(3034:東証1部) クオール 2014年3月期業績レポート

2014/06/18

QOL

今回のポイント
・14/3期は前期比31.5%の増収、同25.2%の営業減益。既存店の好調と過去最高となる104店舗(閉店22店舗)の出店で調剤事業の売上が伸びる中、CSO(※1)事業を営むアポプラスステーション(株)を中心に関連事業の売上がほぼ倍増。薬剤仕入れ価格の上昇やCMR(※2)等への先行投資で減益となったが、売上高が1,000億円、店舗数が500店舗を、それぞれ突破。中期目標である売上高3,000億円、営業利益240億円の達成に向け歩みを進めた。

・15/3期は前期比11.7%の増収、同75.7%の営業増益予想。2014年4月の薬価・調剤報酬の改定や消費税率の引き上げが調剤事業には逆風となるが、構造改革を推進することにより増収増益を目指す。出店は、41店舗を計画しており、すべてのM&Aを織り込んではいないが、M&Aにも積極的に対応していく。配当は、第2四半期末8円、期末10円の年18円を予定。

・コンシューマーの生活動向の変化と認知度の向上で、調剤薬局は利便性の高さで選ばれる時代を迎えつつあるが、異業種との連携とIT戦略で他社に先駆けて利便性向上に必要な面展開を進めてきた同社はアドバンテージを有する。また、14/3期に着手した入札制度(後述)も業界の取引の透明性確保を念頭に置いたもので、15/3期以降は仕入価格の適正化を通じて業績にプラスとなる見込み。目先の投資負担や逆風を恐れず、先を見据えた経営を断行できる事が同社の強みである。

※1 CSO(Contract Sales Organization):医薬品販売業務受託機関
※2 CMR(Contract Medical Representative):CSO企業に所属しながら、派遣または請負の形でCSO企業の契約先である製薬企業で医薬情報担当者として就業する者
会社概要

首都圏を中心に、調剤薬局を全国に展開。医療機関とのマンツーマン体制を基本とする事で調剤薬局間の無駄な顧客獲得競争を排除してきた。一方で、近年では面分業強化の観点から新業態店舗の開発にも取り組んでおり、現在、(株)ローソンとの資本業務提携による「コンビニエンスストア(以下、CVS※)併設型調剤薬局」(調剤薬局とコンビニの融合)、家電販売大手の(株)ビックカメラとの連携による出店、更にはJR西日本グループとの業務提携による駅型調剤薬局「駅クオール薬局」といったプロジェクトが進行中。また、子会社を通してCSO事業、教育サポート事業、売店事業などの関連事業も手掛ける。

※CVS:Convenience Store

【事業セグメントとクオールグループ】

事業は調剤事業と関連事業に分かれ、2014年3月期は調剤事業の売上が全体の90.4%を占めた。各事業の概要は次の通り。

調剤事業

クオール(株)等が手掛ける調剤薬局の経営が中心だが、CVS併設型調剤薬局における物販の収益も含まれている。2014年3月末現在のフランチャイズ2店舗を含めたグループ店舗数は520店舗。

関連事業

アポプラスステーション(株)のCSO事業、クオールRD(株)(※)の治験事業、クオールアカデミー(株)の教育サポート事業、メディカルクオール(株)の出版関連事業、メディコ(株)の売店事業が当セグメントに含まれる。
※クオールRD(株):(株)イービーエムズと(株)エスカルラボラトリーズが2013年10月に合併

【店舗ネットワーク】

2014年5月28日現在の店舗数は526店舗で、関東が全体の52.3%を占める。
関東地区 :275店舗 52.3%  中国地区  : 20店舗 3.8%
近畿地区 : 77店舗 14.6%  四国地区  : 14店舗 2.7%
東北地区 : 68店舗 12.9%  九州地区  : 12店舗 2.3%
中部地区 : 55店舗 10.5%  北海道地区 : 5店舗 1.0%
上記店舗数には、CVS併設型店舗:37店舗、ビックカメラ内店舗:4店舗、駅クオール薬局:1店舗、及び売店:50店舗が含まれる。

