(6050:東証マザーズ) イー・ガーディアン 2014年9月期第1四半期業績レポート

2014/02/26

Eguardian

今回のポイント
・14/9期1Q(10-12月)は前年同期比1.1%の増収、同8.0%の営業減益。一部大口顧客との取引減少でソーシャルサポートの売上が減少したものの、ソーシャルゲーム向けを中心にゲームサポートの売上が増加した他、広告審査業務を中心にアド・プロセスも堅調に推移。利益面では営業強化に向けた人件費等の増加が負担となったが、前期末にかけて東京センターの一部業務を宮崎センターへ移管した効果が想定通り表れた。

・1Q決算を踏まえて上期業績予想を上方修正。前年同期比3.8%の減収、同28.4%の営業減益ではあるが、一部大口顧客を除く既存顧客の深耕と新規顧客の開拓が想定以上に成果をあげている。通期では売上高が前期比0.5%増加。業務移管や人員増強に伴う営業費用の増加を吸収して営業利益が同3.7%増加する見込み。

・一部大口顧客との取引減少が減収要因となっているが、取引減少の影響は今期がピーク。来期は減少したとしても、影響は限定的だ。特定企業の色が無くなる事は、そのライバルである大手企業と取引しやすくなるため中期的にはポジティブな材料。

会社概要

ソーシャルWebサービス(SNSやブログ等のソーシャルメディアや、ソーシャルゲーム、ソーシャルコマース等の双方向のコミュニケーションが介在する全てのインターネットメディア)の健全な運営や活性化に寄与するべく、メディアの監視やカスタマーサービス、更には広告審査業務や広告枠管理等のアド・プロセスサービスを提供している。

実際のサービスは、厳格に設定された基準の下、厳選されたオペレーターによる高品質な目視による監視と投稿監視システム「E-Trident」等を駆使したシステムによる監視のハイブリッドで提供されており、社会通念上不適切と考えられるコメントや犯罪を誘引するようなコメントに目を光らせている。また、24時間365日の稼働を強みとする監視センターは、同社が運営する東京(2拠点)、大阪、宮崎の3都市4拠点と、2012年6月に子会社化したイーオペ株式会社(宮城県仙台市)が運営する宮城の2拠点。

【業務区分】

事業は、ソーシャルサポート、ゲームサポート、アド・プロセスの3業務に区分され、いずれも件数に応じた課金体系を採用しており(一部サービスを除く)、高品質なサービスをリーズナブルな価格で提供。投稿監視システム「E-Trident」によるサービスに加え、サイト運用等の提案能力にも優れるイー・ガーディアン(株)とローコストオペレーションを強みとし低単価案件の収益化能力に優れる子会社イーオペ(株)で役割分担がなされている。

【成長戦略】
(1)監視業務のシステム化と顧客のソーシャルメディア運用支援

監視業務は「目視」と「システム」が一体となって進められるが、同社はシステムを強化する事で業務の効率化と付加価値向上に取組んでおり、現在の監視業務は投稿監視システム「E-Trident」をベースにサービスが提供されている。また、監視業務のシステム化で培ったシステム開発力を活かし、顧客のソーシャルメディア運用を支援するツールである「ソーシャルダッシュボード+」を開発し、13/9期に提供を開始した。「システム」のみの提供等にも柔軟に対応する事で多様なニーズを取り込んでいく考え。

投稿監視システム「E-Trident」

投稿監視システム「E-Trident」は、これまでに蓄積してきた技術やノウハウを詰め込んだ投稿監視を効率的に行うためのツール。マンパワーに頼らない効率的な監視が可能で、ベイジアンフィルタ技術を採用しているため、利用し続ける事で監視精度が向上する(対象となるデータを自動的に解析・学習・分類し監視精度を自ら向上させる事ができる)。また、分析やレポーティング機能を有する上、柔軟なワークフロー・エンジンを搭載しているため顧客毎のカスタマイズも可能。これまで顧客毎に個別のシステムを構築していたが、今後は汎用性の高い「E-Trident」に集約し、必要に応じてカスタマイズしていく考え。更に、多言語対応も可能なため、より大きなマーケットの開拓に向け海外展開の準備も進めている。

ソーシャルメディアの運用支援ツール「ソーシャルダッシュボード+」

12年11月にGoogleオフィシャルパートナーとして「ソーシャルダッシュボード+」を、「Google+(ページ)」を運営する企業向けにリリースした。「ソーシャルダッシュボード+」は、Googleが提供するソーシャルネットワークサービス(SNS)であるGoogle+(ページ)の運用を総合的に支援するツールとしてリリースされ、現在では「Google+」だけでなく「Facebook」や「Twitter」といったソーシャルメディア全般に対応している。投稿管理、ユーザーのコメント分類・監視、更にはレポーティングといった機能を有し、Google+ページをはじめとしたソーシャルメディアの運用効率と運用効果を高める事が可能だ。

