(8769:JASDAQ) アドバンテッジリスクマネジメント 2014年3月期業績レポート

2014/06/25

ARM

今回のポイント

・『安心して働ける環境』と『活力ある個と組織』を共に創るという企業理念の下、社員・従業員を取り巻く様々な課題を解決するためのソリューションを提供。従業員のメンタルヘルスケアをサポートするメンタリティマネジメント事業と、団体長期障害所得補償保険(GLTD)を販売する就業障がい者支援事業の2つが収益の柱。メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業で、圧倒的な規模と高いシェア、一気通貫でソリューションを提供できる総合力も大きな特長。

・14/3期の売上高は前期比1.3%増収の2,689百万円。両事業ともに微増収にとどまった。一方、コストは新規サービス開発と既存サービス拡大のための人的投資を行ったため、人件費や外注コストが増加し、営業利益は同23.8%減少の269百万円となった。

・15/3期は、メンタリティマネジメント事業においてはストレスチェック義務化法案への対応はもちろん、EQ、インサイトと言った商品の販売拡大、就業障がい者支援事業ではGLTDの更なる拡販を計画し、増収・増益を見込んでいる。配当は安定配当を継続し、前期と同じく4円/株を予定。予想配当性向は18.8%。

・近年売上が伸び悩んできた同社にとって、ストレスチェック義務化は大きなフォローの風だ。予定通りなら2015年後半より義務化スタートという事なので、早目に対応する企業は今2015年3月期から実施することとなるようだ。ただ、このビジネスチャンスには当然の事ながら新規参入も含め、激しい競争が起きることは確実だ。シェアトップ、業界唯一の上場企業である同社のアドバンテッジをどこまで発揮できるか?に大いに注目したい。

会社概要

『安心して働ける環境』と『活力ある個と組織』を共に創るという企業理念の下、社員・従業員を取り巻く様々な課題を解決するためのソリューションを提供。うつ病など精神障害の予防及び回復をサポートし、人材のパフォーマンスを最適化するメンタリティマネジメント事業と、傷病による休業中の所得を補償する団体長期障害所得補償保険(GLTD)を販売する就業障がい者支援事業の2つが収益の柱。メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業で、圧倒的な規模と高いシェア、一気通貫でソリューションを提供できる総合力も大きな特長。

【沿革】
1995年 1月 (株)アドバンテッジ インシュアランス サービスを設立し、団体長期障害所得補償保険(GLTD)の取扱開始
1999年 3月 事業拡大に合わせ、グループ統括会社として(株)アドバンテッジ リスク マネジメントを設立
1999年 6月 (株)日本長期信用銀行(現 (株)新生銀行)より保険代理事業子会社の長栄(株)を営業譲渡を受ける。
2002年 8月 従業員のメンタルヘルスサポートサービス「アドバンテッジEAP」の開発・提供で、東京海上メディカルサービス株式会社(現 東京海上日動メディカルサービス株式会社)と業務提携
2006年12月 「大証ヘラクレス」(現、東証JASDAQ市場)へ上場
2007年10月 (株)フォーサイトの100%子会社化を実施
2008年 3月 (株)ライフバランスマネジメントの100%子会社化を実施
2010年 3月 企業における従業員の生産性向上と組織活性化のための包括的・総合的なメンタルヘルスケア支援プログラム「アドバンテッジタフネス」を開発
2010年 7月 (株)イー・キュー・ジャパンより、「感情知能(EQ)」と言われる理論を基にした検査、人材育成、組織分析等の事業の全部を譲受
2010年10月 (社)日本経済団体連合会に加盟
2011年 6月 EQ能力とストレス耐性の高い人材を見極めることのできる採用テスト「アドバンテッジ インサイト」を提供開始

ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院のMBA 取得後、外資系戦略コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーで保険・金融を始め、様々な業界を対象としたコンサルティング業務に携わっていた鳥越社長は、元々起業志向が高く、様々なビジネスチャンスを模索、検討していた。
そんな中、団体長期障害所得補償保険(GLTD)の取扱いが日本で解禁される(1994年10月)ことを知り、米国で普及していたこの保険商品を日本で手掛けることに大きな成長性を見出し、1995年1月、株式会社 アドバンテッジ インシュアランス サービスを設立し、代表取締役社長に就任した。1999年3月には事業拡大に合わせ、グループ統括会社として株式会社アドバンテッジリスクマネジメントを設立した。GLTDの認知度、理解度の低さから当初は苦労したものの、外資系企業を中心に着実に販売は拡大していった。2002年8月には、現在のもう一つの事業の柱である「メンタリティマネジメント事業」も開始し、業容は拡大。大量の個人情報を取り扱う事業であることから高い社会的信用力が必要との判断もあり、2006年12月、大証ヘラクレス市場(現 東証JASADAQ市場)に上場。メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業となった。

