(2931:東証1部) ユーグレナ 2014年9月期業績レポート

2014/12/24

euglena

今回のポイント
・14年9月の売上高は前期比45.6 %増の30億46百万円。ヘルスケア事業の主力製品である「ユーグレナ・ファームの緑汁」の販売が、積極的な広告・広報活動で認知度が向上し、好調に推移。中でも直接販売が急速に伸びており、粗利率向上に繋がった。粗利益を可能な範囲で投資に振り向けることを基本戦略に、より販管費を約7割増加させた結果、営業利益は同19.4%減少。公募増資に伴う株式交付費の発生、前年同期にあった負ののれん発生益が無くなったこと等により、経常利益、四半期純利益も減少した。

・15年9月期の売上高は前期比55.0%増の47億円を見込む。今期も積極的かつ効果的な広告宣伝活動を実施し、直接販売を中心にヘルスケア事業の拡大を計画。また、販路拡大や商品拡充が進んできたため食品(流通)や化粧品も増収に寄与する。直販比率拡大に伴い粗利率は上昇するが、今期も創出された利益は広告宣伝及び研究開発など将来に向けた投資に振り向けるため営業利益は同45.3%の減少見込み。

・毎期アクティブな事業展開を見せている同社だが、今期も「ヘルスケア事業でのM&Aの進展」、「直販の一段の拡大」、「医薬品分野進出の可能性」、「バイオ燃料実現のための実証プラント建築着手」という4つのキーワードが注目される。今後の進捗状況をウォッチしたい。

会社概要

世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養を成功させたバイオテクノロジー企業。ミドリムシの優れた特性を活かし、食品を皮切りに、化粧品、化成品、飼料、燃料など事業分野の拡大を進めている。ヘルスケア事業における自社製品の高い収益率と安定したキャッシュ・フロー創出力、有名企業、大学との提携による強力な研究開発体制などが特徴。グループは同社及びミドリムシ培養を行う子会社八重山殖産(株)と、奈良先端科学技術大学院の教授8名を中心に設立された株式会社植物ハイテックの計3社。

【沿革】

創業者である出雲社長は、東京大学に在籍中の1998年、学外活動の一環で発展途上国のひとつであるバングラデシュを訪れ、そこで飢餓、貧困問題と出会う。バングラデシュは、炭水化物はあるものの、多くの人々が、人間として必要な栄養素であるタンパク質、ミネラル、ビタミンが足りていない現状だった。その時飢餓、貧困の解決を強く意識した出雲社長は、農学部に転部後、豊富な栄養素を有するミドリムシの存在を知る。飢餓、食料問題の解決、二酸化炭素削減による地球温暖化防止にとどまらないミドリムシ活用の将来性を確信した出雲社長は、様々な困難を乗り越え、2005年12月に世界初の屋外大量培養に成功する。その成功を皮切りに、ミドリムシ食品の販売を開始すると共に、バイオジェット燃料の開発を目指した有力企業や大学との研究開発体制を相次いで構築。ヘルスケア事業の急速な立ち上がりの中、2012年12月に東証マザーズに上場した。2013年にはミドリムシ生産委託先の八重山殖産(株)を完全子会社化し、研究開発及び生産体制の拡充を進めている。2014年12月、東証1部に市場変更。

【経営理念・ビジョン】

同社のWEBサイト内の「企業情報」ページには、ここに挙げた「経営理念」、「企業ビジョン」の他、「another future.~ミドリムシが地球を救う~」とした「スローガン」、事業や人生に向かい合う度胸の有無を問いかける「5 GUTS」など、他社には中々見ることがない「企業の想い」が豊富に掲げられている。
また、このレポートでは詳細には触れるスペースはないが、出雲社長の著書『僕はミドリムシで世界を救う事に決めました。~東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦~』を読むと、出雲社長を始めとした創業メンバーが、ミドリムシの可能性に確信を持ち、互いを尊敬しあい、ビジネスに邁進していく様子が臨場感一杯に記されている。そしてその底流にあるものは当然の事だが、ミドリムシで人と地球を健康にするという「想い」であることが良く分かる。

例えば、なぜ同社が世界で初めてミドリムシの屋外大量培養を成功させることができたのか?
取締役 研究開発担当の鈴木健吾氏の長年に渡る研究の積み重ねや才能に負うところも大きいが、それに加えて、大阪府立大学の中野教授を始めとしたミドリムシを長年研究してきた各大学や研究機関が行ってきたデータの集積を行う事が出来たことがポイントだった。しかし、通常は学内に蓄積されて外に出難いこれらのデータを、オープンにして貰えるよう全国の研究者を巻き込んでいくことができたのは、出雲社長らの「若さ」、「想い」が大きな力となった事は間違いないだろう。加えて、前掲書にもある通り、そうした想いを受入れ、積極的に全国のユーグレナ研究者に協力を呼びかけた中野教授の心意気も見逃すことはできない。
「事業とミドリムシに対する想い」は投資家として是非知っておくべき同社の重要な構成要素といえるだろう。

【事業内容】
① ミドリムシとは?

