(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 2015年2月期第3四半期業績レポート

2015/02/12

pickles

今回のポイント
・15/2期3Q(累計)は前年同期比3.8%の増収、同18.5%の経常増益。新製品の投入と既存製品の改善に取り組んだ惣菜製品が伸びる中、他社との共同開発を進めた浅漬・キムチ製品が堅調に推移。秋以降の原料野菜の仕入価格安定や新工場のオペレーションが軌道化してきた子会社(株)ピックルスコーポレーション札幌の収益回復等で利益率も改善し、営業利益が同29.2%増加した。

・4Q(12-2月)は、引き続き惣菜製品の伸びと浅漬・キムチ製品の堅調な推移が見込まれる中、キムチ製品の生産を所沢工場に集約した効果の本格化で収益性の改善が一段と進む。通期業績は1月26日に修正を行い、前期比3.5%の増収、同12.7%の経常増益を見込んでおり、売上高、営業利益、経常利益が過去最高を更新する見込み。配当予想については1月26日に修正を行い、1株当たり3円増配の15円の期末配当を予定している。

・1月26日に修正した通期業績期予想に対する進捗率は、売上高77.0%、営業利益84.8%、経常利益85.2%と順調だ。新聞報道によると、10~12月に茨城県や千葉県等の産地で適度に雨が降り生育が順調だったため、ハクサイやダイコン等、前年同期より価格が安い野菜が目立つと言う。このため、足元4Qの同社の原料野菜仕入価格も安定しているものと思われる。

会社概要

浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行なっており、連結子会社8社及び持分法適用会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはHACCPの導入やISO9001の認証取得、更には5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

14/2期の品目別売上構成は、製品売上が65.7%(浅漬・キムチ44.8%、惣菜18.5%、ふる漬2.4%)、商品(漬物)売上が34.3%。資本関係では、東海漬物(株)が株式の41.8%を保有(14年8月31日現在)するが、取引はふる漬等の仕入がわずかにあるのみ(14/2期は仕入高全体の1.7%)。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、14/2期は同グループ向けの売上が全体の33.6%を占めた(12/2期37.9%、13/2期35.6と依存度は低下傾向にある)。

【強み】

大ヒットしている「ご飯がススム キムチシリーズ」や各種惣菜等、切れ目無く新商品を投入できる商品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチのラインナップを強化する事で継続的に需要を生み出しており、この商品開発力が第3の柱として育成中の惣菜事業にも活かされている。また、もう一つの強みである全国ネットワークについて言えば、漬物業界・惣菜業界において、全国ネットワークを有するのは同社のみである。

【食の安心・安全への取り組みと環境保全活動の推進】
食の安心・安全への取り組み

自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造工場では一貫した品質・衛生管理体制を整えている。最新鋭の設備の導入や従業員教育はもちろん、HACCPの導入やISO9001の認証を取得する事で業界のリーディングカンパニーとして信頼される製品づくりを目指している。尚、HACCPとは1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関である食品規格(Codex)委員会が発表し、各国にその採用を推奨している。また、ISO9001は、国際標準化機構(ISO)が定めた品質マネジメント規格。

環境保全活動の推進

1999年8月に、食品業界で初めて全事業所一括でISO14001(後述)の認証を取得しており、経営者によって策定された環境方針の下、省資源・省エネルギーへの取り組みをはじめ、廃棄物の削減、環境関連法規制順守、従業員教育、環境保全団体への支援等の取り組み等を通じて、より環境に優しい企業グループとなれるよう努めている。尚、ISO14001とは、国際標準化機構(ISO)が企業等の活動が環境に及ぼす影響を最小限にとどめる事を目的に定めた、環境に関する国際的な標準規格。

*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。

東証発表の「決算短信集計」によると、東証1部、東証2部、及びマザーズ上場企業の14/3期のROEは、金融を除く全産業で8.65%(前期は4.99%)、製造業で8.55%(同4.53%)。同社のROEは、全産業及び製造業の平均と同水準にある。12/2期の9.8%から2期連続での低下だが、この要因は、認知度向上に向けた広告宣伝活動や増産投資など事業展開を積極化する中、原料野菜価格の高騰等で売上高当期純利益率(以下、利益率)が低下した事、及び自己資本の充実が進んだ事によるレバレッジの低下である。もっとも、利益率は4年前と比べると0.6ポイント改善しており、中期的なスパンでみれば、先行投資を吸収しながら利益率が改善傾向にあると考える事ができる。一方、レバレッジの低下は好業績が続いた事による財務体質の改善によるもので、過去4年間で自己資本が1.4倍に拡大した事が大きい(総資産は1.3倍に拡大)。

