(6465:東証1部,名証1部) ホシザキ電機 2015年12月期第2四半期業績レポート

2015/09/30

hoshizaki

今回のポイント
・2015年12月期第2四半期(累計)の売上高は前年同期比11.5%増の1,309億円。国内売上高は、同5.5%増の870億円。引き続きフードサービス産業を始めとする既存顧客への一層の販売促進と新規顧客への積極的な販路拡大に取り組んだ。海外売上高は、同25.6%増の439億円。米国を中心に製氷機、ディスペンサ、業務用冷蔵庫等が好調。営業利益は同17.1%増の178億円。人員増等によるコストアップはあったものの、グループを上げて原価低減や生産性向上に努めた。営業利益率は前年同期に比べ0.7ポイント上昇した。第2四半期(累計)及び通期の業績予想を上方修正した。

・2015年12月期通期の売上高は前期比11.0%増の2,590億円。国内売上は同6.3%増の1,694億円。海外売上は同21.3%増の895億円。営業利益は同7.5%増の290億円。国内では材料費の高騰、価格競争の激化を想定。また、計画人員確保を目指した役務原価/販管費の支出増を織り込んでいる。海外では先行投資によるコスト増、価格競争の激化による利益率低下を織り込んでいる。

・前回のレポートで『今後、国内においては、会社側が「増税後の影響は当初想定より限定的」と捉えていた前年同期との比較となる第2四半期以降の国内販売状況に注目したい。』と記したが、主力製品の既存及び新規顧客への販売が順調に拡大した。下期も堅調な拡大が期待される。

・一方海外に関しては、足元若干円高に戻しているものの、現地通貨ベースでの推移は堅調で、大きなリスクには繋がりにくいと考えられる。短期的には順調な進捗からの再度の上振れの可能性に、中期的には中国及び東南アジア市場開拓のスピードに注目したい。

会社概要

外食産業、病院・老人健康施設、学校・保育園、スーパー、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)、オフィスなどを顧客とし、製氷機、業務用冷蔵庫を始めとしたフードサービス機器の研究・開発・製造・販売を行っている。
製氷機、業務用冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサなどの主力製品では国内トップシェア。製氷機に関してはグローバル市場でもトップシェアである。独自の製品開発力、高品質、強力な営業力、迅速できめ細かなサービス&サポート体制等が強みであり、同業他社に対する大きな優位性となっている。
海外売上高比率は31.7%(2014年12月期)。ホシザキ電機を含む連結グループ会社は、2015年6月末時点で、国内18社、米州15社、欧州・アジア23社の合計56社。工場は国内5、米州7、欧州・アジア6とグローバルでの生産体制を構築している。国内営業体制は、北海道から沖縄までの15販売会社及びその436営業所によって日本全国をカバーしている。また海外では米州、ヨーロッパ、アジア・オセアニアに、100%独資の販売会社を配置し、全世界を幅広くカバーできる体制を整備している。

【事業内容】

製品別売上は、製氷機17.3%、業務用冷蔵庫25.4%、食器洗浄機6.6%、ディスペンサ11.6%、他社仕入商品12.0%、保守・修理17.0%、その他10.0%となっている。(2014年12月期)

【特徴・強み】
1.独自の技術に基づく製品開発&高い品質基準

独自技術に基づいた製品企画から製品化までの一貫した研究体制を持つことにより、最終顧客の多様なニーズへ迅速に対応している。また、新製品開発、先端技術開発、既存製品の改良や改善、シリーズ展開及び原価低減活動に加え、販売及び保守サービス活動から得られる情報や市場品質情報を製品開発に活用する体制を確立している。また、独自の品質基準を設定し、業務用という厳しい使用環境に耐えられる構造設計を行っており、過酷な条件で繰り返し行われるテストに合格した部品や技術のみが採用されている。

2.主要製品でトップシェア

高品質、サービス&サポート体制、耐久性、使いやすさ、デザイン性など様々なポイントが顧客に評価され、製氷機、業務用冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサなどの主力製品では国内トップシェアとなっている。また、製氷機に関しては、グローバル市場においても、ブランド別でトップシェアである。

3.きめ細かいサービス&サポート体制

同社では国内を15販売会社及びその436営業所でカバーし、約2,450名のサービススタッフによる地域密着型のきめ細かいサービス&サポート体制をとっており、ユーザーから故障やトラブルの問い合わせがあった際は、短時間で駆けつける「即日対応」を掲げて、スピーディーな対応を行っている(いずれも2015年6月末現在)。

4.営業力の強さと強固な顧客基盤

約3,000名の営業スタッフが日本全国をカバーする直販体制による営業力の強さも同社の大きな特徴である。高い直販比率のため顧客との密着度は高く、現在の強固な顧客基盤の構築に繋がっている。また、サービス部門との緊密な連携により、顧客の状況に即応した提案を行う事が出来る機動性の高さも顧客から高く評価されている。

