(2154:東証1部) トラスト・テック 2016年6月期第2四半期業績レポート

2016/02/24

trusttech

今回のポイント
・16/6期上期は前年同期比46.7%の増収、同64.6%の経常増益。輸送用機器、電気機器、機械等の旺盛な人材需要に加え、自動車向けソフトウェア開発等でM&A効果もあった技術系領域の売上が同79.5%増と伸長。M&A関連費用や子会社の体制整備に伴う先行投資負担を吸収して営業利益が同80.6%増加した。上期末の技術社員数は前年同期末と比べて1,117名増の2,934名。

・上期決算を踏まえて通期予想を上方修正。前期比44.1%増の増収、同54.0%の経常増益を見込む。上方修正の原動力となった技術系領域では、引き続き自動車関連企業を中心に引合いの増加が見込まれ、不安定な為替や金融市場混乱の影響はない。一方、期初の見通しを据え置いた製造系領域は、収益性重視の受注活動と業務の効率化やコスト削減等による収益力強化に取り組む。期末配当は1株当たり25円を予定しており、年55円となる見込み。16年4月1日付で1:2の株式分割を予定しており、実質20円増配の年80円。

・技術系領域での効果的なM&Aと採用力及び営業力・マッチング力を活かした事業展開で売上・利益が高い伸びを示した。同業各社も好調な業績が続いているが、同社の業績と比較するとかすんでしまう。しかも、同社にとって伸びしろの大きいIT・組み込み分野でM&A効果が本格的に現れてくるのはこれから。強いて課題を挙げれば、16年4月入社があと一歩計画に足りなかった新卒採用だろうか。採用関連予算を積み増すと共に取り組みを強化する考え。IT・組み込み分野の拡大と共に注目していきたい。

会社概要

メーカー向けトータルソリューションを特徴とし、開発・設計等の上流(開発部門)から加工・組立等の下流(製造部門)までを対象とした一気通貫の人材サービスを提供。グループ企業は、制御系ソフト(組み込みソフト)に強みを持つ(株)フリーダム(傘下の子会社含む)、自動車関係の設計開発、原子力プラントの設計や解析等を手掛ける(株)トラィアル(旧(株)カナモトエンジニアリング)、製造部門向けサービスの(株)TTM、香港を拠点に中国で事業展開する日系企業向けに人材サービスを提供する香港虎斯科技有限公司(HKTT)及び、障がい者雇用を目的とした特例子会社の共生産業(株)の連結子会社5社。

【経営理念】
お客様に対しては
・常に顧客企業の視点で考えることを意識し、真のパートナーシップカンパニーとなることに努めます。
・関係法令を正確に理解・遵守し、常に顧客企業に適正なソリューションを提供することに努めます。
・常に職場の安全衛生に配慮し、事故の発生を未然に防ぐことに努めます。
社員に対しては
・ステップアップできる仕事を提供し、研修や教育を通じて能力開発を支援します。
・公平で適正な評価を行い、貢献度に応じた処遇を心がけます。
・進取の気性に富みチャレンジ精神に溢れる人材を歓迎し、自己表現の場を積極的に提供します。
社会に対しては
・コンプライアンスとコーポレート・ガバナンスを重視し、雇用の創造により社会に貢献いたします。
株主に対しては
・株主価値の最大化を意識した企業運営に努めます。
【人材派遣について】

人材派遣とは、人材派遣会社が雇用している労働者が派遣先企業の指揮・命令の下で就労するシステム。企業は人材派遣サービスを利用する事で即戦力となる人材を必要な時に必要なだけ動員できるため、人的リソースの制約を受けずに事業展開できる。一方、人材派遣会社が事業を拡大させるためには、派遣先企業や案件開拓のための営業力と企業ニーズに見合った人材を確保するための採用力・教育力が必要となる。
人材派遣にはいくつか種類があるが、派遣先が見つかった時だけ派遣会社と雇用契約を結ぶ「有期雇用」派遣と、派遣会社に正社員として雇用され、派遣先で働く「無期雇用」派遣に大別される。
「有期雇用」派遣は、オフィスの事務職や工場の製造ラインなど、高いスキルを必要としない業務で一般的なのに対して、「無期雇用」派遣は、機械・電気関係の設計、システムエンジニア、化学関係、或いは通訳等、一定のスキルや経験が要求される業務が中心となっている。同社においては、一定のスキルや経験が要求され派遣期間も長い技術系領域は、ほぼ100%が「無期雇用」で、1年以内の契約が多い製造系領域は「有期雇用」が中心である。

