(8848:東証1部) レオパレス21 2016年3月期第1四半期業績レポート

2015/08/26

Leopalace21

今回のポイント
・16/3期 1Qの売上高は前年同期比7.7%増、計画比2.8%増の1,245億円。賃貸事業、建築請負事業共に前年同期、計画を上回った。販管費は前年同期を上回ったものの、計画以下でコントロール。増収効果により、営業利益は前年同期比76.3%増と大幅増益となり、計画に対しても約4割上回った。

・16/3期の上期及び通期予想に変更は無い。予想売上高は前期比8.7%増の5,250億円。引き続き好調な賃貸事業に加え、建築請負事業も回復し、全セグメントにおいて増収を見込んでいる。営業利益は同32.1%増の195億円の予想。販管費も建築請負事業における人員増などで同13.1%増加するが、増収効果と粗利増で吸収する。金額は未定ながらも復配の予定。

・引き続き好調な賃貸事業に加え、前期は対計画比でも減収だった建築請負事業が工程前倒しにより増収増益と好調なスタートとなった。進捗率を見ても、賃貸事業を牽引役として対上期及び対通期ともに順調のようだ。工程を前倒しした建築請負事業ではあるが、受注及び受注残高は対前年同期比でそれぞれ10.6%増、43.0%増と好調であり、2Q以降も堅調な推移となるか注目したい。

会社概要

保有地の有効活用を望む土地オーナーに対し、賃貸アパート等の建築と建築後の管理・運営を代行する「一括借上げ」を業界で初めて導入。売上はアパート入居者からの受取家賃とアパート等の建築請負が中心。全国3大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)を中心に、2015年6月末時点の管理戸数は557,017戸。
太陽光発電関連事業や海外での事業展開にも積極的。

【ビジネスモデル】

保有地の有効な活用方法を求める土地オーナーに対し、賃貸アパート等の建築および建築後の一括借上げを提案する。
一括借上げとは、賃貸住宅の建築から管理運営まで、オーナーのアパート経営を総合的に支援するシステムで、具体的には入居者募集、オーナーに対する賃料支払いや管理・修繕など、本来オーナーが行うべき業務を同社がアウトソーサーとして代行してオーナーの負担を軽減し、かつ安定収入の確保に貢献するもの。
同社とオーナーとの契約期間は最長30年で、空室の有無に限らず一定期間は固定家賃をオーナーに払うもの。当初の固定家賃期間終了後は、原則として2年毎に周辺の家賃相場実勢をベースに契約を更改していく。
「賃貸事業」における同社の売上は、入居者からの家賃収入となり、オーナーへの支払家賃が売上原価となる。
アパートの「建築請負事業」も主要収益源。

固定家賃期間に想定以上の空室が発生した場合、「逆ザヤ」が発生することとなる。
空室発生の抑制(入居率の向上)と適正家賃の獲得が同社の収益向上のための最重要ポイントとなっている。

「新規オーナーの開拓による賃貸アパート建設の供給増加と、入居者の安定的な獲得による家賃収入増大」が同ビジネスモデルにおける収益拡大ストーリーであったが、2008年のリーマンショックを受けた企業収益の急速な悪化から各企業における人員削減が増加。同社においては法人契約物件を中心に退去が増加したため「逆ザヤ」となり、賃貸事業の収益が悪化した。また金融機関のローン審査が厳格化したことでアパートの新規供給も急減し、建築請負事業も大きな影響を受け、収益は低迷した。

こうした状況を受け、一括借上げの基本的な枠組みは維持しつつも、下記の施策を取り込み、安定収益獲得のためのストックビジネスへの転換を進めている。

【市場環境】

① 世帯数動向
国立社会保障・人口問題研究所の推計(2013年1月)によれば、2010年に5,184万世帯だった日本の一般世帯総数は2019年に5,307万世帯でピークに達し、その後2035年には4,956万世帯まで減少するが、単独世帯に限れば2010年1,679万世帯から増加が続き、2035年には1,846万世帯に達し、総世帯に占める割合は2010年の32.4%から、2035年には37.2%に上昇する。単独世帯数の増加は、従来からワンルームを中心に事業展開してきた同社にとってはビジネスチャンスの広がりとも考えられる。従来の若年層中心から、高齢者まで対象を広げて、いかにしてニーズを取込んでいけるかがカギとなる。また、そのためには法人契約と並行して個人入居者の獲得も着実に進めていく必要があるだろう。

