(4767:東証1部) テー・オー・ダブリュー 2015年6月期第2四半期業績レポート

2015/03/18

TOW

今回のポイント
・15/6期第2四半期は前年同期比5.8%の増収、同19.5%の経常増益。消費税率引上げの影響により個人消費に落ち込みがみられるものの、政府や日銀の積極的な経済・金融政策により、国内景況や企業業績が緩やかに回復する中、同社グループが属する広告業界においても大手広告代理店の業績が前年比を上回るペースで堅調に推移しており、同社の事業領域であるプロモーション領域においても同様に回復傾向となっている。こうした環境下、主要顧客にフォーカスした営業活動や受注管理などの施策を実施したことが、同社の業績の拡大に結びついた。

・上期の好調な業績推移により、15/6期の会社計画は、1月15日に前期比5.8%の増収、同9.4%の経常増益に上方修正された。実体経済の回復と顧客の広告需要に不透明感が残ることから、期初の下期会社計画を据え置き、上期業績が上期会社計画を上回った部分のみ通期の会社計画が上方修正となった。1株当たりの配当は、前期比3円増配の31円(上期末15.5円、下期末15.5円)の予定から変更なし。

・インタラクティブ・プロモーション(IP)の推進により、IP絡み案件の受注が順調に拡大している。IPを組み込んだプロモーションの受注拡大は、受注規模の拡大や付加価値の増加に結びつくため、今後の同社の成長には欠かせない存在となっている。引き続きIP絡み案件の今後の受注状況に注目するとともに、クリエイティブ力を高めるための映像制作会社との協業の動きにも注目していきたい。

会社概要

イベントプロデュース業においては独立系No.1のトップカンパニー。同業他社が約8000社あり、その大半が中小・零細企業といわれる中、当社は頭一つ抜け出た存在。現在はイベントをはじめとするデジタル・プロモーションのみならず、Webサイト、ノベルティグッズ、印刷ツール、キャンペーン事務局といった各種セールスプロモーションメニューも取り揃え、ワンストップ体制とプロモーション提案力の強化を図り、マスメディア以外は全て当社で対応できる、総合プロモーション事業を展開。

日本では大半のイベントが、イベント主催者(クライアント)からの発注を受けた大手広告代理店によって開催されている。このため、同社を含めた実際にイベントの企画・制作・運営を行う会社は、イベント主催者から直接受注するのではなく、大手広告代理店を介して受注するケースが多い。競合他社が限られた大手広告代理店とだけ取引している中、 当社は国内外の大手広告代理店10社以上と取引し、イベント/セールスプロモーション業のスペシャリストとして信頼を得ている。また、東京ドーム、幕張メッセ、国際フォーラム、東京ビッグサイトなど、大型会場でのイベントを1社単独で全て対応できることが強みとなっている。

企業のコミュニケーションの中でのプロモーション展開を考える際に、様々な知識と経験を持ったプロモーションの専門家によるトータルプランニングこそが、プロモーション効果を高めるために最も重要であるとの考えのもと、イベント制作における実績を生かしたライブコミュニケーションに加えて、プレミアム、ツール、WEBなど、セールスプロモーションコンテンツの専門部署を発足させ、プロデューサー・プランナー・ディレクターが一元的にクライアントのプロモーションニーズに応えるよう取り組んでいる。
「プロモーション・パートナー」という新しい業態としてワンストップソリューションの提供を実現させる、総合プロモーションカンパニーとして機能している。

広告主が変われば、各社抱えている課題や要望も変わる。 また商品ブランドが変われば、それを届ける消費者も変わる。いかにその時々の状況下において広告主・商品ブランド・消費者にとって最適な媒体メニューを組合せ、コーディネートして提示できるかが求められる複合媒体時代になっている。同社は、パートナーである広告代理店に対して、マスメディア以外は全て当社で対応できる一社完結型の「プロモーション総合制作会社」として、あらゆるプロモーションニーズに対応できる体制を整えている。

