(7590:JASDAQ) タカショー 2015年1月期業績レポート

2015/04/30

TAKASHO

今回のポイント
・15/1期は2.3%増収、30.2%経常減益となった。プロユース部門では、エクステリア参入商品や庭照明・ガーデンライト商品等の販売が順調に推移した。海外事業も引き続き増収となった。利益面においては、為替の影響等で売上総利益率が縮小、先行投資となる生産設備の導入等による営業費用の増加や、一時的減益要因が重なったこともあり経常減益となった。・16/1期予想は5.0%増収、66.0%の経常増益。売上高はプロユース部門で7%増、海外で17%増を見込む。利益面では売上総利益率が1.0ポイント改善し、41.1%となる見通し。また、15/1期に計上した一時的費用の反動もあり、大幅な経常増益となる見通し。配当は、1株当たり17円の期末配当を予定している。

・15/1期は消費税率引き上げ後の消費の戻りの鈍さや天候不順、円安といった外部要因、その他にも一時的な要因が重なり減益はやむを得ないといえる。しかし今16/1期はその反動が考えられる上、海外事業のさらなる貢献が考えられる。株式市場は、上昇基調にあるが、同社株の戻りは鈍く、PERは10倍割れ、PBRは1倍を割り込んでいる。配当利回りも高水準。株価は出遅れ修正の時期に差し掛かっているのではないだろうか。

会社概要

「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材等の庭園資材を製造・販売。LED(発光ダイオード)ライト等の照明機器、池・滝・噴水等のウォーターガーデンや坪庭等も手掛けている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニアへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。グループは、15/1期末現在で連結子会社18社(うち1社清算手続中)、関連会社3社。その他、2月3日付けで販売子会社ベジトラグUSA株式会社を設立した。

【販売ルート】

営業部門は、販売ルート別に設計・施工が必要なハウスメーカーや工務店向け「プロユース」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース」、「e-コマース・通信販売」、「輸出」に分かれる。個別ベースの売上構成比は、それぞれ54.4%、36.6%、2.0%、7.0%(15/1期実績)。
「プロユース」では、プロユーザー向けのカタログ「PROEX(プロエクス)」を業界最大の約25万冊印刷し、造園業者、設計士、エクステリア施工店、商業施設等にダイレクトメールで配布している。カタログには商品を使った庭園イメージの写真が掲載されており、この写真を見ながら実際に施工する場所と庭園の簡単な図面を書いてファックスもしくはWebで発注すると、CAD(コンピュータによる設計支援システム)、CG(コンピュータ映像)を駆使した完成予想図と共に見積書を当日中に返送し、正式な注文があれば商品を短納期する仕組み作りが確立している。

事業戦略

基本コンセプトは「やすらぎのある空間づくり」。庭での暮らし方を提案するライフスタイルメーカーとして業容を拡大させていく考え。常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化に貢献するグローバル企業を目指している。長期的な数値目標として、25/1期に売上高600億円、営業利益50億円を掲げており、この目標達成に向け、企画からサービスまで一貫して手掛ける垂直ビジネス、中国での製造とワールドワイドでの販売を展開するグローバルビジネス、ハウスメーカーとの取組みや非住宅市場向け建材・外装等のトータル化ビジネス、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、ローボルトライト等の近代化ビジネスの4つの取り組みを進めている。事業はプロユース、ホームユース、国際事業に分類される。

【グローバルビジネス】

文化性のあるものを海外から日本に取り入れる一方、中国の九江工場で製造した、木製品、ソーラーライト、ワイヤー製品等を、世界に輸出している。このうち、ガーデニング市場が4兆円規模と言われている英国(日本は6,000億円程度)向けは日本から輸出しており、米国においては、本年2月3日に当社100%子会社である英国の販売会社(ベジトラグ社)が100%出資し「ベジトラグUSA」を設立し、米国への販売の強化に進めている。
この他、ドイツ、オーストラリア、韓国に展開している。ワールドワイドに展開するためには、英国のような大きなマーケットに販社を置く必要があると言う。

【トータル化ビジネス】

エクステリア(新築外構)、ガーデン(庭での暮らしの提案)、コントラクト(非住宅市場向け建材、外装)に力を入れている。「ガーデンとは、囲われた楽園。囲うものが無ければガーデンは成り立たない」という独自の発想の下、この囲うものをエクステリアと捉え、タカショーらしい独自性を重視した製品開発を進めている。