【経営理念】

「『安心して働ける環境』と『活力ある個と組織』を共に創る」を掲げている。
企業とそこで働く人々を取り巻く様々な課題に対して、顧客の視点に立った真の付加価値あるソリューションを提案し、生産性・企業価値の向上を目指している。

この企業理念の下、同社は下記の行動指針「The Advantage Way」を定め、社員の行動基準である「5つのアドバンテッジ」を掲げている。

-The Advantage Way-

私たちは既存の概念にとらわれず、常に新規市場の創造と既存市場の革新を目指します。
あらゆる面において、市場でリーダーシップをとることを目標に、自己革新を続け、最大化される価値を社会、協力者、従業員と分かち合います。

【市場環境】

働く人々を取り巻く様々な課題を解決するソリューションを提供する同社にとっての対象マーケットは、人材採用や企業研修など人事領域のサービスを網羅することでその規模は大きく拡大すると会社側は考えている。

【事業内容】

セグメント構成は、「メンタリティマネジメント事業」、「就業障がい者支援事業」、「リスクファイナンシング事業」の3セグメントから構成されているが、同社を特徴づける主たる事業は「メンタリティマネジメント事業」および「就業障がい者支援事業」の2つ。

①「メンタリティマネジメント事業」

日本経済が右肩上がりの時代からバブル崩壊を経て、厳しい競争の時代を迎える中、企業の従業員における、「うつ病」を始めとした精神疾患が大きな社会問題になっている。

うつ病などの精神障害に関する労災補償の請求件数・認定件数は共に2009年度から3年連続で増加。
ケガや疾病などの就業障害により30日以上の長期休業に至ったケースのうち、 原因として、うつ病を中心する「メンタル疾患」の割合は68%と半数以上。
メンタル不調による休職者が1人発生すると、およそ500~600万のコストがかかる。単純に休職者のコストのみであり、その過程において人事部門や周りに与えるネガティブ要素を含めると損害は更に大きなものになる。

こうした状況下、従業員に対するメンタルヘルスケアを実施している企業は、従業員数5,000人以上の場合は100%であるが、100人未満 45%、30人未満 29%と低い。また、実施している企業においても、メンタルヘルスの不調による企業のコスト増やリスクの軽減、不調発生の予防、組織活性化等の具体的な成果があったと認識されるケースは必ずしも多くない。

こうした中、同社は最も重要な「成果」に焦点を当て、各企業が抱える現状の課題と目指すべき方向性に応じて定期的な調査・分析と多彩なソリューションプログラムによって成果を可視化し、総合的かつ具体的な対策を提案する。

基本的なメンタルヘルス対策サービスの流れとしては、下記の図のように、年1回実施するストレスチェックの結果を基に、個人向け施策及び組織向け施策を実施して効果を測定し、翌年再度ストレスチェックを行うというもの。個々のデータを一元管理し、横断的に分析する事で新たな解決の糸口が見つかるという。

従業員個人向け施策のうちで、最も重要なものの一つが「カウンセリング」。
ストレスチェックで要対応という結果が出た従業員個人は、カウンセラーによる的確なカウンセリングを受けることが必要になるため、同社ではフォローメールを発信するなど、能動的にアプローチしている。
カウンセリングの形態としては、面接、電話、Web面談(無料電話アプリ スカイプを使用)、メール、出張など様々なスタイルを用意しており、本人のみでなく2親等以内の家族も利用できる。
また、面談カウンセリングは土日及び祝日も含めた午前9時から午後10時が利用可能で、電話であれば24時間利用可能となっているなど、相談者の使い易さを念頭に置いたサービス体制となっている。
特に、電話カウンセリングが24時間、365日利用可能なのは同社のみであり、大きな差別化となっている。

同社では自社20名、提携先約100名のカウンセラーを有し、きめ細かいカウンセリングを提供している。
カウンセラーのキャパシティ(サービス対応可能量)は十分で、ボトルネックとなる心配はないという。

同事業には、様々な状況に応じて以下の様なサービスが用意されている。

同事業の売上高はサービス提供先企業から受け取る利用料で、「利用者数(従業員数)×一人当たり年間サービス料」となる。
1人当たり年間サービス料は、ストレスチェックテストやカウンセリングの内容、出張カウンセリングの有無、年間のテスト回数、専属医師の設置、上記サービスの利用などにより様々だが、従業員一人当たり年間1,500円~4,000円が中心ゾーンとなっている。
2014年3月末現在の契約企業数は約 1,500社。利用者数は約91万人となっている。

