(8275:東証1部) フォーバル 2015年3月期第3四半期業績レポート

2015/03/18

forval

今回のポイント
・15/3期第3四半期は、前年同期比16.7%の増収、同47.2%の経常増益。売上面は新たに2社が連結に加わったことから前年同期比増加した。主力のフォーバルビジネスグループの売上高は、アイコンサービスが順調に拡大したものの、ビジネスフォン等の販売が減少したことにより減少した。利益面は、収益性の高い分野の売上拡大により既存の主力3事業で利益率が改善したことに加え、事業拡大による人件費等の増加があったものの販管費の抑制に努めた結果大幅に増加した。

・15/3期の会社計画は、前期比11.6%の増収、同21.1%の経常増益。売上は期初予想が据え置きとなったものの、営業利益以下の利益は第3四半期までの利益率の改善を受け2月12日に上方修正された。売上面は、アイコンサービスなどの経営コンサルティング分野の増加に加え、14/3期中に子会社化した2社が通年で寄与するなどを見込んでいる。利益面は、主としてフォーバルビジネスグループ、フォーバルテレコムビジネスグループ、モバイルショップビジネスグループの利益が堅調に推移している影響が大きい。配当も前期から5円増配の1株当たり年間27.5円と期初予想(同22.5円)を上方修正した。

・好決算の裏側で、従来型の事業の減少が止まっていないことから、新たに連結した子会社の影響を除くと売上高の伸びは軽微なものにとどまった。来期の成長の礎を築けるのか、主力3事業の今後の売上高拡大のための取り組みとその成果が注目される。また、新たに子会社化した株式会社アップルツリーと株式会社アイテックの今後の業績動向に加え、事業規模拡大に向けた新たなM&Aの動きにも注目していきたい。

会社概要

中小・中堅企業を対象に「情報通信分野」・「海外分野」・「環境分野」・「人材・教育分野」の4分野に特化した次世代経営コンサルティングカンパニーを目指している。また、ITを活用し経営を高度化・効率化する手段として、オフィス向けの光ファイバー対応IP電話サービスやFMCサービス(固定通信と移動体通信を融合したサービス)、ならびにそれらとネットワークセキュリティを融合したIP統合ソリューションなどの通信・インターネット関連サービスを提供するほか、OA・ネットワーク機器の販売・工事、携帯端末の取次ぎ、Web構築、太陽光システムやオール電化製品の販売・工事などのサービスを提供している。社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業を目指す」という経営理念が込められている。

事業は、(株)フォーバルを中心に、中小法人向けOA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次、コンサルティングサービス等を手掛けるフォーバルビジネスグループ、(株)フォーバルテレコムを中心に、VoIP・モバイル等の通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷、及び保険サービス等を手掛けるフォーバルテレコムビジネスグループ、(株)リンクアップを中心にモバイルショップにおいて携帯端末の取次等を手掛けるモバイルショップビジネスグループ、14/3期に新たに子会社化した(株)アップルツリーがオール電化・エコ住宅設備の卸・工事請負業を営む総合環境コンサルティングビジネスグループの4セグメントに分かれる。加えて、報告セグメントに含まれないその他の事業セグメントとして人材・教育コンサルティングがある。

近年のハード販売における付加価値の低下を踏まえ、現在、差別化が可能で付加価値も高いコンサルティングサービスへのシフトを進めており、08年4月にサービスを開始したITコンサルティングサービス「アイコン」がその中核となっている。また、コンサルティングサービスの一環として、中小企業の情報化の支援やASEAN展開の支援にも取り組んでおり、前者ではIP統合ソリューションを展開。後者では、10年5月にFORVAL(CAMBODIA)CO.,LTD.(カンボジア・プノンペン)を設立し、以後、11年7月のPT FORVAL INDONESIA(インドネシア・ジャカルタ)及び同年8月のFORVAL VIETNAM CO., LTD.(ベトナム・ホーチミン)の設立、更には12年3月のミャンマー駐在員事務所(ミャンマー・ヤンゴン)を開設後、翌13年2月に現地法人化(FORVAL MYANMAR CO., LTD.を設立)するなど、ASEANにおいてネットワークの拡充を進めている。
また、平成26年1月24日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から市場第二部へ市場変更となった後、平成26年10月2日に市場第一部に上場した。