【事業内容とグループ   -開発/設計(上流)から製造/流通(下流)まで一気通貫の人材サービスを提供-】

同社は開発・設計(上流)から製造・流通(下流)まで一気通貫のサービスを提供する事で「技術」と「製造」の事業間シナジーを追求しており、事業セグメントは、開発・設計、実験評価、生産技術、ソフト開発、設備保全といった業務で人材サービスを提供する技術系領域事業(「技術者派遣・請負・委託事業」から名称変更)、子会社の事業領域で加工・組立、検査・梱包業務など製造部門へ人材サービスを提供する製造系領域事業(「製造請負・受託・派遣事業」から名称変更)、及びCSRの一環としての障がい者雇用促進事業や神奈川県相模原市に保有する不動産賃貸の収益等のその他に分かれる。16/6期上期の売上構成比は技術系領域事業が71.5%、製造系領域事業が28.4%(連結調整前利益の構成比は、91.7%、9.7%)。尚、グループの事業拡大及ぶ不動産賃貸事業の終了に伴い(自社ビル売却)、16/6期より報告セグメントの区分を上記の通り変更している。

技術系領域   事業主体:(株)トラスト・テック、香港虎斯科技有限公司(HKTT)、フリーダムグループ、(株)トラィアル

前期(15/6期)売上の約8割を占める技術者派遣(特定労働者派遣)に加え、業務請負・受託、技術者の人材紹介、紹介予定派遣も手掛けている。派遣される技術社員は「常用雇用者」(期間の定めのない雇用契約を締結)である。また、香港虎斯科技有限公司(HKTT)が、中国で事業展開する日系企業向けに人材サービスを行っており、ベトナム、インドネシア等、東南アジアへ進出する企業への対応も進めている。2015年7月に、自動車向けソフトウェアの開発に特化した企業グループの持ち株会社(株)フリーダムを100%子会社化した。
業種別売上構成比は、輸送用機器49.5%、電気機器28.4%、機械11.1%、化学1.7%、その他9.2%。

技術者派遣
同社の技術社員がメーカーへ常駐する形で業務を行い、プロジェクト内での指揮命令等はメーカー担当者から受ける。業務は、開発・設計、実験評価、生産技術、ソフト開発、設備保全等。

業務請負・受託
請負事業では同社の社員のみでメンバーが構成され(チームが組成される)、チームでプロジェクトを請負う。また、自社開発センターでは、CAD設計等の開発業務を受託している。業務請負・受託は、派遣事業と比べ高い開発能力とプロジェクト管理力が求められる。

製造系領域   事業主体:(株)TTM

前期(15/6期)売上の約4割が請負・受託で、約6割が派遣(一般労働者派遣)。請負は主に顧客企業の構内において(受託は同社施設の構内において)、同社が業務遂行指示や管理業務を含めて加工・組立、検査・梱包等の作業を行うもので、一般の製造業同様に労働基準法等の関係法令の規制を受ける。業種別売上構成比は、輸送用機器18.5%、電気機器20.2%、機械13.9%、建材・住宅設備機器9.6%、印刷関連8.7%、その他29.1%。

その他(報告セグメントに含まれない領域)  事業主体:特例子会社 共生産業(株)

CSRの一環として、特例子会社 共生産業(株)が手掛ける障がい者雇用事業である。重度の知的障がい者を主体に雇用し、梱包業務等の軽作業を行っている。

同社は既存事業の成長に加え、M&Aによるグループの業容拡大にも取り組んでおり、16/6期上期に、技術系領域において、(株)フリーダム、(株)トラィアル、及びテクニカルソリューション事業部の2社1事業部のM&Aを実施した。

(株)フリーダム   2015年7月 子会社化(傘下に(株)イーシーエスと(株)システムOne)

主に自動車部品メーカーを取引先とした自動車向けソフトウェア(カーナビゲーション、ハイブリッドシステム、オートマチックトランスミッション、エンジンコントロールユニット等の制御)の開発に特化した企業グループの持ち株会社。今後は、(株)フリーダムの制御ソフト分野を核に、トラスト・テックグループのソフトウェア開発を拡大させていく考え。

テクニカルソリューション事業部   2015年7月 事業譲受

NTTデータグループの(株)テクノパワーよりIT領域の事業部門(サーバーやネットワーク等のIT技術部門)を、テクニカルソリューション事業部として譲受した。IT領域における新たな成長ドライバーの核の一つに位置づけてサービスを拡大させていく考え。

