(4341:東証2部) 西菱電機 2016年3月期第1四半期業績レポート

2015/10/07

seiryou

今回のポイント
・16年3月期第1四半期の売上高は前年同期比8.4%減の32億9百万円。携帯電話の販売台数は堅調に推移し、官公庁向け防災システムも増収だったが、IP無線機器販売の減少などで減収となった。営業損失は前年同期を上回る2億3百万円となった。

・16年3月期の予想売上高は前期比横ばいの220億円。情報通信端末事業では、スマートフォン市場において、様々な動きが出てきており、顧客満足度向上のための店舗づくりを進める。また、お客様窓口ご案内システム(発券機システム)は、全国のドコモショップ及び異業種への拡販に引き続き注力する。携帯端末修理再生事業は生産性の向上に引き続き努める。情報通信システム事業では、公共事業案件は競争が激しくなっているが、同社が得意とするMCA防災行政無線等を中心に営業を展開。民間向けでは、IP無線機器販売の回復がカギ。来年5月にデジタル化期限を迎えるタクシー無線更新需要にも積極的に対応する。予想営業利益は同72.8%増の5億1百万円。コストダウンが進むほか、高付加価値ソリューションの拡販により大幅な増益を目論む。システム開発、販促、社内体制強化等の投資を行いつつもコストコントロールを進め、増益を目指す。配当は中間、期末各5円/株減配の35円/株の予定。予想配当性向は40.8%。

・現在の足元は低調だが、安定した基盤を有する防災、減災、監視など公共分野の受注は堅調に推移しているほか、お客様窓口ご案内システム(発券機システム)や携帯電話販売店の大型複合施設への移転、携帯端末修理再生も事業拡大を目指しているなど、期待の持てる分野は多い。民需事業の柱の一つであるIP無線システムは、特需後の端境期にあるがタクシー無線のデジタル化需要をとらえるべく、ナビゲーション一体型IP無線機「Solid-IP」を投入している。また、アジア市場の開拓も現在調査中であるなど、多岐にわたるソリューションを提供し、市場に新たな価値と信頼を創造すべく挑戦しており、その進捗が注目される。

会社概要

「情報通信端末事業」と「情報通信システム事業」の2事業分野を展開するICTソリューション企業で、筆頭株主は三菱電機(株)。
「情報通信端末事業」では、携帯情報通信端末の販売を目的として、関西圏に携帯ショップ11店舗、パソコン量販店1店舗を展開。また、独自のノウハウを活かした、携帯情報通信端末の修理再生業務や、お客様窓口ご案内システム(発券機システム)も強み。
「情報通信システム事業」では、防災インフラならびに社会インフラに関する無線システムおよび監視システム等に関する開発・販売・システム構築から、保守・運用のアフターサービスまでの一貫した業務を、官公庁、全国の自治体および公共団体などに展開。さらに、業務の効率化やコストダウンにつながるクラウド技術を利用した新サービスを積極的に提案中。民需向けでは、タクシー会社や運送会社などで使用されるIP無線市場でシェアトップ。
2015年4月には連結子会社3社の商号を変更し、グループ一体経営の推進を図り、グループのブランド力の強化、事業領域の拡大および付加価値向上を目指す。

【沿革】

同社創業者で現在相談役の西岡 孝氏が三菱電機系商社に在職中の1966年、三菱電機(株)から競馬場内の映像放映案件が持ち込まれた。映像放映のみならず、放送機器の保守・点検まで行うというもので、会社としては案件の受注を躊躇していた中、同氏を始め4名がスピンアウトし、同社を創業してその案件を請負った。自らカメラマンとして撮影も行わなければならない等、苦労も多かったようだが問題なく運営を軌道に乗せたことで、三菱電機(株)などからの評価も高まった。それ以降、今に続く三菱電機(株)からの様々な仕事を引き受けることとなった。現在同社の筆頭株主は三菱電機(株)であるが、株主となったのは後の事であり、創業はまさにベンチャーである。
もう一つの成長の契機は1970年に大阪で開催された万国博覧会だった。ここで、大規模な無線や監視カメラネットワークの運営、保守・点検業務を請け負ったことで事業が飛躍的に拡大した。また、1980~90年代にかけて、自動車電話や携帯電話が急速に普及する中、携帯電話販売業務に参入。販売のみならず、無線機器の修理技術を活かし三菱電機㈱製の携帯電話の修理を一手に引き受ける修理再生業務も着実に成長した。2008年に三菱電機(株)は携帯電話の製造から撤退したが、その技術力を活かして、現在では他メーカー製携帯情報通信端末の修理再生を行っており、2012年には東日本端末修理センターを開設している。
西岡社長は、営業、総務などを経験後1993年取締役を経て、2008年4月に代表取締役社長に就任した。就任後の三菱電機(株)の携帯電話撤退、リーマンショックという困難な局面を切り抜け、IP無線サービス等、新たな市場開拓を意欲的に進めている。