IT領域における教育と資格の奨励を通じて従業員のスキルを高め、ハードの卸売りからアイコンサービスによるコンサル業態へ事業転換させた効果が確認できる。

成長戦略

同社は、グループの新しい中期ビジョンとして『次世代経営コンサルティング』の確立を掲げた。既存の事業領域である情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルと強みである独自の海外進出ノウハウを活用した経営コンサルに加え、昨年M&Aを行った株式会社アップルツリーの活用により、重要度が高まっている環境問題にいかに配慮し、事業を展開、環境に貢献していくかの経営コンサルが可能となる。加えて、情報通信分野、海外分野、環境分野において顧客企業の社員教育がワンストップで実施できる体制が整備された。また、同様に昨年M&Aを行った株式会社アイテックがグループに加わったことで、顧客企業の人材・教育分野でのサービスのラインナップも強化された。これら4分野において、同社に相談すれば問題を全てワンストップで解決してもらえると顧客企業に実感してもらえることが『次世代経営コンサルティング』の目的と同社では考えている。

(1)アイコンサービスの拡大

「アイコンサービス」開始以降、利用する顧客数やアイコン関連の売上高は順調に拡大している。また、よろず経営相談の件数も増加しており、コンサルタントとしての同社の認知度も高まっている。アイコンサービスの増加は、よろず経営相談の増加につながり、更には、本格的な経営コンサルの増加へつながり、差別化、顧客囲い込み、高付加価値化などにつながる可能性が高い。

今上期のよろず経営相談件数は、わずか半年で前期実績を大幅に上回っており、経営コンサルタントとしての評価が浸透していることが確認された。

また、同社では、アイコン事業の更なる拡大・強化のためBRMC(Business Restructuring&Management Consulting)というアイコンのOEMによるネットワーク作りに注力している。同社の差別化された新しいビジネスモデルのノウハウの提供を通じて、パートナー数とアイコンユーザー数の拡大を目指す。14/9月末時点のBRMC経由のアイコン導入件数は、前年同期比122.8%の大幅な増加となった。

(2)海外進出支援事業の拡大

同社は、海外進出支援を通じて、日本の顧客である中小・中堅企業の成長に貢献することを使命と掲げている。そのために、下記の3つの推進に注力している。
① グローバルアイコンを通じたコンサルティングのワンストップ化を通じて、中小企業の経営者の負担を取り除き、本業に集中できる環境を整える。
② 現地でのIT活用に貢献する。
③ 現地従業員の人材採用・育成に貢献する。

同社の大久保会長は、十分な教育の機会が無いカンボジアにおいて、自らが設立し理事長を務める公益財団法人CIESF(シーセフ)を通して、教育インフラの構築から人材教育に至る広範な支援活動に取り組んできた。
ASEAN進出支援事業は、このCIESFの活動を通じて培った経験や人脈が活きている。「同社グループ及び顧客である中堅・中小企業の事業の成長を考える上で、アジア地域の成長を取り込む事が重要」と言う考えの下、既に、カンボジア(10年5月)、インドネシア(11年7月)、及びベトナム(11年8月)に現地法人を設立しており、12年3月にはミャンマーに駐在員事務所を開設した。
更に、現地での支援体制の更なる充実・強化を図るために13年2月に現地法人の認可を取得し準備を進めてきたミャンマーでは、14年4月より事業活動が本格化した。14/9月末現在で、海外現地法人及び海外関連会社の7社の現地従業員数は300名を超えた。