リーマンショック後の企業のコスト削減意識高まりの中では価格値下げプレッシャーが強かったが、現在は、メンタルヘルスチェックの目的を顧客企業と確認したうえで、KPI(キー・パフォーマンス・インディケーター:ある目標を実現する事を目的として設定される指標)を設定し、これを顧客に保証するといった、効果測定に一層重点を置いたサービス内容とすることで、付加価値を高め価格低下圧力を弱めている。

②「就業障がい者支援事業」

傷病による就業不能は、死亡よりも発生数が多く、従業員の生活に与える影響は甚大だ。
重度の障害認定を受けない限り障害年金も支給されず、収入がゼロとなるケースもある。
こうしたリスクをカバーするのが、団体長期障害所得補償保険(Group Long Term Disability:以下、GLTD)。

従業員が長期間働けなくなった場合、最長定年まで給与の一定割合を補償する保険で、従業員の職務復帰を全面サポートする。

加入形態としては企業が負担し福利厚生の一環として導入する全員加入部分と、従業員が任意で加入する上乗せ部分の2層構造となっている。全員加入部分と任意加入部分を合わせて月収の6割から8割がカバーできるプランが多い。

同社では、GLTDは単なる保険商品ではなく、保険を活用した福利厚生制度の一つと位置付けている。同保険を導入した企業にとっては、それを有効に活用するためには様々な業務を行う必要があるが、その多くの部分について、専門性を活かしたサポートを提供している。

同社はあくまでも保険代理店であり、本来はGLTDを運用している保険会社が行うべきものもあるが、保険会社にとってGLTDは数多くある保険商品のうちの一つに過ぎないとともに、GLTDに関する知識・経験、特に現場での運用に関するノウハウは同社が圧倒的に勝っている。また販売するのも同社であるため、保険会社はGLTDに関して同社を代理店とすることに大きなメリットを認識しており、その分販売に際しての同社に支払う手数料率も高く設定している。

同社が販売したGLTDの加入者数は2014年3月末現在 約39.3万人で、過去10年で約3倍以上に増加している。

特徴と強み
①メンタルヘルスケア業界唯一の上場企業

メンタルヘルスケア業界では、競合他社としてカウンセリング専門企業、医療関連企業、人材関連企業、損害保険グループ会社等、5~6社が存在しているが、上場企業は唯一同社のみである。

②圧倒的なスケールの違い&国内トップシェア

競合の中でも売上規模の大きい2~3社でも同社の3分の1程度のスケールであり、スタッフの数など総合的にサービスが提供できる体制を構築しているのは同社のみということだ。
例えば、カウンセラーは、前述のように「24時間、365日」対応となっているが、これが出来るのは同社のみで大きな差別化要因となっている。
こうした結果、メンタルヘルスケア対策支援及びGLTDにおいてトップシェアとなっている。

③一気通貫でソリューションを提供

同社は、ストレスチェックテストの実施及びそれを基にしたカウンセリングはもとより、休職者・復職者の管理システムや産業医派遣システムなども含め、個人の診断のみでなく組織としての診断およびきめ細かいフォローを一気通貫で行うことが出来る。この総合力も同業他社との大きな違いとなっている。

2014年3月期決算概要
両事業とも微増収。先行投資もあり減益。

売上高は前期比1.3%増収の2,689百万円。メンタリティマネジメント事業、就業障がい者支援事業ともに微増収にとどまった。一方、コストは新規サービス拡大のための人的投資を行ったため、人件費や外注コストが増加し、営業利益は同23.8%減少の269百万円となった。

新規顧客獲得による売上増が想定を下回り、既存顧客からの収入も価格低下などで減少した。一方で「インサイト」など新規サービス群は順調に拡大し、セグメント売上高は増収だった。
利益面では、メンタルヘルスケアサービスの先行投資によるコスト増、人事・産業医療連携サービスの新規立上がりに伴う初期投資などで、セグメント利益は損失となった。

GLTD販売は順調に増加したため、保険会社を顧客とするBPO等の事業整理の影響をカバーし、セグメント売上高は増収だった。
GLTDはコストも改善したため、セグメント利益も増益となった。

(3)主な施策
◎休業者(休職者)・復職者管理代行サービス「H-ARM-ONY(ハーモニー)」の販売開始

同社のH-ARM-ONYクラウドシステムを利用し、企業が休業者(休職者)・復職者のスケジュールを管理できることに加え、人事代行スタッフによる企業の管理体制コンサルティングや、臨床心理士および保険師による休業者への対応など人的サポートも行うもので、煩雑になりがちで企業単独では効率的に実行し難い休業者管理業務をサポートする。500人から数千人規模の企業に好評ということだ。

