(2675:東証2部) ダイナック 2015年12月期業績レポート

2016/02/24

dynac

今回のポイント
・15/12期は前期比3.9%の増収、同16.2%の経常増益。既存店売上高が同101.4%と堅調に推移する中、新たに出店した17店舗や業態変更した4店舗が順調に立ち上がった。食材の共通化等による食材価格上昇の影響軽減や、省エネ活動の推進による光熱費削減や店舗管理コストの適化等で収益性も改善し、営業利益が同15.7%増加した。期末店舗数は260店舗。

・16/12期は前期比3.1%の増収、同18.4%の経常増益予想。既存店売上高は同100.5%を想定。バーレストランで同100.4%と堅調な推移を見込んでいるが、天候の影響を受けやすいゴルフクラブレストランは同98.7%と慎重。20店舗の新規出店と7店舗の閉店を計画しており、期末店舗数は273店舗となる見込み。配当は1株当たり2円増配の年12円を予定している。

・サントリーのブランド力もあり、料理、サービス、及び店の質の高さを訴求しやすい事が同社の強みであり、節約志向が強い一方で、こだわり志向も強い、昨今の消費者ニーズをうまくとらえている。顧客会員カードでも他社に先行しており、運用ノウハウの蓄積が進んでいる。このため、既存店が堅調に推移しており、特徴のある業態開発と相まって業態変更した店舗や新店の立ち上がりも順調だ。今期スタートした中期経営方針による更なる進化に期待したい。

会社概要

サントリーグループが展開する外食事業の中核企業。企業理念は”食の楽しさをダイナミックにクリエイトする”。「飲み、食べ、会話を楽しみ、憩う場所の提供を通じて、より豊かな生活の実現に貢献したい」という思いの下、洋風から和風、レストランタイプからバータイプ、更には中間的なパブタイプまで、多様な業態を展開。また、レストランやバー等の運営で培ったノウハウとブランド力を活かし、各種レジャー施設のレストランの受託運営も手掛けており、15年12月末現在、首都圏・京阪神地区を中心に260店の店舗ネットワークを有する。この他、サービスエリアでの売店運営やおせち料理及びサマーギフトの販売等も行っている。

【事業の特徴】

形態別の売上構成は(15/12期実績)、レストラン・バー事業89.9%、ケータリング事業2.7%、及びその他事業7.4%。切り口を変えると、約50業態に及ぶ都心部飲食店(レストラン・バー)の直営ビジネスが約70%、ゴルフ場レストランやレジャー施設・文化施設・サービスエリア内の飲食店の運営受託及びパーティ・ケータリングの受託ビジネスが約30%。
また、レストラン・バー事業では、「倶楽部ダイナック(会員カード)」による顧客の囲い込みにも取り組んでいる。「倶楽部ダイナック」は入会金・年会費無料で、入会すると飲食100 円毎に10 ポイントが付与され、3,000 ポイントで3,000 円分の食事券と交換できる等の特典がある。ちなみに、15/12期の会員向け売上高は85億円と売上高全体の約23.5%を占めた(15/12期末の会員数は25万人)。

【ダイナックの強み】
・巨大な外食市場において「多彩な業態+受託事業」を展開する優良な“事業ポートフォリオ”
・「おいしい料理と最高のドリンク」を軸に「高付加価値空間の提供」を行う“信用力とブランド力”
・「業態開発力」、「機敏な業態転換力」を背景とした“業容拡大力・出店力”
【CSR(Corporate Social Responsibility)への取り組み】

同社は、品質管理と環境を中心にCSR活動にも取り組んでいる。「飲食業にとって最も重要なことは、品質管理」との考えの下、本社、大阪オフィスに衛生検査室を設け、定期的に仕入れ食材の検査・店舗衛生管理のチェックを行うと共に、衛生講習会による従業員への教育・指導を行う事で、品質管理、衛生管理の徹底を行っている。また、「環境委員会」を設置すると共に「環境方針」を掲げ、様々な環境活動にも取り組んでいる他、従業員の環境意識を向上させるため、e-ラーニングやセミナーを実施している。

店舗紹介
(1)ブランドを推進する戦略業態(顧客ニーズに沿って継続的にブラッシュアップ)