同社のASEAN進出支援事業である「グローバルアイコンサービス」は、海外進出前と進出後の様々な問題や障害を、ワンストップでサポートするビジネスモデルである。現在はカンボジアとベトナム、インドネシア、ミャンマーの4ヶ国で展開。情報提供から始まり、FS支援、現地法人の設立代行、人材採用・人材教育支援、バックオフィス整備支援、ネットワーク環境支援、現地パートナー開拓支援等をトータルサポートすることで、同社が最も得意とする情報通信技術を活用した日本と変わらない快適なオフィス空間を提供するビジネスヘつなげていく。日本と現地の両国で、トータルサポートを実施。
また、同社は、国内の行政機関、地域金融機関や海外の行政機関、各国工業団地などとのアライアンスを積極的に拡大することで、「グローバルアイコンサービス」の潜在顧客を発掘・育成している。

海外主要子会社4社の売上は順調に拡大しているものの、先行投資負担が重く、当面利益寄与は小さい模様。

2015年3月期第3四半期決算
前年同期比16.7%の増収、同47.2%の経常増益

売上高は前年同期比16.7%増の317億29百万円。アイコンサービスが順調に拡大したものの、ビジネスフォンが減少したフォーバルビジネスグループは同0.9%減少した。また、通信サービスや商業印刷物の企画等を手掛ける子会社が減少した一方で、保険関連の子会社が拡大したフォーバルテレコムビジネスグループは同0.0%増加した他、携帯端末等の販売が好調に推移したモバイルショップビジネスグループも同2.6%増加した。また、オール電化・エコ住宅設備の卸・工事請負業を営む株式会社アップルツリーを新たに子会社化したことにより総合環境コンサルティングビジネスグループの売上が加わったほか、IT教育サービス事業を営む株式会社アイテックを新たに子会社化したその他事業グループでも同127.4%増加した。

利益面は、収益性の高いアイコンサービスが堅調に推移し、その相乗効果でサーバー等のコンピュータ、ドキュメント機器、セキュリティー機器も増加したフォーバルビジネスグループで前年同期比72.1%の増益となった他、回線系からネット系へと売上構成比が変化したことで利益率が高まったフォーバルテレコムビジネスグループも同34.0%増加した。また、前年度に契約数が増加した効果によりリベートやストック収益が増加したモバイルショップビジネスグループも同23.2%増加した。加えて、新たに連結した子会社の寄与で、総合環境コンサルティングビジネスグループ及びその他事業グループのセグメント利益も増加となった。アイコン等が順調に拡大したものの、新たに子会社化した企業の影響などにより売上総利益率は、前年同期比1.0ポイント低下し28.1%となった。一方、事業拡大に伴う人件費の増加等があったものの、その他の経費の抑制に努めたことにより、販管費の伸び率が同8.3%増に抑制され、売上高対営業利益率は3.8%と同0.9ポイント改善した。その他、持分法による投資損失1億63百万円の計上などがあったものの経常利益は同47.2%の増益、四半期純利益は同26.0%の増益となった。

第3四半期(4-12月期)の売上・営業利益の推移

収益性の高いアイコン事業の増加や経費の削減により、第3四半期(4-12月期)の業績は拡大傾向。

14/12月の総資産は14/3期末比12億12百万円減の165億91百万円。資産の減少は、売上債権や土地・建物の売却による有形固定資産の減少が主な要因。負債純資産の減少は、仕入債務が主な要因。14/12月末の自己資本比率は40.2%と前期末から4.7ポイント上昇し、財務体質の健全性が高まった。また、14/12月末の有利子負債(リース債務含まず)も2億70百万円と前期末から1億25百万円減少した。同社は着実に財務体質の強化を進めている。