(株)トラィアル   2015年10月 子会社化

技術者派遣事業を展開している旧株式会社カナモトエンジニアリング(東証1部に株式を上場する(株)カナモトの子会社)を子会社化した。社名を(株)トラィアルに変更し、トラスト・テック グループの技術系領域の業容拡大ための一翼を担っていく。

労働者派遣市場の動向とトラスト・テックのポジショニング
【労働者派遣市場の動向】

厚生労働省発表の「労働者派遣事業の事業報告の集計結果」(2015年3月27日発表)によると、2013年度(13年4月~14年3月)の国内の派遣労働者数(一般労働者派遣事業常時雇用労働者+同事業登録者+特定労働者派遣事業常時雇用労働者)は2,515千人(前年度比2.6%増)。内訳は、一般労働者派遣事業常時雇用労働者523千人(同2.4%減)、一般労働者派遣事業で常時雇用以外の労働者である同事業登録者1,716千人(同5.2%増)、特定労働者派遣事業常時雇用労働者275千人(同2.8%減)。

2008年度には4,000千人弱を数えた国内派遣労働者だが、リーマン・ショックによる景気悪化や民主党政権下での規制強化で市場が縮小し大きく落ち込んだ。ただ、大きな落ち込みは一般労働者派遣事業労働者の減少によるもので、同社が軸足を置く技術者派遣等を中心とする特定労働者派遣事業労働者はいち早く底打ちし、近年、270~290千人で推移している(2008年度の83~88%程度)。

尚、一般労働者派遣事業労働者は派遣元企業に登録し、派遣先が見つかった時だけ雇用契約を結んで就労する労働者で、事務職、営業職、製造工程の技能職等が中心。一方、特定労働者派遣事業労働者は主に正社員として雇用され、派遣先の仕事が終了した後は新たな派遣先で就労する労働者で(雇用関係は継続される)、システム開発や機械設計等の専門職種が中心である。
2015年9月に施行された改正労働者派遣法では、派遣労働者を有期雇用派遣労働者と無期雇用派遣労働者に分類しているが、概ね、一般労働者派遣=有期雇用派遣、特定労働者派遣=無期雇用派遣と読み替える事ができる。

労働者派遣法の改正のポイント
無期雇用派遣労働者の派遣期間と専門26業務の撤廃。有期雇用派遣は派遣期間の上限の対象が「業務」から「人」へ

改正前の制度では、ソフトウェア開発、機械設計、通訳・翻訳・速記等の「専門26業務」以外では、一つの「業務」で派遣労働者を活用できる期間が最長3年に制限されていた(派遣労働者、つまり「人」を変えても最長3年)。しかし、今回の改正で、「専門26業務」の業務区分が撤廃され、派遣会社に無期雇用されている派遣労働者は「業務」に関係なく派遣先で期限なく働く事ができるようになり、有期雇用の派遣労働者も最長3年まで働く事が可能になった。

派遣労働者を受け入れている企業側から見ると、無期雇用派遣労働者であれば期限や業務区分の制限がなくなり、従来よりも自由度の高い状況で派遣労働者を活用できるようになる。今回の改正で企業が派遣労働者を活用しやすくなるため派遣会社のビジネスチャンスが拡大する可能性があり、一方、派遣労働者にとってはキャリア形成の実現機会が増えるとみられている。
同社においては、技術系領域の社員は、無期雇用されている派遣労働者であるため改正の影響はない。一方、製造系領域の社員は、原則、有期雇用の派遣労働者であるが、同事業における労働者派遣は案件毎の対応であり、1案件が3年以上の長期にわたる事がないため今回の改正の影響はない。

派遣事業者の届出制から許可制への移行と教育義務

また、今回の改正により派遣会社に一定以上の規模と質が求められるようになる。具体的には、改正前の制度では、無期雇用社員を派遣する特定派遣の派遣会社は届出だけで開業できたが(有期雇用社員を派遣する一般派遣の派遣会社は許可が必要)、今回の改正で全ての派遣会社の開業には許可が必要になる。許可要件には、1拠点あたり純資産額 2,000万円以上、現預金 1,500万円以上等の財務的な基準に加え、教育訓練の実施も含まれるため派遣会社は人材育成に今より大きな責任を負う事になる。許可基準の充足は中小派遣会社には負担が大きいため、現在、5万社を超えると言われる派遣会社の淘汰が進み、上場企業を中心とした大手によるM&A等を通じた寡占が進むとみられている。

