(2714:JASDAQ) プラマテルズ 2014年3月期業績レポート

2014/06/11

plamatels

今回のポイント
・14/3期は前期比7.1%の増収、同2.6%の経常増益。事務機器・OA機器等で使われる主力のエンジニアリング系樹脂が同9.3%増加した他、家電・電子、パソコン及び周辺機器等での使用が多いスチレン系樹脂も同9.3%増加。地域別では、海外売上高が同15.6%増と大きく伸び、国内売上高も同3.3%増と堅調に推移。ナフサ(粗製ガソリン)価格上昇を反映した原価率の上昇や国内外での拠点拡充に伴う販管費の増加を吸収して同1.9%の営業増益。

・15/3期は前期比4.9%の増収、同9.5%の経常増益を見込む。取り組み方針は、①海外拠点を有機的に活用する事で得意先である海外進出日系企業との取り組みを拡大し、顧客密着型の営業を徹底し、共に拡大を図る、及び②国内・海外の連結子会社を含め、グループ全体としての連携強化に努め、増収増益を目指す。配当は1株当たり上期末7円、期末8円の年15円を予定。

・香港、深セン、上海、大連、天津、フィリピン、タイ、インド、台湾の現地法人、更には中国安徽省・合肥出張所等の営業拠点やベトナム及びフィリピンのコンパウンド工場、と前期で海外の拠点整備が一巡した。今後は、上記海外拠点と国内の各拠点及び連結子会社2社との連携強化によるグループシナジーの発揮がポイントとなる。

会社概要

合成樹脂の専門商社。原料メーカーから仕入れた樹脂原料やコンパウンド(樹脂原料に添加剤を加え機能を強化した成形材料)をセットメーカーや成形メーカー及び樹脂の二次加工メーカーに販売している。最終用途は、電子・電機・OA事務機器、玩具、住宅建材、自動車等。連結子会社12社(国内2社、中国4社、香港1社、シンガポール1社、フィリピン1社、タイ1社、インド1社、台湾1社)、持分法適用関連会社1社(ベトナム)等と共にグループを形成し、子会社が合成樹脂フィルターの製造・販売も手掛ける。また、総合商社の双日(株)グループにおいて合成樹脂部門を担う双日プラネット(株)が株式の46.5%を保有している。

【沿革】

1951年3月、合成樹脂の販売を目的とした日本樹脂(有)として設立され、52年3月に株式会社に改組。2000年1月のプラマテルズ(株)への商号変更を経て、01年10月にJASDAQに株式を上場した(11年10月にJASDAQ上場10周年を、12年3月に設立60周年を、それぞれ迎えた)。社名の「プラマテルズ」は、合成樹脂原料の英語名プラスチックマテリアルズに由来する。

グループでの拡大戦略や積極的な海外展開も同社の特徴で、03年1月に香港に現地法人を、同年4月に上海に現地法人を、それぞれ設立。その後、シンガポールに拠点を開設し(04年3月に法人化)、04年10月に天津に現地法人、06年2月には東洋インキ製造(株)との合弁でベトナムにコンパウンド製造・販売会社を設立(出資比率20%)。アジア進出を進める日系企業への供給体制の充実を図るべく、09年1月にシンセン、同年8月に大連、11年7月にフィリピン、12年7月にタイ(バンコク)、13年5月にインド(プネー)、同年8月に台湾、と子会社を相次いで設立した。

また、グループに製造部門を有し、上記の合弁会社の他、98年11月に二次加工等の(株)富士松を100%子会社化し、更に03年9月にはフィルタレン(株)を設立して同年10月よりメディカル向け等の合成樹脂フィルターの製造・販売を開始した。

【事業の特徴】

石油精製の過程で得られるナフサ(粗製ガソリン)を高温熱分解して得られるエチレンやプロピレン等の出発原料を重合すると(分子同士を結合させて高分子にする事)、プラスチック、合成繊維原料、合成ゴム等、基礎製品の原料(樹脂原料)となるポリエチレンやポリプロピレン等の高分子が生まれる。同社はポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂原料(ベース樹脂)やコンパウンド(樹脂原料に目的とする性能や機能を得るために強化材や添加剤を配合したもの)を原料メーカーからペレット(加工しやすいように3~5mm程度の粒子状にしたもの)として仕入れて、OA機器、家電、自動車部品メーカー等に販売している。