惣菜や調味料等を手掛け、食料品スーパーやコンビニ向け等で実績のある中堅食品メーカーである、フジッコ(2908)、ケンコーマヨネーズ(2915)、エバラ食品(2819)との比較すると、同社の強みを再認識できる。3社の売上高は500億円を超えており、事業規模では勝るが、同社は、売上高当期純利益率、総資産回転率、レバレッジのバランスが良く、13年度(14/2期)は3社のROEを上回った。煮豆や昆布等が中心のフジッコや焼き肉のたれや鍋物調味料等が中心のエバラ食品との比較では継続的にROEが上回っており、健康マヨネーズは業務用が中心のため、食品メーカーとしては比較的業績の変動が大きい。

堅実経営で財務体質も良好な同社だが、強いてもの足りない点を挙げるとすれば、前14/2期が12.6%、今15/2期も予想ベースで20.0%にとどまる配当性向だろうか。今期の増配は評価できるが、ROE改善の観点からも、配当性向の引き上げに向けた継続的な取り組みに期待したい。

2015年2月期第3四半期決算
前年同期比3.8%の増収、同18.5%の経常増益

売上高は前年同期比3.8%増の204億40百万円。新製品の投入と既存製品の改善に取り組んだ惣菜製品が伸びる中、他社との共同開発を進めた浅漬・キムチ製品が堅調に推移した。
浅漬・キムチ製品では、ホタテエキスのうま味がきいた「ご飯がススム ホタテでデカうまキムチ」、(株)くらこんの塩こんぶを使用した「ご飯がススム 塩こんぶ入りしば漬」及び(株)にんべんと共同開発したオリジナルの鰹だしを使用した浅漬シリーズ等の新製品を投入した他、主力製品の「ご飯がススムキムチ」及び「ご飯がススムキムチ辛口」のパッケージを、10月から妖怪ウォッチのキャラクターを配したパッケージに変更して販売。この他、食品メーカーとのコラボレーションの一環として、(株)湖池屋「スコーン」とのコラボレーション商品等を発売した。

営業利益は同29.2%増の8億90百万円。第2四半期(6-8月)に長雨や日照不足による胡瓜等の原料野菜の仕入価格高騰があったものの、第3四半期(9-11月)は原料野菜の仕入価格が安定。また、第1四半期(3-5月)に許容量を超える生産により収益性が低下した子会社(株)ピックルスコーポレーション札幌も、業務見直し等の効果が早期に現れ回復基調をたどった。
営業外損益の悪化は持分法投資利益や貸倒引当金戻入額の減少等によるもので、(株)ピックルスコーポレーション札幌の旧工場に係る減損損失1億32百万円を特別損失に計上したため四半期純利益は3億92百万円と同19.2%減少した。尚、(株)ピックルスコーポレーション札幌は、6月に新工場が完成し、移転した。

第3四半期末の総資産は前期末に比べて14億82百万円増の158億86百万円。第3四半期末が金融機関の休日だったため売上債権及び仕入債務が増加した他、札幌工場の取得で固定資産も増加。長短借入金の積み増しで資金需要に対応した。14年10 月17 日から同年11 月17 日にかけて「自己株式の取得及び自己株式の公開買付け」を実施した事もあり、自己資本比率は46.8%と前期末に比べて4.1ポイント低下した。短期的な支払い能力を示す流動比率は85.6%(前年末:82.7%)、長期的財務の安全性を示す固定比率は145.2%(同139.6%)。

尚、上記の「自己株式の取得及び自己株式の公開買付け」の結果、同社の親会社だった東海漬物(株)の議決権所有割合が43.93%から27.20%に低下した。このため、公開買付けの決済開始日である14年12 月10 日付で、東海漬物(株)は同社の親会社に該当しない事となり、その他の関係会社となった。

2015年2月期業績予想
業績予想を修正し、前期比3.5%の増収、同12.7%の経常増益。売上高、営業利益、経常利益が過去最高を更新へ

第4四半期(12-2月)は、引き続き惣菜製品の伸びと浅漬・キムチ製品の堅調な推移が見込まれる中、キムチ製品の生産を所沢工場に集約した効果が本格化してくるため一段の収益性改善が見込まれる。通期では前期比3.5%の増収、同12.7%の経常増益を見込んでいる。

設備投資はピックルス札幌・新工場の改装や首都圏での生産ラインの集約及び機械化等で13億20百万円を計画(前期はピックルス関西・広島工場やピックルス札幌・新工場の取得等で13億77百万円)。減価償却費は5億30百万円が織り込まれている(前期は4億47百万円)。

配当予想を修正しは前期から3円増の1株当たり15円の期末配当を予定している。

今後の注目点
新聞報道によると、10~12月に茨城県や千葉県等の産地で適度に雨が降り生育が順調だったため、ハクサイやダイコン等、前年同期より価格が安い野菜が目立つと言う。このため、足元4Qの同社の原料野菜仕入価格も安定しているものと思われる。加えて、所沢工場にキムチ製品の生産を集約した効果が期末にかけて本格化してくる見込みであり、売上高が順調に推移すれば、波乱なく着地できそうだ。
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