(3192:JASDAQ) 白鳩 会社概要及び今後の取組みレポート

2014/06/25

shirohato

今回のポイント
・日本最大級のインナーウェアのインターネット販売企業。自社サイトのほか、楽天市場を始めとした様々なインターネットショッピングモールに出店。国内外合わせて約80ブランド、11,000アイテムという他には例の無い豊富な品揃えを誇る。ECの特性を自社にベストマッチするよう自ら開発した業務管理システムやインナーウェアに特化した運送ロジスティックが成長を支える。海外展開にも着手。

・国内インナーウェアの市場規模は、男女合わせて約1.5兆円。金額自体の伸びは期待しにくい成熟市場ではあるが、経済産業省の調査によれば、インターネット販売において最も伸びているカテゴリーは、インナーウェアも含めた「衣料・アクセサリー小売」。一方同カテゴリーのEC化率(インターネット販売の比率)は低水準にあるが、これはEC化が進む余地が大きく残されているという事を意味しているとも言え、「インナーウェアEC市場」は大きな成長市場となる可能性を秘めている。

・同社の成長を支えているのが、ECの特性を自社にベストマッチの形で反映させた自社開発の総合業務管理システム「楽らく通販システム」と、インナーウェアに特化した独自の物流ロジスティック。顧客満足度の向上と業務効率の改善に大きく貢献している。

・成長戦略の中心は、品揃えの更なる充実、徹底した差別化の推進、海外市場の開拓など。毎期20%増収を目標に掲げており、2017年8月期の営業利益率は10%を目指している。

・短期的にはまず2014年8月期第3四半期決算が注目される。消費税増税の通期業績予想への影響の有無を確認したい。10月の初の通期決算及び中期経営計画の発表内容も期待したい。中期的には、海外展開の進捗が投資家の最大の関心事となるだろう。

会社概要

日本最大級のインナーウェアのインターネット販売企業。自社サイトのほか、楽天市場を始めとした様々なインターネットショッピングモールに出店。国内外合わせて約80ブランド、11,000アイテムという他には例の無い豊富な品揃えを誇る。ECの特性を自社にベストマッチするよう自ら開発した業務管理システムや、インナーウェアに特化した自社運送ロジスティックが成長を支える。海外展開にも着手。

【沿革】

同社は池上社長が、靴下の職域販売を手掛けたことから始まる。当時、仕入先の白鳩ナイロン社が倒産した際、商号を一部引き継ぎ、その後、カタログ販売、店舗での下着販売を経て、1995年にはインターネット販売に参入。様々な試行錯誤を繰り返しながらも、豊富な品揃え、迅速な顧客対応などを主因に、順調に成長を続けて来た。

大きく成長する事の出来た要因の一つとして池上社長は同業他社との「想い」の違いをあげている。
多くの同業他社がインナーウェアのインターネット販売を本業の一部として位置づけて、いわば片手間で対応していたのに対し、同社は、『「B to C」は顧客との「1対1」の関係の積み重ね』という考えの下、一つ一つの注文に対して顧客に感動を与えるべくきめ細かく、丁寧に対応してきた。先例も無い中、集客力の向上、商品ラインアップの拡大、的確な在庫管理、ミスの無い迅速な発送などの課題を、試行錯誤を繰り返しながらも、全社挙げての総力戦により独自の方法で克服・実現してきた点が他社との違いであり、かつ成長の源泉ということだ。

【企業理念・経営理念】

企業理念として『「わくわく」、「ドキドキ」感動するインナーライフっていいね!』を掲げている。
インタビューの中で何度も出てきたのがこの「感動する」というフレーズ。
1995年にインターネット販売を開始した際、東京の顧客からの注文に対し、宅配便を使って翌日には届けたところ、大いに驚かれ感謝された。
長年商売をしてきた池上社長は顧客に感動を与えることがいかに重要なことかを改めて心に留めておくべく、企業理念として掲げることとした。

社員が楽しくイキイキと働けばそれが自然と顧客にも伝わると考え、働きやすい職場環境づくりに努めるとともに、パート社員も含めた全社員に常日頃からこれら理念の実践を説いている。