【調剤市場の動向】

調剤薬局は全国に5万5千件あり、コンビニとほぼ同数。同社が創業した1992年には14%程度だった医薬分業比率だが、現在、約66%にまで高まっている。また、調剤市場は年率3%~8%の成長が続いており、市場規模は6.6兆円だが、大手チェーン薬局の売上高は約6,600億円にとどまり、シェアは10%(クオール約1.5%)とマーケットリーダーが存在しない。しかし、医療費の抑制に取り組む国策の下で、薬価・調剤報酬の改定や消費税率の引き上げで中小薬局の経営は徐々に圧迫され、M&Aが活発化しており、今後、大手チェーン薬局の寡占が進んでいくとみられている(分業率が100%に上昇した場合の市場規模は推定で10兆円。大手チェーン薬局のシェアが過半を超えると予想されている)。

【調剤薬局の収益構造】

一般的には調剤薬局が処方箋を1枚処理した場合、処方箋単価の約25%が技術料で残り約75%が薬剤料として調剤薬局の収入となり、技術料は100%粗利となるが、薬剤料は薬剤の仕入原価を差し引いた残りが粗利となる。

2019/3期 売上高3,000億円、営業利益240億円構想
 -調剤事業と関連事業の両輪で新しい価値を創出-

質・量共に業界No.1を目指すと共にクオールグループの企業価値の最大化を図るべく、売上高3,000億円、営業利益240億円構想が進められている。売上高3,000億円の内訳は、1,000店舗体制の構築を念頭に異業種との連携やM&Aによりトップラインの引き上げを目指す調剤事業が2,400億円、CSO事業を手掛けるアポプラスステーション(株)を中心とする関連事業が600億円。営業利益240億円の内訳は、利益率5%を想定している調剤事業のセグメント利益(営業利益)が120億円、一方、関連事業は利益率20%を想定しており、セグメント利益は120億円。調剤事業は出店とM&Aでトップラインを伸ばし、関連事業で利益を下支えする考え。また、専門領域をもった質の高い薬剤師の育成にも取り組み、高度先進医療への対応も進めていく。

(1)調剤事業

これまでは処方箋を受け取った患者が自ら薬局を選ぶ事はほとんどなく、病院等の近くの薬局(門前薬局)を利用するケースが一般的だった。しかし近年では、自宅の近くや買い物のついで、或いは通勤・通学の途中で薬局を利用するコンシューマーが増加している。実際、同社が電通を通して実施している市場調査でも、上記を裏付ける結果が出ていると言う。

通常、調剤薬局は大病院など大手医療機関の門前に店舗を構え、好立地を活かした店舗運営を行うケースが多いが、同社は、医療機関と1対1の密接な関係(処方元医療機関の医師との強固な信頼関係)を構築していくマンツーマン薬局を基本とする一方、異業種と連携した面展開による店舗戦略で患者のニーズに応えている。

この一環として、2010年ローソンと提携し同社がローソン店舗の法人オーナー(フランチャイジー)として調剤薬局を併設したコンビ二運営を行っている他、駅前の好立地に店舗展開し、強い集客力を誇るビックカメラとの連携やJR西日本グループとの提携による究極の好立地とも言える駅構内での店舗展開にも取り組んでいる。特にCVS併設型調剤薬局や駅構内の店舗の運営は従来の調剤薬局の運営と大きく異なるため労務管理やコスト管理で難しい面はあるが、いずれの取り組みも成果をあげつつあり、「認知されれば処方箋が集まる」事が確認できた。調剤市場は、コンビニ、ドラッグストア、スーパー等、異業種との競争激化が予想されるものの、同社は異業種の強みを取り入れる事で競争を勝ち抜いていく考え。

ローソンとの提携

利便性(コンビ二)と専門性(調剤薬局)を融合する事でより身近で利便性の高い調剤薬局を実現するため、2010年8月にフランチャイジー契約の下、CVS併設型調剤薬局の1号店を出店した。2012年8月には、関係強化を図るべく業務提携先だった(株)ローソンと改めて資本提携も行い(5%の出資受入)、14/3期末現在、CVS併設型調剤薬局は既に37店舗を数える。