「ミドリムシ」は藻類、中でも特に小さい微細藻類の一種で、体長わずか約0.05mm。
5億年以上前に誕生した生物で、1660年代にオランダの科学者で「微生物学の父」とも呼ばれるレーウェンフックによって発見された。その後、様々な研究が重ねられる中で、以下の様な特性を備えていることが判明。今後の人間社会を大きく変革するユーグレナの可能性に同社はいち早く注目し、事業化に取り組んでいる。

植物と動物両方の特性を持つ。
藻類でありながら植物と動物双方の特性を持つユニークな生物である。
植物として光合成を行い、栄養分を体内に備える。
ビタミンなど栄養素の生産効率は稲の約80倍とも言われている。また、大気中の約1,000倍という高濃度の二酸化炭素の中でも成長していける適正能力を持つ。
「二酸化炭素を炭水化物等に固定化して酸素をつくる」能力も高いため、温室効果ガスの一種である二酸化炭素削減、地球温暖化対策に有望と期待されている。
動物として豊富な栄養素を備えている。
一方、動物としての性質も備えていることから、植物産出のビタミンに加え、ミネラル、アミノ酸の他、DHA、EPA、アラキドン酸、リノレン酸といった不飽和脂肪酸など59種類もの栄養素を備えており、人間に必要な栄養素の大半を、ユーグレナは含んでいる。こうした性質から、普段の食生活で不足しがちな栄養を補う栄養補助食品やサプリメントとして有効なことに加え、発展途上国など、炭水化物ではなくビタミンやミネラルが不足している国々の栄養失調解決に向けた食料援助の素材としても有用。
また、このように豊富な栄養素を含んでいることから、人間の食用にとどまらず、動植物の成長を助ける飼料、肥料としても利用価値が高いと同社では考えている。
高い栄養消化率
通常、植物の細胞は細胞膜の周りを細胞壁が覆っている。植物細胞が有する栄養素を効果的に消化吸収するにはこの細胞壁を分解するためのセルラーゼという酵素が必要だが、人間は保有していないため植物細胞からの栄養素の消化効率は低い。しかし、ユーグレナには通常、植物にあるはずの細胞壁がなく、細胞を覆っているのは細胞膜のみであるため、効率的な消化が可能である。
ミドリムシのみが持つ特殊な天然物質「パラミロン」
ミドリムシ特有の成分として、β-1,3-グルカンの高分子体である特殊な天然物質「パラミロン」がある。食物繊維の一種である「パラミロン」の表面には無数の小さな穴(ミクロホール)が開いており、プリン体などの不要物を取り込む。そして、食べても消化されにくいため、こうした不要物を体外へ排出する効果を持つ。
同社では、ミドリムシを摂取することでプリン体の吸収を抑制し、尿酸値を下げる効果があることについて「パラミロンのプリン体吸収抑制剤及び血中尿酸値低減剤」という関連特許を取得している。また、後述のように、大腸がん抑制効果、床ずれの予防・改善効果、免疫バランス調整機能などについて研究を進めている。
バイオ燃料としての優位性、有効性
植物、藻類などから作り出されるバイオ燃料は、石油などの化石燃料と違って資源が枯渇する心配が少ない。また、化石燃料は燃焼させると新たに二酸化炭素が排出されるが、バイオ燃料は原料となる植物、藻類が成長する際に二酸化炭素を一旦固定し、燃焼時に固定化された二酸化炭素を燃料として排出するため、全体で見れば理論上二酸化炭素の排出量はプラス・マイナスゼロ(カーボンオフセット)となる。このため、地球温暖化の防止に効果があると考えられている。ミドリムシは、光合成によって二酸化炭素を固定して成長する時、油脂分を作り出しており、これがバイオ燃料の原料として利用可能。特にユーグレナから抽出・精製されたオイルは軽質であるため、他の微細藻類に比べてもジェット燃料に適していることが分かっている。
また、他のバイオ燃料、中でもトウモロコシやサトウキビ等の安い穀物を発酵・濾過してアルコール(エタノール)を作り出し、乗用車・小型トラック用のガソリンを代替するバイオマスアルコール燃料も既に実用化されているが、これらは「食料との競合性」という課題が残る。ミドリムシは畑を転用する必要が無いため食料との競合は起こり難い。
他にもさまざまな活躍の場
他にも、乳酸菌の活性化、水質改善など、ミドリムシは様々な働きを持つと考えられており、同社では、スローガンにあるように、無限に広がるミドリムシの力で、新しい地球の未来「another future.」を創り出すことを目指している。
②事業セグメント

現時点での同社の事業セグメントは「ヘルスケア事業」と「エネルギー・環境事業」の2つ。

◎概要

ミドリムシを利用した食品、機能性食品、化粧品などを自社商品、OEM、粉末原料などの形態で販売している。
自社商品はミドリムシを利用した青汁タイプの「ユーグレナ・ファームの緑汁」を中心に、自社のWEBサイトなどの通販にて販売している。また、自社化粧品「B.C.A.D.(ビーシーエーディー)」を2014年3月より販売開始。
粉末原料販売は、伊藤忠商事(株)が販売を担当。