ハウスメーカーとの取組みでは、「エバーアートウッド」等が高い評価を受けており、大手メーカーのエクステリア&ガーデンカタログに掲載される商品が増えている。「5th ROOM」(庭は、リビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームに続く5番目の部屋であり、家と庭の持つ良い部分を重ね合わせた空間である)や「スマートリビングガーデン」(後述)と言ったコンセプトも共感を呼んでいる。

コントラクト(非住宅市場向け建材、外装)分野では、景観建材事業を展開している。「エバーアートウッド」や「エバーバンブー」等の提案を強化していく考え(「エバーアートウッド」は国土交通省から不燃材料として認定されており、外装だけではなく、内装にも対応可能)。豊富な商品の組み合わせにより、各施設にふさわしい庭空間、建物外観や内装をトータルに提案、全国で数多くの納品事例を誇る。

この他、庭のプロフェショッナル集団を目指す「リフォームガーデンクラブ」を通じて問屋や施工店とのコミュニケーションを図る。更に10年2月に「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」や「ウォーターガーデンマイスター制度」と言った制度を、14年5月には「エクステリア&ガーデンマイスター制度」を設立した。業界の活性化に向けた取り組みも盛況だ。全国68会場で実施した「エクステリア&ガーデンライティングマイスター研修会」には約1,287社(3,934名)が、全国14会場で実施した「ウォーターガーデンマイスター研修会」には540社(1,027名)が、全国10会場で実施したエクステリア&ガーデンマイスター研修会には549社(1,055名)が、それぞれ参加した。

【近代化ビジネス】

「スマートリビングガーデン」の一環として、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、ローボルトライト等、自然エネルギーの利用や省エネタイプの商品開発や販売を通してガーデンから出来る省エネ・節電をテーマに庭からのエコを提案している。「スマートリビングガーデン」とは、スマートハウスの発想と庭から始まるエネルギーマネジメントシステムGEMSを融合させ、家と庭で「省エネ」、「創エネ」、「畜エネ」の実現する庭であり、こうした庭づくりを目指す同社の提案活動の事。尚、昨年10月には屋外照明の100%LED化を実現した。「タカショーローボルトライトシステム」は一般社団法人HEAD研究会主催の「第4回ベストセレクション賞」を受賞し評価を受け、市場への知名度も上がっている。

【ライフサポートビジネス】

12年4月に日本初の本格的なガーデンセンター「GARDENER’S JAPAN(ガーデナーズジャパン)」を本社隣接地にオープンした。「GARDENER’S JAPAN」は施設の半分が緑に包まれ、オープンガーデンのような長時間滞在したくなる楽しい空間造りに特徴がある。通販サイト「青山ガーデン(http://www.aoyama-g.co.jp/)」や同社発行のガーデニング専門誌「BISES」との連動を強化していく考え。

Gardeners Japan:和歌山県海南市南赤坂3-3
TEL:073-482-3333 FAX:073-482-3332
2015年1月期決算
前期比2.3%の増収、同30.2%の経常減益

売上高は前期比2.3%増の184億84百万円。過去最高となった。
プロユース部門では、アルミ製人工木「エバーアートウッド」を用いた「アートポート」シリーズや「アートフェンス」シリーズの販売が好調に推移した。また、これらを構成する部材である「エバーアートウッド」がガーデンエクステリアで使用されることから順調な販売となった。また14年2月より販売している木、石、塗り壁、和風など様々な天然素材を再現したアルミ複合板「エバーアートボード」の生産体制を整え、販売強化を図った。エクステリア参入商品(カーポート、フェンス他)、アートボード・ウッドの売上は前期比12%増の2,841百万円となった。
また、夜の庭を演出する「光」について、同社認定制度「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」の認定者の拡大を図り、ローボルト(12ボルト)LEDライトならびに100ボルトLEDライト等の新アイテムを市場に投入した。その結果、照明機器の販売が堅調に推移した。庭照明・ガーデンライト商品(特にローボルトライト)の売上は前期比14%増の2,838百万円。
ホームユース部門では、8月以降は気候の回復により日除け商品の売上が伸び、季節商品となるイルミネーションライティング関連の商品が順調に売上を伸ばした結果、増収となった。
海外展開ではイギリスの販売子会社が順調に推移、中国製造子会社において品質基準の強化や在庫管理機能とデリバリー体制の構築を図ったことにより増収となった。中国の売上は9億78百万円で前期比105.5%増となった。海外売上シェアは前期の13%から15%に拡大した。
利益面においては、為替の影響等により売上総利益率が41.2%から40.1%に縮小した。また、滞留債権の貸倒引当金計上や今後の売上拡大を目的とした先行投資となる生産設備の導入等による営業費用の増加もあり、営業利益は前期比40.0%減の6億3百万円。債務の現地通貨換算による差損があったものの、前期に計上した貸倒引当金繰入がなくなったことにより、経常利益は同30.2%減の6億79百万円にとどまった。繰延税金の当期実現により、純利益は同36.5%減の5億8百万円となった。また減益要因となった一過性費用の総額は2億44百万円としている。
子会社販売が順調に推移している。特に売上成長には目を引くものがある。タカショーデジテックはローボルトガーデンライトの大幅な住宅メーカーへの採用があり、ライティング事業部が好調。徳島ガーデンクリエイトはアートボードの製造が本格稼働した。海外では九江高秀(中国工場)の販売拡大、江西高秀の直接貿易が増加した。ベジトラグは新規顧客獲得により売上が拡大している。尚、タカショーヨーロッパは在庫評価減73百万円を実施した。