② 住宅着工戸数の推移
平成26年度の新設住宅着工戸数は、消費税増税の駆け込み需要の反動から、前年度比10.8%減の880,470,戸と、5年ぶりにマイナスとなった。ただ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた不動産需要の盛り上がりから、当面は好調が持続するとも見られるが、人口減少が不可避な現状では長期的に増加トレンドを辿るとは考えにくい。

③ 借家の建替え需要
ただ、住宅、なかでも同社の事業ドメインである「借家」を「ストック」という観点から見てみると、異なった未来図が現れる。総務省統計局が発表した「平成25年住宅・土地統計調査速報集計結果(2014年7月発表)」によると、日本全国には約1,450万戸の民営借家があるが、1980年以前に建築されたものは約220万戸となっている。
賃貸住宅市場においては、新築物件の人気が圧倒的に高く、入居率を高めようとすれば土地オーナーは一部改修ではなく新築・建て替えを選択しなければならないのが現状であり、これら全国大都市の借家では今後継続的に建替えニーズが生まれるものと同社では考えている。
こうした建替え需要に加え、相続税法の改正も大きな追い風となる。2015年1月1日以降の相続については、相続税の基礎控除が引き下げられ、課税対象者が大幅に増加する見通しであり、貸家建付地の土地評価減を利用した相続税対策に起因する借家建築の需要も増大すると予想される。

【同業他社】

「賃貸住宅の一括借上げ」というビジネスモデルの観点からは以下の各社が比較対象となる。

【ROE分析】

2015年3月期は公募増資による資本増強によりレバレッジは低下したが、ROEは2桁以上を維持している。2017/3期計画は「ROE 12.3%」を掲げているが、税効果会計を織り込んでおらず、復配が実施されれば上昇の余地はある。

【事業内容】

「賃貸事業」、「建築請負事業」、「シルバー事業」、「ホテル・リゾート事業」、「その他事業」の5事業から構成されている。
中心事業は「賃貸事業」、「建築請負事業」で両事業による売上構成比は約96%にのぼる。

<賃貸事業>
売上高 399,316百万円、セグメント利益 20,532百万円
(2015年3月期実績。)

同社の主力事業。建築請負したアパート等の一括借上げによる賃貸物件の賃貸及び管理等を行っている。
賃貸サービスの契約形態には、利用料月払いで初期費用の負担を軽減した「賃貸契約」と、利用料は一括前払いで全室家具・家電付き、水道・光熱費不要の「マンスリー契約」の2種類がある。
同社の売上は入居者からの受取家賃。オーナーへの支払家賃が売上原価となる。

<建築請負事業>
売上高 61,312百万円、セグメント利益 210百万円
(2015年3月期実績。)

アパートなどの建築請負を行っている。近年は、同社が一括借上して賃貸及び管理を行う賃貸物件に加え、商業施設や介護施設など同社が一括借上げしないアパート以外の請負にも前期から取組んでいる。
また、太陽光発電システムの販売にも力を入れ、2013年2月からは「屋根借り太陽光発電事業」も開始した。

<シルバー事業>
売上高 10,608百万円、セグメント利益 -606百万円
(2015年3月期実績。)

「あずみ苑」の名称で、2015年3月末現在、関東1都6県で63拠点の「有料老人ホーム」、「デイサービス」、「ショートステイ」、「グループホーム」の運営、訪問介護・居宅介護支援など、地域社会に根差した介護事業を行っている。マーケットが拡大する中で確実に需要を取り込むためにも、新規施設の開設を進めている。

<ホテル・リゾート関連事業>
売上高 8,951百万円、セグメント利益 -1,289百万円
(2015年3月期実績。)

海外子会社レオパレスグアムコーポレーションを通じてグアム島でゴルフ場や野球場などのスポーツ施設やホテル、コンドミニアムなどのリゾート施設を運営している。
また、国内では2015年3月末現在で全国7か所でホテルを運営している。(新潟は売却し7月に引き渡し予定)
同事業は、賃貸事業、建築請負事業という同社の主力事業の拡大をサポートするという側面も有している。
例えば土地のオーナーへ提案営業を行う際、ホテルを運営しているという認知度や信頼度から商談がスムーズに進むケースも多いということだ。
損益計算上の利益はマイナスとなっているが、営業CFはプラスを維持しており減損処理のリスクは現時点では小さい。

<その他>
売上高 2,999百万円、セグメント利益 31百万円
(2015年3月期実績。)

