(2179:JASDAQ) 成学社 2015年3月期第3四半期業績レポート

2015/03/18

seigakusha

今回のポイント
・15/3期第3四半期の売上高は前年同期比4.0%増の79億円。クラス指導部門が下げ止まり傾向。個別指導は堅調に推移。営業利益は同2.0%増となったが、保険解約返戻金の影響、減損損失の発生などにより経常利益、四半期純利益は減益となった。

・15/3期の通期見通しに変更は無く、前期比5.5%増収、14.1%の営業増益を計画している。また、従来の直営教室に加え、FC化も進め教室展開のスピードアップを図る。配当は前期年間配当額から0.30 円/株増配の9.50円/株を予定している。予想配当性向は18.5%。

・「個別指導学院フリーステップ」のFC教室数は、2015年3月期第2四半期末時点で5教室。今回の四国への初進出などで今期予想は10教室程度と思われる。同社決算説明会資料によれば、数字は非開示ではあるものの、来2016年3月期には大幅な増加見込んでいる。
同社のみの状況ではないがクラス指導の低空飛行が続く中、「大学受験に強い」という同社の強みを活かし、個別指導部門のフランチャイズ戦略がどこまでスピード感を持って進んでいくかを注目したい。

会社概要

大阪府を中心に近畿圏で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。また、子会社において、特定分野を専門とする学習塾の経営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢の連結子会社2社。

<沿革>

1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始し、97年8月には家庭教師事業にも参入した(その後、100%子会社(株)アプリスに移管)。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には教室展開を奈良県へ広げた。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システム アイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックスを設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタートした。また、11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビーを連結子会社化している。

03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在3店舗を運営している。

2013年10月1日付けで、連結子会社(株)東京フェリックスを吸収合併した。また、(株)アイビーも同社の連結子会社の(株)アプリスへ吸収合併したことで、連結対象会社は2社となった。

<事業内容>

事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ97.8%、0.5%、1.7%(14/3月期)。

教育関連事業

クラス指導では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」、「京大セミナー」、「サンライトアカデミー」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「個別教育システム アイナック」のほか、高校生以上を対象にインターネットを通じた授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開、その他、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」の運営を行っている。

飲食事業

京丹波の食材を生かしたメニューと自家製豆腐料理を提供する「京丹波 菜じ季」等、飲食店舗を合計3店舗運営している。

不動産賃貸事業

不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。

<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>

学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、IT時代に対応できる授業コンテンツの提供も行い、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。
なお、乳幼児から社会人を対象とする教育企業へ目指し、事業領域の拡大を、目指している。よって、教育関連事業の部門を変更している。ただし、セグメント内での部門変更であり、従来からのセグメント別損益には影響はない。

2015年3月期第3四半期業績概要
クラス指導部門が下げ止まり、売上、利益共に計画を上回る。

売上高は前年同期比4.0%増の79億円。クラス指導部門が塾生募集数強化により下げ止まり傾向にある。個別指導は堅調に推移した。保育園開園の先行投資を行いつつも広告宣伝費などのコストコントロールを行った結果営業利益は同2.0%増となったが、保険解約返戻金の影響、減損損失の発生などにより経常利益、四半期純利益は減益となった。

(教育関連事業)

増収・増益だった。売上高は前年同期比4.2%増の77億55百万円、セグメント利益は同1.6%増の9億57百万円。
例年ピークを迎える11月時点のグループ生総数は前年同月比0.2%増の25,539人と微増。クラス部門の減少を個別指導の増加で補った形となっている。
費用面においては、チラシ配布やDM発送を効率的に行い広告宣伝費を圧縮する等、費用削減を行うとともに、2015年4月に事業を開始する知育型保育園「かいせい保育園」、認可小規模保育園「かいせいプチ保育園」の開園にむけた先行投資を行った。

「クラス指導部門」
11月時点の塾生数は9,878人となり、前年同月比4.2%減少した。クラス指導形態の市場は全般的に厳しい状況が続いているが、夏期特別講習からの新規塾生獲得を強化したことで、塾生数の減少幅は改善傾向にある。また、カリキュラムの見直し等により塾生一人当たりの単価は上昇傾向にある。

