(4301:東証1部) アミューズ 2015年3月期第2四半期業績レポート

2014/12/03

Amuse

今回のポイント
・15/3期2Qの営業収入は前年同期比27.6%増の210億78百万円。大型コンサート実施により、会場やオンラインショップで販売するグッズ収入も含めて好調に推移。また、同社アーティスト主演作品のDVD販売収入も増加。営業利益は同27.6%増加の25億71百万円。コストも増加したが増収および粗利率の向上により吸収し、増益となった。3セグメント全てが2桁の増収増益。コンサートツアーの収入が計画を上回り、グッズ販売やDVD販売や劇場配給の分配収入が好調だったこと等から、予想を上方修正した。

・15/3期通期の営業収入は減収予想から増収予想に転じた。下期もコンサートツアー規模拡大や音楽DVD、CDの販売が好調で、アーティストマネージメント事業の営業収入が拡大すると見込む。増収に伴い利益も増加。子会社の立上げ費用などもあり、減益予想は変わらないが、減益幅も縮小する見込み。配当予想は不変。30円/株を予定。予想配当性向は12.3%。

・通期業績予想を上方修正した結果、進捗率は営業収入では5割超であるものの、利益は8割に近い数字となっている。
ここ数年の実績を見る限り、利益水準も着実に上昇し、四半期ベースでも損失に転じたことは無く、目標の達成にとどまらず更なる上積みができる可能性も高いと思われる。第3四半期の決算発表が注目される。中期的にはライブ・イベント事業の収益性向上の進捗に注目したい。

会社概要

芸能プロダクション大手。サザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティなど人気アーティストを数多く抱えている。グループ全体の事業の核を「コンテンツビジネス」におき、文化を創造する総合エンターテインメント集団として、テレビ番組や映画の企画・制作、海外舞台の招聘等でも豊富な実績を有する。2014年9月末でグループは、同社の他、子会社19社(連結子会社11社)及び関連会社2社からなり、特に、映像ソフトの製作・製造・販売を行なうアミューズソフトエンタテインメントの業績への寄与が大きい。
アジアを中心とした海外展開を成長戦略の主軸としている。

【事業内容】

事業は、コンサートの収入、テレビ・CM出演料、新譜楽曲の印税、ファンクラブ会員収入や商品販売収入等のアーティストマネージメント事業(14/3期売上構成比81.0%)、テレビ番組・映画制作収入、及びビデオ・DVD販売等のメディアビジュアル事業(同12.1%)、及び旧譜楽曲の印税収入や二次使用にかかる収益等のコンテンツ事業(同6.9%)に分かれる。

2015年3月期第2四半期決算概要
大型コンサート実施でグッズ販売も好調。大幅な増収増益。

営業収入は前年同期比27.6 増の210億78百万円。福山雅治、flumpool等の大型コンサート実施により、会場やオンラインショップで販売するグッズ収入も含めて好調に推移した。また、「永遠の0」、「そして父になる」などDVD販売収入も増加した。
営業利益は同27.6%増加の25億71百万円。コストも増加したが増収および粗利率の向上により吸収し、増益となった。
3セグメント全てが2桁の増収増益だった。
8、9月に実施したコンサートツアーやライブの収入が動員数や協賛金が計画を上回り好調だったこと、会場でのグッズ販売も伸張したこと、上記DVD販売や劇場配給の分配収入が順調だったこと等から、第2四半期及び通期予想を上方修正した。

◎アーティストマネージメント事業

営業収入は前年同期比20.4%増加の168億26百万円。
福山雅治やflumpoolのコンサートツアーや、舞台・公演の熱海五郎一座「天然女房のスパイ大作戦」などによりイベント収入は同38.5%増加し、イベントに関連したコンサートグッズ販売やflumpoolのベストアルバム等の商品売上も同15.5%増加した。三浦春馬、福山雅治、大泉洋、Perfume、深津絵里、吉高由里子などの出演収入・CM収入、新譜の印税収入は前年実績を下回った。
増収要因によりセグメント利益も同19.0%増加の24億59百万円となった。

