(9616:東証1部) 共立メンテナンス 2016年3月期第1四半期業績レポート

2015/10/07

kyoritsu

今回のポイント
・16/3期1Qは前年同期比12.7%増収、78.4%経常増益。大幅な増収増益となった。寮事業における期初稼働率は、前年比0.1ポイント増の97.3%と好調なスタートとなった。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に国内旅行者やインバウンド需要の増加が引き続き追い風となり、高稼働にて推移した。その他の事業についてもすべての事業において増収、利益面では、フーズ以外の事業で増益または黒字転換した。

・通期予想に修正はなく、売上高が前期比10.4%増収、同2.4%経常増益を見込む。上期予想も修正なし。売上高が前年同期比13.5%増収、0.4%経常増益を計画する。配当は年50円(うち上期25円)を予定している。尚、2015年3月31日を基準日として1:1.2の株式分割を行っており、実質10円の増配となる。

・大幅な増収増益。ロケットスタートとなった。寮事業、ホテル事業とも好調に推移しているが、特にホテル事業において相次ぐ新規開業で売上を伸ばしつつ、その負担をこなしながらも利益率が上昇していることは特筆すべきだろう。また、その他の事業も黒字に浮上しており、コスト管理も行き届いていることがわかる。新たな中期計画が進行中だが、利益については前倒し達成も視野に入っている印象もある。外部環境に大きな変化が生じない限り、今後も高成長が持続するだろう。

会社概要

“ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する”と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。
事業の種類別セグメントと売上構成(15/3期)は次の通りである。

【沿革】

設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。

新中期経営計画「共立フルアクセル・プラン」

5月に新たな中期計画として、「共立フルアクセル・プラン」を策定した。

経営環境
・異次元緩和による低金利及び円安の継続
・建築費の高止まり
「日本再興戦略」改訂2014
・観光資源の活用/インバウンド促進
・大学改革/グローバル化
・法人税率の段階的な引き下げ
・コーポレートガバナンスコードの策定
将来のイベント
・2017年4月消費増税(8%→10%)
・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催
その上で「共立フルアクセル・プラン」において2018年3月期に目指す目標は以下の通り

基本方針として
1. お客様のニーズに応えるべく、開発投資を集中的かつ積極的に加速
2. 価値と価格のバランス適正化による収益力の強化
を掲げている

開発室数は寮・ドミールで4,930室、ドーミーインが2,794室、リゾートホテルは641室。

ホテル事業の客室単価については、過去3年間の平均でドーミーインは5.3%の上昇、リゾートホテルでは6.1%の上昇率であったが計画上ではそれぞれ2.7%、2.3%の上昇を見込んでいる。尚、これまで通りの客単価上昇率が持続すれば、ドーミーインで24億円、リゾートホテルで27億円の営業利益上乗せ余地があるとしている。
中期計画期間中の設備投資は440億円を見込む。

2016年3月期第1四半期決算
前年同期比12.7%の増収、同68.2%の経常増益

売上高は前年同期比12.7%増の287億44百万円。寮事業における期初稼働率は、前年比0.1ポイント増の97.3%と好調なスタートとなった。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に国内旅行者やインバウンド需要の増加が引き続き追い風となり、高稼働にて推移した。その他の事業についても大幅増収、黒字転換した。売上総利益率は2.0ポイント上昇、販管費率が0.1ポイント低下し、営業利益率は2.2ポイント上昇、営業利益は前年同期比68.2%増の18億54百万円、経常利益は同78.4%増の16億30百万円、四半期純利益は同71.1%増の9億44百万円。大幅な増収増益となった。

営業利益率は前年同期比2.2ポイント上昇の6.5%。創業以来、寮事業を主力とし安定成長。寮事業で培ったノウハウを活かしホテル事業を展開してきたが、成長著しいホテル事業が利益率の改善も顕著である。