更に、複合媒体時代においては、幅広く展開する複数の媒体やプロモーション施策を一括りに束ね上げる企画力が必要とされる。
同社には、他の制作会社には例を見ない、企画専門セクションを置き、「企画」「営業・制作」の分業体制を確立している。企画に特化した20数名のイベントプランナーが企画業務をリードし、クオリティを確保した形で年間約2000本の企画を世に送り出している。これにより、広告代理店様と一緒に、プロモーションの全体企画を作成・提案し、採用された企画・コンセプトを押さえたまま、実施までつなげることを可能にしている。

また、デジタルマーケティングを総合的にプロデュースするインタラクティブスタジオの株式会社ワン・トゥー・テン・デザインと同社が業務提携(2014/1/10)。リアル×デジタル=ハイブリッド業務の企画・制作の体制をより強化していくことを目的に本ユニットを発足。既存の手法にとらわれない“新しい形のリアル・プロモーションを提供”し、顧客が期待する「効果の最大化」を目指す方針。

2015年6月期第2四半期決算
前年同期比5.8%増収、同19.5%の経常増益

売上高は前年同期比5.8%増の69億79百万円、経常利益は同19.5%増の7億32百万円。消費税率引上げの影響により個人消費に落ち込みがみられるものの、政府や日銀の積極的な経済・金融政策により、国内景況や企業業績が緩やかに回復する中、同社グループが属する広告業界においても大手広告代理店の業績が前年比を上回るペースで堅調に推移しており、同社の事業領域であるプロモーション領域においても同様に回復傾向となっている。こうした環境下、主要顧客にフォーカスした営業活動や受注管理などの施策を実施したことが、同社の業績の拡大に結びついた。
売上面では、情報通信・家電、自動車、飲料・嗜好品などの業種での案件の取込みに成功した他、広報及び販促カテゴリーの売上高の増加額が大きくなった。
営業利益は同18.7%増の7億22百万円。収益力向上をための施策を実施した効果により、売上総利益率は15.5%と同0.4ポイントの上昇。販管費の効率化を図ったことから、売上高対販管費率は5.2%と前年同期比0.7ポイントの大幅な低下となった。
その他、特別損益の計上はなかった。

(2)上期決算の傾向

受注案件数は前年同期比23件増の696件。大口受注は、昨年の物産展案件や東京モーターショーなどの反動減が懸念された1億円以上の案件受注が8件と前年同期並みを維持した他、1→TOWの大口受注の獲得などにより5000万円~1億円の案件が2件増加(11件→13件)した。
引合形態別では、競合案件(75件→74件)や提案案件(153件→121件)は減少したものの、重要顧客にフォーカスした成果により指定案件が前年同期の445件(33億26百万円)から501件(39億93百万円)に増加した。
また、今上期は941件(前期803件)の企画を行い、286件(同281件)が制作へ移行となった。企画力を示す企画勝率は、今上期に提案を積極化したことから前年同期を4.6ポイント下回ったものの、目安としている勝率3割以上を維持している。

14/12末の総資産は前期末比6億42百万円増加の96億22百万円。業績の拡大により、借方では現預金と売上債権が、貸方では仕入債務と利益剰余金が主な増加要因となった。総資産の約87%を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も約62%と高水準を維持している。

未収入金が減少したことや仕入債務が増加した事などで営業CFがプラスへ転換し、前年同期は14百万円のマイナスだったフリーCFも5億85百万円増加し5億71百万円のプラスとなった。ストックオプションの行使による収入により財務CFのマイナス幅も縮小。現金及び現金同等物の四半期末残高は26億37百万円と前期末比3億32百万円増加した。