同社にとっては慣れないコンビニ運営ではあったが、徐々に立地の選定や運営ノウハウの蓄積が進んできたことから、15/3期以降は店舗コンセプトを「薬局とコンビニの融合」から「ヘルスケアCVS」に改めると共に、収益性を重視してスクラップ&ビルドを進めていく。具体的には、「ヘルスケアCVS」のコンセプトの下、調剤、ドラッグストア、コンビニを融合した店舗スタイルとする。(OTCの販売を調剤に移管すると共に物販の商品構成も見直す)。また、従来、60代以上をターゲットとしていたが、今後は若年層からの幅広い年齢層を対象に小商圏での健康づくりに貢献していく。新規出店は、今後、2年間で10~15店舗を計画しており、収益性重視の観点から物件を厳選して行う。

上記方針の下、14/3期は当初70店舗を計画していた新規出店を8店舗にとどめ、1店舗を閉鎖した。15/3期は新コンセプトに基づく運営体制の整備に努め(ローソン事業の売上高は100億円を超える見込み)、2015年度にはローソン事業を黒字化させたい考え。

出店から3期が経過した店舗の処方箋増加率

※ 店舗名の左に「L」とあるのはローソンクオール薬局、「NL」とあるのはナチュラルローソンクオール薬局。立地特性等によるバラつきはあるものの、各店舗で認知度向上と共に処方箋枚数が増加しており、多くの店舗が損益分岐点(処方箋応需枚数)を超えている。

ビックカメラとの連携

有楽町、新宿、名古屋、札幌のビックカメラ店内に出店している。ビックカメラ店舗への出店は、ターミナル駅に近い立地の良さとビックカメラの集客力による1日当たり数万人の集客が魅力だ。面対応(※)薬局として認知され、処方箋応需医療機関数、処方箋受付枚数共に増加傾向にあり、特に有楽町店及び新宿東口店(ビックロ)は月間の処方箋受付枚数が1,400枚を超えている。
※面対応:不特定の医療機関から幅広く処方箋を応需すること

JR西日本グループとの提携

2012年8月、新業態の調剤薬局の確立による新たな顧客層及びマーケットの開拓を念頭に、駅構内店舗の企画・開発を手掛ける(株)ジェイアール西日本デイリーサービスネット(兵庫県尼崎市)と業務提携した。提携の一環として、「駅の救急箱」をコンセプトに駅クオール薬局JR大阪店(年中無休、営業時間7:00~22:00)を2013年4月にオープン。利便性の高さが近隣の医師や患者から評価されており、既に1,000以上の医療機関の処方箋を応需、処方箋単価は期初計画の7,000円を上回っている。また、第一三共ヘルスケアのロキソニンS(市販薬へのスイッチOTC)の販売では全国No.1の実績を誇る。今夏には2号店を新大阪駅にオープンする予定で、近隣のクオール薬局との相乗効果も期待されている。

(2)関連事業

調剤事業は2年に1回の薬価・調剤報酬の改定や消費税率の引き上げによる収益の圧迫を避ける事ができない(調剤薬局は仕入段階で消費税を負担するが、調剤売上に消費税を転嫁できない)。こうしたリスクを吸収して安定成長を実現するべく関連事業を拡大している。

具体的には、グループ会社のアポプラスステーション(株)が展開するCSO(MR※の派遣)事業と人材サービス(看護師、薬剤師、登録販売者等の登録派遣)事業、クオールRD(株)の治験事業、クオールアカデミー(株)の教育サポート事業、メディカルクオール(株)の出版関連事業、及びメディコ(株)の売店事業を展開しており、特に力を入れているのが、MR派遣のCSO事業。医薬品市場は、ジェネリック薬の拡大、新薬不足などで、製薬会社のコスト構造に変化が現れ、固定費削減が進められている。その結果、正社員のMRから派遣のMRへ需要が増加傾向にある。アポプラスステーション(株)では受注増に対応するためCMRを前倒しで採用しており、現在のCMRは約530名だが、今後は1,000名規模に倍増させる計画。また、人材サービス事業においても、薬剤師は国家試験の合格率低下、看護師は需給がひっ迫していることと介護需要の増加により、慢性的な人材不足となっている。さらにドラッグストアの出店拡大により、登録販売者の需要も増加しており、医療従事者の派遣市場は年々拡大基調にある。この流れを受けて、14/3期はCMRの先行投資に伴う人件費等の上振れを吸収し、増収増益で計画を上回る着地となった。