寮事業

売上高は前年同期比4.1%増の112億21百万円、営業利益は同16.1%増の14億89百万円。期初稼働率は97.3%と前年を0.1ポイント上回る水準でのスタート。6月末現在の契約稼働者数は33,345人で前年同期比1,559人増加。
また、今1Qにおいては、学生寮事業が堅調に推移したことに加え、社員寮事業において新入社員の増加や、新たに寮制度を導入する企業が増加したことにより大幅に契約数が増加した。更には、1棟単位での徹底したコストコントロールも引き続き実施し、利益率も上昇した。

ホテル事業

売上高は前年同期比11.0%増の117億24百万円、営業利益は同92.6%増の9億34百万円。ドーミーイン事業、リゾートホテル事業いずれも高稼働にて推移した。前年同期に一部事業所において実施したリニューアル工事との比較による影響はあったものの、この影響を除いても大幅な増益傾向となっている。

ドーミーイン(ビジネスホテル)事業
韓国で3月にオープンした「Dormy Inn PREMIUM SEOUL Garosugil(カロスキル)」がMERS拡大の影響を若干受けたものの、日本国内で1Qにオープンした「天然温泉 錦鯱の湯 ドーミーインPREMIUM名古屋栄」、「徒士の湯 ドーミーイン上野・御徒町」が好調に推移し、また、既存の事業所においてもインバウンドをはじめ多くの顧客から好評を得て高稼働で推移した。
リゾート事業
箱根山の噴火警戒レベル引き上げによる懸念材料はあったものの、全体では前年同期を上回る高稼働にて推移したほか、稼働状況に応じた柔軟な人員配置を実施することにより、稼働率の変化に対応したコスト管理を実施した。
その他の事業

売上高は前年同期比44.1%増の98億25百万円、営業利益34百万円(前年同期は1億31百万円の損失)。
総合ビルマネジメント事業は売上高27億6百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益21百万円(前年同期は2百万円の損失)。前期における賃貸物件の取得及びビルマネジメント部門の案件の増加に伴い増収、黒字転換した。
フーズ事業は売上高13億1百万円(前年同期比2.2%増)、営業損失21百万円(前年同期は10百万円の損失)。個人消費の回復を受け増収となったが、新規出店費用等の影響により損失が増加した。
デベロップメント事業は売上高29億48百万円(前年同期比263.5%増)、営業利益58百万円(前年同期は19百万円の損失)。開発原価は依然として高止まりの状況が続いているが、ホテル開発の受注増加に伴い増収、黒字転換となった。
その他事業は売上高28億67百万円(前年同期比30.7%増)、営業損失23百万円(前年同期は97百万円の損失)。PKP事業の拡大と効率化に伴う採算性改善が主因で増収、損失は縮小した。

1Q末の総資産は前期末比8億75百万円増の1,406億25百万円となった。主な要因は仕販売用不動産、建物及び構築物の増加によるもの。負債は同45億6百万円減の883億30百万円となった。主な要因は、転換社債型新株予約権付社債の権利行使による減少などによるもの。純資産は同53億81百万円増の522億95百万円となった。主な要因は、資本金、資本剰余金の増加などによるもの。
自己資本比率は37.2%となり、前期末比3.6ポイント増加した。

2016年3月期業績予想
前期比10.4%の増収、同2.4%の経常増益予想

通期予想に修正はなく、売上高が前期比10.4%の増の1,217億円、経常利益は同2.4%増の78億50百万円を見込む。上期予想も修正なく、売上高が前年同期比13.5%増の608億円、経常利益は同0.4%増の42億40百万円を計画する。
配当は年50円(うち上期25円)を予定している。尚、2015年3月31日を基準日として1:1.2の株式分割を行っており、実質10円の増配(実質20%増配)となる。

今後の注目点
大幅な増収増益。ロケットスタートとなった。寮事業、ホテル事業とも好調に推移しているが、特にホテル事業において相次ぐ新規開業で売上を伸ばしつつ、その負担をこなしながらも利益率が上昇していることは特筆すべきだろう。また、その他の事業も黒字に浮上しており、コスト管理も行き届いていることがわかる。新たな中期計画が進行中だが、利益については前倒し達成も視野に入っている印象もある。外部環境に大きな変化が生じない限り、今後も高成長が持続するだろう。
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