現時点では既存OEMの比率が直販を上回っているが、今後は直販を大きく伸ばしていく方針。 WEBサイトによる直販体制は2012年5月から本格スタートしたが、紙媒体およびWEB広告のマーケティングデータの収集、分析、検証もほぼ終了し、有効かつ的確な広告宣伝を行ってユーザーを大量に取り込むことのできる体制が整った。

「ミドリムシ」という名前のユニークさに加え、ヘルスケア事業のブランド価値を高める様々な取り組みを通じ、メディアへの露出が増大。数多くのメディアで取り上げられている。

◎概要

温室効果ガス排出量削減が世界的課題となる中、二酸化炭素を排出する化石燃料を大量に使用する航空会社にとっても、その本格的な対応が求められるようになっている。
そうした中、2009年に日本航空と全日本空輸がジェット燃料供給大手の新日本石油株式会社(現:JX日鉱日石エネルギー)にバイオジェット燃料の開発を要望。これを受け、2009年9月より新日本石油株式会社(現:JX日鉱日石エネルギー)及び株式会社日立プラントテクノロジー(現:日立製作所)と共同で、ミドリムシを原料としたバイオジェット燃料の製造に関する研究を開始した。2018年の技術確立、2020年の実用化を目指している。

◎バイオジェット燃料を取り巻く動き
航空機の代替燃料は、CO2削減の観点から、バイオ燃料が唯一の選択肢
2008年から2009年にかけ様々な試験飛行が行われ、バイオジェット燃料の技術的信頼性を立証
航空機が飛行する運航条件に即し、航空燃料には厳しい基準が課せられている。
バイオジェット燃料にも同等の基準が課せられ、これらの基準に適合することで使用可能になる。
環境負荷軽減の観点から世界各国で様々な取り組みが行われ、国家規模のプロジェクトも。

(日本航空:2012年9月 航空バイオジェット燃料の動向「過去、現在、未来」より引用)

世界的に様々な原料の可能性が検討されているが、日本では藻類を原料とする研究開発が先行している。
2012年5月には「微細藻類燃料開発推進協議会」が設立され、同社研究グループ以外にも、数社が参加しているが、同社は以下の理由から、微細藻類がバイオ燃料に適しており、なかでもミドリムシが優れていると考えている。

① 微細藻類は農業と競合しない
既存作物の畑作地を非食用植物の農地に転用すると間接的に食料生産に影響を与えるが、微細藻類は農耕に適さない土地での生産が可能であり、農業と競合し難い。

② 微細藻類は工業生産が可能
微細藻類は、生体の触媒を使って物質の合成や分解を行う反応器であるバイオリアクターや培養プールでの大量培養が可能であり、効率的かつ安定的な工業生産が可能。

③ 微細藻類は単位面積当たりの生産性が高い
微細藻類は単位面積当たりの生産性が高いため、他の作物と比べて所要面積が少なくなる。
カメリナやジャトロファといった他の植物性バイオ燃料に比べると、同量の油を生産するための必要面積は、1/30~1/40で済む。

④ ミドリムシに含有する油脂は微細藻類の中でもジェット燃料に適した炭素構造を持っている
ジェット燃料に使用される灯油の脂肪酸は炭素数9~15。多くの微細藻類の体内で生成される油脂の脂肪酸は炭素数16以上だが、ミドリムシの体内で生成される脂肪酸は炭素数14をピークとして12~16を多く含んでおり、藻類の中でもジェット燃料に適している。

◎バイオジェット燃料開発プロジェクト

現在、バイオジェット燃料の実用化に向けて、同社では以下のプロジェクトに参加している。

このうちNEDOの研究は主としてミドリムシの増殖速度を向上させるための研究で、最初のテーマにおいては屋内大型設備において、一平方メートル当たり・一日当たり38gの培養および油脂含有量30%という目標を達成した。現在は開発期間2年間の延長が決定し、屋外での新たな生産性目標の達成に向けた研究を進めている。
後者のテーマに関しては2014年3月に政府支援は終了し、研究開発はパートナー等と継続していく。
一方、JSTの研究では、ユーグレナが光合成によって大量に生産する、バイオディーゼル燃料としての利用が期待されるワックスエステルの醗酵経路とその調節機構の解明、および関連有用遺伝子による形質転換技術を用いて、より高い光合成活性を持ち、ワックスエステルの高生産が可能な「スーパーユーグレナ」作出のための基盤技術の確立を目指している。つまり、より効率的に、より大量のバイオネット燃料の原材料となる油脂を作り出すユーグレナを培養しようというもの。これも後述のように、着実に成果が積み上がっている。

