(3031:東証マザーズ) ラクーン 2015年4月期業績レポート

2015/07/08

raccoon

今回のポイント
・15/4期の売上高は前期比6.4%増加の20億56百万円。3事業共に増収。売掛債権保証事業において営業力強化のために人件費が増加したが、全般的に販管費をコントロールすることが出来たことに加え、利益率の高い売掛債権保証事業が伸びたことなどから営業利益は同35.7%増の3億36百万円となった。

・売上高は前期比10.4%増の22億70百万円の予想。前期やや伸び悩んだスーパーデリバリーの梃入れなどにより、3事業とも拡大を目指す。営業利益は同23.5%増の4億15百万円の予想。売掛債権保証事業の成長で利益率は更に向上する。配当は現時点では未定。配当性向20%程度を目途に、期間収益の動向を見ながら決定する。

・「スーパーデリバリー」における越境ECサービスを8月より開始する。売上、コスト共に今期予想に反映させている。

・スーパーデリバリーの客単価の伸び悩み、売掛債権保証事業における一定規模の保証履行の発生などはあったものの、ほぼ上方修正後予想通りに着地したのは3事業による安定した収益構造によるものだろう。8月からスタートする「SD export」の今期業績への寄与は不透明だが、来期以降はストック型ビジネスとして着実に貢献することが期待される。その意味で、スタート時の登録小売店数がどの程度となるか、第2四半期決算での開示、説明を注目したい。

会社概要

中小企業間の取引を便利でスムーズに行うためのサービスを提供する企業として、インターネット上でB to B(企業間電子商取引)市場である「スーパーデリバリー」というWebサイトを運営している。
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等の出展企業の取扱う商品を、全国の中小規模小売店に販売している。

また、2010年11月に売掛債権保証事業を行っている(株)トラスト&グロースを子会社化。これによって中小企業間決済事業を新たな事業ドメインと位置づけし、本格的に取組を開始し、更に2011年10月から、企業間取引を安心かつスムーズにする後払い決済サービス「Paid(ペイド)」の提供を開始している。2014年3月からは、第4番目のサービスとして、受注・発注を一元管理できるクラウド受発注ツール「COREC(コレック)」の提供を開始した。

【経営理念】

経営理念を「企業活動を効率化し便利にする」に刷新した。企業間取引に関し、これまで培ってきた情報と決済に関するノウハウを活かし、企業活動を効率化し便利にする仕組みを今後も提案していくというビジョンを表している。

小方社長は創業後、企業としての方向性をしっかり定め、経営者としてやっていく決意を固めるまでは安易に人を増やすべきではないという考えから従業員を一人も雇用せず、自分一人で同社を運営してきたが、方向性と決意が定まった2000年に初めて正社員30名を採用した。
当時の日本のEC業界は、米国に先例がある訳でもなく、自らがゼロから作り上げていかなければならない黎明期であったが、この最初のメンバーが中心となって、日本のB to B ECを作り上げてきた。
同社においては、EC専門家の彼らが最大の経営資源であると小方社長は考えている。
今後、新しいビジネスモデルを創造していくにあたり、企業領域を明確にしていく必要性があると考え、経営理念を刷新することとした。
重要なポイントは以下の2点。

①事業領域の明確化の必要性

既存事業とのシナジーは特に意識しないが、同社のコア・コンピタンスであるノウハウを活用しながら、「中小企業向けB to Bインフラ」であること、「ECと決済の専門知識」を活かすものであること、に事業領域を絞りこむ。

②企業間取引のインフラサービス企業としての総合サービス化への転換

存在して当たり前のインフラとなるべく、今回の新サービス「COREC」に続き、第5、第6、第7と制限を設けず、新サービスを提供し続け、これまで以上に、よりインフラサービス業へと進化していく。

【事業内容】

「EC事業」、「Paid事業」、「売掛債権保証事業」の3セグメントで構成されている。

(1)「EC事業」

「スーパーデリバリー」はファッション・雑貨業界のメーカーと小売店が出会い、継続して取引を行うことができるB to B(企業間取引)サイトである。サイトを利用することで、これまで取引のできなかったメーカーと小売店に新たな取引機会が生まれ、さらに新商品の紹介や受発注のやりとりも効率化される。また、代金はスーパーデリバリーが小売店から回収し、メーカーへまとめて支払うことから、未回収リスクのない取引の実現が可能となる。

