(6081:東証マザーズ) アライドアーキテクツ 2015年12月期第2四半期業績レポート

2015/10/28

AA

今回のポイント
・企業向けSNSマーケティングプラットフォーム「モニプラ」の運営等を通じて、顧客企業に対し、ソーシャルメディアやウェブソリューションを活用した「戦略的SNSマーケティング」を支援する国内オンリーワン企業。「モニプラ」は、2014年12月期、登録ユーザー数230万人超、エンゲージメント数(ユーザーの声)約1700万と巨大なデータベースを構築。プロモーション活動で蓄積された膨大なビッグデータを活用し、最新の広告出稿技術を活用したより効果的なマーケティング活動を顧客企業に提供。強固な顧客基盤、高いシステム開発力なども強み。子会社を通じたグローバル展開にも積極的。

・15/12期2Qの売上高は前年同期比1.2%増加の10億23百万円。昨年11月のFacebookの規約変更による顧客企業からの新規受注減少が続き、既存サービス売上高が減少したが、アドテクノロジーサービスや海外事業が寄与し、増収となった。一方で、広告原価が発生するアドテクノロジーサービスの売上高が増加したこと、新サービスの開発費用、海外事業の立ち上げ等で原価、販管費が増加し、2億58百万円の営業損失となった。

・業績下方修正となったが、中村社長は以下の様に、今後の成長軌道への復帰のための準備は完了したと考えている。「SNSの今後の継続的な成長性に変化は無い。」、「3領域による総合的な展開(キャンペーンの実施、データの収集・活用、より効果的な広告の実施)により、データ増、参加企業数増の好スパイラルが進むベースは出来上がった。」、「現在も先行投資は続けているが、当初計画してきた投資ポートフォリオはほぼ固まった。」、「日本、グローバルとも投資が利益に結び付きつつある。」。
Facebook規約変更による影響は山を越えたという事だが、中村社長の言う仕込みが実績として数値に反映されるのがいつ頃からなのか注目したい。

会社概要

企業向けマーケティングプラットフォーム「モニプラ」の運営等を通じて、顧客企業に対し、ソーシャルメディア(※)やウェブソリューションを活用した「戦略的SNSマーケティング」を支援する国内オンリーワン企業。
「モニプラ」は、2014年12月期、登録ユーザー数230万人超と巨大なデータベースを構築。プロモーション活動で蓄積された膨大なビッグデータを活用し、最新の広告出稿技術を活用したより効率的なマーケティング活動を顧客企業に提供。強固な顧客基盤、高いシステム開発力なども強み。子会社を通じたグローバル展開にも積極的。

(※)ソーシャルメディア:インターネット上でユーザーが情報を発信し形成していくメディア。電子掲示板、ブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、クチコミサイト等、利用者の発信した情報や利用者間のつながりによってコンテンツを作りだす要素を持ったウェブサイトやネットサービスの総称。
【沿革】

自ら事業を手掛けることに強い関心を持って入社した住友商事(株)で様々なビジネス経験を積んだ中村社長は、大学生時代から親しんでいたインターネットを用いた事業の立上げを志し、2000年6月、(株)ゴルフダイジェスト・オンラインの創業に参画し、eコマースの責任者を務めた。そうした中、ブログの普及に代表される個人メディアの台頭にビジネスの可能性を感じ、ソーシャルメディアを用いたマーケティングが次の時代の主軸になると確信。2005年8月、同社を設立した。
創業後の模索の中、2008年に人と企業を結び付けるコミュニティ作りが必要と考え、企業向けSNSマーケティングプラットフォーム「モニプラ」を構築した。当初はブロガー(ブログを通じて自己の考えなどを頻繁に発信する人)を対象に、製品やサービスのモニターを集めていたが、2011年頃からFacebook利用者が急速に広まるのに合わせて、「モニプラファンアプリ for Facebook」サービスをリリースした。利用人数に限りのあるブログに比べFacebookユーザー数は格段に大きいこと、Facebookは実名制のためいわゆる炎上(ネット上での誹謗中傷)が起きにくいため企業側も安心感を得られること等から、同社サービスを使ったマーケティングに対する企業の関心が急速に強まり、顧客数、売上高も急速に拡大。2013年11月、東証マザーズに上場した。