子会社を通じた賃貸入居者向けに家財の少額短期保険の提供の他、ファイナンス事業、住宅等不動産販売事業、太陽光発電事業等を含む。

【特長と強み】
「3大都市圏への集中」

全国約55万戸管理物件の内、約70%が東京・名古屋・大阪の3大都市圏に集中。
この3大都市圏は人口流入が続いており、人口が集中するエリアに管理物件を集中させることで高い入居率を維持している。

「高い商品開発力」

「ロフト付き」「一括借上げ」「マンスリー」「ブロードバンド装備」「家具・家電付き」という仕組みを業界で初めて導入したことに現れているように、同社は時代のニーズに対応した新しい商品や仕組みを開発することに力を入れている。
家具・家電付き、自分好みの部屋にすることができる「お部屋カスタマイズ」、セキュリティシステムなど、入居者の目線に立ったサービスやシステムの導入を入居率向上に結び付けている。

「ワンルームの優れた商品性」

同じ面積の土地にファミリータイプの住宅を1軒建てるよりも、入居率を一定程度に保つことができればワンルームの方が通常は家賃総収入が多くなるため、土地オーナーの収益性は高くなる。
また、同社の管理物件が集中する都会には狭小地が多い。ファミリータイプでは建設自体難しい場合でも、ワンルームであれば柔軟な設計が可能であり、土地オーナーに有効なソリューションを提供することができる。

「全国規模での事業展開」

2015年6月末現在で全国に直営180店、FC135店の合計315の店舗を有している。どこの店舗からでも全国どこの物件も契約することができるため、大学入学、入社や転勤などの際の利便性の高さを入居者に提供することができる。
また全国規模で遊休地や土地オーナーの属性など豊富な土地情報を保有しており、この情報をベースに様々な提案を行うことができるのも同社の大きな特長となっている。

2016年3月期第1四半期決算概要
前年同期比、計画比とも増収・増益

売上高は前年同期比7.7%増、計画比2.8%増の1,245億円。賃貸事業、建築請負事業共に前年同期、計画を上回った。販管費は前年同期を上回ったものの、計画以下でコントロール。増収効果により、営業利益は前年同期比76.3%増と大幅増益となり、計画に対しても約4割上回った。

<賃貸事業>
売上高は前年同期比3.5%増の1,020億円。計画を1.0%上回った。セグメント利益は55億円で、前年同期、計画を共に上回った。
2016年3月期第1四半期の空室損失引当金は前期末比で3億円の戻入。通期計画は25億円の戻入。
2016年3月期第1四半期の期中平均入居率は前年同期比1.7ポイント上昇の87.70%となった。長期の賃貸契約による入居期間の長期化、稼動の安定化を実現している。2016年3月期平均入居率目標は88.0%。
法人営業強化により法人契約戸数は前年同期比6.7%増加の259,923戸。全契約戸数に占めるシェアも53.3%と同1.8ポイント上昇した。
一方課題と考えている個人および学生の契約戸数については、それぞれ179,748戸(前年同期比1.6%増)、48,229戸(同8.5%減)で、合計227,977戸(同0.7%減)となっている。引き続き営業を強化しているほか、積極的なTVCMの放映などで、認知度向上を図っている。
個人向け施策の1つ、「お部屋カスタマイズ」は引き続き評価が高い。2012年5月からの累積契約件数は2015年6月末で22,250件と好調に増加している。各種カスタマイズコンテスト、壁面アートコンテストの実施など、更なる認知度向上を図っている。入居者の男女比は同社全体が7:3なのに対し、お部屋カスタマイズは5:5。女性顧客獲得に大きく寄与している。
外国人契約戸数は2015年6月末で13,486戸。3月末に比べ若干減少したものの、専門チームの編成、コールセンターの設置などインフラが確立し契約戸数は着実に増加している。国籍別には中国6,320戸、ベトナム1,886戸、韓国1,322戸などとなっている。2015年7月よりフィリピン現地法人で営業を開始した。契約の属性は学生57%、社会人43%となっている。
2015年6月末のセキュリティシステムの設置件数は234,971戸で設置率は42.2%。ただ、セキュリティシステムは築15年未満の物件のみで設置することにしているため実質的な設置率は5割を超えている。防犯カメラは6,002棟に設置済で設置比率は17.0%。今後は防犯カメラ、防犯シャッターなど、より安心・安全な住環境作りに力を入れて競争力を強化し、女性およびセキュリティ重視の大企業のニーズを取り込んでいく。
<建築請負事業>
売上高は154億円と、前年同期を大きく上回り、工程前倒しにより計画比でも増収増益だった。今期より子会社株式会社もりぞうでの注文住宅の受注高5億円、売上高7億円を含んでいる。
建築請負事業の支店数は2015年6月末で全国62支店。受注エリアを絞り込んでおり、全国一括借上アパート完工棟数のうち53.5%を首都圏が、71.7%を三大都市圏が占めている。
業界トップクラスの遮音性、安心・安全のセキュリティ、家具・家電付きなど基本スペックはそのままに、異なる2つのブランドコンセプトを展開することにより競争力強化と入居者イメージの一新を図る「MIRANDA(ミランダ)」と「CLEINO(クレイノ)」の新ブランドの販売を2015年5月より開始した。
高齢者施設および商業施設の拡大を目指しているが、2016年3月期第1四半期の建築請負売上はそれぞれ3.2億円、0.1億円と前年同期を下回った。
<シルバー事業>