スーパーデリバリーに参加するためには、同社の審査をパスする必要がある。
この点、同業他社の中には「数=取引量の拡大」を最優先とし、ネット小売店を中心に緩い審査基準で加盟店を数多く集める事に注力しているところもあるが、同社の場合は、「質」と「数」のバランスを重視するため小売店に関しては、ネット小売店ではなく、実際に店舗を運営している小売店であるか?などを中心に審査を行っている。
また、サプライヤーに関しても、質の高さを重視している。スーパーデリバリーの立ち上げ当初は質の高い、ブランドを確立したサプライヤーは、他のそうでないサプライヤーと共に並べられるのを嫌がり、参加を拒むケースもあったが、現在では他のサプライヤーの質も高い事が理解され、そうしたことは無くなっている。小売店にとっても、質の高いサプライヤーと取引出来る点が大きなメリットとなっている。
B to C取引と異なり、B to B取引は、取引量を拡大させるためには、リピート取引を如何にして拡大させるかがカギとなるため、マーケットのクオリティ向上が最も重要であると同社は考えており、この点が同業他社との大きな違いの一つとなっている。

また、同社はEC企業ではあるが、他社が、ECのマーケットプレイスを開設・運営するシステム会社という側面が極めて強いのに対し、同社はただ単にそれにとどまらず、アパレル・雑貨を中心とした商品知識、業界知識がきわめて豊富な点も、他社との違いとなっている。
「スーパーデリバリー」の収益は、出展企業から得る出展基本料(月額4万円)、会員小売店から得る小売店月会費(月額2千円)、出展企業からのシステム利用料(会員小売店に卸した商品代金の10%)の3つから成っている。

商品は出展企業が会員小売店に直接配送するが、代金に関しては同社が出展企業の代わりに会員小売店から代金を回収し、出展企業に支払うため、売上高として商品代金を計上し、システム利用料を控除した額を売上原価として計上する総額計上を行っていたが、2015年4月期第1四半期より、売上表示を従来の総額表示から純額表示に変更した。純額表示における売上高は、出展企業から徴収するシステム利用料売上となる。
サービスの種類も増加しておりインフラサービス提供企業としてのポジショニングを明確にすることが目的。またマーケットプレイス事業を手掛ける同業他社との比較も容易になり投資家のメリットも大きいと判断した。

2015年4月末での各種経営指標は、会員小売店数 44,370店舗(前期末比3,929店舗増)、出展企業数1,065社(同117社増)、商材掲載数456,349点(同3,234点増)となっている。

2014年3月には、受注・発注を一元管理できるクラウド受発注ツールサービス「COREC(コレック)」を同事業内でスタートさせた。2015年4月末のユーザー数は2,290社となっている。

(2)Paid事業

「Paid」は企業間取引の非効率な管理プロセスや内在する信用リスクを解消する決済サービス。
Paidを利用することで、バイヤーはすべての加盟企業と締め支払いで取引が可能となり、効率的にかつ運転資金にゆとりを持った取引が実現できる。サプライヤーは登録するバイヤーと代金未回収のリスクや請求督促の手間なく決済ができ、効率的かつ安全で顧客に喜ばれる取引が可能となる。
2015年4月末の加盟企業数は1,370社となった。

(3)「売掛債権保証事業」

「売掛債権保証事業」は、11年4月期第3四半期から子会社化した(株)トラスト&グロースにおいて行っている事業である。「T&G売掛保証サービス」は、取引先が倒産した場合に、あらかじめ保証を掛けておけば、保証の枠の中で同社が損害分を代わって支払いするサービス。審査に際して、取引先に対する直接的なヒアリングや取引先からの申し込みなどは一切必要がない。独自の与信判断により90%以上の高い承認率を実現し、審査依頼から2営業日程度で回答も得られる。更に、顧客の商習慣に合わせた保証内容のカスタマイズが可能と利便性も高い。
2015年4月末の保証残高は64億71百万円(前期末比38.0%増)となっている。

「目標とする経営指標」にROEを掲げてはいないものの、ROEを意識した経営を行っている。
Paidの収益化、「COREC」の立ち上がり、またその後の新サービスなど、ITを駆使したサービス拡大の過程でROEはさらに上昇する余地が大きいと会社側は考えている。