重点仕入先と仕入商品及び用途

旭化成グループ

スチレン系プラスチック :冷蔵庫、エアコン等

東洋インキグループ

コンパウンド :OA・事務機器

帝人グループ

エンジニア系樹脂原料 :カメラ・プリンター外装

この他、双日グループ、チッソグループ、三井化学グループ、出光興産グループ等

売上高の83.4%は樹脂原料で、相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系やスチレン系の樹脂原料の取扱が多い。エンジニアリング系樹脂原料とはポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート等で、用途はOA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)等。一方、スチレン系樹脂原料とは、ポリスチレンやABS樹脂等で、エアコン、冷蔵庫等の白物家電、パソコン及び周辺機器、FAX、及び玩具等で使われている。

販売先業界別の構成比(個別ベース売上高上位100社)は、日本メーカーが圧倒的な強みを持つ事務機器・OA向けが32.6%、スチレン系・オレフィン系が中心の家電・電子向けが15.0%、塩化ビニール系材料が中心の建材11.0%、オレフィン系のポリエチレン・ポリスチレン等の医療機器が10.4%。この他、自動車向け6.4%、容器・化粧品4.3%、玩具・その他20.4%、と取引先は多様だ。

【コアコンピタンスと競合先】
(1)コアコンピタンス

高付加価値商材の拡販の原動力となっているのが、(1)合成樹脂原料に関する高い専門性、(2)商社としてのネットワークを駆使した提案力、及び(3)顧客との質の高いコミュニケーションに基づく少量多品種即納体制、の3点。いずれも合成樹脂専門商社に不可欠な要素であり、最もQCD(Quality、Cost、Delivery:品質、価格、納期)に厳しい日本の優良企業との継続的取引の中で同社が磨き上げてきたコアコンピタンスである。高い専門性を背景にメーカーと一体となって提案営業を進める事でビジネスを広げ、少量多品種の即納対応と顧客密着型の営業展開で顧客満足度を高めている。

(2)競合先

ライバルは、総合商社系列の専門商社や化学系専門商社であり、海外ではブローカー等。総合商社系列の専門商社は基本的に汎用品等の大きなロットでのビジネスを志向しており、同社のように提案営業による需要の掘り起こしや多品種少量の取引に積極的に対応するケースは少ない。海外ではブローカー的な企業が取引に介在する事はあるが、同社のようにきめ細かい営業を行うことは稀。
取扱商品が我々最終消費者の目に触れる事がめったにないため、理解しにくい一面を持つ同社だが、国内外のライバルと比較すると、同社の存在感が際立ってくる。

【成長戦略】

14/3期実績ベースの地域別売上構成比は、国内66.7%、香港17.5%、中国12.1%、アジアその他3.7%。改めて国内での足場固めを図ると共に、海外では、アジアでの営業ネットワークを構築し顧客企業のアジアでの生産拡大をサポートしていく。また、同社の顧客は、精密機器、医療機器、家電・電子等の勝ち組企業が多く、いずれの顧客も国内外での生産バランスに配慮した経営を行っているため、国内も顧客の深耕余地を残している。同社は、顧客に密着した営業展開を徹底する事で国内での足場固めを図っていく考え。

国内

12年5月に弘前営業所を、同年8月に長崎出張所を、それぞれ開設した。弘前営業所の営業圏となる青森にはワールドワイドに展開する精密機器メーカー系の精密部品工場があり、秋田には大手医療機器メーカーの生産拠点がある。また、長崎ではワールドワイドに展開する精密機器メーカーの工場がある。13年6月には大分営業所を九州支店へ組織変更した。

海外

中国沿岸部に加え、広くアジアへ展開する事で変化する顧客ニーズを確実に捉える体制を構築し事業拡大の糧とする。この一環として、11年7月にフィリピン(マニラ)、12年7月にタイ(バンコク)、13年は5月にインド(プネー)、8月には台湾(台中)に現地法人を設立した。14/3期でアジアの拠点整備がほぼ完了し、15/3期以降、アジアに展開する各拠点の業績貢献が徐々に始まる。