ビジョン、ミッションに加え、3つのバリューを掲げ、社員の行動指針としている。

「Comfort Zoneから飛び出せ」、「目を見開いて、常に何かを見つけろ」、「Go Fast」
【市場環境】

株式会社電通が2014年2月に発表した「2013年 日本の広告費」によると、総広告費は5兆9,762億円で前年比1.2%の微増。うち、四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)が同0.1%(新聞、雑誌、ラジオは前年割れ、テレビは微増)増であったのに対し、インターネット広告費(媒体費+制作費)は、9,381億円で同8.1%増と四媒体の伸び率を大きく上回った。

SNS広告市場の詳細にまでは触れられていないが、インターネット広告媒体費のうち、膨大なデータを処理するプラットフォームにより、広告の最適化を自動的もしくは即時的に支援する広告手法である運用型広告費は4,122億円で同21.6%増と高い成長を見せている。
「DSP(広告主側からみた広告効果の最大化を支援するシステム)を活用したターゲティング効果の高い新しい広告手法が急成長している。」との記述も同調査にある。インターネットユーザーの約6割がSNSを利用すると言われている中、ネット広告の中でも広告効果の高いSNS関連広告は今後も高成長が続くものと考えられる。

【事業内容】

顧客企業と会員登録したユーザーがインターネット上で交流する企業向けSNSマーケティングプラットフォーム「モニプラ ファンブログ」、「モニプラ Facebook」等を運営し、顧客企業のソーシャルメディアマーケティング支援を行う「SNSプロモーション事業」に加え、より効果的なマーケティング支援を実践するために新たに「SNSデータマネジメント事業」、「アドテクノロジー事業」を立上げたほか、グローバル市場を対象としたFacebook広告のクリエイティブ制作に特化したクラウドソーシングサービス「ReFUEL4」も提供を開始した。
事業セグメントはソーシャルメディアマーケティング支援事業の単一セグメント。

(1)SNSプロモーション事業
①概要

顧客企業とモニプラに会員登録したユーザーがインターネット上で交流するSNSキャンペーン支援プラットフォーム「モニプラ」の運営を通じて、顧客企業のマーケティングや販売促進等の支援を行っている。
「モニプラ」には大きく分けて、ブログマーケティング支援プラットフォーム「モニプラ ファンブログ」と、キャンペーンプラットフォーム「モニプラ for Facebook」の2つのサービスがある。
「モニプラ ファンブログ」は同社が開発したインターネット上で運営している企業向けマーケティングプラットフォームであり、複数の顧客企業がマーケティングや販売促進等を目的としてキャンペーンを開催している。
キャンペーンの例としては、顧客企業が自社商品を会員ユーザーに提供し、商品のレビューや感想を投稿する「商品モニター企画」、顧客企業が会員ユーザーにアンケートを実施し、会員ユーザーからの回答や情報を商品開発に利用する「アンケート企画」などがある。
他方、会員ユーザーは「モニプラ ファンブログ」上で開催されている顧客企業のキャンペーンから好みのキャンペーンを選択、参加し無料で商品やサービスを使用することができ、意見や感想を「モニプラ ファンブログ」に提出する。

一方、「モニプラ for Facebook」は、「モニプラ ファンブログ」を顧客企業のFacebookページ(※)上で展開するサービス。
顧客企業は、同社が開発・運営しているFacebookマーケティングプラットフォーム「モニプラ for Facebook」上のシステム管理画面に沿った入力操作のみで、アンケートや商品モニター、投票コンテスト等の様々なユーザー参加型キャンペーンを自社のFacebookページ上で実施することができる。