2015年4月期決算概要
3事業とも増収。コストコントロールも奏功し増益。

売上高は前期比6.4%増加の20億56百万円。3事業共に増収。売掛債権保証事業において営業力強化のために人件費が増加したものの、全般的に販管費はコントロールすることが出来たことに加え、利益率の高い売掛債権保証事業が伸びたこと、Paid事業の赤字幅が約半分となったことなどから営業利益は同35.7%増の3億36百万円となった。Paid事業の売掛債権流動化に伴う債権流動化費用10百万円を営業外費用に計上したほか、大阪支社移転に伴う移転費用5百万円を特別損失に計上した。

◎EC事業

売上高は前期比2.6%増の15億47百万円。営業利益は同39.4%増の2億33百万円。
スーパーデリバリーの流通額は同3.2%増の95億34百万円。
前期より取り組んでいる「スーパーデリバリー」の営業体制変更の効果により新規出展企業が継続して堅調に増加している。ユーザビリティの向上にも取り組み、2014年7月に出展企業向けの商品管理画面のリニューアルを行い、また、2014年10月からは、Square株式会社と業務提携し、POSレジアプリ「Squareレジ」とシステム連携を行っている。
出展企業数、小売店数は増加しているものの、客単価はやや伸び悩んでいる。

2014年3月よりサービス提供を始めた「COREC(コレック)」は、9月より有料プランの課金がスタートしたが、現在は種蒔きの段階であるため、知名度向上とユーザー獲得に注力している。
ユーザーの利便性を向上するために、2014年10月にはSquare株式会社の提供するPOSレジアプリ「Squareレジ」、2015年4月には、ヤフー株式会社が運営する「Yahoo! ショッピング」とのシステム連携をスタートさせた。同時に、ユーザーから寄せられる声をもとにユーザビリティの高いシステムを構築していくための機能の追加も順次行っている。

◎Paid事業

売上高は前期比29.8%増の2億69百万円。営業損失は16百万円だったが、前期の37百万円の損失から大幅に縮小した。
加盟企業の獲得増加と獲得した加盟企業の稼働率の向上をテーマとしている。マーケティング業務強化による「Paid」の認知度、知名度の向上に取り組むほか、2015年3月から売掛債権の流動化を実施している。

B to B取引は、業種や規模ごとに商慣習が異なる場合も多く、取引代金の回収・支払いのサイクルも多種多様で、代金を回収する前に支払いが必要なケースも見られ、幅広い業種の加盟企業を積極的に取り込んでいくためには、ある程度余裕のある運転資金を確保する環境が必要だった。
今回導入した売掛債権流動化スキームにより、同社は毎月、決済期日到来前に売掛債権に該当する資金の調達を行うことができるため、今後は今まで以上に積極的に多種多様な業種を加盟企業としてPaid に取り込み、取引高を増加させ、事業規模の拡大加速を図っていく。

加えて、獲得した加盟企業とPaidメンバーが継続してシステムを利用していくためには、その利便性を高めることも重要と認識し、満足度の向上を図っている。こうした取り組みにより、「三菱自動車の電動車両サポート」にPaidが導入された。こうした大企業の獲得は信用力向上を通じて、加盟企業の拡大に大きく寄与するものと考えている。

こうした様々な取り組みの結果、取引高は104億94百万円と同27.7%増加した。
単月ベースでは黒字化する月も増えており、今期の通期黒字化を目指している。

◎売掛債権保証事業

売上高は前期比13.3%増加の5億68百万円。営業利益は同2.9%増の73百万円。
2014年4月に開始した事業用家賃保証サービスが堅調に伸びている。
また、クラウド請求書作成管理サービス「Misoca」を提供しているスタンドファーム株式会社との業務提携(2014年11月)、オンライン物流ネットワーク「トラボックス」を運営するトラボックス株式会社との業務提携(2014年12月)など、クライアントの窓口を広げるための積極的な業務提携を進めた結果、こうした代理店経由の新規契約が伸びており、保証残高増加の約4割程度が代理店経由となっている。
この結果、保証残高は64億71百万円で前期末に比べ38.0%増加した。
ただ、一時的であはるものの約10百万円の保証履行が発生したため売上原価が増加し、第4四半期(2-4月)のセグメント利益は3百万円の赤字となったため、通期の増益率は1ケタ台にとどまった。
保証履行発生の原因は究明できており、対策は完了しているという。