【経営理念など】

経営の原点として「西菱電機はいついかなる時にも絶対に生き抜き、且つ発展を続ける」を掲げている。
また、『優れた「ビフォア」サービス・「イン」サービス・「アフター」サービスを通して、社会に貢献し、顧客・株主・従業員をはじめ会社に係るすべての人々に喜びを与えることを目指す。』を経営理念としている。

同社は決算短信内「目標とする経営指標」で、ROEの向上を基本的な目標とし具体的目標数値として10%を掲げている。2014年3月期は13.5%と目標を上回るROEを実現したが、2015年3月期は下記決算概要に記載のように大幅減益となったため、1ケタ台に低下した。早期の10%回復が期待される。

【事業内容】
◎情報通信端末事業
「売上高 7,802百万円 営業利益 504百万円(2015年3月期実績)」

同事業はさらに以下の4つに分類される。

①携帯電話販売業務

ドコモ、au、ソフトバンクの各店舗を近畿各地に2015年3月末現在、11店舗展開している。(ドコモ 6店舗、au 4店舗、ソフトバンク 1店舗)
商品の販売だけでなく高機能化が進む情報端末を快適に使用してもらうためにコンサルティングサービスやユーザー教室など、顧客の様々なニーズに対応することで地域の顧客に選ばれる店創りを進めている。

②パソコン販売業務

(株)ピーシーデポ(JASDAQ上場)のFC店としてロードサイド型PC総合専門店「PC DEPOT」を1店舗展開している。パソコンや周辺機器の販売と、ユーザーからの様々な相談や修理を受け付ける「パソコンクリニック」を併設し、地域密着型パソコン総合専門店を目指している。

③携帯情報通信端末修理再生業務

創業以来無線機器の修理を手掛けてきたノウハウ、経験を活かし、故障した携帯電話の修理、再生を行っている。
ほぼ新品同様に再生するノウハウを独自に開発しており、浸水した携帯通信機器からデータを復旧させる技術については実用新案を取得している。
前述の通り、三菱電機(株)が携帯電話の生産を中止した後も、その技術が高く評価され、現在では海外メーカー製スマートフォンの修理再生を行っている。修理拠点である東京都江戸川区の東日本端末修理センターでは毎月数万台の修理を手掛けている。

④お客様窓口ご案内システム(発券機システム)

店内での顧客の待ち時間を軽減する事を目的に、「お客様窓口ご案内システム(発券機システム)」を自社で開発し、販売している。
本システムは、店頭タッチパネルでの順番予約機能、来店前の携帯電話・スマートフォンからの事前予約機能の他、店舗スタッフの現在の業務状況を一覧で確認できる店舗スタッフ管理機能も有している。
また、「クラウド」技術を用いて、順番が近づけば自動的にメールや電話で通知する機能を実装している。
本システムは、同社が運営する携帯販売店の声に基づいて、業務効率化のために自社で開発されたが、本システムを有効活用した顧客満足度の向上・業務効率化が高く評価され2012年2月に開催された「NTTドコモグループ全国改善事例発表大会」において、全国約2,700チームエントリーの中、「最優秀賞」を受賞した。このことがきっかけとなり、関西地区に327あるドコモショップ全店舗のほか、他地域のドコモショップでも多数導入され、2015年7月末時点の累計販売台数は625台を突破している。
採用店舗数の拡大を目指すのと同時に、銀行や官公庁を始めとした他業種への展開にも力を入れており、神奈川県厚木市役所への納入を果たすなど、着々と実績を積み上げている。3年以内には累計1,000か所への導入を目指しているとのことである。

