(6914:東証1部) オプテックス 2015年12月期第2四半期業績レポート

2015/08/19

OPTEX

今回のポイント
・15/12期2Qの売上高は前年同期比11.3%増の139億28百万円。国内同2.9%増、海外同15.7%増と国内外ともに堅調だった。売上高における為替の影響は647百万円のプラス。セグメント別ではセンシング(防犯)、センシング(自動ドア)、FA共に堅調に推移した。営業利益は同18.2%増の16億32百万円。人件費増、経費増、研究開発費増、円安に伴う海外販社コスト増等の販管費増加を、増収効果、原価率低下、為替影響等で吸収した。・業績予想に変更は無い。売上高は前期比15.3%増の296億円を予想。センシング事業における防犯関連のアジア地域向けや、FA事業の国内向けの販売拡大を見込む。引き続き収益性の向上に取り組み、営業利益率は1.5%上昇し、営業利益は同32.9%増加の34億円を見込む。売上進捗がやや遅れているが下期回復を見込んでいる。一方利益はほぼ計画通りの推移だがドル高による仕入原価の上昇がリスクと見ている。配当は5円/株増配の40円/株を予定している。予想配当性向は27.6%。

・前期は為替効果による利益かさ上げ分が大きかった点がやや気になったが、今第2四半期は為替影響を除いても約2割の営業増益となっている。利益率の高い屋外防犯センサの伸長などが寄与しており、良好な事業の進捗ということができる。前回のレポートで『中期的には、「I o S」のコンセプトの下、ネットワークカメラ関連ソリューションがいつ頃から収益に寄与してくるかを見守りたい。』と書いたが、英国における「リモートモニタリングサービス」は早ければ今期中にも実績が期待できるという事であり、具体的な成果に期待したい。

会社概要

赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界シェア40%を誇る屋外用防犯センサや世界シェア30%・国内シェア60%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛ける。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。
ファイバーセンシス社及びレイテック社とは、それぞれの強みを融合した大型重要施設向けソリューション(施設への侵入警戒システム)を展開している。また、国内及びEUに強みを持つオプテックス(株)、北米を中心とした米州や中近東等に強みを持つファイバーセンシス社、更には英国及びEUでの売上が大半を占めるレイテック社と、事業エリアの面でも補完関係にあり、更にオプテックス(株)による両社製品の国内、アジア、アフリカ、南米への展開等、グループ企業の製品を活かした事業展開でも実績を上げつつある。

【事業内容】

事業は、防犯関連や自動ドア関連等のセンシング事業、産業機器用センサを手掛けるFA事業、中国工場で展開する電子機器受託生産サービス(EMS)の生産受託事業、及び客数情報システム・画像処理関連の開発・販売、スポーツクラブ運営その他に分かれる。

【センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムが強み】

確実で安定したセンシングの実現には、複数の要素技術とノウハウ、そして物理的変化を制御する「アルゴリズム」が不可欠。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。

【沿革】

1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約60%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。

近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。

東証発表の「決算短信集計」によると、東証1部、東証2部、及びマザーズ上場企業の14/3期のROEは、金融を除く全産業8.65%(前期は4.99%)、製造業8.55%(同4.53%)、非製造業8.79%(同5.67%)。同社の14/12期のROEは8.63%で前期よりもさらに上昇した。決算短信では、目標とする経営指標の1つにROEを掲げ、「10%以上」を目標として掲げている同社だが、更なるROEの改善には、株主還元の拡充を含めて潤沢なキャッシュを有効活用すると同時に、固定費削減を中心とした利益体質強化が必要となろう。

【グループの主要企業】
オプテックス(株) センシング技術を利用した製品及びシステムの開発・販売
国内
オプテックス・エフエー(株) 光電センサ、産業用画像検査、計測装置の開発、製造、販売
ジックオプテックス(株) 汎用型光電センサの開発。独SICK AG社とオプテックス・エフエー(株)の合弁会社
技研トラステム(株) 客数情報システム、来場者計数装置等の開発、製造、販売
(株)ジーニック 画像処理関連のIC、LSIの受託開発ならびにFAシステムの設計、販売
オーパルオプテックス(株) 社員の福利厚生施設も兼ねた会員制アウトドアスポーツクラブ
海外
FIBER SENSYS INC.(米国) 光ファイバー侵入検知システム等の開発、製造、販売
FARSIGHT SECURITY SERVICES
LTD.(英国)
遠隔画像監視による警備会社
RAYTEC LIMITED.(英国) 監視カメラ用補助照明の開発、製造、販売
2015年12月期第2四半期決算概要
国内外とも堅調で2桁の増収増益

