(8769:JASDAQ) アドバンテッジリスクマネジメント 2015年3月期第3四半期業績レポート

2015/03/18

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今回のポイント
・『安心して働ける環境』と『活力ある個と組織』を共に創るという企業理念の下、社員・従業員を取り巻く様々な課題を解決するためのソリューションを提供。従業員のメンタルヘルスケアをサポートするメンタリティマネジメント事業と、団体長期障害所得補償保険(GLTD)を販売する就業障がい者支援事業の2つが収益の柱。メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業で、圧倒的な規模と高いシェア、一気通貫でソリューションを提供できる総合力も大きな特長。

・15/3期3Qの売上高は前年同期比1.8%増収の19億62百万円。メンタリティマネジメント事業はほぼ横ばいだったものの、就業障がい者支援事業は順調に拡大した。前年同期に発生した一過性コストの解消により、経費負担が減少したため営業利益以下、大幅な増益となった。

・15/3期の通期予想に変更は無い。メンタリティマネジメント事業においてはストレスチェック義務化法案への対応はもちろん、EQ、インサイトと言った商品の販売拡大、就業障がい者支援事業ではGLTDの更なる拡販を計画し、増収・増益を見込んでいる。配当は安定配当を継続し、前期と同じく4円/株を予定。予想配当性向は18.8%。

・法人企業が顧客であり、年度末(3月)にかけての成約が多くなる傾向があるため、特に利益においては第4四半期(1-3月)の占めるウェイトが大きいというのが、同社収益の季節特性となっている。今第3四半期時点での通期予想に対する進捗率を見ると、売上高はやや低いものの、概ね例年通りの水準であり、今期業績は計画通り進行していると見られる。短期的には今期の予想達成に加え、どれだけ上積みが行えるか?を、中長期的には、企業の関心が急速に高まりつつあるストレスチェック義務化に向けたサービス提供がどの程度のスピード感を持って立ち上がって来るのかを注目したい。

会社概要

『安心して働ける環境』と『活力ある個と組織』を共に創るという企業理念の下、社員・従業員を取り巻く様々な課題を解決するためのソリューションを提供。うつ病など精神障害の予防及び回復をサポートし、人材のパフォーマンスを最適化するメンタリティマネジメント事業と、傷病による休業中の所得を補償する団体長期障害所得補償保険(GLTD)を販売する就業障がい者支援事業の2つが収益の柱。メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業で、圧倒的な規模と高いシェア、一気通貫でソリューションを提供できる総合力も大きな特長。

【沿革】
1995年 1月 (株)アドバンテッジ インシュアランス サービスを設立し、団体長期障害所得補償保険(GLTD)の取扱開始
1999年 3月 事業拡大に合わせ、グループ統括会社として(株)アドバンテッジ リスク マネジメントを設立
1999年 6月 (株)日本長期信用銀行(現 (株)新生銀行)より保険代理事業子会社の長栄(株)を営業譲渡を受ける。
2002年 8月 従業員のメンタルヘルスサポートサービス「アドバンテッジEAP」の開発・提供で、東京海上メディカルサービス株式会社(現 東京海上日動メディカルサービス株式会社)と業務提携
2006年12月 「大証ヘラクレス」(現、東証JASDAQ市場)へ上場
2007年10月 (株)フォーサイトの100%子会社化を実施
2008年 3月 (株)ライフバランスマネジメントの100%子会社化を実施
2010年 3月 企業における従業員の生産性向上と組織活性化のための包括的・総合的なメンタルヘルスケア支援プログラム「アドバンテッジタフネス」を開発
2010年 7月 (株)イー・キュー・ジャパンより、「感情知能(EQ)」と言われる理論を基にした検査、人材育成、組織分析等の事業の全部を譲受
2010年10月 (社)日本経済団体連合会に加盟
2011年 6月 EQ能力とストレス耐性の高い人材を見極めることのできる採用テスト「アドバンテッジ インサイト」を提供開始

ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院のMBA取得後、外資系戦略コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーで保険・金融を始め、様々な業界を対象としたコンサルティング業務に携わっていた鳥越社長は、元々起業志向が高く、様々なビジネスチャンスを模索、検討していた。
そんな中、団体長期障害所得補償保険(GLTD)の取扱いが日本で解禁される(1994年10月)ことを知り、米国で普及していたこの保険商品を日本で手掛けることに大きな成長性を見出し、1995年1月、株式会社 アドバンテッジ インシュアランス サービスを設立し、代表取締役社長に就任した。1999年3月には事業拡大に合わせ、グループ統括会社として株式会社アドバンテッジリスクマネジメントを設立した。GLTDの認知度、理解度の低さから当初は苦労したものの、外資系企業を中心に着実に販売は拡大していった。2002年8月には、現在のもう一つの事業の柱である「メンタリティマネジメント事業」も開始し、業容は拡大。大量の個人情報を取り扱う事業であることから高い社会的信用力が必要との判断もあり、2006年12月、大証ヘラクレス市場(現 東証JASDAQ市場)に上場。メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業となった。

【経営理念】

「『安心して働ける環境』と『活力ある個と組織』を共に創る」を掲げている。
企業とそこで働く人々を取り巻く様々な課題に対して、顧客の視点に立った真の付加価値あるソリューションを提案し、生産性・企業価値の向上を目指している。

この企業理念の下、同社は下記の行動指針「The Advantage Way」を定め、社員の行動基準である「5つのアドバンテッジ」を掲げている。

-The Advantage Way-

私たちは既存の概念にとらわれず、常に新規市場の創造と既存市場の革新を目指します。
あらゆる面において、市場でリーダーシップをとることを目標に、自己革新を続け、最大化される価値を社会、協力者、従業員と分かち合います。

【市場環境】

働く人々を取り巻く様々な課題を解決するソリューションを提供する同社にとっての対象マーケットは、人材採用や企業研修など人事領域のサービスを網羅することでその規模は大きく拡大すると会社側は考えている。

中でもメンタルヘルスケア事業の市場規模は、従業員50名以上の事業所に医師又は保険師によるストレスチェックの実施や、その結果高ストレスと判定されかつ面接を希望する労働者への医師による面接指導を実施、および医師の意見に基づく適切な就業上の措置を義務づける「ストレスチェック義務化法」の成立により、今後大きく拡大することが見込まれる。

【事業内容】

セグメント構成は、「メンタリティマネジメント事業」、「就業障がい者支援事業」、「リスクファイナンシング事業」の3セグメントから構成されているが、同社を特徴づける主たる事業は「メンタリティマネジメント事業」および「就業障がい者支援事業」の2つ。

①「メンタリティマネジメント事業」

日本経済が右肩上がりの時代からバブル崩壊を経て、厳しい競争の時代を迎える中、企業の従業員における、「うつ病」を始めとした精神疾患が大きな社会問題になっている。

うつ病などの精神障害に関する労災補償の請求件数・認定件数は共に2009年度から3年連続で増加。
ケガや疾病などの就業障害により30日以上の長期休業に至ったケースのうち、 原因として、うつ病を中心する「メンタル疾患」の割合は68%と半数以上。
メンタル不調による休職者が1人発生すると、およそ500~600万のコストがかかる。単純に休職者のコストのみであり、その過程において人事部門や周りに与えるネガティブ要素を含めると損害は更に大きなものになる。

こうした状況下、従業員に対するメンタルヘルスケアを実施している企業は、従業員数5,000人以上の場合は100%であるが、100人未満 45%、30人未満 29%と低い。また、実施している企業においても、メンタルヘルスの不調による企業のコスト増やリスクの軽減、不調発生の予防、組織活性化等の具体的な成果があったと認識されるケースは必ずしも多くない。

こうした中、同社は最も重要な「成果」に焦点を当て、各企業が抱える現状の課題と目指すべき方向性に応じて定期的な調査・分析と多彩なソリューションプログラムによって成果を可視化し、総合的かつ具体的な対策を提案する。

基本的なメンタルヘルス対策サービスの流れとしては、下記の図のように、年1回実施するストレスチェックの結果を基に、個人向け施策及び組織向け施策を実施して効果を測定し、翌年再度ストレスチェックを行うというもの。
個々のデータを一元管理し、横断的に分析する事で新たな解決の糸口が見つかるという。

従業員個人向け施策のうちで、最も重要なものの一つが「カウンセリング」。
ストレスチェックで要対応という結果が出た従業員個人は、カウンセラーによる的確なカウンセリングを受けることが必要になるため、同社ではフォローメールを発信するなど、能動的にアプローチしている。
カウンセリングの形態としては、面接、電話、Web面談(無料電話アプリ スカイプを使用)、メール、出張など様々なスタイルを用意しており、本人のみでなく2親等以内の家族も利用できる。
また、面談カウンセリングは土日及び祝日も含めた午前9時から午後10時が利用可能で、電話であれば24時間利用可能となっているなど、相談者の使い易さを念頭に置いたサービス体制となっている。
特に、電話カウンセリングが24時間、365日利用可能なのは同社のみであり、大きな差別化となっている。
同社では自社20名、提携先約100名のカウンセラーを有し、きめ細かいカウンセリングを提供している。
カウンセラーのキャパシティ(サービス対応可能量)は十分で、ボトルネックとなる心配はないという。