「個別指導部門」
11月時点の塾生数は前年同月比3.2%増加の15,367人となった。一部のブランドでは塾生数が減少傾向にあるが、主力ブランド「個別指導学院フリーステップ」は塾生数、売上高ともに堅調。

小学生の滞在型アフタースクール「かいせいこどもスクール」、英会話教室IVYから成るその他の部門は、11月時点の生徒数は前年同月比4.3%増加の294人となった。

(不動産賃貸事業)

テナント賃料は前年とほぼ同水準だったことから、売上高は前年同期比横ばいの39百万円、セグメント利益(営業利益)は、不動産修繕等により費用が生じたため同10.4%減少の34百万円となった。

(飲食事業)

個人消費の不透明な状況が続くとともに、原材料価格の上昇等、店舗運営には厳しい環境が続いており、集客の向上、採算の改善が見込めない1店舗を閉鎖した。
売上高は前年同期比1.3%減の127百万円、セグメント損失(営業損失)は前年比14百万円悪化の20百万円となった。

現預金、売上債権の増加により流動資産は前期末比10億4百万円増加。固定資産はほぼ同水準で、資産合計は同9億61百万円増加して、70億38百万円となった。短期有利負債、前受金の増加等により流動負債は同6億52百万円増加し、負債合計は同6億98百万円増加の45億68百万円となった。純資産は利益剰余金の増加などで同2億63百万円増加した。この結果、期末の自己資本比率は前期末比1.2%減少し、35.1%となった。

(4)トピックス
◎四国地方で初めてフリーステップを開校

個別指導塾のコアブランドである「フリーステップ」は、2016年3月期をメドに、直営教室、フランチャイズ教室合わせて300教室の展開を目指している。
そうした目標の下、フランチャイズとして、四国地方に初めての教室を3教室、2015年3月に開校した。

フランチャイジーである株式会社エスシャイン(徳島県)は、四国で地域密着型学習塾を運営する「四国進学会グループ」のグループ会社。
個別指導部門の強化を目指していた四国進学会グループとフランチャイズ展開による新たな営業エリアの開拓を重点施策においている(株)成学社のニーズが合致し、フランチャイズ契約を締結し、四国での教室展開を開始することとなった。今回の3教室開校を機に今後も四国進学会グループが運営するフランチャイズ教室を拡大していく方針。

2015年3月期業績予想
業績予想に変更無し。売上高は5.5%増収、二桁の利益成長を目指す。

業績予想に変更は無い。売上高は前期比5.5%増加の105億84百万円を予想。
受験に向けた授業の強化、冬期特別授業の効率的な運営等により収益性を高める。
個別指導部門では、「大学受験にも強い個別指導」等、他塾との差異化を図り、塾生増加を増収につなげる。
クラス指導部門では、主力ブランドの「開成教育セミナー」の一人当たり単価増加による増収を図るが、塾生数は減少を見込んでいる。また、英語を公用語とする外国人の講師派遣の需要を取り組むほか、新規事業「かいせい こどもスクール」の寄与も見込んでいる。

営業利益は同14.1%増加の5億90百万円を見込む。
人件費、教室運営費、求人広告費の増加を見込む一方、塾生募集のための広告宣伝活動は効果的なものに絞り込み、全体的なコストコントロールを進めている。

配当は前期に比べ0.30円/株増配の9.50円/株の予定で、予想配当性向は18.5%。

今後の注目点
同社では、フランチャイズ募集を積極的に推進し、「個別指導学院フリーステップ」の教室展開を加速させる戦略を取っている。2015年3月期第2四半期末時点の実績は5教室で、今回の四国への初進出などで今期予想は10教室程度と思われる。
同社決算説明会資料によれば、数字は非開示ではあるものの、来2016年3月期には大幅な増加見込んでいる。
同社に限ったことではないだろうがクラス指導の低空飛行が続く中、「大学受験に強い」という同社の強みを活かし、個別指導部門のフランチャイズ戦略がどこまでスピード感を持って進んでいくかを注目したい。
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