◎情報通信システム事業
「売上高 14,244百万円 営業利益 761百万円(2015年3月期実績)」

顧客により、民需分野と公共分野に分類され、売上高としては公共分野が上回る。
代理店、協力会社を擁し全国で営業展開している。

①民需分野

創業以来手掛けてきた無線や映像技術を活かし、タクシー会社や運送会社において車両の位置や状態を一目で把握でき、顧客情報との連携が可能で、より効率的な配車業務が実現できる「車両動態管理(AVM)システム」、コンビニ、店舗、大型商業施設、オフィス、マンションなどを中心に利用されている「監視カメラシステム(CCTVシステム)」、免許・基地局不要で複数同時通話が可能な「特定小電力トランシーバー『G-TALK』」等の他、「IP無線サービス」などの移動無線通信システムを手掛けている。2013年2月からはソフトバンク(株)の回線を使用したIP無線サービスの販売をソフトバンク(株)と共に開始し、同社が製造したIP無線機をソフトバンク(株)に提供している。

◎IP無線サービス

IP無線サービスは、携帯電話網を活用したシステムのため、無線基地局の設置が不要であることなどから、導入コストの大幅削減を図ることができる。また、携帯電話網であるため日本全国をサービスエリアとすることができ、無線電波が届かない不感地帯の解消につながるほか、通話品質の大幅な改善、無線従事者の配置が不要となるなどメリットが大きい。
加えて、大量のデータのやり取りも可能なため、電話受付・配車・運行支援・業務支援といった機能もより一層充実させることができる。

さらに、同社では、長年、タクシー無線に携わってきており、IP無線サービス以外の業務用無線サービスやクラウド型の車両動態管理(AVM)システムなど、顧客の要望に応じた無線サービスを1つのソリューションとして提案することが可能。
現在、同社製車両動態管理(AVM)システムおよびIP無線サービスは、東京のコンドルタクシーグループや大阪の阪急タクシー(株)などの大手タクシー会社や運送会社など導入されており、タクシー向けIP無線サービス市場ではシェアトップとなっている。タクシー会社は、2016年5月をもってアナログ無線の利用が出来なくなることや、IT化による業務効率性のアップと顧客サービスの品質向上に対応するため、同システムに対するニーズは大きいと同社では考えており、タクシー会社を対象としたセミナーや配車システム視察ツアーの開催などを通じて、全国タクシー会社への積極的な開拓を続けている。

2013年2月1日からソフトバンクの回線を使用した車載型IP無線機「SoftBank 201SJ」(西菱電機製)を日本で初めて、ソフトバンク(株)と連携して、タクシー業・運輸業向けに販売し、同社IP無線サービス事業のシェアを開拓した。
2014年2月12日には、ハンディ型の業務用IP無線機「SoftBank 301SJ」(西菱電機製)の販売を、開始した。本製品は、屋外での使用を想定して、手袋をした状態でも操作可能な感圧式タッチパネルや防水・防塵性能を有している。航空会社、運輸業、工事業、製造業および警備業など、広い範囲をユーザーとして想定して、需要を開拓しているとのことである。
また、2015年4月22日には、クラリオン(株)との連携により、業界で初めてカーナビゲーションとIP無線機能の一体化を実現した車載端末を販売開始。ソフトバンクのサービスエリア内ならどこでも通信・音声通話(単方向)が可能で、「SoftBank 201SJ」や「SoftBank 301SJ」などのIP無線機との相互呼び出しや音声通話(単方向)も可能。カーナビとIP無線機能の一体化の実現により、その両方を導入または更新する際の経費削減が期待できるとのことで、タクシーやバス、宅配便、貨物運送などの自動車運送事業者をはじめとする幅広い業種からの受注を目指している。