現預金、売掛金の増加により流動資産は前期末に比べ10億88百万円増加。資産合計も同10億98百万円増加し43億27百万円となった。
短期借入金は減少したが買掛金が増加し、流動負債は同9億77百万円増加した。長期借入金が増加し固定負債は同1億22百万円増加し、負債合計は同11億円増加の27億83百万円となった。
利益剰余金が増加したが自己株式の取得を行ったため純資産は前期末とほぼ変わらず。
この結果自己資本比率は前期末の47.8%から12.2%低下し35.6%となった。

仕入債務の増加、預り金の増加などで営業CFのプラス幅は前期に比べ拡大。投資CFは前年とほぼ変わらず。
短期借入金の減少、自己株式の取得により財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは上昇した。

(4)トピックス
◎「スーパーデリバリー―」における越境ECサービスを開始

「スーパーデリバリー」の越境EC版となる輸出販売サービス「SD export」を8月25日よりスタートする。

<サービス概要>

「SD export」は日本企画や日本製の商品を海外の小売店・企業に輸出販売するためのサイト。
現在日本最大級で、日本の出展企業は、今後約134 ヵ国以上の小売店・企業に対する卸販売が可能となる。
今回のサービス開始にあたっては、商品を販売するメーカー側の配送業務を簡潔にするため、物流代行サービスの株式会社ディーエムエス(9782、東証JASDAQ、以下DMS)のサービスを利用する。

☆取引の流れ

① 海外小売店がスーパーデリバリー上で希望する日本製商品を見つけ、国内出展企業に発注する。
② 国内出展企業は、商品に「SD export」の専用伝票を貼って日本国内にあるDMSの倉庫に発送する。DMSは検品、再梱包、インボイスの作成、輸出手続きを行う。
③ DMSが航空便で輸出
④ ラクーンがスーパーデリバリー上で代金を回収する。
⑤ ラクーンが国内出展企業に代金を支払う。

通常、輸出販売を行う際には、国内の取引と異なり、以下のような複数の手続きが必要で手間と時間を要する。

取引先との売買契約を結ぶ。
税関に輸出する商品を申請して承諾を得る。
空輸・船積みの予約をし、貨物海上保険などを付保する。
輸出者は荷物の取引商品の明細書、計算書、代金請求書等の役割を果たすインボイスを輸入者宛に送付する。
商品の代金支払いに関しては、信用状況に応じてL/C決済を発行する。

これに対し、スーパーデリバリーが輸出者となる「SD export」では、国内出展企業はこれら一連の手続きをとる必要がなく、DMSの倉庫に専用伝票を貼った商品を出荷するだけで、海外の小売店・企業に商品を発送することができる。
また、海外小売店・企業からの代金回収は、国内のスーパーデリバリー同様、ラクーンが代行するため未回収を防ぎ100%の支払いを出展企業に保証する。リスクを負わずに販路を拡大することができ、集客に関してもスーパーデリバリーを通じて効率的に行うことができる。
また、ラクーンはウェブ上での商品説明など言語対策について翻訳機能によるサポートも行い、出展企業の利便性を向上させる。

「SD export」の利用についてはスーパーデリバリーとの契約(基本料月額4万円+取引金額の10%)が必要となり、「SD export」利用に際しての追加料金は発生しない。

<新サービス導入の狙いと背景>

海外の小売店や企業がスーパーデリバリーを利用して商品を仕入れるためには、日本国内に荷物の受取拠点があることが利用条件となっており、そのため国内の小売店と同様に消費税が加算されている。
しかし、そのような条件下でもスーパーデリバリーに登録している海外小売店・企業の数は年々増加しており、購入店舗数と流通額も伸びている。
特に海外小売店・企業の流通額は下のグラフの様に大きく伸びている。

「SD export」ではラクーンが輸出者となるため、海外小売店・企業は国内に受取拠点を持たず免税で仕入れが可能となる。
加えて、これまでは海外からの問い合わせが増加していた中でも、スーパーデリバリーをスムーズに運営し信頼性を向上させることを第一義としてきたため、混乱を避け、海外に向けてスーパーデリバリーのプロモーションは行っていなかったが、今後は積極的に行う予定で、海外小売店・企業の利用がさらに増加すると見込んでいる。

また、スーパーデリバリーの対象である中小メーカーは海外販売に必要な手続きや販路開拓のノウハウが少ないことなどがハードルとなり、海外進出を躊躇する企業が多いと思われ、スーパーデリバリーを利用することで国内の小売店に対する卸販売と同じ作業で海外進出ができる点は、これらの企業にとって大きなメリットとなる。

