(2136:JASDAQ) ヒップ 2014年3月期第3四半期業績レポート

2014/04/03

hip

今回のポイント
・14/3期3Q(累計)は連結売上高33億01百万円(前年同期の非連結売上高30億88百万円)、連結営業利益47百万円(同営業利益1億63百万円)。主力のアウトソーシング事業、子会社が手掛けるSMO事業共に堅調に推移したが、アウトソーシング事業での新卒採用の再開と抑制していた賃金の正常化、SMO事業での事業拡大に向けた前倒しの人材採用等で営業費用が増加した。・通期業績予想に変更はなく、連結売上高44億99百万円(前期の非連結売上高40億94百万円)、同営業利益1億80百万円(同営業利益1億66百万円)。SMO事業は通期での黒字確保に向け順調だが、アウトソーシング事業(ヒップ個別業績)の進捗率は、売上高73.6%、営業利益40.6%と利益面での遅れが目立つ。期末にかけての稼働率の引き上げと、引き続き適正レートの確保に努める事で利益の積み上げを図る考え。1株当たり12円の期末配当を予定。

・主力のアウトソーシング事業は、売上高が伸び悩む中、新卒採用や抑制していた賃金の正常化等、人材確保のためのコスト増が利益を圧迫している。しかし、既に技術者数は底打ちしており、新卒採用を継続する事で、徐々に、新卒採用→育成→売上増→利益増、と言う好循環が生まれてくるものと思われる。

会社概要

技術者派遣(アウトソーシング事業)を中心に、SMO事業を育成中。アウトソーシング事業では、輸送機器、エレクトロニクス、情報通信・精密機器、機械、情報処理・ソフトウェア等の分野において、企画から開発、設計、試作までの製品開発フェーズに特化した特定労働者派遣(技術者の派遣)を行っている。本社のある横浜を中心に全国に拠点展開しており、大学院、大学、高等専門学校等を卒業した理系出身者を社員として採用し、教育を施した上で、顧客企業の設計・開発部門に技術エンジニアとして派遣する。開発業務を受託し自社内で対応する請負業務も手掛けており、全社員が生涯技術者として設計開発の革新に貢献している。

一方、SMO事業は、13年2月に100%子会社化した(株)コスメックスの事業領域。(株)コスメックスの子会社化は、今後の成長が見込まれる医療、介護、健康増進等、ヘルスケア分野への事業の展開に加え、更なる企業価値向上と社会貢献を念頭に置いたもの。(株)コスメックスが有する優良な顧客資産と営業力を活かし、同分野周辺の業務を拡大させていく考え。尚、SMOとは、医薬品の開発過程で臨床試験を実施する医療機関に対して支援を行う機関の事。SMOサービスは、SMO(同社)、製薬会社、医療機関との三者契約となっており、SMOは臨床試験に際して医療施設にサービスを提供するが、その対価は製薬会社から受け取る。実際の業務は、同社のCRC(Clinical Research Coordinator、治験コーディネーター)が医療機関に赴き、被験者の人権擁護、治験の円滑な進行、事務業務(症例報告書の作成支援)等に携わる事で臨床試験の担当医師をバックアップする。

2014年3月期第3四半期決算
今期より導入した連結業績は売上高33億01百万円、経常利益63百万円

連結売上高は33億01百万円。売上高の内訳は、アウトソーシング事業(ヒップ個別)が31億47百万円、SMO事業(コスメックス)が1億54百万円。アウトソーシング事業においては、新卒採用の再開で4月に入社した45人の新卒が順次稼働。SMO事業は治験支援業務が予想以上に進捗する中、新規案件の獲得が進んだ。

利益面では、新卒採用の再開に伴う人件費の増加に加え、抑制していた賃金の復元もあり、アウトソーシング事業の利益が減少。SMO事業は、新規案件への対応や更なる事業拡大に向けたCRC(治験コーディネーター)の増員に伴う採用費や教育費の増加で13百万円の損失となった。

(2)セグメント別動向
アウトソーシング事業

売上高31億47百万円、セグメント利益71百万円。4月に入社した新卒技術者の全てが第3四半期までに稼働し、新卒入社に伴い期初に低下した稼働率が徐々に回復してきた。また、稼働時間も前年同期と同水準の高い稼働時間を維持したものの、技術料金は新卒の順次稼働による引き下げ要因等で前年同期比減少。新卒採用の再開や中途採用の強化で自然減等の影響をカバーして第3四半期末の技術者数は599人と前年同期末に比べて18人増加した(13/3期末の571人に対しては28人の増加)。

SMO事業

売上高1億54百万円、セグメント損失13百万円。治験支援業務の進捗が予想よりも進んだ事に加え、新規案件の獲得もあり、売上高は予想比115.7%。ただ、新規案件への対応及び更なる事業拡大に向けたCRC(治験コーディネーター)の採用に伴う採用費や教育費の増加が負担となった。

2014年3月期業績予想
通期業績予想に変更はなく、連結売上高44億99百万円、同営業利益1億80百万円

SMO事業は売上が予想を上回っている上、第3四半期(10-12月)に17百万円の利益をあげている事を考えると、予想通り通期で黒字を確保できそうだ。一方、アウトソーシング事業は、進捗率が、売上高73.6%、営業利益40.6%、経常利益50.0%、と利益面での遅れが目立つ。期末にかけての稼働率の引き上げと、引き続き適正レートの確保に努める事で利益の積み上げを図る考え。
尚、連結決算には、(株)コスメックスにかかるのれん償却13百万円が織り込まれている(1億32百万円を10年間で償却していく)。

配当は1株当たり12円の期末配当を予定(13年4月に1株を100株に分割しているため、実質前期と同額を維持)。同社は、将来の事業展開と経営体質及び財務体質の強化を念頭に内部留保の充実を図りつつ、安定的に配当を実施していく考え。

今後の注目点
アウトソーシング事業は、稼働率が順調に回復しているものの、中途採用の厳しさから技術者数が想定を下回っているようだ。また、新卒技術者の稼働が順調な事もあり、技術料金が想定したレートを確保するまでには至っていない模様。一方、抑制していた賃金の正常化については予定通り実施した。このため、売上が伸び悩む中、人件費の負担が増している。
しかし、期末ベースの技術者数は12/3期末に底打ちしており、新卒の採用効果で14/3期末は600人程度に回復する見込み。それでもピークの09/3期を25%程度下回る水準のため、未だ増員効果は大きくないが、新卒採用を継続する事で、徐々に、新卒採用→育成→売上増→利益増、と言う好循環が生まれてくるものと思われる。
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