【市場環境】
◎市場規模と今後の動向

各種調査で定評のある(株)矢野経済研究所の調査によれば、インナーウェアにレッグウェア(ストッキング)を加えた日本国内の市場規模(小売金額ベース)は、2012年で約1.5兆円。
内訳は、女性用インナーウェア 6,715億円、男性用インナーウェア 2,735億円、レッグウェア 6,190億円。
市場規模はここ10年程度ほぼ横ばいの成熟市場だが、1兆円超という一定規模の安定した国内市場が存在する。

加えて、インターネット販売によって成長してきた同社を見る際には、EC(電子商取引)の今後の動向を見ておく必要がある。

経済産業省の「平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(2013年9月27日発表)によれば、日本の消費者向け電子商取引市場(B to C)の市場規模は2012年 9.5兆円で、前年に比べ12.5%と2ケタの伸びを見せた。2007年の5.3兆円から毎年10%内外の伸び率で拡大している。

(株)野村総合研究所が公表している、「2017年度までのIT主要市場の規模とトレンドについての展望」(2012年11月21日発表)においても、2012年から2017年までの「B to C市場」の年平均成長率は11.1%で、2017年の市場規模は17.3兆円(2012年 10.2兆円)と予測しており、EC市場は今後順調に拡大する事が見込まれている

加えて、経産省調査によると、小売・サービス業の中では、同社の取り扱うインナーウェアが属する衣料・アクセサリー小売業の伸び率が21.5%と、他に大きく水を開けた形となっている。

一方EC化率(全体の何割がインターネット経由で取引されているか)を見ると、2012年 小売業・サービス業全体では3.11%で前年に比べ0.28%上昇しているが、衣料・アクセサリー小売業のEC化率は1.33%と、全体の中でも低水準に留まっている。ただこれは、今後EC化が進む余地が大きく残されているという事を意味しているとも言え、「インナーウェアEC市場」は大きな成長市場となる可能性を秘めている。

◎インナーウェアの特性

インナーウェアは以下の様に、他人の目に触れるアウターウェアとは違った商品特性を持っている。

もちろん消費者の嗜好の変化に応じた商品ごとの売上の上下はあるものの、上記要因から、アウターウェアに比べ、大当たりやヒット商品が生まれにくい反面、売上の変動率、ボラティリティ―が小さいと業界と言えるだろう。

【事業内容】
インナーウェアをメーカーから仕入れ、主としてインターネットを通じた販売を行っている。取扱いブランドは国内外合わせて約80、品目数は約11,000で、日本最大級のブランド取扱い数となっている。
本店サイト以外に、インターネットでは楽天市場(レディース店、メンズ店)、Yahoo!ショッピング店、Amazon店等に出店しており、スマートフォンや携帯公式サイトへの出店も行っている。また、2014年2月には本店グローバル店(自社サイト)をオープンしたように、アジア市場開拓のための出店も進めている。
店舗ごとの大まかな売上構成は、本店25%、楽天市場50%、Yahoo!10%などとなっている。
顧客の性別属性は女性7割、男性3割だが、売上の商品構成は女性用9割、男性用1割。実店舗では購入しにくい男性の女性へのプレゼント需要もあるということだ。年齢別には女性、男性共に35~49歳のF2層、M2層が約半分となっている。
取扱いブランドは、ワコール、トリンプなど国内メーカーが中心だが、エンポリオアルマーニ、モードマリーなど海外ブランドもある。
また、限定販売による差別化と高粗利率の確保を目的としてメーカーとの協業によるオリジナルブランドおよび、OEMブランドの開発も行っている。
様々なメーカーの商品を長年取り扱ってきた同社は、顧客ニーズをきめ細かく熟知しており、商品作りに反映させることができる。アイテム数は約200で売上構成は約10%。今後は収益性と在庫負担のバランスを考慮しつつ、30%程度までの引上げを目指している。
仕入商品選定のためのアンテナ店舗として京都市南区に直営店舗「アバンティ店」を1店舗運営(1984年開店)しているほか、顧客とのコミュニケーションを図る手段として、Twitter、Facebookページの運営も行っている。
特長と強み
1.自社開発のワンストップ・エコシステム「楽らく通販」システム