素材を活かした料理をハイグレードな空間の中で提供する和風業態の「響」、「燦」。色々な鳥料理をオシャレな雰囲気の中で堪能できる「鳥どり」、自店製生パスタが好評の本格的かつカジュアルなイタリアンレストラン「パパミラノ」、英国伝統の本場パブを再現した「ザ・ローズ&クラウン」の4業態がブランド推進のための戦略業態。顧客ニーズに沿って継続的にブラッシュアップしている。

(2)ブランド化を念頭に店舗展開を進める個性ある業態

ブランド化を念頭に店舗展開を進めている業態として、和風業態では鮮度抜群の魚介類を毎日提供している海鮮酒場「魚盛」、高付加価値小型新業態店「とりやき 源氣(げんき)」、バーボンの魅力を追及する熟成肉バル「THE AGINGHOUSE 1795」、”高品質のハイボールが気軽に味わえるバル「HIGHBALL’S ハイボールズ」、ワインバル&ビストロ「ワイン倶楽部」等を展開している。

海鮮酒場「魚盛」
成長ドライバーとして期待される戦略業態。「新鮮。安い。旨い」漁港直送の鮮魚酒場で、漁場直送の刺身盛は人気の看板アイテム。その他、魚介の旨味がギュッと詰まったボリューム満点の自家製海鮮シューマイなど美味しくてリーズナブルな海鮮料理を堪能できる。カジュアルタイプ、ゆったり居酒屋タイプ、地産地消タイプと、業態の強みを活かしつつ、ロケーションに応じてタイプも色々。
関東13店舗、関西2店舗(2016年2月18日、「魚盛 本町店」オープン)
高付加価値小型新業態店「とりやき 源氣(げんき)」
新鮮な丸鶏を捌いて、そのまま焼き上げた串に刺さないやきとり「とりやき」と、特製サングリアやワイン、或いは各種の日本酒を楽しむ事ができる。サングリアとはワインに果実を漬け込んだアルコール飲料。
関東3店舗
熟成肉バル「THE AGINGHOUSE 1795」
「ジムビーム」のフラッグシップ店として、ビーム社創業の年である1975年が店名の由来。また、”熟成”を経て生まれるバーボンと、同店おすすめの”熟成肉”を表現するため「AGING HOUSE」と命名した。「ジムビーム」の貯蔵庫をイメージした店内は、レンガや実際にバーボンの熟成に使われた樽を使い、落ち着いた雰囲気。
関西2店舗
旬素材で楽しむ日本の四季「虎連坊(とられんぼう)」
コンセプトは「季節の”うまい”をつまみにゆっくりと好きなお酒を嗜む大人の和食居酒屋」。1998年3月に1号店がオープンし、14/12期以降、好立地店の「虎連坊」への業態変更を進めている。日本酒を中心にした飲み物と料理の提案が、新しい客層の獲得につながっている。
関東4店舗
世界的に有名な“ふわふわオムレツ”のカジュアルフレンチレストラン「ラ・メール・プラール」
フランス西海岸サンマロ湾上に浮かぶ小島に築かれた世界遺産「モン・サン=ミッシェル」。「ラ・メール・プラール」の創業者である“プラールおばさん(Madame Annette Poulard)”は、1888年に「モン・サン=ミッシェルに宿屋を開き、およそ700ものレシピを完成させた。その中でも有名な看板メニューが、メレンゲを食べているかのような味わいの「ふわふわオムレツ」である。
関東、中部各1店舗
2015年12月期決算
4期連続の増収増益

売上高は前期比3.9%増の361億34百万円。前期ほど天候要因による落ち込みがなかった事と倶楽部ダイナック(顧客会員カード)による販売促進活動の成果で既存店売上高が同101.4%と堅調に推移する中、新たに出店した17店舗や業態変更した4店舗も順調に立ち上がった。