②公共分野

防災・減災を目的とした社会インフラ構築に寄与する各種機器・システムの企画・設計、開発・導入、運用・保守に至るまでのトータルソリューションを提供している。
通信・映像分野で蓄積した信頼と実績、エンジニアリング力と迅速な対応力により、安心・安全・快適な環境づくりに貢献する事を目的としており、関西を中心に国土交通省、消防庁、全国多数の自治体、公共団体に納入実績を持つ。
空港内車両の位置情報を車両と管制局で共有することで安全で効率的な車両運行を実現する東京国際空港をはじめとした複数の空港へ導入している「空港内車両位置情報システム」、駐車場に設置したカメラ映像を画像処理することで駐車場の混雑状況を自動判定し、駐車場利用者を表示板により空きスペースに誘導する「パーキングエリア駐車場誘導システム」、遠隔で水門・樋門等の開閉操作や水位等の情報収集を可能にする「水門・樋門制御システム」などの特色あるソリューション提供も意欲的に行っている。
なお、公共分野の売上高は、通常、同社の第4四半期となる1-3月に完成する割合が大きいため、業績に季節的変動がある。

<主な取扱いシステム>

同社が取り扱っている防災・減災用システムはきわめて多岐に渉っている。以下は主なものである。

◎映像監視システム

同社が長年培ってきた映像配信技術を利用して施設等を遠隔監視し、災害等の発生を映像などを介して事前に警告するシステム。河川、ダム、道路及び空港などの公共施設で利用されており、国土交通省や地方自治体などに多くの納入実績がある。近年では、異常豪雨の対策を目的とした河川や地下道路の監視、大規模災害に備えた広域監視や津波監視などに注目が集まっている。

*クラウド型雨量・水位テレメータシステム

同社のクラウド技術を利用した雨量・水位観測システム。同社が培ってきたテレメータの技術ノウハウを活かすことで、安価で使いやすい監視制御設備を提供している。携帯電話網を通じて同社のクラウドサーバに収集された情報は、パソコンに加え、スマートフォンやタブレット端末でも監視データの閲覧が可能である。また、災害発生時に担当者へメール及び電話で自動通報することも可能である。
クラウドサーバは、関東/関西に分けて二重化しているほか、24時間体制で同社がシステム監視を行うため、広域災害時の停電/障害リスクを最小限にし、障害時は迅速な復旧対応が可能となる。

*冠水監視警報システム

ゲリラ豪雨などによって地下通路(アンダーパス道路)で冠水が発生した際、その状態を遠隔監視するシステム。冠水が注意水位や危険水位に達したときには、地下通路に設置した冠水センサーに連動して、警報装置(表示板・回転灯)にて通行車両への注意喚起を行うとともに、電話・電子メールにて、管理者に冠水情報を配信する。また、地下通路に設置したカメラ映像をインターネット等を通じて事務所に伝送し、事務所にて現場の映像を見ることも出来る。

*防災情報収集用カメラシステム

大災害発生時に迅速な初動体制が確保できるように、高地より周囲の状況を広く監視するシステム。大阪府に納品し、生駒山に設置しているものは、監視映像をインターネットを通じて一般公開することで、防災情報を広く提供している。
(公開サイト(おおさか防災ネット):http://www.osaka-bousai.net/pref/index.html

◎MCA防災無線システム

通信回線に(財)移動無線センターが運営するmcAccess e(エムシーアクセス・イー)を活用した、安価で使い易い拡声放送システム。防災行政無線と異なり無線従事者の資格が不要であり、総務省の法定点検も免除、免許申請手続きも簡易で済むことなどから、自治体担当者の維持管理の負担を大きく軽減する事が出来る点が評価されている。
地域振興波による再送信を活用することで、不感地域の改善やラジオ付きの戸別受信機を導入することが可能であり、国の施策として各自治体の防災無線のデジタル化を促進していることや東日本大震災以降の防災・減災予算が重点化されたことなどもあって、全国の地方自治体で導入が進んでいる。
同社のシステムは、タッチパネルで操作しやすく、操作画面から入力した文章を音声合成で放送したり、文字表示盤に表示させたりすることが出来るなどの特徴がある。