15/1期末の総資産は前期末比18億22万円増加し、167億36百万円となった。
流動資産は前期末比12億44百万円増加し、111億62百万円。主な要因は、春に向けてのシーズン商品の確保により商品及び製品(棚卸資産の一部)が同6億21百万円増の34億24百万円となったこと等によるもの。
固定資産は前期末比5億77百万円増の55億73百万円。主な要因は、建物及び構築物が同1億86百万円増の26億円となったこと等によるもの。
流動負債は前期末比22億94百万円増加し、74億46百万円。前年度において取引銀行3行とシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結し、運転資金を長期借入金から短期借入金に移行させたことにより短期借入金が同15億83百万円増の23億98百万円となったことが主因。
固定負債は前期末比9億11百万円減少し、15億72百万円。運転資金を長期借入金から短期借入金に移行、長期借入金が同9億57百万円減の13億66百万円となったこと等によるもの。
純資産は前期末比4億39百万円増加し、77億17百万円。その他の包括利益累計額が同3億32百万円増の7億46百万円となったこと等によるもの。
15/1期末の自己資本比率は前期末比2.7ポイント減少し45.6%となった。

15/1期末の現金及び現金同等物の残高は前期末比6億6百万円増加し、23億83百万円となった。
営業CFは、7億70百万円の収入(前期は2億5百万円の支出)となった。主な要因は、売上債権の減少額2億47百万円(前期は2億5百万円の減少)、及び仕入債務の増加額4億3百万円(前期は3億69百万円の増加)となったこと等によるもの。投資CFは、4億55百万円の支出(前期は5億57百万円の支出)となった。無形固定資産の取得による支出が40百万円(前期は1億87百万円の支出)となったこと等によるもの。これらにより、フリーCFは3億14百万円の収入(前期は7億62百万円の支出)となった。財務CFは、2億56百万円の収入(前期は3億57百万円の収入)となった。株式の発行による収入9億61百万円があったこと等によるもの。

2016年1月期業績予想
5.0%の増収、同66.0%の経常増益予想

16/1期予想は売上高が前期比5.0%増の194億4百万円、経常利益は同66.0%増の11億29百万円を計画する。売上高はプロユース部門においてはエクステリア商品等の販売推進により7%増、海外では米国子会社を設立、海外子会社販売体制強化により17%増を見込む。利益面では売上総利益率が1.0ポイント改善し41.1%となる見通し。また、貸倒引当金の計上や在庫評価損の計上を前期に積極的に行った結果、今期は減少する見通し。海外子会社では人員整理等により販管費を削減する。これらにより営業利益は前期比94.9%増の11億円76百万円を計画する。為替の影響を抑える施策を打ち、経常利益は同66.0%増の11億29百万円、前期に計上した繰延税金の実現が今期は軽微な発生となるため純利益は同93.2%増の6億24百万円を予想する。
配当は、1株当たり17円の期末配当を予定している。
上期予想は以下の通り

今後の注目点
15/1期は消費税率引き上げ後の消費の戻りの鈍さや天候不順、円安といった外部要因、その他にも一時的な要因が重なり減益はやむを得ないといえる。しかし今16/1期はその反動が考えられる上、海外事業のさらなる貢献が考えられる。海外事業は急速に売上を伸ばしているが、近いうちに利益にも本格貢献することが考えられる。また、今年は天候の滑り出しも順調、上期から好業績を実現できそうだ。尚、17/1期には売上高205億円、経常利益12億50百万円を目指している。
株式市場は、円安や政策への期待感もあり上昇基調にある。しかし同社株の戻りは鈍く、PERは10倍割れ、PBRは1倍を割り込んでいる。配当利回りも高水準。16/1期の減益が背景にあると思われる。しかし、今期はその反動で大幅増益予想。株価は出遅れ修正の時期に差し掛かっているのではないだろうか。
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