、売上高は前年同期比2.2%増の80億9百万円となった。11月時点のグループ総数は、前年同月比横ばいの25,545人となった。教室展開に係る費用および教室運営費用は圧縮できたが、事業拡大に伴う人件費が増加し、営業利益は前年同期比6.2%減の6億7百万円となった。減損損失の減少等から当期利益は同17%増の3億71百万円となった。

(教育関連事業)

クラス指導部門の生徒数は前年同月比2.7%減の9,611名となったが、個別指導部門の生徒数が堅調に推移したことから、売上高は前期比2.6%増の79億59百万円となった。一方で、教室展開に係る費用および教室運営費用は圧縮できたが、事業拡大に伴う人件費が増加し、営業利益は前年同期比0.6%増の9億6百万円となった。

「クラス指導部門」
クラス指導形態の市場は厳しい状況にあることから、クラス指導部門のグループ生数は前年同期2.7%減の9,611名となった。塾生募集策の強化など、入塾生数は回復傾向にあるものの、前年同月比では微減する傾向は続くものと考えられる。

「個別指導部門」
主力ブランド「個別指導学院フリーステップ」は大学受験に強い、点数アップに強い点が支持され高校生を中心に引き続き評価をうけている。生徒数も前年同期1.9%増の15,654名となっており、堅調に推移している。

「その他の指導部門」
前期末に英会話塾を1教室閉鎖したこと、保育園の開園時期の遅れ、こどもスクールの伸び悩みから生徒数は減少した。

(不動産賃貸事業)

テナント賃料は前年とほぼ同水準だったことから、売上高は前期比横ばいの39百万円、セグメント利益(営業利益)も前期比横ばいの34百万円となった。

(飲食事業)

前期に不採算の2店舗閉鎖したことで売上高は前期比21.5%減の100百万円、セグメント損失(営業損失)は大幅に改善し、2百万円の赤字となった。

営業未収入金の増加により、流動資産は前期末比6億1百万円増加。固定資産は有形固定資産の増加により、同35百万円増加し、資産合計は同6億37百万円増加の70億58百万円となった。短期借入金や前受金および未払法人税等の増加、賞与引当金、仕入債務等の減少等により流動負債は5億3百万円増加、長期有利子負債の増加などで固定負債が同1億7百万円増加したことで、負債合計は同6億11百万円増加の46億69百万円となった。利益剰余金の増加と自社株取得により純資産は同25百万円増加の23億88百万円となった。この結果、期末の自己資本比率は前期末比3.0%低下し、33.8%となった。

2016年3月期業績予想
業績予想に変更無し。5.9%増収、9.1%営業減益

堅調な個別指導部門に加え、第2四半期の塾生募集の遅れを取り戻しており、通期の予想の変更はしておらず、売上高は前期比5.9%増加の109億98百万円を見込んでいる。保育園の立ち上げ、給与水準の見直し等による人件費の増加に加え、求人募集、広告宣伝も積極的に行うことから、営業利益は同9.1%減の4億47百万円の予想。経常利益は認可保育所の補助金収入を見込み、同3.0%増の4億83百万円の予想。配当は前期に比べ0.30円/株増配の9.80円/株の予定で、予想連結配当性向は24.6%。

(教育関連事業)

クラス指導部門は厳しい事業環境を反映して、塾生数の減少が続いている。一人当たり単価が上昇傾向にあることから、売上高は横這いを見込んでいる。
個別指導部門はブランド力アップによるフリーステップの訴求力を高めており、売上高、塾生数ともに前年を上回る見込み。
その他の指導部門は今期初より開始した「かいせい保育園」、「かいせいプチ保育園」の寄与を見込み増収を予想。

(不動産賃貸事業)

テナント入居状況に大きな変動は見込んでおらず、前年並みの売上高を予想。

(飲食事業)

前期において収益改善が見込めない店舗を閉鎖し、既存2店舗の運営に注力。収益環境の改善を図る。

(3)教室展開

直営教室の新規開校は8拠点、閉鎖はクラス指導部門の4拠点を含む計5拠点を計画しており、期末拠点数は220拠点で前年比3拠点増加、FC教室は期末拠点数13拠点で前年比3拠点増を見込む。
保育園事業は2015年4月に「かいせい保育園」1か所、「かいせいプチ保育園」3か所の計4か所を開園。
自治体の認可保育所募集には積極的に応募し、「かいせいプチ保育園」の拡大を図る。

中期成長戦略及び今後の展開

中期目標として「連結売上高150億円、グループ塾生数3万人」を掲げている。
売上拡大のためには、M&Aや営業エリアの拡大、塾生数増加のためには、既存ブランドの成長と顧客層の拡大を進める。

◎外部環境など

現在の中学1年生が高校3年生になる2020年実施分から大学入試センター試験が「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に変更され、知識の量ではなく、思考や判断など知識の活用力を問うものとなる。
加えて、大学受験合格者に占める現役生比率は8割を超えており、受験環境が大きく変化する中、高校在学中に学力を向上させる学習塾の役割は今後も益々高まっていくものと思われる。
ただ、学習塾業界全体の生徒数は横這いの中、大手のシェア拡大が続いており、水平戦略、垂直戦略を合わせていかにして効果的なマーケティングを展開するかが重要な課題となっている。

◎東京での展開を加速

東京へ進出して4年半が経った現在15拠点(うちフランチャイズ1拠点)展開している。フリーステップの問い合わせは増加し、ブランドは確実に浸透している。今後の成長力に期待している。

◎保育園事業

少子化の進行を背景とした事業領域拡大の必要性と、待機児童解消という社会的要請の両面から、保育園事業の拡大に注力する。
2015年4月大阪府内に、知育特化型保育園「かいせい保育園」1か所と小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」3か所を開設した。
事前説明会での保護者の反応は良好で、低年齢層からの同社グループの認知度向上を図り、近隣教室への通塾のきっかけにもしたいと考えている。
小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」に関しては、年間4~5か所の開設を目指している。定員20名未満の小規模保育所のみでなく、定員60名の通常の保育所の開設・運営も進めて行く。

今後の注目点
第2四半期までの遅れを取り戻す決算だった。クラス指導部門の事業環境は引き続き厳しいようだが、個別指導部門が全国展開に向けて、堅調に推移しており、今後も期待できよう。短期的には季節要因で減益となる第4四半期でどれだけの持ちこたえるか?、中長期的には幼児教育から大学入試までの一貫サービスのシナジー効果がどのように現れるのか?を注目していきたい。
株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

コラム&レポート Pick Up