ジェット燃料の市場規模について正確な統計は見つけることが出来なかったが、弊社では以下のデータから、約1兆円と推計した。
*国内ジェット燃料油生産量 平成23年 12,909千キロリットル(経済産業省 資源・エネルギー統計年報)
*民間航空機用航空燃料(JET A-1) 単価85.5円/リットル(平成24年4月 千葉市における入札結果)

強みと特徴
「バイオテクノロジー企業」である同社の最大の特徴は、その研究開発体制
◎オープン・イノベーションにより単独では実現できない技術開発を実現

2005年、同社は世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功した。
多くの研究者が長年研究してきたにも拘らず、なぜ同社が世界で初めて実現できたのか?
その一つの解は、同社が自社の力のみに頼らず、他の大学や研究機関のデータ、技術、アイデアを巻き込んで革新的なアウトプットを生み出す「オープン・イノベーション」を志向、実現することができたことにある。
同じミドリムシの研究でも、各大学はそれぞれが得意分野を持っている。同社はゲートキーパーの立ち位置で、各大学が得意とする研究分野について研究を依頼し、その知見を同社が集約し事業化を実施することで、単独では実現できない技術開発を実現している。

◎事業化を実現するための有力企業とのアライアンス

多くの有力企業と積極的にアライアンスを組んでいる点も特徴的だ。
事業化を実現するためにはバイオマスの原料開発だけではなく、実際にマーケットに近い企業と共同研究を実施する必要があることから、技術開発だけに留まらない事業開発を目指している。
今後も、アプリケーションに応じて様々な企業との共同研究を進めていく。

また、原料販売申請、販売体制構築面でのパートナーである伊藤忠商事との提携は、立ち上がったばかりの同社の信頼性を向上させる上での大きな契機だった。
他にも、ヘルスケア事業の拡大に最も必要なマーケティングを展開するため電通とも資本提携を行っている。

基本的事業戦略
1.「バイオマスの5F」に基づくコスト低減戦略

同社の事業戦略を見る上で最も重要なのが「バイオマスの5F」というコンセプトだ。

これは、食料(Food)、繊維(Fiber)、飼料(Feed)、肥料(Fertilizer)、燃料(Fuel)の頭文字をとったもので、バイオマスの用途を、上から付加価値の高い順、もしくは重量単価が高い順に並べたもの。
元々は、“付加価値の高い利用法が、付加価値の低い利用法より優先されるべき”という考え方を表したものだが、同社では、ミドリムシの実用化に向け、「5F」の付加価値という点に着目して事業戦略を構築している。

つまり、付加価値の高いものから低いものに順次参入していくと共に、最も付加価値の低い=最も低コストで生産しなければならない燃料にターゲットを定めて、生産コストの低減を進めていくものだ。
同社の研究開発の主眼は、「微細藻株の改変・育種」、「培養方法の改善」などだが、これらは全て生産コスト低減のためである。
創業以来現在まで、2回の大きな技術革新によって生産コストを下げてきたが、今後も培養技術の向上と生産設備の大型化を通じて更なる生産コストの低減を図り、バイオジェット燃料の実用化を目指している。

この「バイオジェット燃料実用化に向けたコスト低減への取組み」が同社の今後の収益状況を占う大きな鍵になる。

「5F」のコンセプトに従って、バイオジェット燃料をターゲットとしたコスト削減が可能な段階に進めば、その上に位置する4つのFは全て、当然利益を確保できる状況にあり、現在既に事業が軌道に乗っている食品、化粧品といったヘルスケア事業の収益性は更に高まることとなる。
また、仮にバイオジェット燃料のコスト削減が計画通り進まなかったとしても、その前段階である食糧・繊維・飼料・肥料分野では収益性を向上させることが出来ているので、同社の場合は、コスト削減のための研究開発投資は「掛け捨て」、「All or Nothing」となるものではない。

今後は、直販比率の向上に伴うヘルスケア事業の一層の成長によって安定したキャッシュ・フローを生み出し、エネルギー・環境事業へ投資。燃料が収益に貢献する段階では、既に食品、化粧品、飼料、化成品といった分野も大きく成長していると見ている。

2.その他の取組み

「Food」、「Fuel」以外の分野では、現在、「Fiber 」、「Feed」、「形質転換」について注力している。
同社の取組みや市場環境についてまとめてみた。

①「Fiber(繊維)」

製品としては、「化粧品」、「その他化成品」を指す。
化粧品としては、ミドリムシ粉末を加水分解したエキス「リジューナ(Rejuna)」を活用した化粧品を既に製品として販売している。リジューナは、紫外線(UV)に対する防御力の強化、若々しい肌作りに大きな影響を及ぼす皮膚線維芽細胞の増殖効果、美肌作りに重要な要素と言われるコラーゲンの合成促進といった働きを持つことがわかっている。
加えて、2014年3月からは、自社化粧品ブランド「B.C.A.D.(ビー・シー・エー・ディー)」の販売を開始した。また、2014年10月には、株式会社ソシエ。・ワールドと共同開発したスキンケアシリーズ「euga」を発売。
その他化成品については、前述の「パラミロン」の機能を活かした化成品の研究開発を進めている。
総合マーケティングを行う(株)富士経済による機能性化粧品動向調査(2011年)によると、スキンケア市場 2,000億円、アンチエイジング市場 600億円ということであり、大きな市場が控えている。

