(4301:東証1部) アミューズ 2016年3月期第2四半期業績レポート

2015/12/02

Amuse

今回のポイント
・16/3期2Qの営業収入は前年同期比45.1%増の305億79百万円。福山雅治、サザンオールスターズ等の大型コンサート実施によるイベント収入のほか、グッズ収入、印税収入(新譜)が好調に推移。営業利益は同100.1%増加の51億47百万円。コンサートやライブの営業収入が好調だったこと等から第2四半期の業績予想を上方修正し、それに伴い通期業績予想も上方修正した。

・好調な業績推移を背景に通期業績予想を上方修正した。16/3期の営業収入は前期比18.6%増の465億円を予想。アーティストマネージメント事業が引き続き好調。メディアビジュアル事業は減収予想。営業利益は同42.7%増の56億円の予想。売上、利益とも過去最高を更新する見込み。配当は前期と同じく40.00円/株の予定。予想配当性向は9.5%。

・アーティストマネージメント事業が好調だ。入場者数は前年同期を60万人、計画を30万人上回った。コンサート会場は入場者数の上限が決まっているため当初の計画大きく上回ることは難しいのではないかと思われるが、最近のチケット販売システムでは大型の会場でも大量のチケット販売が極めて容易であることや、見切れ席(音響設備等によってステージの一部が見えない席)の追加販売もすぐに売り切れてしまうという事等が計画を大きく上回る背景にあるという。下期以降も好調な推移が期待できそうだ。一方、前回のレポートで、「プレイスマネージメント事業が事業ボラティリティ低下に寄与することが期待される。」と書いたが、やや苦戦の立ち上がりとなっているようだ。下期以降の進捗を注目したい。

会社概要

芸能プロダクション大手。サザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティなど人気アーティストを数多く抱えている。グループ全体の事業の核を「コンテンツビジネス」におき、文化を創造する総合エンターテインメント集団として、テレビ番組や映画の企画・制作、海外舞台の招聘等でも豊富な実績を有する。2015年3月末でグループは、同社の他、子会社19社(連結子会社12社)及び関連会社4社から構成される。「既存事業の強化」と「新規市場・新規事業の育成」を成長戦略の基本方針とし、アジアを中心とした海外展開に注力している。

【事業内容】

事業は、コンサートの収入、テレビ・CM出演料、新譜楽曲の印税、ファンクラブ会員収入や商品販売収入等のアーティストマネージメント事業(15/3期売上構成比77.6%)、テレビ番組・映画制作収入、及びビデオ・DVD販売等のメディアビジュアル事業(同15.0%)、及び旧譜楽曲の印税収入や二次使用にかかる収益等のコンテンツ事業(同1.1%)、テーマパークなどの運営やグッズの企画・販売を行うプレイスマネージメント事業(同6.3%)の4セグメントにより構成されている。

過去3年間にわたり、比較的高水準のROEで推移している。今期「予想当期純利益-配当金総額(前期同額)」が総資産および自己資本に加わると仮定した場合、ROEは14%弱となる。

2016年3月期第2四半期決算概要
大型コンサート実施でグッズ販売も好調。増収増益。計画も大きく上回る。

営業収入は前年同期比45.1%増の305億79百万円。福山雅治、サザンオールスターズ等の大型コンサート実施によるイベント収入、会場やオンラインショップで販売するグッズ収入、サザンオールスターズ、PerfumeなどのCDやDVD販売による印税収入(新譜)が好調に推移した。
営業利益は同100.1%増の51億47百万円。コストも増加したが増収効果で吸収し、大幅な増益となった。
コンサートやライブの営業収入が好調だったことに加え、第3四半期に実施予定だったツアーの一部が第2四半期に行われたこと等から第2四半期の業績予想を上方修正し、それに伴い通期業績予想も上方修正した。