2015年6月期業績予想
2015年6月期は、前期比5.8%の増収、同9.4%の経常増益の計画

上期の好調な業績推移により、15/6期の会社計画は、1月15日に前期比5.8%増収の128億90百万円(期初予想は同1.9増の124億23百万円)、同9.4%経常増益の11億32百万円(期初予想は同2.9減の10億5百万円)に上方修正された。政府の経済対策の効果や円安による輸出企業を中心とする企業収益の回復により、国内広告市場も緩やかな回復が予想される。しかし、実体経済の回復と顧客の広告需要に不透明感が残ることから、期初の下期会社計画は据え置かれ、上期業績が期初の上期会社計画を上回った部分のみ通期の会社計画が上方修正となった。
同社では、引き続き積極的な営業活動や収益力向上と販管費の効率化に努める方針。上方修正後の今期の会社前提の売上総利益率は14.5%(前期14.4%)、売上高対販管費率は5.8%(同6.0%)。
配当は、前期比3円増配の1株当たり年31.0円(上期末15.5円を含む)の期初予想を据え置き。これは、決算発表日(平成26年8月7日)前日の終値に配当利回り4.5%を乗じた数字。

個別の売上は、子会社の営業強化を目的に、本社社員を子会社に出向した影響で減少する予定となっているが、連結業績への影響はない見込み。良質の竹・梅の獲得継続が重要と同社は判断している。

(2)上期の状況と今後の主な方針

最大の強みであるリアル・プロモーションを、デジタル&アイディアで武装し価値を高め、顧客が求める効果最大化の追求を通じて、デジタルに強いリアル・プロモーション会社というオンリーワンのポジションを構築することが経営目標。
デジタルXリアル=インタラクティブ・プロモーション(IP)案件の売上高は、15/6期上期に16.5億円(前上期11億円)と大幅に拡大した。中でも、(株)ワン・トゥー・テン・デザインとの業務提携によるイベント領域とデジタル領域を融合させ、新たなリアル体験を創造する開発プロジェクト「1→TOW」は、2014年の受注金額が会社計画の2億円を上回り、2億85百万円(受注件数11件)になるなど順調な立ち上がりとなった。今後は、1→TOW(デジタル制作会社)に加えて、映像制作会社との協業を通じて、クリエイティブ力の高い動画を活用したプロモーションを実施していく方針。

1→TOWによるインタラクティブ・プロモーションの事例

これまでの片方向によるプロモーションから双方向によるプロモーションが主流となりつつある。1→TOWは、大手クライアントよりインタラクティブ・プロモーション(IP)案件の大口受注を拡大させている。

また、外部受注力を強化している子会社T2クリエイティブ(T2C)の今上期の外部売上高は、前上期比109.4%増の5.8億円まで拡大した。同社のディレクター3名をT2Cへ出向、同社のプランナー6名がT2Cのプランナーを兼務。また、新卒採用、契約・業務委託から社員登用(6名増)で内製対応を行った。今後も、外部受注力の強化・拡大を継続し、T2Cの外部売上を拡大する方針。

今後の注目点
今上期は、前年同期比5.8%の増収、同19.5%の経常増益となるなど非常に好調な決算となった。主要顧客にフォーカスした営業活動や受注管理を徹底しつつ、販管費の効率化を図り収益力を向上させている点極めて評価できる内容と言えよう。好調な内容の中で心配材料を探すとすれば、企画力を示す企画勝率が低下したことである。今上期に提案活動を積極化したことから企画本数が大幅に増加ため、企画勝率が低下することはやむを得ないとは思われるものの、企画勝率の低下は今後の効率性や収益性の低下を引き起こす原因ともなり得る。同社が、前期より取り組んでいるデジタル力、つくる力、顧客力、グループ連携力、安心力を高める各種の強化策が今後の受注増加に結びつくのか、企画勝率の動向が注目される。
また、インタラクティブ・プロモーション(IP)の推進により、IP絡み案件の受注が順調に拡大している。IPを組み込んだプロモーションの受注拡大は、受注規模の拡大や付加価値の増加に結びつくため、今後の同社の成長には欠かせない存在となっている。引き続きIP絡み案件の今後の受注状況に注目するとともに、クリエイティブ力を高めるための映像制作会社との協業の動きにも注目していきたい。
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