②「Feed(飼料)」

2013年12月20日より、「ユーグレナ・ファームのドッグフード」の販売を開始。
一般社団法人ペットフード協会の調べによると、平成23年度の用途別出荷額は、犬用 1,425億円、猫用 1,096億、観賞魚用 47億円となっており、出荷総額は2,643億円と、こちらも大きな市場が形成されている。

また、日本における家畜用飼料の現状を見てみると、飼料の内、タンパク質を多く含み肉用牛や豚、鶏の短時間での肥育、莫大な産乳・産卵に欠かせないとされる「濃厚飼料」は国土条件などの制約から飼料向けの穀類の生産が国内では難しいため、自給率は平成23年度で12%と極めて低い。農林水産省は国内畜産経営安定の観点から、国産飼料に立脚した畜産の確立が必要という観点から、濃厚飼料自給率を2015年度までに14%に引き上げるという目標を掲げている。(引用:農林水産省「飼料自給力・自給率の向上に向けた取組」など)
豊富な栄養素を有するユーグレナが活躍する場となることも考えられる。

③ 形質転換については、前出の「バイオジェット燃料開発プログラム」を参照。

業績概要及び見通し
ヘルスケア事業が順調に拡大。直接販売の成長で粗利率は6%上昇

売上高は前期比45.6 %増の30億46百万円。ヘルスケア事業の主力製品である「緑汁」の販売が、積極的な広告、広報活動による認知度向上で好調に推移した。中でも同社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」や電話による直接販売が急速に伸びており、粗利率向上に繋がっている。
同社では、「売上毎期30%成長、粗利率50%以上維持」を目標とし、粗利益を可能な範囲で広告宣伝、研究開発などの投資に振り向けることを基本戦略としており、当期も販管費を約7割増加させた結果営業利益は同19.4%減少。公募増資に伴う株式交付費の発生、前年同期にあった負ののれん発生益が無くなったこと等により、経常利益、四半期純利益も減少した。

公募増資等による現預金増や投資有価証券増で総資産は前期末に比べ79億円増加した。一方負債は未払金増等で同1億円増加。純資産は公募増資に伴う資本金、資本準備金増で78億円増加した。この結果、自己資本比率は前期末の78.2%から92.5%へ大きく上昇した。

営業CFは利益の減少などでマイナスに転じた。投資CFは定期預金預け入れ、投資有価証券の取得などでマイナス幅は拡大した。公募増資による収入77億円で財務CFのプラス幅は大きく拡大し、キャッシュポジションも上昇。

今期もヘルスケア事業の成長で大幅増収。粗利は広告宣伝、研究開発へ積極投資。

売上高は前期比55.0%増の47億円を計画。今期も積極的かつ効果的な広告宣伝活動を実施し、直接販売を中心にヘルスケア事業の拡大を計画している。また、販路拡大や商品拡充が進んできたため食品(流通)や化粧品も増収に寄与する見込み。直販比率拡大に伴い粗利率は上昇するが、今期も創出された粗利益は広告宣伝および研究開発など将来に向けた投資に振り向けるため営業利益は同45.3%の減少見込み。助成金収入の増加で経常利益は増加。

各セグメントの進捗
【1.ヘルスケア事業】
<直接販売の拡大>
粗利率が高く成長の果実を享受しやすい自社製品(特に食品)の直接販売強化に引き続き注力した結果、食品(直販)の売上高は前期に比べ約3倍と大きく増加した。ヘルスケア事業全体の高利益率の同分野の構成比は25%を突破し、総売上高に対する粗利率は前期の54.7%から60.7%へ上昇した。
直接販売顧客数も引き続き拡大している。2014年9月の月間購入者は28,199人。そのうち毎月自動的な購入・配送を選択している定期購入者は20,593人となり、1年間で約3倍に急増。ECサイト「ユーグレナ・ファーム」開設から2年半で前期の期初目標であった2万人を突破した。
今期のスタートとなる2014年10月の直接販売顧客数は定期購入者28,414人(前月比約8千人増)を含めた、41,897人(同約13千人増)で、一般、定期ともに過去最大の月間成長となり、好調なスタートとなった。今期定期顧客数5万人突破を目指している。
<認知度向上への取組み>
様々なキャンペーンや新製品のリリースなどにより多数のメディアに露出。効果的かつ効率的な広告宣伝活動を展開することが出来ている。

*イトーヨーカ堂との「ミドリムシカラダに委員会」プロジェクト
イトーヨーカ堂の店舗において、大手食品メーカーと共同開発した商品を販売するもので、第一弾を2014年4月15日から165店舗、参加メーカー8社で開催した。イトーヨーカ堂からは高く評価されたため、10月13日からは参加メーカーの数も18社に拡大し160店舗で第2弾を開催した。