(※)Facebookページ:企業や著名人、ブランドなどが、ユーザーとの交流のためにFacebook上に作成・公開するページ。

一方、SNSマーケティングの市場において「エンゲージメント」(企業に対する生活者の愛着度)のみを効果指標とするのではなく、より具体的・数値的な「成果」を追求する動きが加速していることに対応するため、データマネジメントプラットフォーム「BRANDCo(ブランコ)」(後述)など、法人向け各種サービスをモニプラに統合しサービスを刷新することで、システム開発のスピードや品質の向上を図り、より「成果」に直結したSNSプロモーションの支援を実現する事を目的とし、2015年8月に「モニプラ」のリニューアルを行った。

<主なリニューアル内容>
新たなブランドイメージ構築のためサービスロゴを変更し、「エンゲージメントから『成果』を生み出すプラットフォームへ」を新たなスローガンに、パッケージ内容および価格を大幅に刷新したほか、以下の様にサービス内容も刷新した。

*「モニプラ Promotion」
スマホに最適化した最新型Webキャンペーンをスポット(単発)で手軽に開催することができる。
また、FacebookやTwitterに加え、新たにInstagram、LINEなど国内の主要SNSと連携した最新型の応募システムを搭載した。対象となるSNSはキャンペーンごとに自由に設定でき、幅広いユーザーをターゲットにすることが可能。

*「モニプラ Manager」
月額利用でWebキャンペーンを継続的に開催しデータを蓄積して様々なプロモーション施策に活用することができる。

既存サービス「モニプラ ファンブログ」を加えた3サービスにより、SNSデータを活用した効果的なプロモーションを実現する。

②顧客企業のメリット

「モニプラ」には、FacebookやTwitter、ブログ等を利用するソーシャルメディアユーザーが会員登録されている。
その為、顧客企業は、「モニプラ」を利用してキャンペーンを開催すれば、会員に対してキャンペーンが開催される旨を告知されるため、ゼロからキャンペーン参加者を集めることなく、キャンペーンを実施できる。
また、会員ユーザーはキャンペーンへの参加を通じて、ソーシャルメディア上で顧客企業の商品・サービス等についての感想やコメント等を発信が期待できるため、自然な形でインターネット上のクチコミが醸成される。
顧客企業はこれらのインターネット上のクチコミを通じて、商品・サービス等に関する情報を消費者に拡散させることができる。

「モニプラ ファンブログ」、「モニプラ for Facebook」は、下記のような様々な機能を有しており、顧客企業はこれらの機能を活用してキャンペーンを開催し、マーケティング及び販売促進活動等を行うことができる。
また単にキャンペーンを開催するだけでなく、ファンの蓄積及び属性分析などが可能となる点も顧客企業にとっては大きな付加価値となる。

「モニプラ for Facebook」では、「モニプラ ファンブログ」とは異なり、Facebook上のクチコミや広告によりキャンペーン情報が拡散されることに加え、Facebookページの標準機能では把握できないキャンペーン参加ユーザーの特性、ニーズ等のマーケティング情報を入手することも可能となる。

<各種機能>

◎キャンペーン作成機能
顧客企業はアカウントを開設し、「モニプラ ファンブログ」のシステム管理画面に沿った入力操作のみでキャンペーンを作成することができる。

キャンペーンとしては、

商品モニター企画
アンケート企画
写真やYoutube投稿企画
座談会・来店型企画
写真コンテスト企画等の開催機能

などがあり、顧客企業はこれらの機能を活用し、様々なキャンペーンを開催することができる。
「モニプラ for Facebook」では、「モニプラ ファンブログ」の機能に加え、スピードくじ、チェックイン等、Facebook上での拡散を目的としたキャンペーンの開催機能を有している。

キャンペーンは複数の企業が出展している「モニプラ ファンブログ」キャンペーンページ、「モニプラ for Facebook」キャンペーンページ上で開催され、同ページに訪れた会員ユーザーは興味のあるキャンペーンに参加する。