◎「産業医・産業保健師サービス」の販売を開始

ストレスチェック義務化法案への対応として、産業保健の視点で企業の健康管理をサポートする「産業医・産業保健師サービス」の販売を開始した。(ストレスチェック義務化法案およびその対応の詳細は後述)

◎中小企業向け販売チャネル強化

パートナー企業の営業支援及び新規パートナーの開拓に注力した。(販売チャネル強化についての詳細は後述)

◎中国事業から撤退

2011年に中国・上海にメンタルヘルスケア業界初の現地法人を設立したが、中国における事業環境が大きく変化したことに加え、国内事業への経営資源の集中を図るため、撤退を決定した。

流動資産は現預金の減少等で前期末比91百万円減少。固定資産も有形固定資産の減少で同7百万円減少し、資産合計は同98百万円減少した。
負債は、長短借入金の減少、保険料預り金(保険代理店として契約者から領収した保険料)の減少等で同204百万円の減少となった。純資産は利益準備金の増加で同105百万円増加した。
この結果、自己資本比率は56.7%と前期末の50.7%から6%上昇した。
(なお、保険会社に帰属する保険料で同社の口座に残高のあるものについては、保険代理店勘定及び保険料預り金として対照勘定処理を行っている。これらを除いた場合の自己資本比率は67.4%となる。前期は61.7%)

営業CFのプラス幅は縮小したが、収入を維持。これを原資に積極投資と借入金の返済を継続している。

2015年3月期業績予想

増収・増益を見込んでいる。主な施策は以下の通り。
配当は安定配当を継続し、前期と同じく4円/株を予定。予想配当性向は18.8%。

◎ストレスチェック義務化への対応に伴う各種施策を準備。

商品ラインナップのリニューアル、業務改善と生産性向上、営業体制の強化などの準備を更に進める。 特に、法律要件を満たした上でのリーズナブルでより高い効果が見込まれる商品構成を作り上げる事と、業務量の増大が予想される中でシステム投資を含めたビジネスプロセスの改善が必要と認識している。

◎EQ/インサイトの商品力およびチャネル強化

2013年9月に経団連が公表した「採用選考に関する指針」による新卒採用の時期のずれをカバーし、売上増を達成するため、サービスインフラの強化や商品バリエーションの増加など「商品力強化」と、新規パートナーの獲得と既存パートナーの支援強化といった「チャネル販売力の強化」といった施策を実施する。

◎GLTDの販売網強化と加入者拡大の推進

保険会社との連携を拡大するとともに、大企業グループの企業代理店や地域の有力代理店との連携を強化する。 また、既存顧客からの売上を拡大するため、任意加入率を更に引き上げることを目指して企業の人事部門と一体となり募集施策を実施する。

成長戦略

同社では今後の成長戦略として「ストレスチェック義務化に伴う市場拡大」、「採用検査市場への本格参入」、「販売パートナー活用による地方・中小マーケットの開拓」の3点に注力している

(1)ストレスチェック義務化に伴う市場拡大への対応

労働安全衛生法の一部を改正する法案が可決・成立した。
同法案は、「医師又は保険師による心理負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施」を義務化するとともに、「労働者が希望した場合は、医師による面接指導の実施及び面接記録の保存」を義務化したもの。
ただし、労働者50名未満の事業場は努力義務となっている。
うつ病など精神障害の増大に対応するもので、法案は公布から1年半以内に施行されることとなる。
同社によれば、同社がメイン顧客とする従業員500名以上の事業所は全国で約6,000社あり、現時点では義務化のみで罰則規定は無いものの、コンプライアンスが重視される現在、9割以上が実施すると見ている。

言うまでも無く同社にとっては大きなビジネスチャンスの到来となるため、改正法案の具体的な動向を見定めて、サービス強化・新サービス提供を実施する。

法律で定めた最低限を実施するリーズナブルな新商品を開発するほか、対策の実効性を高めることが必要であることから、義務化+αの付加機能の提供も行うと考え。

①産業医、保険師サービス

産業保健の視点で企業の健康管理をサポートする「産業医・産業保健師サービス」の販売を開始する。
法制化された場合には産業医・保険師による面接指導の実施が義務化されるため、メンタルヘルスに対応できる産業医・産業保健師との連携を深め、ニーズの高まりに対応する。