(4)第3四半期のトピック
カンボジアにおける新たな経済特区(工業団地)の開発・運営の事業化調査に参画

同社は、株式会社日立製作所、株式会社日本開発製作研究所、およびカンボジアの不動産事業者であるHeng Development Co., Ltdの3社と共同で、カンボジアのカンダール州における新たな経済特区(工業団地)の開発・運営の事業化調査を開始することで合意した。今回の調査は、2015年6月までにマーケティング、基本設計、事業計画などの事業化調査およびその結果に基づいた妥当性評価を行い、事業を実施する場合には2015年上期に経済特区の建設に着工し、2016年までに完成させる計画。同社は、日系企業向けの海外進出コンサルタントとして、カンボジア進出に関心のある中小企業を中心にマーケティングを行う。また工事完了後は、新たな経済特区(工業団地)への進出を検討している企業に対し、マーケット調査や現地視察アテンドなどを通して海外進出のフィジビリティスタディをサポートするほか、現地法人設立&ライセンス取得代行のサポートや、現地における労働者の採用や教育の実施等、様々なサポートを行う予定。

2015年3月期業績予想
前期比11.6%の増収、同21.1%の経常増益予想

15/3期の会社計画は、売上高が前期比11.6%増の440億円、経常利益が同21.1%増の18億円。売上は期初予想が据え置きとなったものの、営業利益以下の利益は第3四半期までの利益率の改善を受け2月12日に上方修正された。
同社グループの事業領域である情報通信分野では、スマートフォンやタブレット端末関連、クラウドサービス関連が引き続き拡大している。こうした環境下、「情報通信分野」・「海外分野」・「環境分野」・「人材・教育分野」の4分野に特化した次世代経営コンサルティングサービスを提供することで他社との差別化を図り、質の高いサービスを提供するためにM&Aも活用しながら事業の拡大に取り組む方針。
売上面は、14/3期中に子会社化した2社が通年で寄与する他、フォーバルビジネスグループにおいてもアイコンサービスなどの経営コンサルティング分野の売上が増加する見込み。モバイルショップビジネスグループは、消費税増税前の駆け込み需要の反動により若干の減収を予想。
利益面は、主としてフォーバルビジネスグループにおける売上高増加による営業利益と経常利益の増加を見込んでいることに加え、総合環境コンサルティンググループも通年で寄与する。利益率の高い「アイコン」の売上構成比が上昇することや、更なる効率化による販管費抑制により営業利益率が若干改善する計画で、営業利益は18億80百万円と同26.9%の増益。売上高営業利益率は、4.3%で、前年同期比0.5ポイント高まる計画。
配当も前期から5円増配の1株当たり年間27.5円と期初予想(同22.5円)が上方修正された。

今後の注目点
同社の今第3四半期累計期間の決算を振り返ると営業利益が前年同期比50%以上増加するなど非常に好決算となった。既存3事業において全てのセグメント利益が前年同期比大幅に増加した。中でも、フォーバルビジネスグループは、第3四半期累計期間のセグメント利益が前年同期比70%以上増加するなど利益の成長が加速している。収益性の高いアイコンサービスが堅調に推移し、その相乗効果でサーバー等のコンピュータ、ドキュメント機器、セキュリティー機器が増加するなど非常に内容の良い成長となっている。また、事業拡大に伴う人件費の増加にもかかわらず、その他の経費の抑制に努め販管費の伸びを抑えている点も極めて評価が高い。事業構造改革を推進するマネジメントへの信頼感は強く、今後株式市場での評価も高まるものと予想される。
一方で、従来型の事業の減少が止まっていないことから、新たに連結した子会社の影響を除くと売上高の伸びは軽微なものにとどまっている。売上高の増加を伴わない利益の成長には限界があることから株式市場での評価も限定的となることが多い。来期の成長の礎を築けるのか、主力3事業の今後の売上高拡大のための取り組みとその成果が注目される。
また、新たに子会社化した株式会社アップルツリーと株式会社アイテックの業績が既存事業とのシナジー効果で拡大するのか、加えて、事業規模拡大に向けた新たなM&Aの動きにも注目していきたい。
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