売上高は前年同期比11.3%増の139億28百万円。国内同2.9%増、海外同15.7%増と国内外ともに堅調だった。売上高における為替の影響は647百万円のプラス。
セグメント別ではセンシング(防犯)、センシング(自動ドア)、FA共に堅調に推移した。
営業利益は同18.2%増の16億32百万円。人件費増99百万円、経費増50百万円、研究開発費増52百万円、円安に伴う海外販社コスト増226百万円等の販管費増加を、増収効果411百万円増、原価率低下105百万円増、為替影響163百万円増等で吸収した。

センシング事業

売上高99億13百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益12億69百万円(同33.0%増)。

(防犯関連)
国内は同6.9%の増収。原発など大型重要施設向けは一巡したが、警備会社向け販売が好調だった。
海外は、北米が同30.9%増、ヨーロッパが同10.5%増と好調だった。北米では空港、軍施設など大型重要施設向けに子会社FIBER SENSY社製品が伸長した。南欧では、経済格差の拡大により富裕層の不安心理が増大していることから、引き続き住宅用屋外警戒センサが好調だったが、下期は慎重に見ているという。アジアは同4.8%の減収。

*事業戦略レビュー
戦略及びその進捗状況は以下の通り。

パーキングメーター用センサはまだ特定地域における実証実験にとどまっているが、実験データも着実に積み上がっており、早期の普及・実用化を目指している。

(自動ドア関連)
国内は同5.6%の減収。前年同期に消費増税前の駆け込み受注があったこと及び建築需要の伸び悩みで減収となった。
海外は、北米同25.2%増、ヨーロッパ同9.1%増と好調だった。北米および欧州の大手自動ドアメーカーにセンサの安全性が評価され、OEM販売が順調に推移した。

*事業戦略レビュー
戦略及びその進捗状況は以下の通り。

FA事業

売上高27億44百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益83百万円(同27.2%減)。
国内は同14.7%の増収。電子部品や半導体の生産ラインで製品の外観検査に使用されるLED照明の販売が順調だった。
海外は、ドイツSICK社向け販売が低調でヨーロッパが同10.1%の減収だったが、中国販社の本格稼働に伴い現地での販売が引き続き順調に推移したアジアが同62.3%増と大きく伸びた。SICK社向けは一時的な在庫増で、下期から回復する見込み。
中国合弁会社の販管費増加で利益は減少した。

*事業戦略レビュー
戦略及びその進捗状況は以下の通り。

生産受託事業

売上高5億99百万円(前期比68.7%増)、セグメント利益1億92百万円(同149.4%増)。受託製品数量の増加で増収となり、原価率の改善等で利益も大幅に増加した。セグメント間の内部売上の影響を受けるため増収率を大きく上回る増益率となっている。

15年6月末の総資産は前期末に比べて10億38百万円増加の312億34百万円。借方では、現預金が同2億5百万円、売上債権が同2億54百万円増加、たな卸資産が2億16百万円増加した。
貸方では仕入債務、短期借入金がそれぞれ同3億13百万円、1億88百万円増加した一方、役員退職慰労引当金が同4億20百万円減少し、負債合計は同24百万円増加の58億8百万円となった。利益剰余金および円安に伴う為替換算調整勘定の増加により純資産は同10億14百万円増加した。この結果、自己資本比率は前期末より0.7%上昇し76.6%となった。

営業CFは、売上債権の増加、役員退職慰労引当金の減少等でプラス幅が縮小。投資CFは、有価証券の売却及び償還額の増加などでマイナス幅が縮小し、フリーCFのプラス幅はほぼ前年同期水準だった。財務CFは、短期借入金の増加でマイナス幅が縮小した。キャッシュポジションは前期に比べ20億7百万円上昇した。

2015年12月期通期業績予想
業績予想に変更無し。2ケタの増収増益を見込む。

業績予想に変更は無い。売上高は前期比15.3%増の296億円を予想。センシング事業における防犯関連のアジア地域向けや、FA事業の国内向けの販売拡大を見込んでいる。また、引き続き収益性の向上に取り組み、営業利益率は1.5%上昇し、営業利益は同32.9%増加の34億円を見込んでいる。売上がやや遅れているが下期回復を見込んでいる。一方利益はほぼ計画通りの推移だがドル高による仕入原価の上昇がリスクと見ている。
予想一株当たり利益は145.02円。配当は5円/株増配の40円/株を予定している。予想配当性向は27.6%。

今後の事業戦略

『「新しい」を生み出す』を経営方針とする同社は、2019年連結売上高500億円を実現するために、「コア事業の拡大推進」はもとより、「新規事業の創出」に注力している。

◎ビジネスモデルの変革 ~継続収益獲得へ~

従来の、センサ単品を販売し、売り切るビジネスに加え、システムソリューション、消耗品販売など、継続的に収益が得られるビジネスのウェイトを高めていく。

◎新規事業の創出 :「IoS」サービス

この継続収益を獲得するビジネスモデルの中心と位置付けているのが、「IoS(Internet of Sensing Soluution)」サービス。
同社のセンシング技術の強みである、「検出エリア構成」、「センシングアルゴリズム」、「低消費電力」、「耐環境性能」などを活かし、センサをネットワークに接続する事で、「防犯・警備・防災」、「環境モニタリング」、「運転マネジメント」、「ファシリティ/アセットマネジメント」といった顧客企業に、新たな付加価値・ソリューションを提供する。