同事業には、様々な状況に応じて以下の様なサービスが用意されている。

同事業の売上高はサービス提供先企業から受け取る利用料で、「利用者数(従業員数)×一人当たり年間サービス料」となる。
1人当たり年間サービス料は、ストレスチェックテストやカウンセリングの内容、出張カウンセリングの有無、年間のテスト回数、専属医師の設置、上記サービスの利用などにより様々だが、従業員一人当たり年間1,500円~4,000円が中心ゾーンとなっている。
2014年12月末現在の契約企業数は約1,500社。利用者数は約100.5万人となっている。

リーマンショック後の企業のコスト削減意識高まりの中では価格値下げプレッシャーが強かったが、現在は、ストレスチェックの目的を顧客企業と確認したうえで、KPI(キー・パフォーマンス・インディケーター:ある目標を実現する事を目的として設定される指標)を設定し、これを顧客と合意するといった、効果測定に一層重点を置いたサービス内容とすることで、付加価値を高め価格低下圧力を弱めている。

こうした中、2014年6月19日に一定規模の事業者に従業員のメンタルヘルスマネジメントを義務付ける「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」(通称「ストレスチェック義務化法案」)が成立した。
後述するように、同法案の成立はマーケットリーダーである同社にとって極めて大きなインパクトを及ぼすことが予想される。

②「就業障がい者支援事業」

傷病による就業不能は、死亡よりも発生数が多く、従業員の生活に与える影響は甚大で、重度の障害認定を受けない限り障害年金も支給されず、収入がゼロとなるケースもある。
こうしたリスクをカバーするのが、団体長期障害所得補償保険(Group Long Term Disability:以下、GLTD)である。

従業員が長期間働けなくなった場合、最長定年まで給与の一定割合を補償する保険で、従業員の職務復帰を全面サポートする。

加入形態としては企業が負担し福利厚生の一環として導入する全員加入部分と、従業員が任意で加入する上乗せ部分の2層構造となっている。全員加入部分と任意加入部分を合わせて月収の6割から8割がカバーできるプランが多い。

同社では、GLTDは単なる保険商品ではなく、保険を活用した福利厚生制度の一つと位置付けている。
同保険を導入した企業にとっては、それを有効に活用するためには様々な業務を行う必要があるが、その多くの部分について、専門性を活かしたサポートを提供している。

具体的には、以下の4点を重視してサポートを行っている。

同社はあくまでも保険代理店であり、本来はGLTDを運用している保険会社が行うべきものもあるが、保険会社にとってGLTDは数多くある保険商品のうちの一つに過ぎないとともに、GLTDに関する知識・経験、特に現場での運用に関するノウハウは同社が圧倒的に勝っている。また販売するのも同社であるため、保険会社はGLTDに関して同社を代理店とすることに大きなメリットと認識しており、その分販売に際しての同社に支払う手数料率も高く設定している。

同社が販売したGLTDの加入者数は2014年12月末現在 約40.6万人で、過去10年で約25万人増加している。

特徴と強み
①メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業

メンタルヘルスケア業界では、競合他社としてカウンセリング専門企業、医療関連企業、人材関連企業、損害保険グループ会社等、5~6社が存在しているが、上場企業は唯一同社のみである。

②圧倒的なスケールの違い&国内トップシェア

競合の中でも売上規模の大きい2~3社でも同社の3分の1程度のスケールであり、スタッフの数など総合的にサービスが提供できる体制を構築しているのは同社のみということだ。
例えば、カウンセラーは、前述のように「24時間、365日」対応となっているが、これが出来るのは同社のみで大きな差別化要因となっている。
こうした結果、メンタルヘルスケア対策支援及びGLTDにおいてトップシェアとなっている。

③一気通貫でソリューションを提供

同社は、ストレスチェックテストの実施及びそれを基にしたカウンセリングはもとより、休職者・復職者の管理システムや産業医派遣システムなども含め、個人の診断のみでなく組織としての診断およびきめ細かいフォローを一気通貫で行うことが出来る。この総合力も同業他社との大きな違いとなっている。

