(9616:東証1部) 共立メンテナンス 2016年3月期第3四半期業績レポート

2016/03/02

kyoritsu

今回のポイント
 
・16/3期3Q累計決算は前年同期比23.7%増収、29.8%経常増益。寮事業の期初稼働率は、前年比0.1ポイント増の97.3%と好調なスタート。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業ともに高稼働にて推移したことに加え、客室単価も上昇し、大幅増収増益。その他の事業ではホテル開発の受注増加に伴いデベロップメント事業が大幅な増収増益となった他、事業規模の拡大と効率化に伴い採算性が向上したPKP事業などが牽引した。

・通期予想は売上高が前期比19.4%の増の1,316億円、経常利益は同23.1%増の94億30百万円を見込む。2Q決算発表時の11月に売上高で99億円増、経常利益では15億80百万円増の大幅な上方修正があり、今回は修正なし。配当は年50円(うち上期25円)を予定、2015年3月31日を基準日として1:1.2の株式分割を行っており、実質10円の増配(実質20%増配)となる。

・これまでの好調を持続した決算。3Q累計の通期予想に対する進捗率は売上高、経常利益、純利益とも前年同期を上回っており、上乗せ余地がありそうだ。経常利益は中期計画の2年前倒し達成の可能性も高まり、まさに「フルアクセル」。着実に伸ばす寮事業と急激に伸びるホテル事業が好対照。寮事業・ホテル事業以外のその他事業全体の営業利益が黒字転換した。特になかなか浮上してこなかったPKP事業が急激に改善しており、今後に期待したい。外部環境に大きな変化が生じない限り、今後も高成長が持続するだろう。

 
会社概要
 
“ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する”と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。
事業の種類別セグメントと売上構成(15/3期)は次の通りである。
 
 
【沿革】
設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。
 
 
新中期経営計画「共立フルアクセル・プラン」:16/3期~18/3期の3ヶ年計画
 
5月に新たな中期計画として、「共立フルアクセル・プラン」を策定した。
経営環境
・異次元緩和による低金利及び円安の継続
・建築費の高止まり
「日本再興戦略」改訂2014
・観光資源の活用/インバウンド促進
・大学改革/グローバル化
・法人税率の段階的な引き下げ
・コーポレートガバナンスコードの策定
将来のイベント
・2017年4月消費増税(8%→10%)
・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催
 
 
基本方針として
1. お客様のニーズに応えるべく、開発投資を集中的かつ積極的に加速
2. 価値と価格のバランス適正化による収益力の強化
を掲げている

開発室数は寮・ドミールで4,930室、ドーミーインが2,794室、リゾートホテルは641室。
 
 
 
ホテル事業の客室単価については、過去3年間の平均でドーミーインは5.3%の上昇、リゾートホテルでは6.1%の上昇率であったが計画上ではそれぞれ2.7%、2.3%の上昇を見込んでいる。尚、中期計画期間中の設備投資は3年累計で440億円を見込む。
 
 
2016年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比23.7%の増収、同29.8%の経常増益
売上高は前年同期比23.7%増の997億2百万円。寮事業における期初稼働率は、前年比0.1ポイント増の97.3%と好調なスタートとなった。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に国内旅行者やインバウンド需要の増加が引き続き追い風となり、高稼働にて推移した。その他の事業についてもデベロップメント事業やPKP事業などが牽引し大幅増収、寮事業・ホテル事業以外のその他事業全体で黒字転換した。売上総利益率は0.7ポイント低下したものの、販管費率が1.2ポイント低下し、営業利益率は0.5ポイント上昇した。この結果、営業利益は前年同期比31.8%増の85億86百万円、経常利益は同29.8%増の80億73百万円、四半期純利益は同31.4%増の52億円56百万円。これまでの流れを継続し前年同期を大きく上回る増収増益となった。
 
 
営業利益率は前年同期比0.5ポイント上昇の8.6%。創業以来、寮事業を主力とし安定成長。寮事業で培ったノウハウを活かしホテル事業を展開してきたが、成長著しいホテル事業が利益率の改善も顕著である。その他の事業の黒字転換も貢献した。
 
寮事業
売上高は前年同期比4.4%増の322億26百万円、営業利益は同9.0%増の42億37百万円。期初稼働率は97.3%と前年を0.1ポイント上回る水準でのスタート。12月末現在の稼働契約者数は31,652人で前年同期比1,710人増加。
学生寮事業では海外からの留学生が増加したこともあり堅調に推移した。加えて、社員寮事業において企業の採用人数の増加や、新たに寮制度を導入する企業が増加したことにより大幅に契約数が増加した。また、費用面では1棟単位での徹底したコストコントロール等の実施等により、寮事業の利益率は13.1%と前年同期を0.5ポイント上回った。
 