◎メディアビジュアル事業

営業収入は前年同期比107.8%増加の29億73百万円。
邦画実写歴代6位を記録した「永遠の0」、福山雅治主演映画「そして父になる」、佐藤健主演映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」などのDVD販売収入が同94.3%増加したほか、金額は小さいが映像製作も大幅に伸びた。
セグメント利益は同707.4%増の1億42百万円。

◎コンテンツ事業

営業収入は前年同期比14.7%増加の12億78百万円。
サザンオールスターズ、福山雅治、BEGIN、ポルノグラフィティ、Perfume等による発売後1年以上経過した旧譜楽曲の販売及び旧譜楽曲の二次使用等の収益を計上しているが、著作権印税の増加及びPerfumeのVideoClip集発売などにより増収となった。
セグメント利益は同65.2%増加の4億13百万円となった。

流動資産は、現預金、売上債権の増加などで前期末比32億円の増加。固定資産は、建物および子会社新設による投資有価証券の増加等で同5億円増加し、資産合計は同38億円増加した。一方、仕入債務の増加など流動負債が同22億円増加し、負債合計も同23億円の増加となった。純資産は利益増で利益剰余金が増加し同15億円の増加。この結果、自己資本比率は前期末の67.6%から63.6%へ4%低下した。

利益の増加等で営業CFのプラス幅は拡大した。定期預金の預け入れ額が前年同期よりも減少したことなどで投資CFはプラスに転じた結果、フリーCFのプラス幅も拡大した。キャッシュポジションは大きく上昇した。

2015年3月期業績予想
イベント収入好調で業績を上方修正。

前述のように、通期業績予想を上方修正した。営業収入は修正前の減収予想から増収予想に転じた。下期もコンサートツアー規模拡大や音楽DVD、CDの販売が好調で、アーティストマネージメント事業の営業収入が拡大すると見込んでいる。
増収に伴い利益も増加。新設した子会社の立上げ費用などもあり、営業利益、経常利益、当期純利益はとも減益予想は変わらないが、減益幅は縮小する見込み。前期実績に近づけるよう上積みを目指すとのことだ。
配当予想は変わらず。前期あった記念配当は15円/株がなくなり、30円/株を予定。予想配当性向は12.3%。

◎アーティストマネージメント事業

減収・減益予想から増収・減益予想へ。
イベントでは、福山雅治(3Q、4Q)、高橋優(3Q、4Q)、Perfume(3Q)、サザンオールスターズ(3Q)など。音楽系リリースではPerfume(3Q)、BABYMETAL(3Q、4Q)、ポルノグラフィティ(3Q)など。イベント収入、ファンクラブ・商品売上収入の増加を見込んでいる。ただ上期に比べるとボリューム感が低下することから、幅は縮小するものの減益を予想している。

◎メディアビジュアル事業

増収・減益予想から増収・増益予想へ。
映像系リリース作品(DVDやBlue Ray Disc)では、吉高由里子主演ドラマ「花子とアン」(3Q、4Q)、佐藤健主演、神木隆之介・福山雅治出演映画「るろうに剣心 京都大火編」(3Q)など。映像出資作品では、「るろうに剣心 伝説の最後編」(3Q)など。
増収幅拡大に伴い増益予想に転じる。

◎コンテンツ事業

減収・増益予想から増収・増益予想へ。
BEGIN、福山雅治、FLOW、Perfume等の旧譜が引き続き堅調で増収へ。それに伴い増益幅も拡大の予想。

今後の成長戦略
(1)中期基本方針

引き続き、「既存事業の強化」と「新規市場・新規事業の育成」に注力する。
アーティスト育成を含めた人材への投資がまだまだ必要と考えている。

(2)既存企業の強化
①オーディションで発掘した新人を中心に育成

2014年10月、アミューズオーディションフェス2014を開催した。これは、事前の書類審査なしで、当日オーディション会場に来場すれば誰でもオーディションを受けることができるというもの。
全国7都市の会場に総数32,214名が来場した。19名のファイナリストの中から、グランプリを始め6名が受賞。想定以上にレベルの高い人材を確保できたという。受賞者6名以外にも数名と契約を締結した。