利益面では、食材の共通化等による食材原価の抑制や省エネ活動の推進による光熱費削減等の店舗管理コストの最適化が成果を上げ、売上総利益率が13.0%と0.5ポイント改善。採用・教育研修等の人材育成関連費用、倶楽部ダイナックポイント引当繰入額、及び経営管理システム刷新に伴う関連費用等の増加による販管費の増加を吸収して営業利益が9億40百万円と同15.7%増加した。有利子負債の削減が進み営業外損益が改善した他、税制改正による法定実効税率の引き下げに伴う繰延税金資産の取崩しもあり、最終利益は3億41百万円と同22.9%増加した。

天候不順の影響があった前年と比べて穏やかな日が多かった事に加え、倶楽部ダイナックによる販売促進活動等の成果もあり、既存店売上高が前年同期比101.4%と堅調に推移。内訳は、客数が同102.6%、客単価が98.8%。業態別では、バーレストランが100.3%(客数101.0%、客単価99.4%)、ゴルフクラブレストランが102.7%(103.6%、99.2%)、その他103.7%(104.6%、99.1%)。

出店・業態変更・閉店をほぼ計画どおり実施した結果、期末店舗数は260店舗(業務運営受託店舗6店除く)と前期末に比べて9店舗増加した。漁港直送の新鮮魚介をリーズナブルな価格で提供する海鮮居酒屋「魚盛」やワインを気軽に楽しむ事ができる「ワイン倶楽部」等のバーレストラン9店舗、ゴルフクラブレストラン7店舗、及びその他受託1店舗の計17店舗を新規出店する一方、8店舗を閉店。この他、既存の4店舗を新業態の「MASTER’S DREAM HOUSE」や、新たなチャレンジである都心型イタリアン「ヴィッラ ビアンキ」等に業態変更した。
「ヴィッラ ビアンキ」は、長年ワインの取引があるイタリア食材・ワイン商社のモンテ物産(株)、及びイタリア中部マルケ州リーディングワイナリーのウマニロンキ社との提携による事業。2015年11月26日に1号店「丸の内OAZO店」を、「Papa Milano」からの業態変更によりオープンした(2016年2月下旬、新宿に2号店をオープンする予定)。

新たに受託したゴルフクラブレストラン(7店舗)

シーダーヒルズカントリークラブ(岐阜県関市)、額田ゴルフ倶楽部(愛知県岡崎市)、高岡カントリ倶楽部(富山県高岡市)、小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫県小野市)、アイランドゴルフガーデン加賀(石川県小松市)、室蘭ゴルフ倶楽部(北海道室蘭市)、島根ゴルフ倶楽部(島根県出雲市)。アイランドゴルフガーデン加賀、室蘭ゴルフ倶楽部、及び島根ゴルフ倶楽部は、約20のゴルフ場を運営する(株)アイランドゴルフ傘下のゴルフ場。

岐阜県大野町「道の駅 大野(仮称)」の指定管理予定者に決定

岐阜県大野町が計画している「道の駅大野(仮称)」の指定管理予定者に決定した(正式には町議会の決定が必要なため、現在は「指定管理予定者」との位置付け)。現在、道の駅は全国に1100か所程度あるが、地域の振興を目的に興味を示す地方自治体は多く、施設数が増加傾向にある。同社は、2013年7月に開業した茨城県大級の道の駅「道の駅 こが」を指定管理者として運営しており、地元野菜の直売所の設置や古河野菜の玄米サンド等、地元のPRを兼ねた企画が、旅行者、地元の双方から評価されている(直近の売上高は前年比19%増)。この実績を活かして更に受託施設数を増やしていく考え。

期末総資産は、ほぼ前期末と同水準の137億90百万円。CFに優れたビジネスのため現預金残高の水準は抑えられているが、有利子負債が減少する中で現預金や純資産が増加する等で財務体質の強化が進んだ。自己資本比率が29.4%と前期末に比べて3.5ポイント、投下資本利益率(ROIC)が9.4%と同1.2ポイント、それぞれ改善した。

営業CFは、税金費用の増加等で前期実績を下回ったものの、14億48百万円を確保した。新規出店・改装や経営管理システム刷新等で投資CFのマイナスが拡大したものの、7億63百万円のフリーCFを確保した。財務CFがマイナスになったのは、借入金の返済と配当の支払いによる。