②休業者(休職者)・復職者管理代行サービス

これは前述のように、「H-ARM-ONY(ハーモニー)」という商品名で販売を開始した。
煩雑な業務やトラブル対応に悩んでいる企業に対し代行サービスを提供する。

同社では、2015年後半からの義務化を想定し、今期初から直販営業スタッフを倍増させるなど、様々な対応を進める考えだ。

(2)採用検査市場への本格参入

EQ(感情知能)、ストレス耐性の測定に特に強みを持つ新卒・中途採用検査(適性検査)の「アドバンテッジ インサイト」は販売2年目になるが、企業のニーズを捉え順調に推移している。
検査の実施や採用選考時のサポートに加え、内定フォロー、入社後メンタルヘルスケアなど、入社後一定期間までの社会人としてのスタートを一貫サポートするパッケージの提供も開始した。
更にオプションサービスの活用で、より一層効果的な新入社員の戦力化や若年離職の防止を図る。

EQやストレス耐性は性格とは異なり適切なトレーニングによってその能力を高めることが出来るという事は「認知行動療法」という領域から明らかとなっている。採用以降のトレーニングや研修での利用価値が高く、例えば採用内定者の会社に対する忠誠心を向上させ内定辞退を減少させるといった成果も出ているという。

採用に当たっての適正検査の市場規模は70億円から80億円とも推定されており、同社では将来的に数十億円規模の売上高も期待できると考えている。

(3)販売パートナー活用による地方・中小マーケットの開拓

同社の様々な商品を販売する販売パートナーは2014年3月末で146社となっているが、350社程度への拡大を目指している。今後もセミナー実施などにより既存パートナーに対する営業支援を強化すると共に、新規パートナーの獲得も進め、地方の中小企業を中心としたマーケットの開拓を進める。
パートナーの業種は、研修提供、人材派遣、採用媒体、教育・人事イベント企画など、人材に関連する企業が中心となっており、「アドバンテッジ インサイト」や「EQ研修」などを商材として扱っている。

鳥越 慎二社長に聞く

今後の取組みや課題、投資家へのメッセージなどを鳥越社長に伺った。

<今後の業績について>
ここ数年トップライン(売上高)が伸び悩んでいることが大きな課題。
好調に立ち上がっているものもあるが、損保会社向けBPOビジネス、中国ビジネスなど縮小していくものもあり、またリーマンショック以降の企業のコスト意識の高まりの中で、B to B ビジネスである当社ビジネスは価格低下圧力が強く、思ったように売上を伸ばすことが出来なかった。
ただ、B to Bの環境も改善傾向にあると共に、上記のマイナス要因も先が見えてきた。一方でストレスチェック義務化、インサイトなど明るい材料も増えてきた。
そこで、この段階でシステム投資を行って効率性を高める基盤を整えておき、増収時に大きく利益を生み出せるようにしておきたい。
そのため2015年3月期までは先行投資の時であり、2016年3月期以降、本格的に収益を生み出すようにしていく。
現時点では、上場維持費用を始めとした間接経費が大きいので利益率は低くなっているが、限界利益率の高いビジネスなので、売上規模を引上げれば収益性は無理なく高められる。
<社員の働き方について>
当社では行動指針「The Advantage Way」を定め、社員の行動基準である「5つのアドバンテッジ」を掲げており、常に社員はこれを意識して行動している。
私も月1回の朝会など、機会があるたびに社員にメッセージを発している。
年に1回、全体会議「カンパニー・ミーティング」を開催しているが、その際、「5つのアドバンテッジ」に対応した5つのアドバンテッジ表彰を行い、社員の更なる意識向上を図っている。
<投資家へのメッセージ>
当社は、日本企業およびそこで働く方々の能力を最大限に発揮してもらうためのお手伝いをしており、社会的意義・価値は極めて高いと自負している。
一方で、企業である限り、いくら社会的意義が高くても利益を出さなければ意味が無く、当社に関わる人たちが皆ハッピーになれるよう、ビジネスを伸ばす事にも大きな意欲を持っている。
ただ、短期的な利益を追求していきたくはない。中長期的に、より大きな利益が生み出せるよう、きちんと投資も行っていくので、中長期の視点で是非応援していただきたい。
配当性向15~20%を目途に、安定した配当を目指していく。
今後の注目点
近年売上が伸び悩んできた同社にとって、ストレスチェック義務化は大きなフォローの風だ。現在想定されているスケジュールでいけば、2015年後半より義務化スタートという事なので、早目に対応する企業は今2015年3月期から実施することとなるようだ。ただ、このビジネスチャンスには当然の事ながら新規参入も含め、激しい競争が起きることは確実だ。シェアトップ、業界唯一の上場企業である同社のアドバンテッジがどこまで発揮できるか?大いに注目したい。
株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
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