同社においては、言うまでもなく、既に財務的な基準を満たしている。また、技術者向けの3次元CAD施設も含めて充実した教育訓練体制も整備されており、社員のスキルアップを支援してきた実績がある。このため、今回の改正の影響はない。

【トラスト・テックのポジショニングと強み】
ポジショニング

株式を上場する技術系人材サービス企業の中で同社は第4位(14年度=15/6期)。後述する営業力・採用力を強みに、2007年6月のJASDAQ上場以来、14年度までの8年間で売上高を2.3倍、経常利益を3.1倍に拡大させており、成長力はメイテック及びWDBホールディングスの上位2社を上回っている(テクノプロホールディングスは過去のデータを取得できないため除外)。

トラスト・テックの強み  -営業力、採用力、教育・研修、請負化の実績、及び国際化対応力-

同社の強みとして、営業力、採用力、技術者への教育・研修、請負の実績、及び国際化対応力の5点を挙げる事ができる。
営業力及び採用力は、全国へ展開する拠点ネットワークとグループの総合力を源泉とし、全国の拠点に配置された採用担当者と営業担当者が連携する事で即戦力の人材を機動的に採用でき、顧客企業のニーズにタイムリーにマッチングできる体制を整えている。
この採用力と受注量(技術者を配属する仕事量)を十分に獲得する営業力は、主要企業の中でも優れており、技術者数の増加率は他社の3倍以上の水準である。

技術者への教育・研修

請負の実績

国際化対応力

:技術者がスキルアップ計画を立て、同社の人事担当者、派遣先企業が一体となって支援
:結果責任(生産量、品質、コスト)が求められる「請負」で豊富な実績。自社開発センターでの受託にも対応
:香港の現地法人(HKTT)が、中国に進出した日系企業や中国現地企業へ人材紹介等のサービスを提供

尚、HKTTが提供する慣れない海外での手厚い人材サービスを評価する顧客企業は多く、国内での受注拡大にもつながっている。

2016年6月期上期決算
前年同期比46.7%の増収、同64.6%の経常増益

売上高は前年同期比46.7%増の145億45百万円。機械向け及び印刷向けの需要が弱かった製造系領域の売上が同0.8%の増加にとどまったものの、輸送用機器、電気機器、機械を中心に技術系領域の売上が同79.5%増加。技術系領域では、輸送用機器(自動車)向けソフトウェア開発や情報・通信向けでM&A効果もあった。

利益面では、規模を追わず収益力強化に向けた取り組みを進めた製造系領域の利益率が低下したものの、M&A関連費用や子会社の体制整備に伴う先行投資負担を吸収して技術系領域の利益率が改善(単価交渉でもメーカー側の理解を得られたようだ)。助成金収入が減少した他、為替差益の計上もなかったため営業外収益が減少したものの、経常利益は11億03百万円と同64.6%増加した。

技術系領域   :(株)トラスト・テック、(株)フリーダム、(株)トラィアル、香港虎斯科技有限公司

売上高103億96百万円(前年同期比79.5%増)、セグメント利益10億12百万円(同80.6%増)。部品を含めた自動車を中心にした輸送用機器向け(売上構成比45%程度)が同94%増、機械向けが同66%増、半導体や半導体製造装置等の電気機器向け(同30%)が同50%増、と大きく伸び、この他、情報・通信、精密、化学等、全ての業種で売上が増加した。
強みの一つである採用力を活かして中途採用及び新卒採用で技術社員を前年同期から500~600名増員した(株)トラスト・テック単体が同40%増収、同80%増益と好業績をけん引したが、売上が大きく伸びた輸送用機器向けでM&A効果による自動車向けソフトウェア(組み込みソフト)の伸びが見られた他、未だ規模は小さいが、テクニカルソリューション事業部の寄与で情報・通信が同6.8倍に拡大した。尚、上期末の技術社員数は2,934名と前年同期末と比べて1,117名増加した。

製造系領域   :株式会社TTM

売上高41億31百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益1億06百万円(同1.4%減)。機械向け及び印刷向けの売上がやや減少したものの、電気機器及び輸送用機器向けの増加で吸収。生産性の向上や契約毎の採算管理の徹底等、収益力強化に向けた取り組みを進めた。上期末の技能社員数は前期末と比べて17名増の2,186名。