(2)海外展開

13年3月にマスターピース・グループ(株)と海外でのソーシャルメディア運用代行サービスで提携した。マスターピース・グループ(株)は、国内(6拠点)、中国(5拠点)、タイ・(バンコク)、及びフィリピン(マニラ)にコンタクトセンターを展開し、それぞれの地域で、通信販売の受付や事務手続き、クレーム対応等のカスタマーサポートサービスを提供している。今回の提携を機に、イー・ガーディアン(株)がマスターピース・グループ(株)を通じて、中国や東南アジアに進出した日本系企業に対して「E-Trident」や「ソーシャルダッシュボード+」を提供し、マスターピース・グループ(株)がサポート・サービスを提供していく。特に中国では、中国版Twitterと呼ばれ、中国国内において急成長中のソーシャルメディア「新浪微博(Sina Weibo)」やソーシャルゲームの中国語対応で需要が増加していると言う。
尚、「新浪微博(Sina Weibo)」は、ANA、シャープ、ユニクロ、資生堂、花王等の大手日本企業に加え、地方自治体も公式アカウントを開設している。

2014年9月期第1四半期決算
前年同期比1.1%の増収、同8.0%の営業減益

売上高は前年同期比1.1%増の6億12百万円。一部大口顧客との取引減少で投稿監視やカスタマーサポート(以下、CS)を中心とするソーシャルサポートの売上が減少したものの、市場拡大が続くソーシャルゲーム向けを中心にゲームサポートの売上が増加。広告審査業務を中心にアド・プロセスも堅調に推移した。
営業利益は同8.0%減の61百万円。営業強化に向け人員増強を進めているため、人件費を中心に販管費が増加した。ただ、前期末にかけて東京センターの一部業務を宮崎センターへ移管した効果が顕在化し、期初の想定通り売上総利益率が改善した(29.1% → 30.0%)。あえて予想に織り込まなかった補助金収入の計上(6百万円)による営業外損益の改善と税負担の減少で四半期純利益は48百万円と同22.1%増加した。

ソーシャルサポート

売上高は前年同期比18.7%減の3億08百万円。一部大口顧客との取引減少でセグメント売上高が減少したものの、これは当初から織り込み済み。その他の既存顧客とは取引が拡大しており、顧客ポートフォリオの良化で中期的なポテンシャルは高まっている。下期以降、増収基調に転じるべく、投稿監視システム「E-Trident」及びソーシャルメディア運用支援ツール「ソーシャルダッシュボード+」による差別化や運用・分析といった多種多様な新サービス展開で引き続き既存顧客の深耕と新規開拓に取り組んでいく考え。

ゲームサポート

売上高は前年同期比32.8%増の2億27百万円。AppleがiOS上で運営するApp StoreやGoogleが運営するAndroid携帯向けのアプリマーケットであるGoogle Play内で展開されるスマートフォンゲーム向け等、市場の拡大が続いているソーシャルゲーム関連のサービスが増加した他、コンシューマー向けゲームを作成している大手企業から新規案件の獲得にも成功した。

アド・プロセス

売上高は前年同期比38.7%増の76百万円。既存顧客を中心に広告審査業務が堅調に推移する中、広告枠管理から入稿管理、広告ライティング等のトータルサービスや広告入稿管理業務を円滑に実施するための独自システム開発とのセット販売等、差別化サービスの認知度が徐々に高まってきた。

配当金の支払や自己株式取得、納税等で第1四半期末の総資産は13億円と前期末に比べて1億29百万円減少したものの、無借金経営で資産内容は流動性に富む等、財務内容は良好だ。自己資本比率は77.6%と前期末に比べて3.7ポイント改善した。

2014年9月期業績予想
第1四半期決算を踏まえて、上期の売上・利益予想を上方修正

上方修正された上期予想は、売上高12億円(期初予想比2.2%増)、営業利益85百万円(同117.9%増)。売上面では、第2四半期も一部大口顧客向けの売上減少が続く見込みだが、その他の既存顧客の深耕と新規顧客の開拓が想定以上に成果をあげている。利益面では、売上予想の上振れに加え、監視体制再構築のスケジュール見直しで、費用発生が第1四半期から第2四半期以降にずれ込んだ事も一因。監視体制再構築とはコスト削減を目的とした東京センターから宮崎センターへの業務移管の事で、オペレーションへの影響を最小限に抑えつつ継続的に行っている。ただ、この第1四半期は東京センターの案件売上が想定以上だったため、計画していた業務移管を保留した。