売上高は前年同期比3.0%増の26億円。
中期経営計画において建築請負事業とのシナジーも期待できることに加え、地域貢献も図ることが出来る事から成長事業と位置付け、3か年で29施設を開設し合計90施設を目指している。これまでは首都圏中心であったが、中部圏にも拡大する。介護施設「あずみ苑」は2015年6月末現在1都6県で63か所を運営。今下期に5施設の開所を予定している。稼働率は、3業態とも低下したが、デイサービスの稼働率低下は、従来休日としていた日曜日の営業開始により低下したため。

<ホテル・リゾート事業>

国内ホテルの売上は5億円で前年同期を下回ったが、計画は上回った。賃貸事業の取引法人への利用を促進したことから稼動率は前年同期、計画を共に上回った。営業利益は4百万円の損失だったが、前年同期および計画を大きく上回った。
グアムリゾート施設の売上高は前年同期を上回ったが、計画は下回った。稼働率は計画を上回った。

<屋根借り太陽光発電事業>

オーナー負担の太陽光パネル設置は2015年6月末の7,175棟で一巡し、自社投資の「屋根借り太陽光発電事業」に軸足を移している。同方式による設置棟数2015年6月末で12,771棟、設置可能棟数の約58%への設置が完了した。

17年の定率法による減価償却のため、現時点では売上高とほぼ同額であるため赤字となっているが、来期には黒字化の計画で償却終了後は2割程度の利益率が見込めるとのこと。
2016年の電力小売り全面自由化を見据えて、子会社 (株)レオパレス・エナジーによるアパート入居者への電力小売りも検討している。

<賃貸事業の海外展開>

韓国や台湾で日本人および日系企業向けの現地不動産仲介業を展開している。
直近では2015年1月よりハノイ支店が営業を開始したのに続き、2015年7月にフィリピン現地法人が営業を開始した。
また、今後成長が見込まれる韓国の賃貸管理市場に日本で培ったノウハウを輸出するために設立した合弁会社「ウリレオPMC」は2014年2月の現地法制定により本格的な営業活動を開始した。2015年6月末時点で575戸の管理を受託している。2014年9月末は178戸、12月末は321戸、3月末は452戸で着実に管理戸数は拡大している。韓国では賃貸管理システムに馴染が薄いため、想定に比べ伸びはスローだが、同システムの有効性を説明しながら着実に拡大させる方針。
2015年6月末現在、海外支店および現地法人は、中国4、韓国2、台湾1、タイ1、ベトナム2、カンボジア1、ミャンマー1、フィリピン1の合計13支店・法人。

新たに、東南アジアで、日系企業駐在員向けサービスアパートメントの開発・運営の展開に着手した。第1弾はカンボジアで2017年4月運営開始を予定している。同様のニーズがあるベトナムやミャンマーでの開発・運営を検討している。

<その他>

日本国内の職人不足に対応すべく、ベトナムおよび日本政府が推進している外国人技能実習制度に協力し、協力工務店による技能実習生の受け入れサポートを開始した。ベトナムで日本語及び建築技能の基礎を学んだベトナム人技能工18名が第一陣として7月に来日し、協力工務店に配属された。雇い入れは協力工務店が行う。