◎防災情報多様化サーバ

大規模災害などの発生時に総務省消防庁から配信されるJ-ALERT情報に連携して、携帯メールなどの複数の情報伝達手段に対し一斉に情報を配信することを可能とするシステム。従来だと、防災行政無線による音声配信のみだった住民への災害情報提供を、メール配信やホームページへの情報掲載などをたった一つの操作で確実かつ迅速に行うことができる。

◎津波情報配信システム

海岸利用者に津波などの情報を自動的に伝達するシステム。津波や高潮などの気象情報が発令された際、巨大な表示板にその内容を表示し、迅速な避難を促す。また、表示板の近くにはライブカメラを設置し、管理者などが現地の状況を把握することができる。また、神奈川県への本システム納入時は、同社の工程管理が高く評価され、神奈川県知事表彰を受賞している。

◎カスタマーサービスセンターによる24時間監視サービス

顧客が運用している同社製システムおよびクラウドサーバーを24 時間365 日、同社のカスタマーサービスセンターから遠隔で常時監視・診断し、緊急時には技術者を緊急出動させるなどの充実した保守サポート体制で、社会インフラを支える様々なシステムの安定運用を支援している。

【特長と強み】
◎高いソリューション力

創業当初から培ってきた無線や映像に関するノウハウを活かして、民需分野か公共分野かを問わず設計から保守・運用までを一括して請け負うことが出来るソリューション力が同社の強み。
同社の営業部門は技術的なソリューション提案も行うことが出来る高いスキルを有しており、タクシー会社向けIP無線サービスにおいては同社がシェアトップである。また、同社の開発部門は、顧客の市場ニーズを発掘し、お客様窓口ご案内システム(発券機システム)のような市場価値の高い製品を一から現実化する技術力を有している。加えて、同社のカスタマーサービスセンターは、クオリティーの高い保守サポートを常に提供する事のできる支援体制を有している。

◎携帯情報通信端末の修理再生に関するノウハウ

日本では数少ない、携帯情報通信端末の故障解析・修理再生に関する独自ノウハウを約30年間蓄積している。

◎優良な携帯販売店舗

好立地の携帯販売店舗を全キャリア有しており、販売実績や顧客満足度などから、たびたび通信キャリアから表彰を受けている。

2016年3月期第1四半期決算概要
減収・減益

売上高は前年同期比8.4%減の32億9百万円。
携帯電話の販売台数は増加し、官公庁向け防災システムも堅調だったが、IP無線機器販売の減少などで減収となった。営業損失2億3百万円(前年同期は営業損失79百万円)となった。

◎情報通信端末事業

携帯販売事業の販売台数の増加などにより、前年同期に比べ増収となった。携帯端末修理再生事業は、修理ラインの効率化による生産性向上に努めた。

◎情報通信システム事業

大口工事の進捗により官公庁向け防災システムは増収となった。同システムにおける大口受注を可能にしているものは、西岡社長によれば「顧客の希望通りにしっかりとした納品が出来る事と、経営理念にある優れたアフターサービス体制が高く評価されている。」ためだという。
一方、IP無線機器販売の減少や動態管理システムの大口案件の減少、連結子会社の西菱電機エンジニアリング株式会社の無線通信機器組立業務等の受注減少などにより情報通信システム事業全体では減収となった。
規模拡大に向けた開発や、2015年4月より販売を開始したナビゲーション一体型IP無線機「Solid-IP」をはじめとした各種システムの販売促進など、今後の事業拡大のための投資を積極的に行っている。

減収による現預金、売上債権の減少等で流動資産は前期末に比べ40億78百万円減少の70億28百万円。固定資産に大きな変化は無く、同33百万円減少の20億19百万円となり、資産合計は同41億11百万円減少の90億48百万円となった。
仕入債務の減少により流動負債は同38億9百万円減少の36億39百万円。固定負債は長期借入金の減少等で同97百万円減少し5億10百万円となり、負債合計は同39億6百万円減少の41億49百万円となった。
純資産は、利益剰余金の減少等で同2億5百万円減少の48億98百万円となった。
この結果、自己資本比率は前期末の38.8%から15.3pt上昇し54.1%となった。