*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。

ROEが継続的に改善しており、15/12期は8.94%にまで高まった。堅調な既存店と業態開発力を活かした新規出店及び業態変更により、11/9期以降、増収基調を続けている事、そして、コスト削減と業務能率化で収益性の改善も続いている事(営業利益率:10/9期1.8%→15/12期2.6%)がその要因である。一方、有利子負債は、10/9期末の63億63百万円から16億25百万円(15/12期末)に減少している。レバレッジに頼らず、自己資本を充実させながらROEを改善させている事も特徴である。

中期経営方針(16/12期~18/12期)と目標に向けた取り組み
【15/12期に終了した中期経営計画の総括】

15/12期に終了した中期計画(13/12~15/12期)では、(1)高付加価値業態の確立・強化、(2)受託ビジネスのノウハウ蓄積、及び(3)ダイナックブランドの醸成、の3つの課題に取り組んだ。

(1)高付加価値業態の確立・強化では、専門性の高い高付加価値業態へのシフトを加速し、優良メニューやサービスの水平展開を戦略的に進めた。(2)受託ビジネスのノウハウ蓄積では、3年間でゴルフ倶楽部14件、道の駅1件を受託。参入障壁の高い特徴的な運営が必要な分野だが、同社は実績を着実に積み上げ、ノウハウの蓄積も進んだ。また、スケールメリットによる効率化でも成果をあげた。(3)ダイナックブランドの醸成では、「倶楽部ダイナック」を軸に、顧客へのダイナックブランドの訴求を推進した。

上記取り組みの結果、売上高は12/12期の332億円から361億円(年率2.8%増)に、経常利益は6億円から9億円(1.5倍、経常利益率が0.7ポイント改善)に、それぞれ増加。財務面では、店舗数が、241店舗から260店舗に増加する中で、ネット有利子負債が41億円から16億円に減少し、DEレシオが1.14倍から0.25倍に低下した。

【中期経営方針(16/12期~18/12期)と目標に向けた取り組み】
想定する事業環境

18/12期にかけての3年間は総じて強い経済が続くと想定している。その中で、消費者ニーズの多様化・成熟化とインバウンド需要がビジネスチャンスになると考えている。一方、リスク面では、為替変動等による食材等原材料価格やサービス業の人材採用難に加え、社会保険加入要件緩和(2016年10月~)、外形標準課税の税率改正(15年度、16年度と2段階での引上げ)、消費税増税(2017年4月~)といった制度改正を挙げている。

中期経営ビジョン  ”選ばれる”ブランドへ

商品力×技術力×サービス力 = 『最高品質』、を徹底追求し、全てのステークホルダーのロイヤルティ確立を目指す。

中期経営方針 成長に向けた基盤づくりを経て、安定かつ着実な成長の実現へ
中期経営方針のキーポイント(目標達成に向けた取り組み)

中期経営方針のキーポイントは、(1)出店の加速と高付加価値業態へのシフト、(2)実績とノウハウを武器とした受託ビジネスの拡大、及び(3)運営基盤の強化の3点。15/12期に終了した中期経営計画の取り組みを継続し、深化させる。

(1)出店の加速と高付加価値業態へのシフト

業態開発力と多業態の強みを活かし、年間15店程度の出店を続ける。また、低収益店の抜本的収益強化を目的に、高付加価値業態(料理・サービス・店の質を求められる業態)を選択し、集中を進める。

(2)実績とノウハウを武器とした受託ビジネスの拡大

実績と信用力を強みに更なる受託の拡大を図る。中心となるゴルフクラブレストランでは、16/12期第1四半期スタートの運営受託案件が既に3件決定済みである。ゴルフクラブレストランは全国に2,000程度あるが、その運営は直営や地元企業が手掛けているケースが圧倒的に多く、運営受託トップの(株)ハーツリー(アコーディアゴルフグループ)でも130~140程度。これに次ぐ西洋フードシステムが70~80で、3位が同社(約70)。これまでの実績と信用力を強みに、上位3社がシェアアップする余地は大きい。