前期比0.5%の増収、同3.7%の営業増益

売上高は前期比0.5%増の25億円。一部の大口顧客向けの売上が前期の3億60百万円から66百万円に減少する事が響くが、既存顧客の深耕と新規顧客の開拓に加え、投稿監視システム「E-Trident」及びソーシャルメディア運用支援ツール「ソーシャルダッシュボード+」といったシステム商材の販売により、一部の大口顧客を除く売上は前期の21億28百万円から24億34百万円へ増加する見込み。

利益面では、東京センターから宮崎センターへの業務移管を順次進めていくため関連費用が継続的に発生するものの、前期末にかけて実施した業務移管効果と売上の増加で前期は26.8%だった売上総利益率が30%程度に改善する見込み。業容拡大に伴う販管費の増加を吸収して営業利益は1億96百万円と同3.7%増加する。
尚、上記予想で経常利益が減少するのは補充金収入が織り込まれていないため。ただ、その場合でも、特別損失の計上予定がないため(同8百万円計上)、前期並みの当期純利益を確保できるとしている。

(3)14/9期の取り組み

14/9期の取り組みのポイントは、業務提携による需要の取り込みとシステム戦略。前者については、10月に(株)リボルバー(東京都港区)およびグランドデザイン&カンパニー(株)(東京都渋谷区)と、それぞれ提携。後者については、同じく11月にシックスアパート(株)(東京都港区)が提供するパブリッシングプラットフォーム「MovableType」のプラグイン「E-Trident Link for Movable Type」をリリースした。また、(株)リボルバー及びグランドデザイン&カンパニー(株)については資本参加も行なった。

①業務提携による需要の取り込み
株式会社リボルバーとの業務提携

この提携はイー・ガーディアン(株)の運用オペレーションを(株)リボルバーのサービス利用者に提供するもので、(株)リボルバーが提供するプライベートソーシャルネットワークサービス「Revolver」を活用してコミュニティ運営を行なっている「芸能人」、「政治家等の著名人」、或いは「消費者向けの商品を提供する法人」等のコミュニティ運営をサポートしていく。具体的には、コミュニティ監視とカスタマーサポートをRevolver公式パックとして販売する他、プラットフォームである「Revolver」自体の審査・カスタマーサポートも手掛ける。
尚、「Revolver」は、元AKB48の板野友美、倖田來未、土屋アンナ等の人気アーティストや、ラグジュアリーブランドのエミリオ・プッチ、人気バッグブランドのレスポートサックなどの企業に対して提供され、それぞれの専用のブランドとURLにてコミュニティ運営の基盤として活用されている。

グランドデザイン&カンパニー(GDC)株式会社との業務提携

この提携でイー・ガーディアン(株)はWeb投稿監視やCSサポート業務の経験と、24時間365日センターを6拠点保持しているリソースを活かし、O2Oマーケティング・ソリューション「デジガチャ」の運営事務局やソーシャルメディア運用等の業務を代行する。
「デジガチャ」は、グランドデザイン&カンパニー(株)と(株)タカラトミーエンタメディアが共同開発したO2O(Online to Offline)を中心とするデジタルマーケティングのソリューション。リアルガチャのノウハウをデジタル化する事で、ユーザーとのエンゲージメントを高めながら、認知促進、サンプリング、来店促進、ソーシャルメディアマーケティング、店頭販促、イベント集客等の効力を高める。

②システム戦略

E-Tridentやソーシャルダッシュボード+をベースとしたシステム商材の多角化の一環として、シックスアパート(株)が提供するパブリッシングプラットフォーム「MovableType」のコメント監視プラグイン「E-Trident Link for Movable Type」をリリースした。「MovableType」とは、ブログだけではなく、ウェブサイト単位でのウェブページや、ファイルの管理、更新履歴の保存などCMS(コンテンツ管理システム)としての基盤を進化させたパブリッシングプラットフォームで、ソフトバンク・テクノロジー(株)等を通じて販売している。
「E-Trident Link for Movable Type」は、「MovableType」と「E-Trident」を接続し、投稿監視の専用システムを利用する事で効率的かつ見落としのない監視運用を実現する。

今後の注目点
上期の業績予想が控えめに上方修正された。既存顧客の深耕と新規顧客の開拓が順調である事から、(株)インベストメントブリッジでは上期業績に更なる上振れ余地があると考えている。また通期業績については、東京センターから宮崎センターへの業務移管の進捗によるが、上期の上振れがある程度反映されるものと考える。一部大口顧客との取引減少が目先の減収要因となっているが、取引減少の影響は今期がピーク。来期は減少したとしても影響は限定的だ。特定企業の色が無くなる事は、そのライバルである大手企業と取引しやすくなるため中期的にはポジティブな材料。
株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
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