(4)トピックス
◎社外取締役を選任

コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図ることを目的に、独立性の高い社外取締役を新たに選任した。
新任社外取締役小西新太郎氏は、創業が1550年という伝統のある小西酒造株式会社代表取締役社長。
小売店舗の事業展開もされていることから、経営に対する監督機能の強化はもとより、経験と見識を活かした、有益な助言を会社側は期待している。
2015年6月25日に開催した第49回定時株主総会で選任され、就任した。

◎日本最大級の大型複合施設「EXPOCITY」内に「ドコモショップ ららぽーとEXPOCITY店」をオープン

2015年11月19日、エキスポランド跡地(大阪府吹田市千里万博公園)に開業する日本最大級の大型複合施設「EXPOCITY」に「ドコモショップららぽーとEXPOCITY店」をオープンする。

「EXPOCITY」は、延床面積約223,000平米に約300の事業者を集め、8つの大型エンターテインメント施設と「ららぽーとEXPOCITY」が一堂に会した、エンターテイメントとショッピングを融合した大型複合施設。
「ドコモショップデュー阪急山田店」からの移転という形となる「ドコモショップららぽーとEXPOCITY店」では、1席あたりの受付カウンターの幅を従来の約1.4倍となる1,800mmに広げるなど、「ゆっくり・ゆったり体感していただく」をコンセプトに、多くの来店が見込まれるファミリー層の顧客にくつろぎを提供する店舗作りを行う。

また、「EXPOCITY」には、連結子会社コムテックサービス(株)が、「auショップららぽーとEXPOCITY」を出店するため、西菱電機グループとしては2店舗出店することとなる。

2016年3月期業績予想
売上横這いながらもコストコントロールを進め増益へ

予想売上高は前期比横ばいの220億円。
情報通信端末事業では、スマートフォン市場において、低廉なMVNO端末の登場、SIMロック解除、光回線とのセット販売等、大きな動きが出てきており、顧客満足度向上のための店舗づくりを進めニーズの取り込みを図る。
販売は堅調に推移する見込み。トピックスで取り上げた「EXPOCITY」の大型店舗は集客力が高く会社側は大いに期待している。
また、お客様窓口ご案内システム(発券機システム)は、毎月ほぼ継続的に全国のドコモショップへの納入が進んでいる。地方自治体、金融機関など異業種への拡販に引き続き注力する。一方、携帯端末修理再生事業は厳しい環境が続くと予想している。

情報通信システム事業では、前期想定以上に苦戦したIP無線機器の回復がカギとなるが、年度後半からの回復を見込んでいる。また、2016年5月にデジタル化期限を迎えるタクシー無線更新需要もまた後半から顕在化してくると予想している。特に第1四半期は大口案件の少なかったタクシー向け動態管理システムはナビゲーション一体型IP無線機「Solid-IP」などの新製品投入による拡大に期待している。
予想営業利益は同72.8%増の5億1百万円。コストダウンが進むほか、高付加価値ソリューションの拡販を目指す。また、高速道路向け「トンネル内ラジオ再放送システム」などのシステム開発、販促、社内体制強化等の投資を行いつつもコストコントロールを進め、増益を目論む。
配当は中間、期末各5円/株減配の35円/株の予定。予想配当性向は40.8%。

今後の注目点
現在の足元は低調だが、安定した基盤を有する防災、減災、監視など公共分野の受注は堅調に推移しているほか、お客様窓口ご案内システム(発券機システム)や携帯電話販売店の大型複合施設への移転、携帯端末修理再生も事業拡大を目指しているなど、期待の持てる分野は多い。民需事業の柱の一つであるIP無線システムは、特需後の端境期にあるがタクシー無線のデジタル化需要をとらえるべく、ナビゲーション一体型IP無線機「Solid-IP」を投入している。また、アジア市場の開拓も現在調査中であるなど、多岐にわたるソリューションを提供し、市場に新たな価値と信頼を創造すべく挑戦しており、その進捗が注目される。
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