2015年3月期第3四半期決算概要
就業障がい者支援事業が堅調に拡大し、微増収・大幅増益

売上高は前年同期比1.8%増収の19億62百万円。
メンタリティマネジメント事業はほぼ横ばいだったものの、就業障がい者支援事業は順調に拡大した。
前年同期に発生した一過性コストの解消等により、経費負担が減少したため営業利益以下大幅な増益となった。

中国事業からの撤退および「MTOP」等の旧来型サービスの売上減少はあったが、新規顧客獲得および新規サービス投入、人材採用・育成サービスの伸び等でカバーし、微増収となった。
ストレスチェック義務化に対応する各種投資を行った一方、前期の一時的費用の解消、中国事業関連コストの減少等で経費負担は前年同期並みとなった結果、損失幅も同程度だった。

事業活動としては、「ストレスチェック義務化法案」への対応を最優先課題として、改正法の下での企業のメンタルヘルス対策を支援するためのサービス提供体制の構築に注力した。
新商品の開発の他、法制化対応セミナーを開催して2015年12月の法改正施行に照準を合わせた新規顧客開拓活動を推進した。東京・大阪ほか主要都市で開催した直販マーケット向けのセミナーでの参加社数はこれまでの数倍規模に達し、また、販売パートナーとの共催セミナーでは1,000社超の参加があり、関心及びニーズの高さを改めて確認すると共に、顧客ニーズの把握と見込み先へのコンタクトを進めることが出来た。
一方、従来からの販売活動については、個人と組織のメンタルタフネス強化を実現する「アドバンテッジタフネス」や採用適性検査「アドバンテッジインサイト」に加えて、前期より新たに提供を開始した休業者・復職者管理代行サービス「H-ARM-ONY(ハーモニー)」やメンタルヘルスに対応できる産業医・産業保健師の業務委託サービスの導入を推進した。

新規契約獲得、既存顧客からの加入者増などで売上高は前年同期比7.8%の伸長。
システムおよび営業体制強化に伴いコストが増加したものの、メンタリティマネジメント事業と同様に一過性費用の減少により、経費は前年同期並みとなったため、利益は2桁の増益となった。

新規顧客開拓については、企業ニーズにタイムリーに対応できるように担当企業制を導入し、保険分野で有力企業との取引基盤を有するマーケットホルダー(大企業群企業代理店、地域別有力代理店等)との更なる連携強化を通じた効果的かつ効率的な営業展開を図った。
既存顧客については、引き続き加入者数増加のための諸施策を実施し、募集ツールの改良等に取り組んだ。また、既存顧客の関連企業へのGLTD制度導入の提案も推進した。

流動資産は、代金回収条件が前受けとなっているサービスにより現預金が増加した一方、保険代理店勘定(保険代理店として契約者から領収した保険料)が減少し、前期末比45百万円減少。固定資産ものれんの減少等で同16百万円減少し、資産合計は同61百万円減少した。
負債は、代金回収条件が前受けとなっているサービスにより前受収益が同103百万円増加した一方、保険料預り金(保険代理店として契約者から領収した保険料)の減少、長期借入金の減少等で同97百万円の減少となった。純資産は利益剰余金の増加などで同35百万円増加した。
この結果、自己資本比率は59.3%と前期末の56.7%から2.6%上昇した。
(なお、保険会社に帰属する保険料で同社の口座に残高のあるものについては、保険代理店勘定及び保険料預り金として対照勘定処理を行っている。これらを除いた場合の自己資本比率は64.7%となる。前期末は67.4%)

2015年3月期業績予想
業績予想に変更無し。ストレスチェック義務化対応を進めると共に販売力強化、GLTD拡大で増収増益を目指す

業績予想に変更は無く、増収・増益を見込んでいる。引き続き、「ストレスチェック義務化法案への対応」、「EQ/インサイトの商品力およびチャネル強化」、「GLTDの販売網強化と加入者拡大の推進」といった主要施策を推進する。
配当は安定配当を継続し、前期と同じく4円/株を予定。予想配当性向は18.8%。

今後の注目点

メンタリティマネジメント事業および就業障がい者支援事業双方とも法人企業が顧客であり、年度末(3月)にかけての成約が多くなる傾向があるため、このグラフが示すように、特に利益においては第4四半期(1-3月)の占めるウェイトが大きいというのが、同社収益の季節特性となっている。
そうした点からは、今第3四半期時点での通期予想に対する進捗率を見ると、売上高はやや低いものの、概ね例年通りの範囲であり、今期業績は計画通り進行していると見られる。
短期的には今期の予想達成に加え、どれだけ上積みが行えるか?を、中長期的には、企業の関心が急速に高まりつつあるストレスチェック義務化に向けたサービス提供がどの程度のスピード感を持って立ち上がって来るのかを注目したい。