*ファミリーマートおよびユニーグループとのキャンペーン
2014年9月16日よりファミリーマートの11,000店舗で、オリジナル商品3種類、その他商品5種類のコラボ商品を販売した。また同日より、ユニーグループのサークルKサンクスなど6,500店舗でオリジナル商品1種類、その他商品4種類のコラボ商品を販売した。

その他、「小田急百貨店でのお中元商品販売」、「UHA味覚糖のユーグレナのど飴の販売」など、大手流通企業や食品メーカーとのコラボレーションを展開した。

<自社ブランド商品の拡充>
2014年5月に販売を開始した自社ブランド飲料「飲むユーグレナ/飲むミドリムシ」は好調な滑り出しとなっている。ECサイト「ユーグレナ・ファーム」以外に、成城石井、ナチュラルローソン、紀ノ国屋、クイーンズ伊勢丹を始めとした全国のスーパーマーケット等、販売店舗数は1,000店舗を突破し、今期もさらに拡大する見込みだ。
同商品は東日本では「飲むユーグレナ」、西日本では「飲むミドリムシ」と、同じ商品ながら別の商品名を採用している。
2014年3月に展開を開始した自社ブランド化粧品「B.C.A.D.」は百貨店、エステティックサロン、美容室など累計取扱店舗数は113店舗となった。また、10月からは全国でエステティックサロンを展開する株式会社ソシエ・ワールドとの共同開発のOEMブランド「euga」の販売を62店舗で開始した。OEMではあるが、エステティック専用であるため、高価格、高利益率な商品である。
<海外戦略の進捗>
中国で食品事業を展開するのに必要な「新食品原料(※)」としての「ミドリムシ」の登録が完了したことを受け、2014年9月に初の出荷を実施した。今期中に本格的な展開を開始する予定だ。
(※)新食品原料:中国国内で食習慣のないものや新技術による食品原料などを販売する際は、「新食品原料」として審査を受け、中国衛生部による審査を経て、登録の認可を取得する事が必要になる。
インドネシア、バングラデシュなどアジアのイスラム国家において必要な「ハラール認証(※)」も取得が完了。今期よりバングラデシュでの商業展開に向けた市場調査を開始する。中国の人口15億人に対し、東南アジアのイスラム教信仰者人口は18億人。60兆円とも推測されるイスラム圏のハラール食品市場開拓に取り組む。
(※)ハラール:イスラム法の下では豚肉を食べることは禁じられているが、その他の食品でも加工や調理に関して一定の作法が要求される。この作法が遵守された食品が「ハラール」と呼ばれる。
【2.エネルギー・環境事業】
<進捗状況>
前述、「事業内容」で触れたように、NEDOのプロジェクトのうち、「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」は研究の進捗により2年間の延長が決定した。「遺伝子改良型海産珪藻による有用バイオ燃料生産技術開発」は期間満了により2014年3月に政府支援は終了し、研究開発はパートナー等と継続していく。JSTのプロジェクトの期間は5年間。
2014年5月に航空機燃料のサプライチェーンに関係する企業などを構成員とする「次世代航空機燃料イニシアティブ」が発足し、同社も参画した。日本航空、全日本空輸等が主導し、33団体、8オブザーバーによってスタートしたこの活動は、「次世代航空機燃料の我が国におけるサプライチェーンの確立に向けたロードマップを2015年4月までに確定させる」ことを活動内容としている。航空会社はバイオマス燃料開発のスピードアップを極めて強く望んでおり、この活動を通じて参加団体は日本政府に予算確保も含めたより積極的な対応を求めていく考えだ。
2014年6月、いすゞ自動車と共同で「DeuSEL®(デューゼル)」プロジェクトの開始を発表し、各種メディアを通じて社会から幅広く注目を集めた。これは、次世代バイオディーゼル燃料の実用化に向けた共同研究を開始するもので、ユーグレナは次世代ミドリムシ燃料の研究開発及び製造を行い、いすゞ自動車は次世代ミドリムシ燃料によるバスの試験走行を行いつつ性能の試験を実施する。2014年7月よりいすゞ自動車藤沢工場と湘南台駅間においてDeuSELバスの定期運行(毎営業日、22便)を開始した。
DeuSEL®は微細藻類ユーグレナを使用するという点では世界初だが、現在のDeuSEL®は高濃度での利用に向いてないほか、法律上使用することができない。両社は石油由来のディーゼル燃料と同じ性質を持ち100%濃度でもエンジンに負担を掛けることなく使用できる次世代バイオディーゼル燃料の実用化を目指していく。
微細藻類ユーグレナが有する特有成分である「パラミロン」に関し、高度培養生産技術の開発のほか、大腸がん抑制効果、床ずれの予防・改善効果、免疫バランス調整機能などについて研究を進めている。
今期の方針