◎アーティストマネージメント事業

営業収入は前年同期比56.8%増加の262億89百万円。
福山雅治やサザンオールスターズ、ONE OK ROCKのコンサートツアーや、舞台・公演の熱海五郎一座「プリティーウーマンの勝手にボディーガード」などによりイベント収入は同54.8%増加。これに伴いイベントに関連したコンサートグッズ販売や福山雅治ONE OK ROCKのCD、DVD等の商品売上も同87.5%と大幅に増加した。福山雅治、大泉洋、深津絵里、吉高由里子などの出演収入・CM収入は同8.2%減だったが、サザンオールスターズやPerfumeらの新譜の印税収入は同50.2%増と好調だった。
増収要因によりセグメント利益も同106.1%増加の50億58百万円と倍増した。

◎メディアビジュアル事業

営業収入は前年同期比53.5%減少の13億81百万円。前年同期にあった邦画実写歴代6位を記録した「永遠の0」、福山雅治主演映画「そして父になる」のような大型作品が減少した。番組制作、映像制作は増収だった。
減収ではあったが、利益率の高い劇場配給分配収入が増加したため、セグメント利益は同1.3%増の1億43百万円となった。

◎コンテンツ事業

営業収入は前年同期比1.1%増加の12億92百万円。
サザンオールスターズ、福山雅治、BEGIN、ポルノグラフィティ、Perfume等による発売後1年以上経過した旧譜楽曲の販売及び旧譜楽曲の二次使用等の収益を計上している。
セグメント利益は同20.6%増加の4億98百万円となった。

◎プレイスマネージメント事業

営業収入は前年同期に比べ大幅増加の16億16百万円。
前期から新設のセグメント。「東京ワンピースタワー」の入場料収入、グッズ販売収入により増収となったが、「東京ワンピースタワー」の入場料収入が低調でセグメント利益は67百万円の損失となった。

流動資産は、現預金、売上債権の増加などで前期末比89億円の増加。固定資産は、無形固定資産(のれん)の増加等で同3億円増加し、資産合計は同92億円増加した。一方、仕入債務の増加など流動負債が同60億円増加し、負債合計も同61億円の増加となった。純資産は利益剰余金が増加し同31億円の増加。この結果、自己資本比率は前期末の65.0%から57.4%へ7.6%低下した。

利益および営業債務の増加等で営業CFのプラス幅は拡大した。有形固定資産取得による支出増、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出増等で投資CFはマイナスに転じたが、フリーCFのプラス幅は拡大した。非支配株主からの払込みによる収入が無くなったこと、配当金支払い額の増加などで財務CFのマイナス幅は拡大した。キャッシュポジションは大幅に上昇した。

2016年3月期業績予想
業績予想を上方修正。売上高、利益とも過去最高更新へ

好調な業績推移を背景に通期業績予想を上方修正した。営業収入は前期比18.6%増の465億円を予想。アーティストマネージメント事業が引き続き好調。メディアビジュアル事業は減収予想。
営業利益は同42.7%増の56億円の予想。売上、利益とも過去最高を更新する見込み。
配当は前期と同じく40.00円/株の予定。予想配当性向は9.5%。

アーティストマネージメント事業は下期も好調。ただ、DVD販売は前下期を下回る。
プレイスマネージメント事業は増収だが期初計画を下方修正。利益に関しても111百万円の利益予想から380百万円の損失へ。インバウンド需要は着実に取り込めているものの、全体の入場者数はやや低調でテコ入れ策を検討している。

今後の成長戦略
(1)中期基本方針

「ライブ市場の成長」、「CDなどパッケージは縮小するものの音楽配信による印税収入は堅調に推移」、「映像パッケージ市場の縮小」、「人口減少の進展」といった外部環境の下、引き続き、「既存事業の強化」と「新規市場・新規事業の育成」を念頭に、各レイヤーの内容を拡充する。