※MR(Medical Representative):医薬情報担当者

(3)高度先進医療への対応等、質の高い薬剤師の育成

高度先進医療の進展によって、外来での抗がん剤治療なども年々増加しており、調剤薬局にも高い専門性を持った薬剤師が必要とされている。同社では、疾患別に病態から治療までを学ぶ「QOL(クオール)認定薬剤師制度」を設け、高度な専門知識を持った薬剤師の育成にも力を入れている。2013年度にはがん認定薬剤師制度を開始、50名が認定を受け、2014年度からは「認知症認定薬剤師」も新設された。2014年3月現在、全認定薬剤師は2,500名を超えている。求められる医療ニーズに応じて専門性の高い薬剤師を育成する事で競合他社との差別化を図る考えだ。

2014年3月期決算
前期比31.5%の増収、同25.2%の営業減益

売上高は前期比31.5%増の1,009億66百万円。既存店の好調と新規出店及びM&A効果で、主力の調剤事業の売上が同27.0%増と高い伸びを示し、アポプラスステーション(株)が手掛けるCSO事業が牽引し、関連事業の売上もほぼ倍増した。

利益面では、計画に対し医薬品調達コストの増加等により原価が約4億円、および販管費が約10億円の増加し、営業利益が21億05百万円と同25.2%減少した。不採算店舗の積極的な閉店などにより特別損失4億25百万円を計上し、当期純利益は7億77百万円と同42.4%減少した。
期末社員数は、前期末に比べて916名増の3,301名(個別ベースでは同269名増の2,205名)。このうち薬剤師は同230名増の1,431名(個別ベースでは同197名増の1,273名)。上記の他、臨時雇用者が461名増の1,528名(個別ベースでは同212名増の994名)。

調剤事業

売上高913億14百万円(前期比27.0%増)、売上総利益77億03百万円(同7.4%減)。売上面では、既存店の売上が順調に伸びた事に加え、M&A効果も大きかった。ただ、利益面では、医薬品調達コストの増加等による原価率の上昇で売上総利益が減少した。
尚、M&Aにより、(株)アルファーム、(株)セントフォローカンパニー等66店舗を取得し、期末店舗数は2013年3月期末(438店舗)に比べて82店舗増の520店舗(2014年5月:526店舗)。104店舗の新規出店を行う一方、22店舗を閉店した。

関連事業

主にアポプラスステーション(株)の業績が好調に推移した結果、売上高は96億52百万円(前期比97.6%増)、売上総利益31億93百万円(同189.4%増)の増収増益となった。

期末総資産は前期末に比べて131億14百万円増の539億04百万円。新規出店やM&Aで売上債権、たな卸資産、有形固定資産、及び無形固定資産(「のれん」が53億円増加)が増加。長短借入金の積み増し、社債の発行、及び公募増資(約34億円を調達)による資金調達で必要資金を賄った。有利子負債が増加したものの、企業財務の安全性を見る指標の1つで、一般に1倍を下回ると財務が安定しているとされるネットD/Eレシオ(=(有利子負債-現預金)/自己資本)は0.65倍(前期末は0.58倍)にとどまる。

利益の減少と店舗ネットワークの拡大に伴う運転資金の増加で営業CFが減少する中、M&Aで投資CFのマイナス幅が拡大したため、フリーCFが60億32百万円のマイナスとなった。

2015年3月期業績予想
構造改革を推進し、増収増益へ

売上高3,000億円構想に向けて、調剤報酬改定などの影響を最小限に食い止めるため、構造改革として①聖域なきコスト削減 ②入札制度実施(取引の透明性、早期妥結、安定した収益確保) ③ローソン事業の収益改善(第三世代:ヘルスケアCVS) ④関連事業の収益拡大(中核となるCSO事業の収益力向上)等に取り組む。また、ジェネリック医薬品を積極的に推進し、期末までに全店舗の80%で後発医薬品調剤体制加算を取得し、「お薬手帳」の持参率を70%に引き上げる。

出店は収益性を重視するため41店舗(ローソン事業10店舗)にとどまるが、すべてのM&Aを織り込んではおらず、M&Aにも積極的に対応していく。ローソン事業は第三世代の「ヘルスケアCVS」に出店スタイルを転換し、収益を改善、売上高は100億円規模に拡大する見込みで、2015年度黒字化を目指す。

