(9616:東証1部) 共立メンテナンス 2015年3月期第3四半期業績レポート

2015/03/25

kyoritsu

今回のポイント
・15/3期3Q累計は前年同期比5.1%増収、22.4%経常増益。主力事業である寮事業における期初稼働率は、前年比0.2ポイント増の97.2%と好調なスタートとなった。成長著しいホテル事業についても、ドーミーイン事業、リゾート事業共に好調に推移した。全ての利益項目において過去最高を更新、同社が標榜する「10%以上成長」を確かな軌跡としている。・通期予想は5.0%増収、10.3%経常増益を計画、過去最高益を更新する見通し。経常利益は期初予想から4億円の上方修正となった。寮事業は留学生や企業ニーズの増加により、当初予想を上回っての堅調な推移をしている。加えてホテル事業においては、顧客の好評を得てインバウンドのみならず国内旅行者の増加もあり、当初予想を大きく上回り、上方修正となった。配当に修正はなく48円(うち上期24円)を予定している。

・上方修正となったが上期決算発表時から予想されていたことであり、サプライズはない。ただし、経常利益率は3Q累計の7.7%から6.8%に低下するとは考えられず、修正後の予想も保守的と見ている。今期の好業績を評価しながらも、今後の注目は来期に移行しつつある。積極的出店に伴う先行投資負担をいかに吸収し、これまでの高成長を持続するかに注目したい。

会社概要

“ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する”と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。
事業の種類別セグメントと売上構成(14/3期)は次の通りである。

【沿革】

設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。

【中期計画とホテル事業の推進】

2011年12月に公表した中期経営計画「Kyoritsu Value Up Plan!」(12/3期~16/3期)が進行中である。同計画では、「寮事業の構造改革の仕上げと新たな成長戦略の遂行」、「収穫期入りしたホテル事業の収益拡大の加速」、「第三の柱となる新規事業の育成」、「人材育成と適正配置」を重点施策として掲げ、最終の16/3期に売上高1,377億円、営業利益110億円、経常利益89.5億円の達成を目指している。中期経営計画4年目である15/3期は、主力事業である寮事業の期初稼働率が前年を0.2ポイント上回る好調なスタートに加え、ホテル事業でもビジネスホテル・リゾートホテルともに前年を上回る高稼働率を維持している。3Q累計決算では、各利益ベースで計画を上回り、通期予想を上方修正した。中期計画は見直される見通しである。

中期計画の数値目標
ホテル事業の推進

同社の展開するホテルは好評を得ており、今後も積極展開を見込む。2020年開催のオリンピックを控えた東京では、都心部の店舗数が少ないとして強化する方針を打ち出している。

2015年3月期第3四半期決算
前年同期比5.1%の増収、同22.4%の経常増益

売上高は前年同期比5.1%増の805億95百万円。主力事業である寮事業における期初稼働率は、前年比0.2ポイント増の97.2%と好調なスタートとなった。成長著しいホテル事業についても、ドーミーイン事業、リゾート事業共にインバウンドの増加に加え前年同期を上回る稼働率にて力強く推移し、引き続き大きな牽引力となった。販管費率が0.2ポイント上昇したが、売上総利益率は1.1ポイント上昇し利益率が改善、営業利益は前年同期比17.7%増の65億13百万円。支払利息の減少、為替差益の拡大により、経常利益は前年同期比22.4%増の62億20百万円、四半期純利益は同35.3%増の39億99百万円となった。全ての利益項目において過去最高を更新、同社が標榜する「10%以上成長」を確かな軌跡としている。

営業利益率は前年同期比で0.9%上昇の8.1%。創業以来、寮事業を主力とし安定成長。寮事業で培ったノウハウを活かしホテル事業を展開してきたが、2015年3月期第2四半期より、成長著しいホテル事業が売上高・利益に続き利益率でも寮事業を上回った。