特に同社の有するセンシングアルゴリズムは、防犯センサ、運転挙動センサ、自動ドアセンサなど各種センサにおいて、必要な情報のみに的確に反応する高い検知能力が大きな強みである。
この強みを活かし、顧客となるシステム運用主体とともに、それぞれの課題に応じたアプリケーション・センサを開発できる点が大きな特徴となっている。

一般的な「IoT」サービスが大量のビッグデータを処理する事を目的としているのに対し、「IoS(Internet of Sensing Soluution)」サービスではアプリセンサにより選別された確実な情報源であるスマートデータを抽出してサービスを提供する点が特徴となる。

◎IoSの3つのカテゴリー

同社では、サービス提供形態として以下の3つのカテゴリーを設定している。
「センサ、運用のためのサーバー、運用・サービスの提供」の全てを同社が手掛ける「①完結型ソリューション」
運用・サービスの提供を行っている企業と連携する「②アライアンス型ソリューション」
センサ等を販売する「③端末機器販売型」

①完結型ソリューション
代表例として、「リモートモニタリングサービス(クラウド・ビジュアル・ベリフィケーション)」が挙げられる。
これは同社のセンサと、世界最大のセンサカメラメーカーAxis社のIPカメラによりカーディーラー、建設現場などの各種施設を常時監視し、ネット回線でモニタリングセンターとつないで監視を行うもので、センサ、カメラ、サービス、運用まで全てを同社グループが行う。
遠隔監視で実績のある英国子会社Farsight社を用いたこの世界初のパッケージサービスは、2015年6月に英国でリリースされた。
今期若しくは来期から実績が出てくるものと期待しており、来期後半からは英国以外の地域での展開も見込んでいる。

②アライアンス型ソリューション
代表例として、前回のレポートで紹介した、ソニー損害保険株式会社が2015年2月より販売を開始した日本初の新しいタイプの自動車保険「やさしい運転キャッシュバックサービス」がある。

ユーザー(保険契約者)は、オプテックスの運転挙動センシング技術が採用された運転特性を計測する専用器「ドライブカウンタ」を自分の自動車内に設置し、一定期間運転する。ドライブカウンタは、オプテックス独自の運転挙動測定技術を用いて危ない運転のみを記録する加速度センサが組み込まれている。
ユーザーは期間終了後、ドライブカウンタをソニー損保に郵送。成績が60点以上であれば点数に応じて保険料がユーザーにキャッシュバックされる。

ソニー損保では、こうした保険を普及させるには、「計測器の設置および取扱いが簡単であること」、「機器費用を含めた運用コストが低いこと」、「機器の信頼性が高いこと」が不可欠と考えていたが、オプテックスのドライブカウンタは、高精度のセンシング技術に加え、通信機能を利用するテレマティクス方式ではないためランニングコストもかからないなど、これらの条件をすべて満たしていると、ソニー損保から高く評価され、約4年にわたる実証実験の後、事業化に結び付いた。

また、アライアンス型による水質簡易計測ソリューションの展開も進めている。
現場で採取した水質測定データや利用者や利用状況データなどを、IoSプラットフォーム上で運用・サービス会社がIT管理するもの。またシステムに加えて簡単、迅速に水質計測を行うための試薬の開発も行い2015年4月より販売を開始した。システムの販売に加え、試薬販売による継続的収益の獲得も目指している。環境関連事業として以前から水質計測センサを手掛けていた同社としては、同事業拡大の大きな一歩となると考えている。

③IoS端末機器販売型
様々なセンサーニーズを持つオープンシステムに対応し、近赤外線センサ、遠赤外線センサ、超音波センサ、距離画像センサ、ファイバーセンサ、加速度センサ、レーザーセンサなどを提供する。
端末機器以外はパートナーサイドがシステムを構築する。ただし、センサはサービス・運用までを把握した上でその仕様を最適化して提供する。
従来とは違う相手先が顧客となるため、その後のビジネスの広がりにも期待している。

今後の注目点
前期は為替効果による利益かさ上げ分が大きかった点がやや気になったが、今第2四半期は為替影響を除いても約2割の営業増益となっている。利益率の高い屋外防犯センサの伸長などが寄与しており、良好な事業の進捗ということができる。
前回のレポートで『中期的には、「IoS」のコンセプトの下、ネットワークカメラ関連ソリューションがいつ頃から収益に寄与してくるかを見守りたい。』と書いたが、英国における「リモートモニタリングサービス」は早ければ今期中にも実績が期待できるという事であり、具体的な成果に期待したい。
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