2014年3月期決算
前期比7.1%の増収、同2.6%の経常増益

売上高は前期比7.1%増の596億68百万円。海外日系メーカーの需要回復や国内の底打ちに加え、海外の拠点増設効果や円安効果もあり、四半期ベースでの売上の回復が鮮明。事務機器・OA機器等で使われる主力のエンジニアリング系樹脂が同9.3%増加した他、白物家電やパソコン及び周辺機器等での使用が多いスチレン系樹脂も同9.3%増加。医療機器等向けにオレフィン系樹脂も同18.0%増と伸びた。

地域別では、海外売上高が同15.6%増の198億31百万円と増収をけん引する中、国内売上高も397億36百万円と同3.3%増加した。海外拠点では、上海が同34.1%増と大きく伸び、最も売上のボリュームが大きい香港も同10.6%増加。この他、大連が同1.2%増加した他、その他も11.0%増加。海外売上高比率は33.3%と2.5ポイント上昇した(13/3期:30.8%)。

利益面では、ナフサ価格の上昇等を反映して原価率が0.1ポイント上昇した他、前期から今上期にかけて実施した国内外での拠点拡充に伴い販管費も増加したものの増収効果で吸収。営業利益は8億33百万円と同1.9%増加した。
当期純利益が減少したのは、同社及び連結子会社フィルタレン(株)が総合型厚生年金基金を14年9月末で任意脱退するに際して発生する脱退時特別掛金2億66百万円を特別損失として計上したため。

配当は前期と同額の1株当たり期末配当8円を予定(上期末配当と合わせて年15円)。

期末総資産は前期末に比べて9億37百万円増の247億47百万円。売上の回復に伴う運転資金の増加が総資産増加の主な要因。借入金の積み増しで資金需要に対応した。自己資本比率は前期末に比べて2ポイント改善の30.5%。

運転資金の増加に加え、厚生年金基金脱退特別掛金の支払いもあり、営業CFが7億68百万円のマイナスとなった。売上拡大期に営業CFが悪化するのは商社共通の特徴である。

2015年3月期業績予想
前期比4.9%の増収、同9.5%の経常増益予想

15/3期の取り組み方針は、①海外拠点を有機的に活用する事で得意先である海外進出日系企業との取り組みを拡大し、顧客密着型の営業を徹底し、共に拡大を図る、及び②国内・海外の連結子会社を含め、グループ全体としての連携強化に努め、増収増益を目指す。

売上高は前期比4.9%増の625億円。引き続き海外主導での売上増と国内の堅調な推移が見込まれる。海外は前期のような円安効果がなくなるものの、台湾やフィリピンの現地法人の寄与が本格化。国内も、医療機器や自動車部品等向けを中心に堅調な推移が見込まれる。

利益面では、前期ほどの円安効果が期待できないものの、前期で海外拠点の整備が一巡したため、営業費用は主に変動費を中心にした増加にとどまり、営業利益が9億円と同8.0%増加する見込み。

配当は1株当たり上期末7円、期末8円の年15円を予定。同社は、将来の事業展望(海外展開及びM&A)と経営基盤・財務基盤の強化のため必要な内部留保を確保しつつ安定的な配当を継続していく事を基本方針としている。

今後の注目点
香港、深&#22323、上海、大連、天津、フィリピン、タイ、インド、台湾の現地法人、更には中国安徽省・合肥出張所等の営業拠点やベトナム及びフィリピンのコンパウンド工場、と前期で海外の拠点整備が一巡した。今後は、上記海外拠点と国内の各拠点及び連結子会社2社との連携強化によるグループシナジーの発揮がポイントとなる。同社は07/3期に営業利益及び経常利益が最高益を更新したが、その後は世界的な景気悪化と円高で苦戦した。しかし、前期で成長軌道への回帰に向けた体制が整った事から、今期、国内外で安定したオペレーションを確立し想定通りの売上・利益を上げる事ができれば、最高益更新に向けた中期的な展望が開けてくると考える。
株式会社インベストメントブリッジ
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