寮事業

売上高は前年同期比2.6%増の308億81百万円、営業利益は同7.0%増の38億85百万円。期初稼働率は97.2%と前年を0.2ポイント上回る水準でのスタート。3Q末の稼働契約数は29,942名で前年同期比461名の増加。学生寮事業が海外からの留学生の増加もあり堅調に推移したことに加え、社員寮事業においても、企業の採用人数の増加及び、寮制度の復活や新たに導入する企業が増加したこと等により好調に推移した。

ホテル事業

売上高は前年同期比7.7%増の357億36百万円、営業利益は同23.8%増の46億72百万円。
ドーミーイン事業では、前期にオープンした「天然温泉 茶月の湯 ドーミーインEXPRESS掛川」、「天然温泉夕霧の湯 ドーミーインPREMIUMなんば」が好調に推移し、既存事業所においても多くの顧客を取り込み、高い稼働率にて推移した。尚、インバウンドは速度を上げて増加しており、今期は特に「天然温泉 夕霧の湯 ドーミーインPREMIUMなんば」を筆頭に多くの顧客が利用している。
リゾート事業では、前期にオープンした「いにしえの宿 伊久」をはじめ、既存事業所においても国内旅行者の増加やリピーターの増加等により前期を上回る稼働率で推移した。

その他の事業

売上高は前年同期比11.4%増の236億73百万円、営業損失2億37百万円(前年同期は2億76百万円の損失)。
総合ビルマネジメント事業は売上高84億2百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益1億17百万円(前年同期は12百万円の損失)。前期における物件売却おける影響及び、建設施工工事部門の受注増加に伴い増収、黒字に浮上した。
フーズ事業は売上高39億93百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益21百万円(前年同期は41百万円の損失)。消費税増税による個人消費回復の遅れや原材料の高騰など厳しい事業環境の中、徹底したコストコントロールを図り黒字転換した。
デベロップメント事業は売上高46億36百万円(前年同期比21.6%増)、営業利益90百万円(前年同期比47.9%増)。開発原価は依然として高止まりの状況が続いているが、ホテル開発の受注増に伴い、増収増益となった。
その他事業は売上高66億40百万円(前年同期比27.5%増)、営業損失4億66百万円(前年同期比1億83百万円の減益)。

3Q末の総資産は有形固定資産の増加などにより、前期末比9億50百万円増の1,329億46百万円となった。負債は前受金の減少などにより、同32億8百万円減少し、941億96百万円となった。純資産は利益剰余金の増加などにより、同41億59万円増加し、387億49百万円となった。
期末自己資本比率は前期末比2.9ポイント増加し29.1%となった。

2015年3月期業績予想
前期比5.0%の増収、同10.3%の経常増益予想

通期予想は売上高が前期比5.0%の増の1,105億円、経常利益は同10.3%増の75億円を計画、過去最高益を更新する見通し。期初予想から売上高は16億円の下方修正、経常利益は4億円の上方修正となった。寮事業において留学生や企業ニーズの増加もあり、当初予想を上回って堅調に推移している。加えてホテル事業においても、顧客の好評を得てインバウンドのみならず国内旅行者の増加により当初予想を大きく上回っており、上方修正となった。尚、売上高の下方修正は寮・ホテル事業が予想を上回って推移している一方、総合ビルマネジメント事業及び韓国ソウルにおけるホテル開業時期の遅れ等によるもの。
配当に修正はなく48円(うち上期24円)を予定している。

今後の注目点
上方修正となったが上期決算発表時から予想されていたことであり、サプライズはない。ただし、経常利益率は3Q累計の7.7%から6.8%に低下するとは考えられず、修正後の予想も保守的と見ている。消費税率引き上げ、そして大型台風の上陸や豪雨による影響はあったものの、それらをカバーして好調な決算が継続している。今期の好業績を評価しながらも、今後の注目は来期に移行しつつある。積極的出店に伴う先行投資負担をいかに吸収し、これまでの高成長を持続するかに注目したい。中期計画の発表が待たれる。
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