(2179:JASDAQ) 成学社 2016年3月期第1四半期業績レポート

2015/09/02

seigakusha

今回のポイント
・16/3期第1四半期はクラス指導部門が減収だったが、新規事業の増収効果により、前年比1.0%の増収、営業損失400百万円となった。主力の教育事業は、期首より生徒数が増加、及び夏休みなどに講習会、特別授業を開催することで、収益性が高まるため、第1四半期の収益性は低くなる傾向がある。ほぼ会社計画通りに推移していると考えられよう。

・16/3期の2Q及び通期予想に変更はない。前期比5.9%増収を予想。新規事業の立ち上がりによる費用増加により9.1%営業減益を計画している。配当は前期に比べ0.30円/株増配の9.80円/株、予想連結配当性向は24.6%を予定している。

・預かりと学びを融合したアフタースクール事業および今年4月から開園した「かいせい保育園」、「かいせいプチ保育園」の開設により、低年齢からの一貫したサービス提供を行い、既存事業との相互成長が期待できよう。また、従来の直営教室に加え、FC化も進め教室展開のスピードアップを図る。FC展開と同時に、ICTを活用した授業の開発を進めるべく検討を重ねており、映像授業の「代ゼミサテライン予備校」が近年、黒字化していることから、中長期的には新たなビジネスモデルの中核になりうるか注目していきたい。

会社概要

大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。また、子会社において、特定分野を専門とする学習塾の経営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢の連結子会社2社。

<沿革>

1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には奈良県へ教室展開。15年3月には、徳島県、香川県にFC教室を開校し、四国にまで教室展開を拡大した。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システム アイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックス(13年に当社を存続会社として吸収合併)を設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタートした。また、11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビー(13年に子会社アプリスを存続会社として吸収合併)を連結子会社化している。
03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在2店舗を運営している。
15年4月からは質の高い幼児教育を提供すべく保育事業を開始した。

<事業内容>

事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ97.9%、0.5%、1.6%(15/3月期)。

教育関連事業

クラス指導部門では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」、「京大セミナー」、「サンライトアカデミー」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「個別教育システム アイナック」のほか、高校生以上を対象にインターネットを通じた授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開。その他指導部門では、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」の運営を行っている。

飲食事業

大阪市内に飲食店舗を2店舗運営している。

不動産賃貸事業

不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。

<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>

学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、ICT時代に対応できる授業コンテンツの提供も含め、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。

2016年3月第1四半期決算概要
新規事業の立ち上がりによる増収はあったものの、先行投資により減益

クラス指導部門の減収はあったものの、個別指導が堅調に推移したこととその他事業での増収により、売上高は前期比1.0%増の18億99百万円となった。その他事業に含まれる保育事業の立ち上がり時期であることによる費用の増加、積極的な広告宣伝費、人材募集のための求人広告費の増加等により、4億円の営業赤字(前年同期は3億57百万円の営業赤字)となった。なお、教育事業関連は、塾生が期首より月を追うごとに増加すること、塾生数が少なく、講習会等の影響が少ない第1四半期は、収益性が低くなる傾向があり、概ね当初の計画通りに推移している。

(教育関連事業)

クラス指導部門が減収となったが、個別指導部門、新規事業の増収効果により、売上高は前期比1.8%増の18億52百万円、セグメント利益は2億84百万円の赤字となり、増収・減益となった。

「クラス指導部門」
新年度の塾生募集を強化したことで塾生数の減少は下げ止まる兆候が見られたものの、塾生の学年構成の変化により一人当たり単価が減少したことで減収となった。

「個別指導部門」
主力ブランド「個別指導学院フリーステップ」は大学受験に強い、点数アップに強い点が支持され高校生中心に引き続き堅調だった。

「その他指導部門」
新規事業の「かいせい保育園」、「かいせいプチ保育園」を開始したことで増収となった。

(不動産賃貸事業)

テナント賃料は前年とほぼ同水準だったことから、売上高は前期比横ばいの20百万円、セグメント利益(営業利益)も前期比横ばいの11百万円となった。

(飲食事業)

採算の改善が見込めない1店舗を閉鎖したことで、売上高は前期比31.3%減の32百万円、セグメント損失(営業損失)は前年比7百万円改善の2百万円となった。

現預金、売上債権の減少により流動資産は前期末比4億41百万円減少。固定資産は有形固定資産の増加と無形固定資産が減少。資産合計は同4億75百万円減少の59億45百万円となった。短期借入金が増加したが、買掛金、未払法人税等、賞与引当金の減少等により流動負債は2億3百万円減少し、負債合計は同1億83百万円減少の38億75百万円となった。純資産は利益剰余金の減少などで同2億92百万円減少した。この結果、期末の自己資本比率は前期末比2%低下し、34.8%となった。