また、首都圏エリアでパーティービジネスを強化する他(首都圏エリアにおいて年率30%以上の売上成長を目指す)、道の駅等の受託件数も拡大させる。パーティービジネスは関西圏エリアで積極的に展開していたが、首都圏では対応が弱かった。しかし、サントリーグループのブランド力を活かせる事とスケールメリットを追求でき収益の底上げにつながるため、マーケットの大きい首都圏エリアを強化する。一方、道の駅の運営は、これまで第3セクターが多かったが、収益重視の観点から民間企業の受託が増えている。施設管理を兼ねたビルメンテナンス等の企業が受託するケースも多いため、こうした企業からのアウトソーシングも含めて事業を拡大させていく考え。

(3)運営基盤の強化

最高品質の実現と継続、人財パワーの最大化、及び倶楽部ダイナックの深化に取り組む。

最高品質の実現と継続

サントリーグループの一員として、飲用時の最高品質を追求すると共に、これを継続していく。また、料理人の技術を最大限に活かした高付加価値メニューの水平展開も進める。

人財パワーの最大化

働きやすい仕組み作りと人財育成による生産性の向上に取り組む。人財育成では、パートナー育成評価システム「ファイブスター制度」によるパートナーの育成・戦力化(各自のパフォーマンスの引き上げ)と定着率の向上を通して、コストの抑制はもちろんサービス力の向上、ひいては売上の増加につなげていく。

倶楽部ダイナックの深化

「倶楽部ダイナック」を軸にしたダイナックブランドのマーケティング強化と常連客づくりに取り組む事で、会員売上比率を高めていく。具体的には、15/12期は会員売上高が85億円で、期末実働会員数が25万人(14/12期: 67億円、20万人)だったが、18/12期に売上高100億円、期末実働会員数を31万人に拡大させたい考え。

「出店の加速と高付加価値業態へのシフトによる直営ビジネスの強化」と「受託ビジネス」の拡大を両輪に売上を伸ばすと共に、店舗オペレーションの効率化と間接部門のスリム化、そして人財パワーの最大化により、経常利益率を改善させていく。

2016年12月期業績予想
前期比3.1%の増収、同18.4%の経常増益

売上高は前期比3.1%増の372億40百万円。既存店売上高は同100.5%を想定しており、1億60百万円の増収要因となる見込み。好調な道の駅の寄与とパーティービジネスの拡大でその他が101.6%と伸びる他、バーレストランも同100.4%と堅調な推移を見込んでいるが、天候の影響を受けやすいゴルフクラブレストランは同98.7%と慎重にみている。新規出店は20店舗を計画しており、16億円の増収要因となる。一方、7店舗の閉店を計画しており、6億44百万円の減収要因になる見込み。

利益面では、食材原価や人材採用費等を中心にしたコスト増を、売上の増加と店舗オペレーションの効率化努力等で吸収して営業利益が同19.1%増加する見込み。

新規出店20店舗、業態変更5店舗、閉店7店舗を計画しており、期末店舗数は273店舗と前期末に比べて13店舗増加する見込み。

(2)利益配分

配当は1株当たり2円増配の年12円を予定している(上期末配当6円、期末配当6円と、それぞれ1円増配)。同社は安定的な配当の維持と、将来に備えた内部留保の充実を念頭に置き利益配分を行っていく考え。

今後の注目点
サントリーのブランド力もあり、料理、サービス、及び店の質の高さを訴求しやすい事が同社の強みであり、節約志向が強い一方で、こだわり志向も強い、昨今の消費者ニーズをうまくとらえている。また、顧客会員カードの運営で他社に先行しており、ノウハウの蓄積が進んでいる事も強み(同社の成功を見て、追従する同業者もあるがキャッチアップには時間がかかるだろう)。この結果、既存店が堅調に推移しており、特徴のある業態開発と相まって、新店や業態変更した店舗の立ち上がりも順調だ。一方、収益力の面では、業態が多いだけに未だコストダウンの余地は大きいと思われる事に加え、今後は円安の巻き戻しによる原価低減効果も期待できるのではないではないだろうか。
15/12期に終了した中期経営計画は、利益の進捗で課題が残ったものの、出店の加速と高付加価値業態へのシフト、実績とノウハウを武器とした受託ビジネスの拡大、更には運営基盤の強化、という取り組みで一定の成果を上げる事ができた。これを受けてスタートした中期経営方針の成果に期待したい。
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