同システムの存在が同社をEC企業として大きく成長させてきたと言っても過言ではないだろう。(「エコ」は環境ではなく「便利」の意味。)
同社は、発注、仕入、在庫、受注、売上、出荷、顧客管理、顧客対応、店舗ページ、商品登録、撮影、画像制作、サイト在庫連携、与信、売掛管理、入金処理、勤怠、棚卸などの一連の業務すべてをこのシステムでワンストップ運用することで、正確、迅速で効率的な業務を実現している。
このシステムは全社員が同時に情報を共有することが出来るため、現在業務がどういう状況になっているかをタイムリーに把握できるため、何か問題が起きた時も迅速な対応が可能となる。

ECの世界では、日々変化する顧客ニーズやポータルサイトとの連携に素早く対応するため、こうしたシステムの開発・運用保守業務が欠かせないが、特にインターネットショッピングモールとの連携においては、急な仕様変更や機能追加が頻繁に発生する。外販されているパッケージを購入し、保守はアウトソーシングを利用するという方法もあるが、変更が必要な際は都度仕様を打ち合わせ、見積もりを取るというステップを踏むことになるため、変化のスピードについていけず、結果的に高コストになってしまう。

そこで同社では、ECの特性を自社にベストマッチの形で反映させるこの業務システムを自ら開発した。
自社社員でシステムの開発、運用保守を担当しているが、前述した「B to Cは1対1の積み重ね」、つまり、一人一人の顧客への対応をしっかりと行うという「ECの肝」とも言うべきアクションを実現する上でも、自社開発・自社運用の意味は大きい。

例えば、同社には一日に300件近くの様々なメールが顧客から届く。この大量のメールの中から、クレーム対応が必要なものなど、優先順位の高いメールを標題や本文を対象とした検索機能を使ってピックアップし、当日中に対応しているが、この機能も、実際に業務を行っている中から必要な機能として自社で開発した。その後もさらに使い易く、全員がその経過を見ることが出来るような改善を加えている。
このように、自社内製化システムならではのスピーディーかつ低コストでの対応が可能となり、顧客満足度の向上に繋がっている。

2.独自の自社物流ロジスティック

「楽らく通販」システムに加え、インナーウェアに特化した自社独自のロジスティックも同社の成長を支える重要なインフラだ。
京都の本社に併設した配送センターで、在庫管理、受注・出荷作業、顧客対応を行っている。
配送センターでは自動制御ロジスティックシステムの導入や、細やかな在庫管理に努めることにより、現在の1日の最大出荷可能枚数は15,451枚、出荷個数は5,062個まで引き上げることが出来た。(2013年7月実績)
これは、システム導入以前と比べると170%も拡大した水準である。

インナーウェアおよび同業界には独特の商慣習や特性があるが、その一例として、今日通常であればどんな商品に付いているバーコードが約4割のインナーウェアには着いていないというものがある。またサイズ、カラー、仕入れ値で分類したSKU(※)が極めて多いということもインナーウェアの特徴の一つだ。一つのアイテムでもカラーとサイズと仕入れ値を掛け合わせれば平均して8つのバリエーションが存在するので、実際に同社が取り扱っている品目数はSKUで見れば、11,000ではなく88,000となる。
これだけの品目数を一部はバーコード無しで仕入し、在庫を管理しつつ、9時までの受注は当日発送というスピードで、間違いなく発送しなければならない。
そのためには、インナーウェアという商品特性に特化した仕組みを構築しなければ対応は不可能だ。

※SKU:Stock Keeping Unit、在庫管理単位:在庫管理における単品単位のこと。同じ型の商品は、サイズ、カラー等に細分化され、一つ一つの単位で在庫管理される。アイテムとは異なる。

取材時、本社の配送センターを案内していただいた。
大手インナーメーカーに勤務していた池上副社長が販売、物流、出荷などを幅広く経験してきた中から、インナーウェアに特化したシステムを、各備品の購入、機器のレイアウトなどを含め、スピードアップと効率性を考え抜いて全て独自に構築したという。