◎ファンサイト作成機能
顧客企業は、「モニプラ ファンブログ」上に顧客企業専用ページである、ファンサイトを作成することができる。
ファンサイトには、キャンペーンに参加した会員ユーザーデータが顧客企業のファンとして蓄積される仕組みとなっている。
その為、顧客企業はファンサイト上でファンに対して、情報を発信したり、キャンペーンを通じてファンにコメントを求めたりといった、交流を図ることにより、マーケティング情報の入手や販売促進活動を行うことができる。

◎効果分析機能
「モニプラ ファンブログ」管理画面にはキャンペーンに参加した会員ユーザーの状況やページビュー数、コメント、参加時間等のデータを分析するツールが用意されており、キャンペーンの効果を顧客企業が分析することができる。
同様に、「モニプラ for Facebook」も管理画面からキャンペーンに参加した会員ユーザーの状況やページビュー数、コメント、参加者の出身地分布、年齢分布等のデータを分析することができ、キャンペーンの効果分析や、マーケティング等で活用するための必要な情報を入手することができる。

③会員ユーザーのメリット

「モニプラ ファンブログ」や「モニプラ for Facebook」に会員登録することにより、複数の企業のキャンペーンにアクセスすることができ、その中から好みのキャンペーンに無料で参加し、商品等を入手するだけでなく、企業に対して商品等の感想や要望を発信するといった交流を図ることができる。

「モニプラ for Facebook」の場合はさらに、会員ユーザーはFacebook上で、参加したキャンペーンや気に入ったキャンペーン及びそれに対するコメント等を友人に拡散し、友人と交流することが可能。

④収益構造

「モニプラ ファンブログ」、「モニプラ for Facebook」ともに、「モニプラ ファンブログ」および「モニプラ for Facebook」をASP(※)形態で顧客企業に提供しており、サービス利用料やキャンペーン運用支援料が主な売上となる。顧客企業への販売は、直販及び代理店経由で行われている。

(※)ASP:Application Service Provider。アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客にサービスとして提供するサービス及びそれを提供する事業者を指す。
(2)SNSデータマネジメント事業

2014年9月より立ち上げた新サービス。サービス名は「BRANDCo(ブランコ)」。
SNSプロモーションで入手したSNSデータの最適な管理、蓄積を支援するクラウド型DMP(※)サービス。

(※)DMP:Data Management Platform。インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのこと。アクセス解析や自社の顧客情報だけでは取得できないWeb上の様々なデータ、いわゆるビッグデータを分析したうえで個人単位のターゲティングを行い、効率良く広告配信することができる。
<立上げの背景>

デジタルマーケティング市場においては、企業が保有する顧客データを統合・管理しターゲティング広告の精度を高める「DMP」に関連したサービスが多数登場している。
中でも、用途を広告配信にとどめず、企業サイトのアクセス履歴や購入情報といった様々な顧客データを集約し幅広いマーケティングに活用する「プライベートDMP」は、マーケティング会社ではなく企業が独自に顧客データを集約・活用できる基盤として大きな注目を集めている。

ただ、DMPの導入にはデータ活用の専門的なノウハウや高額なコストが必要とされる場合が多く、本格的な導入はまだ一部の企業に限られている。
また、ソーシャルメディアやモバイル端末の急速な普及・進化によって企業の顧客接点が分散化・複雑化し、「顧客と向き合う」というマーケティングの基本活動に企業が専念しづらいという課題も指摘されている。

こうした中、アライドアーキテクツは、オンライン上の顧客接点を一か所に集め、「コミュニケーション」と「データの蓄積・活用」を企業が一元管理できるクラウド基盤を提供することが、これらの課題を解決し、企業のマーケティングにかかる負担の大幅な軽減につながると考え、サービスの開発を進め、今回「BRANDCo」をリリースした。

<サービス概要>

「BRANDCo」は、SNS、Webキャンペーンといった顧客接点を一か所に集約できるマルチデバイス/マルチソーシャル対応の「ファンサイト構築システム」と、オンライン上で顧客データの蓄積・活用が行える「クラウド型DMP」が一体化した、全く新しいDMPサービス。