今期の同社の取組みを示す代表的なキーワードは「M&Aの進捗」、「直販の一段の拡大」、「医薬品分野進出の可能性」、「バイオ燃料実現のための実証プラント建築着手」の4つとなる。
以下、詳細を紹介する。

【1.公募増資調達資金の充当状況】

2013年12月に実施した公募増資による調達資金約76億円は下記のような使途でマーケティング費用や研究開発費などに順調に充当されている。

設備投資とM&Aの今期中の進捗を計画している。

【2.ヘルスケア事業】
◎食品(直販)

2015年9月末、定期顧客5万人達成を目指している。そのために、10月15日より、CS放送においてTV広告(インフォマーシャル)を開始した。これに加え、今期も広告宣伝を更に強化し、消費者訴求力の高いメディアへの露出を増加させる。 また、単に認知度向上だけでなく、「どこに行けば緑汁が買えるのか?」が浸透することも重要と考えて広告宣伝を継続していく。

健康食品において、外部ネットワーク効果(※)が生まれるのが5万人水準と想定されるため、早期の5万人達成を実現させる考えだ。

※外部ネットワーク効果:顧客やユーザーが増えれば増えるほど、ネットワークの価値が高まり、顧客・ユーザーにとっての便益が増すこと。ネットワーク内の人だけでなく、ネットワークの外部にいる第3者にとっての価値を高めるという意味から、ネットワーク効果のことをネットワーク外部性とも言う。ネットワーク外部性が働くサービスや製品では、利用者の数によって得られる便益が大きいため、サービスや製品のユーザーが一旦ある程度の水準にまで達すると、その後爆発的にユーザーが増加する傾向がある。ネットワーク効果が発揮される代表的なものに電話がある。加入者が少数の場合、使うメリットは小さいが、加入者が増えれば増えるほどその価値は高まり、最後には、そのネットワークに加入していないこと自体が不利益を被るような状態になる。健康食品においては、「食べたことがある」という使用者数、口コミ、がネットワーク拡大のきっかけとなると言われている。
◎食品(流通)

M&Aによる販売チャネルの上積み・拡大を計画している。当然ながら詳細は明らかにされていないが、案件は着実に進捗しているということだ。

約1兆円といわれる機能性食品市場において、現在約100億円のユーグレナ市場を2018年までに300億円まで拡大させるとともに、こうしたM&Aを活用しながら自社のユーグレナ食品売上高を現在の23億円から2018年9月期150億円に成長させることを目指している。
また、「飲むユーグレナ」の大手スーパーやコンビニでの販路を拡大する。

◎食品(OEM、その他)

大きな進展として「武田薬品工業株式会社との包括提携契約締結」(2014年10月)が上げられる。
これは、両社でユーグレナ、またはユーグレナの特有成分であるパラミロンを配合した新たな製品の開発可能性を共同で検討するもの。
武田薬品工業の医薬品の研究開発に関する経験とノウハウ、ユーグレナのユーグレナやパラミロンに関する機能性探索知見という両社の強みを融合させる。

また、同日に共同プロジェクト第一弾として、「タケダ通販ショップ」のみで取扱う通信販売限定商品の健康補助食品『タケダのユーグレナ「緑の習慣®」』をOEM供給することも発表した。

この共同プロジェクトはOEM供給による売上増につながるだけでなく、医薬品分野への進出可能性の拡大に加え、武田薬品工業の優れた研究開発や品質管理・向上のためのノウハウをユーグレナが取得・蓄積することにも繋がっており同社にとっての意味は極めて大きい。

この他、大手流通会社とのコラボレーションを継続して展開するほか、先述したように、中国で本格的に販売を開始する。

◎化粧品

2018年売上高50億円達成という目標を初めて掲げた。
現在110店舗を突破した「B.C.A.D.」の取扱店舗の更なる拡大を進めると共に、12月19日にクレンジング商品の販売を開始したように商品ラインアップの拡充も進める。
価格は少々高いものの、総合化粧品情報サイト等では品質に関し高い評価を受けている。

【3.エネルギー・環境事業】

バイオジェット燃料の技術確立に関しては、目標とする2018年技術確立・2020年実用化に向けて研究開発は順調に進んでいる。2014年からは要素技術の実証ステージに入っており、そのための実証プラントの建設に向けた準備を進めている。

この実証プラントは、藻類由来油脂を開発・生産する設備で、これまでの実験設備がユーグレナそのものを培養・生産するためのものであったのに対し、今回の実証プラントはユーグレナからジェット燃料等を作り出すためのものであり、着実に歩は進んでいる。

また、同社では形質転換技術を用いて、より高い光合成活性を持ち、燃料の原料となるワックスエステルを高生産できる「スーパーユーグレナ」作出のための研究を進めているが、この点でも大きな進展があった。