15/3期末には後発医薬品調剤体制加算を80%の店舗で取得する見込み

2014年4月の調剤報酬改定では、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の調剤を促進するため、後発医薬品調剤加算の要件が見直された。後発品の調剤が一定の割合を超えると調剤報酬の点数が加算され、55%以上で18点(加算1)、65%以上で22点が加算される(加算2)。改定前は22%以上で5点(加算1)、30%以上で15点(加算2)、35%以上で19点(加算3)の3段階だったが、15/3期以降、上記2段階に変更された。15/3期は後発医薬品の積極的な推進により、全店舗の80%で後発医薬品調剤体制加算を取得する見込みとなっている。

(2)流通改革

2014年3月、同社はアイセイ薬局やドラッグストアのココカラファイン等、調剤薬局・ドラッグストア19社と共に、卸へ医薬品の競争入札を行う医薬品調達機構を立ち上げた。

医薬品調達機構は、医薬品を5つのカテゴリーに分け、このうち新薬創出加算品、特許品、及び長期収載品の3カテゴリーについて、カテゴリー別に事前に医薬品卸に対して購入予定価を通知、その価格に対して医薬品卸は一般競争入札を行う。残りの後発医薬品、エッセンシャルドラッグ(※)は従来通り、各社がおのおの各取引先と交渉する。これによって、医薬品価格の早期妥結を図ることが可能となり、医薬品購入の仕入れコストを圧縮させることができる。これまでの決算は、医薬品卸と医薬品購入に関する交渉の長期化により、期初に計画した利益の確保が困難な状況だったが、今後は入札制度によって安定的な利益確保が可能になる。

※エッセンシャルドラッグ:必須医薬品、その国の保険医療に必要な最低限必要な医薬品

(3)配当は1株当たり年18円を予定

配当は、第2四半期末8円、期末10円の年18円を予定。同社は利益配分に当たって、「安定的な成長を確保するための内部留保資金を充分に考慮しつつ、連結業績及び配当性向等も総合的に勘案して、株主の期待に応えていく事」を基本方針としている。

今後の注目点
同社は調剤にかかる技術料を基にした適正な利益の獲得を目指すと共に、適正な利益の配分に取り組んでいる。利益の配分では、利便性向上のための新業態への投資や患者の満足度向上のための積極的なIT投資等に力を入れており、ローソンとの提携による「ヘルスケアCVS」の展開は既に説明した通り。また、IT投資では、スマートフォン用の「処方せん送信アプリ」(※)が好評な他、処方箋と一緒に提示する事で患者の過去の処方情報等が照会できるクオールカードの会員も5月末現在約804,800人に達している。
コンシューマーの生活動向の変化と認知度の向上で、調剤薬局は利便性の高さで選ばれる時代を迎えつつあるが、異業種との連携とIT戦略で他社に先駆けて利便性向上に必要な面展開を進めてきた同社はアドバンテージを有する。本来の商習慣への回帰を目指す入札制度も業界の健全な成長を念頭に置いたもので、14/3期は業績予想の下方修正要因となったが、15/3期以降は仕入価格の適正化を通じて業績にプラスとなる見込み。目先の投資負担や逆風を恐れず、先を見据えた経営を断行できる事が同社の強みである。※ 「処方せん送信アプリ」
患者が処方箋をスマートフォンのカメラで撮影し、同社の薬局にメール送信できるアプリケーション。患者は会社帰りや買物の途中等、都合のよい時間に薬を受け取る事ができるため、薬局での待ち時間を短縮できる。
「処方せん送信アプリ」は、2013年10月にビックカメラ内のクオール薬局4店舗(有楽町店、新宿東口店、名古屋駅西店、札幌店)2013年11月にナチュラルローソンクオール薬局4店舗、駅クオール薬局JR大阪店等で運用を開始し、その後、CVS併設型調剤薬局やクオール薬局の一部店舗にネットワークを広げた。さらに2014年6月には39店舗を追加し、全国55店舗で導入している。「処方せん送信アプリ」は、患者の利便性向上はもちろん、門前から面への流れを後押しする効果や、クオールカードとの相乗効果も期待できる。
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