①ファンサイト構築システム
Facebook、Twitter、YouTubeなど企業・ブランドの公式SNSアカウントに投稿されたコンテンツ等を自動取得しパネル表示ができる機能や、ユーザーに表示されるレイアウトを見ながら直感的にページ作成ができる「見たまま編集」機能などを搭載した「BRANDCo」独自のCMS(※)を提供している。利用企業は、新たにコンテンツを用意しなくても、オープン当初から見応えのあるファンサイトを短時間で作成することができる。
ファンサイトを訪問したユーザーは、SNSアカウントやメールアドレスを利用して「ファン登録」を行うことで、限定キャンペーンに参加したり、ブランドの最新情報をメールで受け取ったりすることが可能となる。

(※)CMS:Content Management System。Webコンテンツを構成するテキストや画像などを一元的に保存・管理しサイトを構築・編集できるソフトウェアのこと。

②クラウド型DMP
「BRANDCo」では、ファンサイト上でのコミュニケーションを通じて得た顧客データをクラウド上に蓄積し管理することができる。アンケートの調査結果やキャンペーン参加履歴などのデータをもとに、ファンひとりひとりの企業・ブランドへの「好意度」を測り、分類化することが可能。
データベースは、CRM(※)の最適化やプロモーション施策、ターゲティング広告の配信といった多様なマーケティング活動に活用し、見込み顧客の獲得やコア顧客の育成などに繋げることができる。
また、「BRANDCo」で蓄積した顧客データと、企業が独自で保有するプライベートDMPを連携させることで、さらに充実したデータ基盤を構築することができる。

※CRM: Customer Relationship Management。顧客それぞれの属性や接触履歴を記録・管理しきめ細かい対応を行うことで、顧客満足度を向上させる取り組みのこと
(3)アドテクノロジー事業

2014年下期より実験的に手掛けた後、2015年2月より開始した新サービス。
SNSデータとアドテクノロジーを掛け合わせて広告効率の一段の向上を実現する。

サービス第一弾として、商品・サービスに対して「好意・愛着」を持っているユーザーのデータを活用してターゲティング広告の精度を向上させる「SNS対話データ・ターゲティング」の提供を開始した。
「SNS対話データ」とは同社独自のデータ概念で、「同社サービス上で広告主企業が行うユーザーアンケートなどによりSNSユーザーから直接的に収集できるリアルな意思・嗜好データ」をあらわす。
このデータをもとに、ユーザーひとりひとりの企業やブランドへの「好意・愛着」の度合いを可視化し分類することができるのが「SNS対話データ・ターゲティング」である。

「企業保有の広告ターゲットリスト」を母集団としてSNS上から類似ユーザーを抽出し、広告ターゲットを大幅に拡張できる「類似ターゲティング」システムは、広告運用の効率化を飛躍的に高める仕組みとして注目を集めている。
「SNS対話データ・ターゲティング」は、「類似ターゲティング」と「SNS対話データ」を掛け合わせることで、「商品に興味を持つかもしれない人」の推測データを母集団とする従来の類似ターゲティングから、「商品・サービスへの『好意・愛着』が高い人」の分類データを母集団に加えて類似ターゲティングを行うことが可能となり、広告配信の精度向上が期待できる。

今回の事業開始に伴い、アドテクノロジー事業に特化した専門部署を立ち上げた。
また、アドテクノロジー事業を、SNSプロモーション事業、SNSデータマネジメント事業と連携させることで、「SNS対話データ」の収集・蓄積・活用をワンストップで支援し、広告主企業の事業成果に直結したSNSマーケティングを実現させることを目指し、この3事業を横断したサービス開発を行うプロダクト開発チームを設立した。
3事業にかかわる人員の組織化を強化することで、サービス間の連携をさらに深めるとともに、システム開発の効率向上を目指す。