<参考:中期成長計画>

ストレスチェック義務化の波とGLTDに対する注目度の向上は、同社にとってこれまで経験したことのない極めて大きな事業環境の変化をもたらすと同社では考えている。
そこで、同社は中期目標を「またとない環境変化に対応し、継続的にオンリーワンの価値を市場と顧客に提供し続ける」と設定し、各事業においてこの大きなチャンスに全社一丸となって取組んでいく。

◎メンタルヘルスケア事業
「ナンバーワン&オンリーワン」

ストレスチェック義務化法案を主管する厚生労働省によれば、2012年の時点でメンタルヘルス対策に取り組んでいない企業は約7割で、先進的な取り組みを行っている企業は極めて少ない。
そこで同省では、安全衛生法の改正によるストレスチェックの義務化と労働監督署による指導で、「最低基準の取組み」を促すとともに、メンタルヘルス対策支援センターによる支援やポータルサイトによる情報提供等、「より先進的な取り組み」を行う事業者も支援したいと考えているという。

こうした状況下、同社は同事業の今後のマーケットの推移および同社の対応を以下の様に想定している。

2015年12月の義務化スタートにより対象企業は何らかの動きを取り始める。
同社では企業の動向は、法律の範囲内で最低限の取組みを実施し価格も出来るだけ安く抑えたいと考える「価格重視層」、従来から取り組んでおり義務化によって内容の充実など更に力を入れる「付加価値重視層」、その中間で、今後の世の中の動向で最低限の取組みにするか、付加価値重視で実施するかを決める「浮遊層」の3つに分かれると見ている。
そこでまず義務化期限の2016年11月までは、「付加価値重視層」と「浮遊層」に対象を絞り、顧客化を進める。どれだけの顧客を獲得することが出来るかがカギの陣取り合戦の時期と考えている。
その後、2017年から2018年以降、浮遊層がどちらかに分かれる2極化進展の中で、特に「付加価値重視層」で圧倒的地位を確立することにより収益性の高い事業に成長させる。

同社のこれまでの年間新規獲得顧客数はおおよそ60~70社。これが義務化に伴い、同社が主要ターゲットと設定している従業員500名以上の全国約6,500社の1割を毎年獲得したとしても500~600社という桁違いのボリュームとなる。
このボリュームの顧客に対し安定的にサービス提供を行うためには、商品数の絞り込み、カスタマイズを行わない商品の標準化、オペレーションのシステム化が絶対不可欠であるが、2015年12月の義務化開始を控え、年明けにはプロトタイプが出来上がるという。
また同時に契約管理システムも構築中ということで、ここまでコストを掛けて対応できるところは体力的にも数少ないのではないかと会社側は考えており、メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業というアドバンテッジが活かされることとなろう。

◎GLTD事業
「マイナーリーグからメジャーリーグへ」

保険売上の成長が頭打ちとなる一方、合併・統合により損害保険会社が大手3社に集約され競争は激化していることから、GLTDに対する保険会社や代理店の関心、取り扱いニーズは極めて高くなっている。
一方、売手市場の中で優秀な人材獲得のためには企業の魅力度を向上させる必要があることに加え、収入減少がうつ病再発の原因になるケースも見られるためメンタルヘルスケア問題の解決策としてのGLTDが注目されていることなどから、企業側においても採用ニーズが高まっている。
こうしてGLTDがより一般的な保険商品という位置づけになる中で、市場規模は着実に増大することが見込まれる。

専門性が高く希少な存在である同社は、この拡大する市場において販売チャネルの強化に取り組み、ここでも陣取り合戦の勝者となったうえで、大手保険会社や大手代理店にとって協業価値のある専門家として存在意義を高めていきたいと考えている。

◎人事採用・育成事業
「選別から発掘へのパラダイムシフト」

あるゆる業界で人手不足が進む中、人材の採用にも大きな変化が生まれている。
従来のような「より優秀な人を選別する」というスタンスでは、計画通りの人材採用は困難だ。そこで、候補者の今後の可変的な部分まで見て、入社後に特性や可能性を発掘、育成するというスタンスが重要になると同社では考えており、この変化に対応する採用・人材育成サービスの開発に取り組んでいく。

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