2015年12月期第2四半期(累計)決算概要
引き続き国内外堅調で2ケタの増収増益。業績を上方修正。

売上高は前年同期比11.5%増の1,309億円。国内売上高は、同5.5%増の870億円。引き続きフードサービス産業を始めとする既存顧客への一層の販売促進と新規顧客への積極的な販路拡大に取り組んだ結果、昨年の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減をカバーした。
海外売上高は、同25.6%増の439億円。為替の影響を除いても同10.8%と2ケタの増収だった。米国を中心に主力製品である製氷機、ディスペンサ、業務用冷蔵庫、食器洗浄機が好調だった。
営業利益は同17.1%増の178億円。国内販売会社における人員増等によるコストアップはあったものの、グループを上げて原価低減、IT活用による生産性の向上に努めた。粗利率は前年同レベルだったが、販管費のコントロールが奏功し、営業利益率は前年同期に比べ0.7ポイント上昇した。
売上、利益とも過去最高を更新。2015年7月27日に第2四半期(累計)及び通期の業績予想を上方修正した。

(国内)

売上高は前年同期比5.5%増収の870億円。営業利益は同6.7%増の123億円。

同社の主力顧客である大手チェーン店の全店舗数は前年同期比プラスで推移している。ただ、天候不順や休日数の関係で全店売上高は低調に推移している。業態別には、ディナーレストランやファミリーレストランが好調な一方、居酒屋、ファーストフードは停滞しており二極化状態となっている。
業種別売上高構成を見ると、第2四半期累計では久しぶりに飲食店の構成比が上昇した。飲食店の内、夕方店への販促活動が奏功した一方、飲食店以外の内、特に病院老健が駆け込み需要の反動減の影響で減収となったことが主な理由である。但し、病院老健については、第2四半期累計でみると減収幅は縮小してきており、同業種については顧客件数も増加基調にあること等から、今後改善が見込まれる。
商品別では、製氷機、業務用冷蔵庫が引き続き好調だったことに加え、スチームコンベクションオーブン(以下、スチコン)、プレハブ冷蔵庫などの主力以外の戦略機種の販売も好調だった。
同社の強みである、営業とサービスの連携による売上高の構成比は、目標である60%を上回り70%近辺で推移している。
<海外>
(米州)

売上高は前年同期比27.3%増収の310億円。営業利益は同29.4%増の55億円。米国市場の環境が引き続き良好であり、製氷機、ディスペンサ、業務用冷蔵庫及び食器洗浄機の販売が好調に推移した。

(欧州・アジア)

売上高は前年同期比21.8%増収の128億円。営業利益は同39.3%増の12億円。業務用冷蔵庫、製氷機等主力製品を積極的に販売した。

前期末と比べ、現預金、売上債権、たな卸資産が増加し、流動資産は222億円増加。のれん等無形固定資産が減少したが、有形固定資産、投資その他の資産が増加し、固定資産は同15億円増加。資産合計は同237億円増加し、2,801億円となった。一方、仕入債務、賞与引当金の増加等で負債合計は同153億円増加した。利益剰余金の増加等で純資産は同84億円の増加となった。この結果、自己資本比率は60.9%と、前期末63.5%から2.6ポイント低下した。

営業CFは利益の増加等でプラス幅が拡大。投資CFは、定期預金払戻による収入の増加等でマイナス幅が縮小し、フリーCFのプラス幅は拡大した。財務CFは配当金の支払額増加等でマイナス幅が拡大。
キャッシュポジションは上昇した。

2015年12月期通期業績見通し
業績を上方修正。国内外とも堅調で増収増益。

売上高は前期比11.0%増の2,590億円。
国内売上は同6.3%増の1,694億円。(期初予想は同2.1%増の1,628億円。)
フードサービス産業における設備投資の継続性は不確実ながら、前年同期と比較して消費税増税の駆け込み需要の影響が下期には無くなることに加え、既存顧客及び新規顧客に対する主力製品の販売を継続して推進すること等で増収を予想。
海外売上は同21.3%増の895億円。(期初予想は同11.3%増の822億円)。海外売上高比率は前期より2.9ポイント上昇し34.6%となる。
米国、欧州および中国、ブラジル等新興国の市場環境の不透明さを織り込んでいるものの、6月に買収した中国の愛雪社の貢献等により、2ケタの増収を予想している。

営業利益は同7.5%増の290億円。
国内では期初に想定した以上の材料費の高騰、価格競争の激化を予想している。また、計画人員確保を目的とした役務原価や販管費の支出増を織り込んでいる。
海外では先行投資によるコスト増、価格競争による利益率低下を織り込んでいる。
経常利益は、同2.4%減の305億円。同社では、第2四半期終了時点では上期の為替差益のみ(今期は8.9億円)を織り込み、通期予想を発表している。2014年12月期通期の為替差益実績は32.8億円だった。
配当は前期と同じく50.00円/株。予想配当性向は20.7%。

各セグメントとも増収を見込んでいる。上方修正後でも、通期予想に対する進捗率は一番ウェイトの小さい欧州・アジアを除き、5割を超過している。

今期実施中の施策
<国内>

2015年度の重点施策と懸念事項として以下の様な点を認識している。

重点施策に大きな変化はない。これまでの取り組みを継続し成果につなげていく。

以下の点を、第3四半期以降の業績変動要因と認識し、合理的な範囲で通期見通しに織り込んでいる。

◎主なポイント
*製販一体での大型物件受注

再加熱カートに、藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)と共同開発したプログラミングを行い、新たな病院食の形を世界で初めて実現した。