今後は、海外のSNS広告取扱高トップシェア企業とのサービス共同開発も視野に入れ、さらなる機能拡充および販売マーケットの拡大に取り組む。

(4)クラウドソーシング「ReFUEL4」

Facebook広告のクリエイティブ制作に特化したクラウドソーシングサービス。子会社「ReFUEL4(旧 Allied Asia Pacific Pte.LTD. 。2015年6月にグローバル市場におけるサービスのブランド力を高めるとともに、さらなる効果的な事業展開を目指すため商号を変更)」が2014年7月にサービス提供を開始した。

Facebook広告を出稿したい企業と、Facebook広告の制作を請け負いたいクリエイターをマッチングし、オンライン上でバナー画像や動画などの広告クリエイティブの発注・納品を可能にすることで、Facebook広告運用の最適化を実現する。
アライド アジア パシフィックはFacebook社の公式APIパートナーに認定されたことでFacebookが保有する広告データへのアクセス権限を獲得しており、「ReFUEL4」のサービス開発ではこの広告APIを活用している。

(※) API:Application Program Interface。プログラミングの際に使用できる命令や規約、関数等の集合のこと。

広告コンテンツの品質などによって出稿費用が変動するFacebook広告では、その効果を最大化する上で広告クリエイティブの最適化が重要視されており、広告の画像やテキストに細かな修正を加えて比較検証テストを繰り返し、調整を重ねながら最適なクリエイティブを追求していくことが効果的であると考えられている。

企業が「ReFUEL4」のサイト上でFacebook広告の予算やサイズ、広告プラン、希望する色合いやテイストなどを入力し「オファー」を出すと、世界中のクリエイターが条件に沿った広告バナーや動画を制作し「納品」する。
クリエイターを自社で用意しなくても、管理画面上で「どの広告クリエイティブが、どんな効果を生み出しているのか」を可視化し効果検証を重ねることができるほか、実際にクリックされた割合に応じてコストが発生する従量課金制の料金体系により、広告クリエイティブの最適化にかかる時間やコストを大幅に軽減することができる。

一方、クリエイターは、「ReFUEL4」に登録すれば、時間に拘束されることなくオンライン上で世界中の企業から制作業務を請け負うことが可能となり、新たな事業機会の創出に繋がる。

2014年7月のサービス提供開始以降、着実に実績が積み上がっており、中国の大手ゲーム会社や世界展開する大手音楽配信サービスなど、各国の企業が同サービスを利用している。
また、登録クリエイター数は2014年11月末には世界中で10,000人を突破した。
国別ではフィリピン、インドネシア、インド、タイなど東南アジアを中心としたアジア諸国が上位を占めるほか、アメリカ、メキシコ、オランダ、イギリス、ブラジル、スウェーデンなど世界各国のクリエイターが登録している。

また販売拡大を目指し、サービスの開始にあたり、Facebook広告取扱高において世界トップクラスのシェアを有するNanigans, Inc.(米国)とパートナー契約を結んだ。
Nanigans社のFacebook広告プラットフォームのシステムと連携し、同社の顧客企業に向けて積極的にサービスを展開していく。

今後もクオリティの高いWebクリエイターの獲得のみならず、動画広告への対応などさらなる機能拡充に努め、サービスの成長を目指していく。

(5)ウェブソリューションサービス

顧客企業のホームページ制作の受託を行っている。
ウェブ活用のための企画設計からデザイン制作、システム開発までを自社のリソースによりトータルで提供することが可能であるため、ウェブサイトのコンテンツを管理するシステムであるCMSを利用したホームページ制作など、顧客企業のホームページ作成のニーズに対応できる体制を構築している。
また、ホームページの制作に加え、インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディアであるCGM(※)やクチコミを活用し、ソーシャルメディアマーケティングを意識した総合的なウェブ戦略の支援を行っている。

(※)CGM:Consumer Generated Media。個人の情報発信をデータベース化、メディア化したWebサイトのこと。クチコミサイト、Q&Aコミュニティ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、ブログなどがこれにあたる。
【特長と強み】
①豊富な実績と高い信頼感