2016年3月期業績予想
業績予想に変更無し。5.9%増収、9.1%営業減益を見込む。

業績予想に変更は無い。売上高は前期比5.9%増加の109億98百万円を予想。堅調な個別指導部門に加え、今期より開始する保育事業の寄与を見込む。
営業利益は同9.1%減の4億47百万円の予想。人件費、教室運営費、広告宣伝費増に加え、新規事業の立ち上がりによる費用が増加する。経常利益は認可保育所の補助金収入を見込み増益予想。
配当は前期に比べ0.30円/株増配の9.80円/株の予定で、予想連結配当性向は24.6%。

(教育関連事業)

クラス指導部門は今期も塾生数の減少が予想されるが減少幅は減少傾向にある。一人当たり単価が上昇傾向にあることから、売上高は横這いを見込んでいる。
個別指導部門はフリーステップが引き続き堅調で、売上高、塾生数ともに前年を上回る見込み。
その他指導部門は今期初より開始した「かいせい保育園」、「かいせいプチ保育園」の寄与を見込み大幅な増収を予想。

(不動産賃貸事業)

テナント入居状況に大きな変動は見込んでおらず、前年並みの売上高を予想。

(飲食事業)

収益改善が見込めない1店舗を閉鎖し、既存2店舗の運営に注力。収益環境の改善を図る。

(3)教室展開

新規開校は、直営19拠点、FC10拠点を計画しており、期末拠点数は直営236拠点、FC20拠点を見込む。
保育事業は2015年4月に「かいせい保育園」1か所、「かいせいプチ保育園」3か所の計4か所を開園。
自治体の認可保育所募集には積極的に応募し、「かいせいプチ保育園」の拡大を図る。

中期成長戦略及び今後の展開

中期目標として「連結売上高150億円、グループ塾生数3万人」を掲げている。
売上拡大のためには、M&Aや営業エリアの拡大、塾生数増加のためには、既存ブランドの成長と顧客層の拡大を進める。

◎外部環境など

現在の中学1年生が高校3年生になる2020年実施分から大学入試センター試験が「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に変更され、知識の量ではなく、思考や判断など知識の活用力を問うものとなる。
また英語教育の本格導入も進んでいく。
加えて、大学受験合格者に占める現役生比率は8割を超えており、受験環境が大きく変化する中、高校在学中に学力を向上させる学習塾の役割は今後も益々高まっていくものと思われる。
ただ、学習塾業界全体の生徒数は横這いの中、大手のシェア拡大が続いており、水平戦略、垂直戦略を合わせていかにして効果的なマーケティングを展開するかが重要な課題となっている。

◎FC展開

そうした中、同社の「個別指導学院フリーステップ」のFC展開は成長戦略における重要な施策の1つである。
前期より四国に営業エリアが拡大するなど堅調に増加しており、全国展開の道筋が見えてきたと考えている。大学受験の合格実績をベースにした近畿No.1ブランドを構築し、今期以降、関東、中部、九州での展開を進める。

◎保育園事業

少子化の進行を背景とした事業領域拡大の必要性と、待機児童解消という社会的要請の両面から、保育園事業の拡大に注力する。
2015年4月大阪府内に、知育特化型保育園「かいせい保育園」1か所と小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」3か所を開設した。
事前説明会での保護者の反応は良好で、低年齢層からの同社グループの認知度向上を図り、近隣教室への通塾のきっかけにもしたいと考えている。
小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」に関しては、年間4~5か所の開設を目指しているのに加え、定員20名未満の小規模保育所のみでなく、定員60名の通常の保育所の開設・運営も進めて行く。

今後の注目点
預かりと学びを融合したアフタースクール事業および今年4月から開園した「かいせい保育園」、「かいせいプチ保育園」の開設により、低年齢からの一貫したサービス提供を行い、既存事業との相互成長が期待できよう。また、従来の直営教室に加え、FC化も進め教室展開のスピードアップを図る。FC展開と同時に、ICTを活用した授業の開発を進めるべく検討を重ねており、映像授業の「代ゼミサテライン予備校」が近年、黒字化していることから、中長期的には新たなビジネスモデルの中核になりうるか注目していきたい。
株式会社インベストメントブリッジ
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