②他社とのアライアンスによるアーティストポートフォリオの拡大

前回レポートで紹介したように、株式会社ラストラム・ミュージックエンタテインメント(代表取締役社長: 村田積治 本社所在地: 東京都新宿区)との共同出資により、両社の強みを活かした新たな事業を行うことを目的として、株式会社 TOKYO FANTASYを合弁で設立し、代表取締役社長にはアミューズの常務取締役 相馬信之が就任した。出資比率はアミューズ51%、ラストラム・ミュージックエンタテインメント49%。
現在ラストラム社に所属するアーティスト「SEKAI NO OWARI」は、(株)TOKYO FANTASYに移籍し、更にその活動の幅を広げていく。

どれも十分な手ごたえを感じており、今後も積極的に展開していく。

②海外拠点ネットワークを活かし、アーティスト活動に依存しない事業を展開

同社及び海外子会社が出資している様々なファンドが制作したテレビドラマや舞台などの作品の中から、現地で高い評価を受けるものが出てきている。 カナダのテレビドラマシリーズ「The Pinkertons」は高い視聴率を得ており、同社所属アーティストも出演している。 またブロードウェイミュージカルのなかでも「Kinky Boots」は優れたブロードウェイのミュージカル作品に与えられるトニー賞の部門賞を2013年に受賞した。こうした作品を国内で公演、販売することも考えている。 既に回収段階に入っているものも出てきており、今後も良い作品を見極めて投資を続けていく。

③海外展開においても他社とのアライアンスを活用

株式会社バンダイナムコホールディングスのグループ会社「株式会社ランティス」および「株式会社バンダイナムコクリエイティブ(BNLC)」と、ランティス所属アーティストやランティス及びBNLCが保有するアニメソングなどアニメ関連コンテンツの海外展開について業務提携を開始した。

中期的にはランティスの保有するアニメソング等、アニメ関連コンテンツ開発ノウハウを活用して海外市場を意識したコンテンツ開発を3社共同で行う。

2015年1月より、シンガポール、台北、香港、ソウル、ラスベガス他、海外6都市で開催予定の「Anisong World Tour ~Lantis Festival 2015~」を3社共同で主催、運営する事となっている。

④イベント制作機能の内製化によりライブ事業をさらに効率化

2014年11月、コンサートツアーやイベントの企画制作を手掛ける連結子会社 株式会社インターグルーヴプロダクションズを設立した。

<設立の背景>
音楽販売市場の縮小に伴い、ライブ・イベント事業の重要性が高まっている。これまでも同事業には積極的に取組んできたが、国内外での同事業の成長可能性を見込み、内製化による収益性の向上図ること。

<活動内容>
当面は海外公演をメインに、コンサートやイベントの企画制作を行う。
アミューズの行うライブ・イベントはもちろんだが、他社案件の受注も進める。
海外案件の進捗を見ながら、タイミングを見て国内案件に関しても受注活動を開始する。

⑤「東京ワンピースタワー」プロジェクトなど、アーティスト活動に依存しない事業を展開

これも前回のレポートで紹介したが、東京タワーフットタウンビルにおける事業である、「東京ワンピースタワー」プロジェクトの実施を目的として、2014年7月、連結子会社「株式会社アミューズクエスト」を設立した。この事業では、原作が週刊「少年ジャンプ」(集英社)で連載されているテレビ用アニメーション『ONE PIECE』を素材としたテーマパーク(2015年春オープン予定)の企画・開発・運営を行う。
また、同業を行うにあたり、連結対象となる有限責任事業組合(LLP)を2014年10月に設立した。(株)アミューズクエストは、LLP の業務総括組合員として事業を牽引していく。
同社はこれまで、浅草でのアミューズミュージアム等、その土地が持つ魅力と共にエンターテインメントコンテンツを提供するロケーションビジネスに取り組んできたが、東京タワーという日本のシンボルを新たなビジネスの場として、オリジナルグッズの企画・制作・販売等、同社の強みであるプロデュース力を活かしたエンターテインメント事業を展開する。

今後の注目点
通期業績予想を上方修正した結果、進捗率は営業収入では5割超であるものの、利益は8割に近い数字となっている。
ここ数年の実績を見る限り、利益水準も着実に上昇し、四半期ベースでも損失に転じたことは無く、目標の達成にとどまらず更なる上積みができる可能性も高いと思われる。第3四半期の決算発表が注目される。
中期的にはライブ・イベント事業の収益性向上の進捗に注目したい。
株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
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