2008年にサービスを開始した「モニプラ」のSNSユーザー会員数は230万人を超え、利用企業数は累計で3,500社以上となっている。約7割の顧客企業は同社サービスを繰り返し利用してキャンペーンを行っているリピーターで、安定した顧客基盤を形成している。
また年間1万件以上のキャンペーンを実施し、月間20万件以上の「対話データ」が収集、蓄積されている。
こうした数字は、同社のSNSマーケティングにおける豊富な実績と顧客企業からの高い信頼感を示すものである。

②高いシステム開発力と運営ノウハウ

会社設立時より、システム開発力を磨き上げることに注力しており、SNSに精通したエンジニア集団による高いシステム開発力は他社を大きく上回っていると会社側は考えている。
一方、優れたシステムと共に、サイト運営、収集した「対話データ」の分析、活用に関するノウハウに関しても事業優位性を確立している。

2015年12月期第2四半期決算概要
増収もコスト増を吸収できず営業損失へ

売上高は前年同期比1.2%増加の10億23百万円。昨年11月のFacebookの規約変更(Facebookページ内でのインセンティブの提供による「いいね!」獲得の禁止)による顧客企業からの新規受注減少が続き、既存サービス売上高が減少したが、アドテクノロジーサービスや海外事業が寄与し、増収となった。
一方で、広告原価が発生するアドテクノロジーサービスの売上高が増加したこと、新サービスの開発費用、海外事業の立ち上げ等で原価、販管費が増加し、2億58百万円の営業損失となった。

(2)各サービス売上動向
◎既存事業(SNSプロモーション事業)

昨年11月のFacebookポリシー変更の影響、プロモーション需要の季節的要因等により、直前四半期(2015年12月期第1四半期)に比べ8%の減収となった。

◎新規事業
1.SNSデータマネジメント事業

「BRANDCo」のモニプラとの機能及びシステム統合の準備に重点を置いたため、当四半期の売上は直前四半期比4%の伸びにとどまった。ただ、企業からの引合いは活発で、今後のモニプラの成長加速に寄与すると見ている。

2.アドテクノロジー事業

国内企業によるFacebook広告等の利用が増加しており、順調に成長している。直前四半期比44%の増収となった。
今後は、SNSプロモーション、データマネジメントと連携したサービス展開を強化し、取引企業数の増加と1社当たり広告出稿額の向上を図る。

◎海外子会社ReFUEL4

Facebook広告市場の成長及びFacebook Marketing Partners認定により、引合いは好調で、直前四半期比109%の増収となった。

現預金、売上債権の減少等で流動資産は前期末に比べ4億86百万円減少。固定資産は有形固定資産の増加により同43百万円の増加。資産合計は同4億43百万円減少の14億54百万円となった。
負債合計は同1億41百万円減少の2億47百万円。有利子負債は長短ともゼロ。
純資産は、損失計上による利益剰余金の減少などで同3億1百万円の減少。自己資本比率は前期末から3.5%上昇の83.0%となった。

2015年12月期業績予想
業績予想を下方修正。

通期業績予想を下方修正した。
昨年11月のFacebook社のポリシー変更の影響等により、売上高が想定を下回っているほか、費用削減に取組んでいるものの、先行投資的費用が増加したことが要因。
業績低迷の経営責任を明確にするため役員報酬の減額を決定した。

今後の見通し
(1)企業キャンペーンの現状とニーズ

企業が製品やサービスの認知度を向上させ売上増に結び付けるための「キャンペーン」というプロモーション手法に対するニーズは普遍的なものだが、その手法は時代背景や主要な認知媒体の変遷とともに移り変わってきた。

TVなどマス媒体全盛時の、はがきによるキャンペーン応募では、個々の顧客の属性に合わせて関係性を強化するCRM(顧客管理)的な手法をとることは困難であったが、インターネットとそれに続くスマホやSNSの普及により、長く大切に顧客との関係を構築する事が可能になってきた。