上期末の総資産は前期末に比べて30億55百万円増の107億80百万円。M&Aに伴い、のれん(0→21億16百万円)と短期借入金が増加した。流動比率130.5%(前期末199.3%)、固定比率62.8%(同26.6%)、自己資本比率43.7%(同57.0%)。

税金費用が増加したものの、ほぼ前年同期並みの営業CFを確保した。投資CFのマイナス幅の拡大は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19億78百万円、事業譲受による支出1億08百万円等による。一方、財務CFは、(株)フリーダムの株式取得に伴う資金23億円借入で黒字になった。

2016年6月期業績予想
上期決算を踏まえて通期予想を上方修正。前期比44.1%増の増収、同54.0%の経常増益を見込む

技術系領域の売上・利益の見通しを引き上げた事が上方修正の理由。技術系領域では、引き続き自動車関連企業を中心に引合いの増加が見込まれ、売上が前期比71.3%増加。営業及び採用担当者の増強や拠点の開設・移転等の先行投資を吸収して利益が同58.7%増と伸びる。一方、期初の見通しを据え置いた製造系領域は同2.0%の増収、同49.8%の増益予想。高付加価値案件の受注拡大と採用マッチングの効率化を推進すると共に、固定コストの圧縮や費用対効果の精査にも取り組む。

尚、下期は4月に新卒社員が入社するため人件費等が増加する一方、一時的に技術社員の稼働率が低下する。また、2017年4月入社の新卒社員の採用強化に向け採用関連の予算を積み増す考え。

(2)利益配分

上期末配当は、1株当たり5円増配の30円を実施する。期末配当については、2016年4月1日付で、普通株式1株を2株に分割した上で、1株当たり25円を予定している。株式分割の影響を考えると、実質的には年80円となり、20円の増配となる(4期連続の増配)。尚、株式分割は、海外投資家が増加する一方、個人株主が減少している昨今の株式保有状況を踏まえたもの。株式の投資単位当たりの金額を引き下げる事で、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図る事を目的としている。

(3)中期経営方針
中期経営方針  「技術系領域」を軸に領域・業容を拡大し、利益率の向上と安定的な株主還元を実施していく

技術系領域では、既存分野(主に機械、電気機器)で技術社員数の拡大(中途・新卒の積極採用)と採用・営業・開発等の体制を強化する。また、M&AによるIT・ソフトウェア関連事業の強化・拡充にも取り組む。製造系領域では、全体の業務量拡大と請負強化による収益性改善に取り組む。

具体的な取り組み

既存分野で高い成長率を発揮し連結売上高200億円を達成できたのは、前期までの取り組みの成果である。加えて、M&Aで今期以降の成長に向けた布石も打った(成長の柱の準備)。今後については、技術系領域では、引き続き高い採用ペースを維持(新卒・中途)し、かつ、採用後の定着・再配属を促進する事で技術社員の増員を図る。また、グループ化したIT・ソフトウェア関連事業の成長を加速させ、事業シナジーを追求していく。一方、製造系領域では、収益体質の再強化と安定的な事業成長のバランスをとりながら事業展開していく。
上記取り組みにより、自立成長とM&Aを両輪とする「年率20%以上の成長スピードの維持」及び「連結営業利益率10%の達成」を目指す。

今後の注目点
効果的なM&Aと技術系領域での採用力及び営業力・マッチング力で売上・利益が高い伸びを示した。(株)フリーダムは、トヨタ系部品メーカーを主な取引先としており、(株)トラィアルはホンダ系に強い。また、NTTデータグループ傘下企業の事業部だったテクニカルソリューション事業部はNTTデータグループのみならず、多くのSIerを取引先とする等、顧客資産も優れるため、収益面や技術面での寄与に加え、営業基盤の強化に貢献する。いずれのM&Aも、トラスト・テックグループのポテンシャルを高める効果的なM&Aと評価できるのではないか。また、M&Aを除く、中途及び新卒採用でも、この1年で500~600名を採用した採用力と、大量採用にもかかわらず、高水準の稼働率を維持した営業力・マッチング力も評価できる。ただ、2015年12月の有効求人倍率(季節調整値)が前月比0.02 ポイント上昇の1.27倍と、1991年12月(1.31倍)以来24年ぶりの高い水準になる等、採用環境は厳しい。同社においては特に新卒採用を強化する必要があるようで、2017年4月の新卒社員確保に向け、この下期は募集費等を積み増す考え。このため、下期の見通しは若干保守的なものとなった。
株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
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