(2)既存企業の強化
①アーティスト・コンテンツの拡充

アーティスト活動をサポートするインフラを強化しつつアーティスト群を拡大している。
元宝塚歌劇団・星組所属の元男役トップスター、柚希礼音が2015年6月同社所属アーティストとなった。所属先選択の理由として、同社の海外展開に大きな魅力を感じたという事だ。
また、「東京ワンピースタワー」に代表されるようなアーティスト以外のコンテンツも取扱い、事業の幅を拡大させる。

②プロダクツの拡充

他社とのコラボレーションによる新商品の開発を引き続き進めている。最近では以下のような商品を開発・発売した。

ONE OK ROCKとスニーカーメーカーのVANSのコラボによるスニーカー。売り切れとなっている。
米国の玩具メーカー「FUKUNO」によるBABYMETALのフィギュア。
伊勢丹新宿店とPerfumeのコラボレーション企画第2弾。
③バリューチェーンの拡充

バリューチェーンの一部を内製化するとともに、自社だけでなく他社コンテンツも扱い、事業の幅を拡大させる。

アパレル生産に関する豊富なノウハウやネットワークを保有する(株)ROOL PARTNERSと合弁で(株)希船工房(キフネコウボウ)を設立した。販売が好調なアーティストグッズ制作の更なる効率化や、高付加価値商品の開発を進める。
また、ROOL PARTNERSはアパレルブランド事業や外食事業といった非アーティスト関連事業のノウハウも有しており、プレイスマネージメント事業とのシナジーも追求していく考えだ。
出資比率はアミューズ60%、ROOL PARTNERS40%。

また、アミューズが運営するオンラインショップ「A! SMART アスマート」では他社商品の取扱いも強化している。
その一つ、「Tokyo Otaku Mode」は、海外向けに日本のアニメや漫画、ゲームなどポップカルチャーコンテンツを販売するサイトで、1,700万人の会員を有している
今後もM&Aやアライアンスによって他社商品取り扱いの強化を図る。

(3)新規市場の開拓

引き続き積極的にアーティストの海外公演を実施している。
ONE OK ROCKの海外における評価は更に高まっている。Perfumeはドキュメント映画の世界同時公開を予定している。BABYMETALは来年、イギリス・ロンドンの有名アリーナ「Wembley Arena」での公演が決定した。

海外拠点の強化も進めている。
2015年9月にインドネシア市場における市場調査、情報収集、マーケティングを行う事を目的としてインドネシア駐在員事務所を設立した。
10月には、アミューズのシンガポール子会社 AMUSE ENTERTAINMENT SINGAPORE Pte. Ltd.の100%出資により、シンガポールにおいてライブハウス運営やクラブ運営を行う事を目的とした、A-Live Entertainment Pte., Ltd.を設立した。
また、11月には海外市場への取り組みを多様化させるため、欧州の拠点としてフランスに100%子会社AMUSE FRANCE S.A.S.を設立した。

加えて外国人訪日客の急増に伴いインバウンドビジネスも強化する。
「東京ワンピースタワー」や「アミューズミュージアム」を受け皿として、ガイドブックの多言語化などにより入場者の拡大を図る。

今後の注目点
アーティストマネージメント事業が好調だ。入場者数は前年同期を60万人、計画を30万人上回った。
コンサート会場は入場者数の上限が決まっているため当初の計画大きく上回ることは難しいのではないかと思われるが(特に、有名アーティストの場合は初めから満員が予想されている。)、最近のチケット販売システムでは大型のハコでも大量のチケット販売が極めて容易であることや、見切れ席(音響設備等によってステージの一部が見えない席)の追加販売もすぐに売り切れてしまうという事等がj計画を大きく上回る背景にあるという。下期以降も好調な推移が期待できそうだ。
一方、前回のレポートで、「プレイスマネージメント事業が事業ボラティリティ低下に寄与することが期待される。」と書いたが、やや苦戦の立ち上がりとなっているようだ。下期以降の進捗を注目したい。

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