同社は、内閣府の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」における12のプログラムのうちの1つである、「セレンディピティの計画的作出による新価値創造」の研究開発機関に選定された。他の参加機関は、東京大学、京都大学、慶応大学、カリフォルニア大学、コロンビア大学など。
「セレンディピティ」とは、「偶然で幸運な発見」という意味で、このプログラムは、ライフサイエンス分野において「砂浜から一粒の砂金」を高速かつ正確に発見・解析し、この「砂金」を計画的に創出する革新的な基盤技術の確立を目指すものである。
「セレンディピター」という計画的セレンディピティを引き起こす夢の細胞検索エンジンを用いて、統計的には希少だが圧倒的なインパクトを有する細胞を発見する。

同プログラムにおける同社の役割は「細胞に対して刺激を与えて様々な個性を持つ細胞を創り出す方法の開発」および「それぞれの細胞の個性を光技術で見極める方法の開発」。
つまり、燃料生産に最適な「スーパーユーグレナ」の選抜を行い、超効率・超低コストのバイオ燃料創出につなげるものとなる。研究開発期間は2014年10月から2019年3月の4年半。
成功すれば、従来では想像していない非連続的なコスト低減が実現できるということだ。

企業理念の実現のために
◎「ユーグレナGENKIプログラム」の進捗

バングラデシュの子供達の栄養失調を無くすために、栄養豊富なミドリムシ入りクッキーを配布することを目的として2014年4月からスタートしたこのプログラムは、初年度2,500名の小学生に約60万食を配布する計画だが、将来的には100万人に対象を広げたいと考えている。
単にボランティアやCSR的な意味合いではなく、ソーシャルビジネスとしての観点から、現地での商業展開に向けた市場調査にも着手する予定だ。

◎バングラデシュにおける緑豆栽培ソーシャルビジネスの開始

貧困問題の解決という同じ価値観・使命感を持つ2社がソーシャルビジネスで手を組んだ。
ユーグレナはバングラデシュのGYM社の普通株式49.9%、優先株式100%等を譲受することで合意した。
GYM社はソーシャルビジネスの代表例であるマイクロクレジットで有名なグラミングループ(※)のグループ会社で、譲渡完了次第「グラミン・ユーグレナ社」に社名を変更する予定。
ユーグレナはGYM社に事業資金を提供すると共に農業技術も提供する。
GYM社はバングラデシュの農家に緑豆を栽培するノウハウや技術を伝授し、生産の訓練も行うと同時に、生産された緑豆を農家から購入し、バングラデシュで消費者に販売する。
ユーグレナも緑豆をGYM社から購入し、日本国内のもやしメーカーに、もやし材料として緑豆を販売するというもの。

※グラミングループ:貧困層を対象にした比較的低金利の無担保融資(マイクロクレジット)を主に農村部で行うグラミン銀行などを有する企業グループ。創始者のムハマド・ユヌス氏とグラミン銀行は2006年にノーベル平和賞を受賞。

同社は創業以来の企業理念を重視しており、これらの活動も企業理念を単なるお題目としてかかげるのではなく、具現化するための取組みである。また、単なるCSRでもなく、CSV(Creative Shared Value:共有価値の創造)として社会的便益に加えてコストと比較した経済的便益も重視している。
また、これらのプロジェクトは、トップダウンではなくボトムアップで発案、実行されたものである。
全社的にブランドビジョンを共有化し、従業員の意識や行動の目標を統一化することにより、提供する製品・サービスの向上に繋げる「インナーブランディング」にも力を入れており、企業理念を全社に浸透させる取り組みは着実に効果を上げているようだ。

今後の注目点
下のグラフは同社の売上高、粗利率、売上高営業利益率の推移を示したもの。(今期粗利率は前期同水準と弊社で前提し制作)

粗利率と営業利益率の折れ線グラフの拡大具合が、同社の積極的な投資姿勢を表している。
前期の粗利率は、高利益率の食品(直販)の売上構成比が一段と上昇したことで初めて60%台に乗せた。
今期も稼いだ粗利を積極的に広告宣伝費などに投入し、直販を中心にトップラインを更に拡大させる計画だ。

積極的な広告宣伝活動が直販の定期顧客拡大に確実につながっているようだが、同社としてはまだまだ物足りない部分があるという。
広告宣伝活動をアグレッシブに展開しているという点では、青汁やクロレラなどを扱う有名健康食品企業と同様であるが、ユーザーからの実際の注文の電話に対する受電体制等が同社の場合はまだまだ不十分だということだ。
これら大手企業は一時に大量の電話がかかってきてもそれを確実に顧客化するノウハウ、システムが極めて優れているのに対し、同社の場合はこの点での経験値が不足していることは残念ながら明らかであり、その点を早期にキャッチアップし、広告宣伝活動をより効率的なものにする必要があると会社側は認識している。

毎期アクティブな事業展開を見せている同社だが、今期も「ヘルスケア事業でのM&Aの進展」、「直販の一段の拡大」、「医薬品分野進出の可能性」、「バイオ燃料実現のための実証プラント建築着手」という4つのキーワードが注目される。今後の進捗状況をウォッチしたい。

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