2015年3月末と比較して、太陽光発電事業に係る機械装置及び運搬具、リース資産が増加したが、現預金、売掛金が減少し、資産合計は同16億円減少の3,066億円となった。
短期有利子負債、長期有利子負債はそれぞれ同5億円、同73億円増加したが、未払金、前受金が減少したことなどにより、負債合計は同48億円減少の1,769億円となった。
純資産は、繰越利益剰余金の欠損を補填するとともに、今後の柔軟かつ機動的な資本政策や早期に復配できる体制を確保することを目的として、2015年6月27日開催の定時株主総会の決議に基づき、「資本準備金の額の減少」および「剰余金の処分」を行ったため同31億円増加の1,296億円となった。この結果、自己資本比率は42.3%と2015年3月末に比べ1.3%上昇した。

2016年3月期業績見通し
業績予想に変更無し。良好な事業環境の下、3期連続の増収増益へ

売上高は前期比8.7%増の5,250億円。引き続き好調な賃貸事業に加え、建築請負事業も回復し、全セグメントにおいて増収を見込んでいる。営業利益は同32.1%増の195億円。粗利率は1.2%上昇。販管費も建築請負事業における人員増などで同13.1%増加するが、増収効果と粗利増で吸収する。金額は未定ながらも復配の予定。

<賃貸事業>

入居率の継続的な上昇により堅調に推移する。新築物件の増加に伴い支払家賃が当初増加すること、空室損失引当金戻入額が減少することにより利益の伸びは低いが、売上総利益率は前期の15.7%から16.1%に上昇する。

<建築請負事業>

新入社員を中心とした営業マンの早期戦力化を進め、相続税改正などをビジネスチャンスに、受注活動を積極的に推進する。やや低調なスタートとなっているが、上期中に回復し、下期にスピードアップを図る。

シルバー事業は増収となるが、先行投資もあり利益のマイナス幅は拡大する。ホテル・リゾート事業は引き続き各種ステークホルダーに対するサービス提供の側面も重視し、ホスピタリティの更なる向上に努める。その他事業は屋根借り太陽光発電の減価償却の拡大で営業損失に転じる。

今後の注目点
引き続き好調な賃貸事業に加え、前期は対計画比でも減収だった建築請負事業が工程前倒しにより増収増益と好調なスタートとなった。進捗率を見ても、第4四半期(1-3月)に集中する建築請負事業は別として、賃貸事業を牽引役として対上期及び対通期ともに順調のようだ。
工程を前倒しした建築請負事業ではあるが、受注及び受注残高は対前年同期比でそれぞれ10.6%増、43.0%増と好調であり、2Q以降も堅調な推移となるか注目したい。
参考:新中期経営計画「EXPANDING VALUE」(2015年3月期~2017年3月期)

2015年3月期は、2012年5月に発表した中期経営計画「Creating Future」の最終年度であったが、事業環境が発表時と大きく変化していることから、新たに3か年の新中期経営計画「EXPANDING VALUE」を策定、スタートさせた。

<1.外的環境について>
リーマンショックにより大きく減少した新設住宅着工戸数はその後順調に増加している。2013年度は消費増税の駆け込み需要もあり、前年度比10.5%増の987千戸となった。反動減も予想されるが当面は堅調に推移すると見られる。
過去3年間連続して転入超過となった都道府県は、東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県、福岡県、大阪府、沖縄県の7つだった。
前述のように、四大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏、福岡圏)の大都市には約80万バブル時の民営借家があり、今後、建替え需要の増大が見込まれる。加えて、貸家建付地の土地評価減を利用した相続税対策需要も増大する事が見込まれる。
2020年東京オリンピック開催に向けて不動産需要は増加するものと予想している。
<2.概要>

① スローガン
基本方針を、「コア事業を基軸とし、新たな事業領域への挑戦」とした。
時代が求める次の価値へ、その活動領域を広げていくことを目指し、「EXPANDING VALUE」と名付けた。

② 前中計の振り返り
前中期経営計画の基本方針「賃貸事業と建築請負事業の収益バランスを取った安定的な収益体制の確立」は概ね達成できた。

コア事業を軸とした業績向上により、新中期経営計画最終年度である2017年3月期は、2014年3月期に比べ売上高 14.6%増、営業利益 61.8%増、純利益 25.0%増を計画している。

引き続き賃貸事業による安定的な収益を上げる一方、建築請負事業での売上高・営業利益増加を見込む。
シルバー事業は施設スタッフの人員確保など先行的に費用が発生するため、損失となる。
その他には、太陽光発電事業を含み、売上増の殆どが同事業によるもの。

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

コラム&レポート Pick Up