特に前述のように、バーコードの付いていない品目が約4割もあるインナーウェアにおいては目視でのチェックが不可欠であるため、これをスムーズに且つ正確に行えるようなチェック用のインターフェースも開発・導入した。
まだまだ効率化出来る部分は多いという事で、メーカーへの協力も働きかけつつ、日々改善を進めている。
現在の推定年間出荷可能個数は155万個で、前期2013年8月期の年間出荷個数実績58万個の2.6倍のキャパシティがある。現在の設備で売上100億円までは対応可能ということだ。
また、現在は出荷のための梱包台を21台設置しているが、今年の年末商戦をにらみ、来期始め(2014年9~10月)には32台に増設。更に出荷能力を強化しスピードアップを図る。

3.差別化サービス

企業理念の項目で触れたように、同社はインナーウェアを顧客に届け感動して貰う事を常に目指している。
そのために顧客目線に立った様々なサービスの開発に注力しており、これらが、同業他社に対する大きな差別化要因となっている。

◎三次元撮影による画像の掲載

下着はデザインも大事だが、特にブラジャーなどは実際に付けた際のフィット感が顧客にとっては重要となる。しかし通常のサイトに掲載されている前方や横からの写真だけでは顧客にとっての情報は不十分で、購入に踏み切れなかったり、電話による問合せの増加、購入後の不満等、ビジネスにとってのマイナス要因に結び付くケースもある。

このため同社では日本で初めて三次元の説明写真をサイトに掲載した。現在も掲載しているのは同社のみという。
これは、前・後・横だけでなく、上および斜めからの写真を同時に撮影できる米国製の特殊なカメラを使用して撮影したもの。顧客は実際に付けた際の様子や付け心地を具体的にイメージすることができる。順次、三次元撮影画像の掲載を増大させていく企図だ。

◎インナーウェア・コンシェルジェ

一般社団法人 日本ボディファッション協会は「インティメイト・アドバイザー」認定試験を実施している。
「インティメイト・アドバイザー」認定試験とは、『お客様のファッション感性に応え、お客様にジャストフィット商品をお勧めできる技能と知識を認定する日本唯一のボディファッションの認定試験です。これまでに合計5,107名が合格し、認定者は売場を中心にボディファション業界で活躍しています。』(同協会HPより)というもの。

同社ではこの認定試験合格者を増員し、顧客からの問い合わせに対し商品内容等に関するものはカスタマーセンターではなく、コンシェルジェが専門知識を持って懇切・丁寧に対応していく考えで、これにより更に顧客満足度を引上げていく。

4.広告宣伝に頼らない集客

同社は集客においては自社の店舗ブランドを最大限に活用し、広告宣伝費には頼らないことを原則としている。
楽天市場では7年連続で「ショップ・オブ・ザ・イヤー インナージャンル賞」を受賞しており、また、楽天市場のユーザーからも高い評価を受けている。
こうした実績や評価が集客力に結び付いており、通常ECショップというと、多額の広告宣伝費に頼りがちだが、その必要は無く、逆に、広告宣伝をせずに売上を伸ばす方法を考えることこそがECには重要と認識している。

また新規顧客会員の獲得も重視するが、1年に2回以上買い物をする「リピーター」の増大をより重視している。
KPI(※)として、リピート率(1度購入顧客数とリピート顧客数の合計に占める、リピート顧客数の比率)を掲げ、毎年1%程度ずつ引き上げていくことを目標としている。

※KPI:キー・パフォーマンス・インディケーター。目標の達成度合いを計る定量的な指標のこと。目標に向かって日々業務を進めていくにあたり、「何を持って進捗とするのか」を定義するために設定される尺度で、現況を指し示す様々な指標の中から、進捗を表現するのに最も適していると思われるものが選択される。
5.迅速対応