同病院では、病院食は、調理済の食事を保温・冷却できるカートに入れ病床に配膳している。しかし約1,300床に配膳するには調理から提供に時間がかかるうえ、衛生上の問題で作った料理は短時間しか保存が出来ず、入院患者により満足度の高い病院食を提供できないかという課題を抱えていた。

そこで、同社では2013年5月に発売した再加熱カートにオーダーメイドの病院食を大量調理できるプログラムを顧客と共同開発し、組み込んだ。
厨房で8割方調理した料理を急速冷凍。カートにあらかじめ設定しておいた別々の加熱調理時間で解凍・加熱し完成させることで、全ての料理を出来立ての状態で提供することが可能になった。
安全性を維持しつつ、味の劣化を防ぐとともに、作業の平準化も実現できるため、病院側の満足度も高いということだ。

*ハード&ソフトの両輪によるスチコン拡販に成果

戦略商品の一つであるスチコンの月平均販売台数は6年前の2009年12月期上期の約90台から、今上期には約500台と著しい伸びを見せている。
蒸す、焼く、揚げるが一台で可能な同オーブンの製品としての優秀性に加え、具体的な使い方を飲食店に提案するソフト戦略が急成長の要因の一つとなっている。

*ワークライフバランスへの取組み強化

厚生労働省は、仕事と子育ての両立支援に積極的な企業を「くるみん」として認定しているが、その中でも最高クラスの評価となる「プラチナくるみん」を、国内販売会社のホシザキ東北が2015年4月に日本で初の認定を受けた。
「プラチナくるみん」の認定を受けるには、男性の育児においては育休取得率13%以上もしくは最低1名の育休取得者に加え育児目的での休暇利用者の合計が男性社員の3割以上、また女性の育児においては育休取得率75%以上の他、所定外労働時間の削減達成などハードルは非常に高い。

「プラチナくるみん」の認定を受けたことで、企業のイメージアップや優秀な人材の確保、会社に対する信頼度や愛社精神の向上等が期待できる。ホシザキ東北の他に国内販売会社5社で既に「くるみんマーク」の取得を達成しており、今後、2017年までに全ての国内グループ会社で同マークの取得を目標として、環境整備を進めている。

<海外>

2015年度の重点施策と懸念事項として以下の様な点を認識している。

加えて、以下の点を、第3四半期以降の業績変動要因と認識し、合理的な範囲で通期見通しに織り込んでいる。

◎主なポイント
*北米での製氷機シェア向上

アメリカの製造・販売会社であるホシザキアメリカの業績は好調で、北米市場における製氷機の競合優位性は確実に高まりつつあり、市場シェアは上昇傾向にある。ホシザキグループは数年前から製氷機で世界一のシェアを維持しているが、北米市場においても、1位の競合会社との格差は毎年縮小している。

*有力販売チャネルとの関係強化(米州)

引き続き米国市場において有力販売チャネルとの関係強化を進めている。
前々期に最大手の有力販売チャネルから製氷機に引き続き、冷蔵庫も指定ブランドとして認定された。また、最優秀サプライヤーとして表彰も受けたこと等もあり、同チャネルとの関係強化は順調に推移している。

*中国の業務用冷蔵庫機器メーカーがグループに仲間入り

前回のレポートでも紹介したように、中国の業務用冷蔵庫機器メーカー「浙江愛雪制冷電器有限公司」と持分譲渡契約を締結した。

愛雪社は、業務用冷蔵庫及び業務用製氷機の開発・生産・販売拠点を中国国内に有し、ボリュームゾーンをターゲットとした低コスト製品の品揃えと生産体制、及び中国主要市場を網羅する販売チャネルを強みとする、成長性及び収益性共に優れた企業。

今後の収益貢献については、以下2点のポイントを挙げている。

①ホシザキ電機との協業
共同購買によるボリュームディスカウントを追求するほか、技術部門による、性能・品質改善などの支援を行う。

②中国国内における愛雪の位置付け
代理店販売・サービスに合わせて自社の販売・サービス拠点も所有している。飲食業、ホテルが主な販売顧客となるほか、医療用製品も手掛けている。性能・品質面の基準に適合次第、広範囲な営業ネットワークと既存顧客網を活用することができる。

ホシザキグループは、業務用冷蔵庫世界No.1を目指しているが、今回のM&Aにより達成がほぼ確実になったという。

今後の注目点
前回のレポートで『今後、国内においては、会社側が「増税後の影響は当初想定より限定的」と捉えていた前年同期との比較となる第2四半期以降の国内販売状況に注目したい。』と記したが、主力製品の既存及び新規顧客への販売が順調に拡大した。下期も堅調な拡大が期待される。一方海外に関しては、足元若干円高に戻しているものの、現地通貨ベースでの推移は堅調で、大きなリスクには繋がりにくいと考えられる。短期的には順調な進捗からの再度の上振れの可能性に、中期的には中国及び東南アジア市場開拓のスピードに注目したい。
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