<今後の展開>

今回の「SD export」開始に合わせ、同社では輸出販売の専属チームを企画開発部に新たに設け、積極的な海外販売の推進とフォローに努める。
特に海外小売店の集客については、6月10日よりサービス利用の事前申込を開始した。申し込みは順調に進んでおり、特にアジア、北米、などからの申込みが多いという。

近年海外での日本文化、日本製品に対する関心・ニーズは急速に高まっている。スーパーデリバリーとしても海外小売店にニーズの高い商品を扱う新規メーカーの誘致を行ってゆくために、メーカー向けのサービス概要説明会を随時開催していく予定であり、また、伝統的な工芸品などについても取り扱うメーカーの集客を図るために、地場産業などの組合との連携も積極的に進めていく予定である。

同社では、「SD export」の開始により、スーパーデリバリーを日本国内だけでなく世界中の企業取引における新しいインフラとすることを目指してゆく。

◎「Paid」提供で株式会社ロックオンと業務提携

株式会社ロックオン(3690、東証マザーズ)と業務提携し、株式会社ロックオンが運営するECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」のユーザー向け決済ツールとして、「Paid」を2015年6月12日より提供することとなった。

ロックオンの提供するECオープンソースソフトウェア「EC-CUBE」は、Web発注システムやグループ企業間のクローズドサイトなど、B to B向けにも多数利用されている。
経済産業省によれば、B to B EC市場は、2013年時点で186兆円と、B to C EC市場規模の約20倍あるといわれている。
同社とロックオンは両社の強みを活かすことにより、B to B市場の発展に寄与するとともに、両社の企業価値を更に向上させることが出来ると判断し業務提携を行った。
EC-CUBEに「Paid」が標準搭載されることで、EC-CUBEでB to Bサイトを構築するユーザーは、追加開発を行うことなく、掛売り決済を導入することが可能となる。

2016年4月期業績予想
2ケタの増収増益予想

売上高は前期比10.4%増の22億70百万円の予想。前期やや伸び悩んだスーパーデリバリーの梃入れなどにより、3事業とも拡大を目指す。営業利益は同23.5%増の4億15百万円の予想。売掛債権保証事業の成長で利益率は更に向上する。ただ、「SD export」に関しては、売上は一部織り込みつつプロモーション費用は余裕を見て予算を作成しており、やや堅めの計画となっているという。
配当は現時点では未定。配当性向20%程度を目途に、期間収益の動向を見ながら決定する。

(2)各事業の取組み

◎EC事業
「スーパーデリバリー」に関しては、前期、出展企業数、小売店数は着実に拡大させることはできたものの、客単価は伸び悩んだ。
その要因としては、商品数・バリエーションを含めた品揃えが不足しているためと分析しており、現在商品バリュエーション拡大のための様々な取り組みを進めている。
前述の様に8月から「SD export」が始まるが、これを機に今まではスーパーデリバリーに関心を持っていなかった出展企業が参加することも予想され、これも商品バリエーション拡大に繋がるのではないかと会社側は期待している。
こうした施策を通じ、7-8%程度の安定的な成長を目指してゆく。

「COREC」に関しては、知名度の向上とユーザーの獲得に注力する。ビジネスの初期段階であるため、早急な利益追求は行わず長期的な視点で事業運営を行うことで、将来的な収益事業へ成長するための基盤を構築する。

◎Paid事業
通期黒字化を見込んでいる。引き続き知名度の向上、加盟企業とPaidメンバーの獲得に注力するとともに、獲得した加盟企業やPaidメンバーの利便性向上のためのシステム投資も進め、取扱高の増加を図る。

◎売掛債権保証事業
積極的に保証残高を拡大することで、保証料収入を増加させ事業拡大に努める一方で、審査精度の向上に努める。また、グループのシナジー効果を活かしたビジネスモデルのEC化を積極的に推進することで収益性の向上を図る。

今後の注目点
スーパーデリバリーの客単価の伸び悩み、売掛債権保証事業における一定規模の保証履行の発生などはあったものの、ほぼ上方修正後予想通りに着地したのは3事業による安定した収益構造によるものだろう。
8月からスタートする「SD export」の今期業績への寄与は不透明だが、来期以降はストック型ビジネスとして着実に貢献することが期待される。
その意味で、スタート時の登録小売店数がどの程度となるか、第2四半期決算での開示、説明を注目したい。
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