初めてのインターネット販売を行った時に顧客が感動してくれたことからも、「迅速な顧客対応」を掲げている。
現在はセール時や年末年始等を除き、通常では「9時までの受注は当日発送」を原則としている。
顧客満足度を向上させ、リピート率を向上させる上でも、アフターサービスの充実と共に極めて大事なポイントである。

2014年8月期業績予想
2ケタの増収・増益を計画

消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の発生及びその反動による減少を予想しており、顧客満足度の向上に努めると同時に、品揃えの拡充、自社ロジスティックの更なる進化に努める。
また、各インターネットモールで様々な営業施策を実施する計画だ。
第2四半期実績の通期予想に対する進捗率は概ね5割となっている。
配当は現時点では未定。

経営陣に聞く

今後の取組み、経営姿勢、投資家へのメッセージなどを池上勝社長、池上正副社長に伺った。

◎成長戦略

「インナーウェアの国内マーケットは男性・女性合わせて約1.5兆円と推定されており、インターネット販売の拡大による開拓余地はまだまだ大きい。常に顧客視点に立った迅速な対応やクレームの極限までの削減といった「理想のECを追求する」姿勢によってシェア拡大を目指す。」

「前述した、差別化戦略や、出荷能力アップに加え、以下の様な戦略、施策を推進してさらなる成長を目指していく。」

<利益率向上について>

「当社は2017年8月期の営業利益率10%を目標として掲げている。その施策としては、まずは、トップラインの引上げに取り組む。物流やシステムなど当面の各種投資は終了しているので、売上を伸ばせば利益率は向上する。年20%の増収を目標としている。上場を機に、さらに多くのメーカーや仕入先との商談も始まっており、増収を支える要因となるだろう。」

「また、年間稼動日数を現在の310日から引き上げることも検討している。コスト面からは、それに応じた大きな人員増や投資は必要ない。」

「利益率の高いオリジナルブランド商品やOEM商品の売上比率拡大も進めるが、全てが必ず見通し通りに売れるという訳には行かず、在庫となる部分もあるので、しっかりと顧客動向等を見極めながら進めて行く。」

「顧客の低価格志向は継続してはいるが、様々な兆候から、そろそろ底を打つのではないかと感じている。」

<商品戦略>

「上場を機に仕入先との関係構築が今まで以上に容易になった事を活かし、国内外で更なるブランド拡大を進めると共に、オリジナルブランド、OEMブランド開発を進める。」

「一言で『インナーウェア』といっても、ランジェリー、ナイティなど様々なカテゴリーがあり、当社の商品がカバーできていない未開拓なカテゴリーも沢山あるため、ブランドの開拓・開発やアイテム数の強化によりそうした『隙間』を埋める作業を行っていく。」

<販売戦略>

「インターネットショップのサイト毎の顧客単価と売上高を分析すると、それぞれ特徴があることが明らかなため、各サイト毎に特徴を出す等、きめ細かい対応により、顧客単価の引上げおよび売上増を図る。また、近い内にスタートするLINEでの売上拡大にも注力する。」

「なるべく多くのショップサイトに商品を掲載し、そのサイトで買いやすい顧客はそこで購入してもらえるようなサイト作りを今後も継続して行く。」

<海外展開について>

「国内市場の開拓と並行して海外市場の開拓も進めて行く。特に、製造現場ではなく巨大な消費マーケットとしての中国を中心としたアジア市場での展開に着手している。既に大学新卒の中国籍スタッフを5名採用し、中国でのEC開始に向け動いている。」

「現在、越境注文(海外からのオーダー)は約3%。まずこれを引上げる。本店サイトの中国語ページをより充実したものとする。これにより、中国人スタッフの商品知識も豊富になっていく。」

(参考)
前出の経済産業省の調査「平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備」によると、2012年の中国の消費者による日本からの越境EC購入額は1,199億円。様々なケースを想定した中で2020年の同金額は、最大で9,400億円に拡大する可能性もあると同調査では試算している。また、中国消費の越境EC利用者による日本の事業者からの購入品目は、「衣類、アクセサリー」および「書籍、雑誌」が双方約30%でトップとなっており、日本製インナーウェアに対する中国人のニーズは高い。今後の越境購入額は順調に拡大していくと見込まれる。