 
ホテル事業
売上高は前年同期比12.9%増の403億59百万円、営業利益は同22.0%増の57億円。ドーミーイン事業、リゾートホテル事業いずれも高い稼働率で推移したことに加え、客室単価も上昇した。これらは利益率上昇にも貢献する。営業利益率は14.1%と前年同期比1.0ポイント上昇した。
 
ドーミーイン(ビジネスホテル)事業
今期は12月までで、「天然温泉 錦鯱の湯 ドーミーインPREMIUM名古屋栄」、「徒士の湯 ドーミーイン上野・御徒町」、「天然温泉 幸鐘の湯 ドーミーイン東室蘭」の3棟がオープンした。また、既存の事業所においても韓国、台湾を主としたインバウンドの増加のみならず国内旅行者の強いニーズを受けた。前年同期を大きく上回る高稼働・高客室単価にて推移し、収益を大きく押し上げた。海外では、「Dormy Inn PREMIUM SEOUL Garosugil(カロスキル)」が宿泊予約サイト「Booking.com」の韓国サイトにて新規ホテル部門第1位に選出され、韓国マーケット内においても好評を得た。
 
リゾート(リゾートホテル)事業
今期は12月までで、「カムイの湯 ラビスタ阿寒川」、「ラビスタ富士河口湖」、「箱根湯本温泉 月の宿 紗ら」の3棟がオープンした。11月に箱根山の噴火警戒レベルが引き下げられたことにより、箱根地区の事業所は12月単月では前年同月に迫る稼働率となった。エリア別で若干の強弱はあるものの、全体では前年同期を上回る高稼働・高客室単価にて推移した。また、稼働状況に応じた柔軟な人員配置を実施することにより、稼働率の変化に対応したコスト管理を実施した。
 
その他の事業
売上高は前年同期比39.8%増の330億87百万円、営業利益5億45百万円(前年同期は2億37百万円の損失)。
総合ビルマネジメント事業は売上高101億67百万円(前年同期比21.0%増)、営業利益2億55百万円(同118.1%増)。前期取得した賃貸物件の通年寄与及びビルマネジメント部門の案件増加に伴い増収増益となった。
フーズ事業は売上高42億18百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益16百万円(同20.0%減)。新規出店により増収となったが、新規出店費用等の影響により減益となった。
デベロップメント事業は売上高99億26百万円(前年同期比114.1%増)、営業利益3億70百万円(同309.0%増)。開発原価は依然として高止まりの状況が続いているが、ホテル開発の受注増加に伴い増収増益となった。
その他事業は売上高87億75百万円(前年同期比32.2%増)、営業損失98百万円(前年同期は4億66百万円の損失)。PKP事業の拡大と効率化に伴う採算性改善が主因で増収、損失は大幅に縮小した。
 
 
第3四半期の総資産は前期末比51億90百万円増の1,449億41百万円となった。主な要因は土地の増加などによるもの。
負債は同53億44百万円減の874億92百万円となった。主な要因は、転換社債型新株予約権付社債の減少などによるもの。
純資産は同105億35百万円増の574億48百万円となった。主な要因は、資本金、資本剰余金、利益剰余金の増加などによるもの。
自己資本比率は39.6%となり、前期末比6.0ポイント増加した。
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
前期比19.4%の増収、同23.1%の経常増益予想
通期予想は売上高が前期比19.4%の増の1,316億円、経常利益は同23.1%増の94億30百万円を見込む。2Q決算発表時の11月に売上高で99億円増、経常利益では15億80百万円増の大幅な上方修正があり、今回は修正なし。
配当は年50円(うち上期25円)を予定している。尚、2015年3月31日を基準日として1:1.2の株式分割を行っており、実質10円の増配(実質20%増配)となる。
 
 
今後の注目点
これまでの好調を持続した決算。3Q累計の通期予想に対する進捗率は売上高で75.8%、経常利益で85.6%、純利益では97.0%に達している。前年同期73.1%、81.2%、91.2%をそれぞれ上回っており、11月の修正後予想は更なる上乗せ余地がありそう。懸案であった箱根地区のリゾートホテルについても、11月20日に警戒レベルが引き下げられ、回復している模様。中期計画で目指す18/3期経常利益100億円の2年前倒し達成の可能性も高まった。まさに「フルアクセル」である。
寮事業、ホテル事業とも好調に推移している。コストコントロールを徹底させ、着実に伸ばす寮事業。相次ぐ新規開業に伴う費用負担をこなしながらも利益率は上昇させ、急激に伸びているホテル事業。主力2事業が好対照。また、寮事業・ホテル事業以外のその他の事業も全体で黒字に転換した。特になかなか浮上してこなかったPKP事業が急激に改善しており、今後に期待したい。外部環境に大きな変化が生じない限り、今後も高成長が持続するだろう。

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