そうした中で企業は更なる変化や進化をキャンペーンに望んでいる。
例えば、近年増加しているSNSを活用したキャンペーンは、FacebookならFacebook、twitterならtwitterと、SNSごとに顧客を集めるのが一般的だが、SNSの多様化や企業のデータ活用が進む中、複数のSNSを横断して顧客を獲得し、データを総合的に活用するニーズが高まっている。

(2)同社の対応
①モニプラを全面刷新

こうした状況に対応し、同社では前述の様に「モニプラ」と「BRANDCo」の機能とシステムを統合した。
両サービスの特性を融合させることでSNS時代に沿った最新型のプロモーション支援サービスを提供していく。

②3領域で総合展開

モニプラによる「キャンペーン」と「データマネジメント」に、「アドテクノロジー」を加えた3領域を組み合わせることで、これまでデータを蓄積せず掛け捨てでキャンペーンを実施していた企業に対し、継続して実施する事のメリットを理解して貰う事による「導入企業数の拡大」と、データを活用しSNS広告の精度向上を実現する事により導入企業の投下予算の増加を図る「単価の向上」により売上・利益の拡大を図っていく。

アドテクノロジー領域では、2015年8月よりサービス開発・販売強化のため専門チーム「AD Business Unit」(ADU)を設立した。
Facebook/Twitter等のSNS広告に特化した運用チームによる広告運用を代行し、広告の第三者配信や広告スコア(指標)を考慮したデザイン制作などを包括的に支援する「広告運用代行」サービス、企業の自社運営を効率化するためのツール導入を支援し、米国の大手広告支援会社Nanigansが提供する広告自動最適化ツールの国内唯一の正規販売会社として、SNS広告の最適な自社運用をサポートする「インハウス運用支援」の2サービスを展開する。

3領域による総合的なサービス展開で、今まで以上に多様な業種や商品におけるマーケティング施策を導入する事が出来るようになり、顧客との接点作りを強く希望する企業のニーズを着実に取り込んでいけると同社は考えている。

③海外事業

Facebook広告制作クラウドソーシング「ReFUEL4」は着実に実績が積み上がっている。
広告主企業が世界83カ国1万人以上のデザイナーに広告バナー制作を発注し成果に応じて報酬を支払う画期的なシステムとして、現在Facebookが注力している7カ国で実際の発注が行われている。
1万人という多様なデザイナーに発注する事で、最先端で商品訴求力が強く飽きがこないクリエイティブを大量に制作することができる。
また、同社としては良質なデザイナーの活躍する場を広げるととともに、企業がコスト削減のために発注するのではなく、適正な収入が確保できるような仕組みを作り上げていく、としている。
そうしたインフラの下で、世界の広告マーケットにおける唯一無二のポジションを確立し、海外事業の更なる拡大を目指す。

(3)中期目標

2016年12月期、2017年12月期を成長フェーズとし、前期及び今期をそのための「戦略的投資フェーズ」と位置付け、積極的な投資を継続していく。
国内外で展開する各種サービスを通じて、SNSを活用したマーケティング支援の実績と知見をさらに拡大し、2017年12月期に売上高50億円、営業利益10億円以上を目指す。

今後の注目点
足元、Facebook規約変更による影響が想定以上に長引き、通期業績下方修正となったが、中村社長は以下の様に、今後の成長軌道への復帰のための準備は完了したと考えている。

SNSの今後の継続的な成長性に変化は無い。
3領域による総合的な展開(キャンペーンの実施、データの収集・活用、より効果的な広告の実施)により、データ増、参加企業数増の好スパイラルが進むベースは出来上がった。
現在も先行投資は続けているが、当初計画してきた投資ポートフォリオはほぼ固まった。
また、日本、グローバルとも投資が利益に結び付きつつある。

Facebook規約変更による影響は山を越えたという事だが、中村社長の言う仕込みが実績として数値に反映されるのがいつ頃からなのか注目したい。

株式会社インベストメントブリッジ
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