「一方、2013年には中国のインターネットショッピングモール「天猫国際Tmall」(※)に出店した。越境ECのみでなく、中国市場の本格開拓にも注力していく。中国においても常に顧客目線でのサービスを心掛ける『SHIROHATOホスピタリティ』を導入する。これも、中国における大きな差別化要因となる。」

※天猫国際Tmall(www.tmall.com):中国アリババグループの運営する総合オンラインショッピングモール。約5万の出店者、中国国内外の約7万のブランドを取り扱っている。「天猫Tmall」とアリババグループのC to Cマーケットプレイス「タオバオマーケットプレイス」の2012年の年間流通総額は1兆元(約16兆円)を突破。(日本法人 アリババ株式会社HPより)
◎経営のあり方について

「当社が社員に望んでいるのは、自分で考え自発的に行動すること。野球の様にベンチからのサインを待つのではなく、サッカーの様に各プレーヤーがその場その場の状況に応じて的確な判断を下すような形だ。」

「そのため、なるべく階層を少なくし、フラットな組織作りを心がけている。バイヤーや自社ブランド開発担当者など、現場の発案やアイデアを重視している。もちろんPDCA(発案・行動・チェック・仕組み化)を行い、常に検証を加える。そういう環境を整え、提供してあげるのが経営の一つの役割と考えている。」

「また、上場を機に、今まで以上に透明性を高め、外部の様々な方々から視られている事を、経営だけでなく全社員で意識していく。」

◎投資家へのメッセージ

「まずは売上、利益をしっかりと上げて可能な限り早い段階で配当を開始するなど、普通の上場企業であれば行っていることを行うようにしたい。」

「中長期的なテーマとしては、『グル―バル化』『女性の活躍』をキーワードと考えている。
グローバル化は、前述したように中国を中心としたアジア市場において「SHIROHATOホスピタリティ」を導入していきたい。市場規模を考えれば将来的には国内売上を超えることになるだろうが、決して難しい事ではないと考えている。
国内でやってきたことを、当たり前のように行えばお客様は必ず満足してくれるはず。ただ、進出に当たってのパートナー選びは極めて重要なので、慎重に厳選していきたい。」

「当社が女性用インナーウェアを扱っていることもあり、女性がイキイキと働ける会社としていきたい。(副社長の)個人的アイデアとしては将来的には社内に託児所もつくりたい。
スマートに且つ楽しくイキイキ女性が働ける場所を作り、今以上にその「楽しさ」が顧客にも、株主にも伝わるような会社を目指していくので、是非中長期の視点で応援していただきたい。」

今後の注目点
京都市伏見区にある本社は、白を基調とした建物に、大きなガラスが沢山使用されているため、外光が取り込まれ大変明るく気持ち良い。まさに「女性が楽しくイキイキ働く環境」となっている。また、配送センターの照明は全てLEDを使用している。温度が上昇しないこともあるが、紫外線による肌への影響という、女性スタッフを意識した計らいでもある。

また、バイヤー、店舗、商品開発等の部署は、隔てる壁の無い広々とした空間に机を並べており、商談や打ち合わせスペースもそのフロアにあるため、各部署横断でスピーディーに物事を判断、決定できる構造となっている。こちらもまさに「フラットな社内体制」を表しており、変化の激しいECの世界で、顧客のニーズにきめ細かく対応して業容を拡大するための環境を、配送センターも含めて整備しているといえよう。

そうした同社だが、短期的にはまず7月に発表される2014年8月期第3四半期決算が注目される。消費税増税の駆け込み及び反動がどれほど生じたのか?および通期業績予想への影響の有無を確認したい。また、10月の初の通期決算及び中期経営計画の発表内容も期待したい。中期的には、越境も含めた海外展開の進捗が投資家の最大の関心事となるだろう。また、年間増収率20%を目標としている同社だが、売上100億円までのキャパがある配送センターについて新たな投資を検討しなければならないと会社側がコメントするのが、5年後なのか、もっと早いのか遅いのか?も注目したい。

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