(4709:東証2部) インフォメーション・ディベロプメント 2014年3月期第3四半期業績レポート

2014/02/26

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今回のポイント
・14/3期3Q累計(4~12月)は前年同期比8.2%増収、73.2%経常増益。主要事業のシステム運営管理事業において、一部顧客における運用構築業務が回復、プラットフォーム系開発業務の受注が増加し、大手ITベンダー経由の受注も好調であった。また、ソフトウエア開発・保守事業でも、受注が堅調に推移した。売上高の増加および高収益案件の獲得、事業構造改革実施に伴う収益体質の改善、低採算案件の見直しなどにより大幅増益となった。・通期予想に修正はなく、14/3期は前期比2.6%の増収、同38.4%の経常増益予想。3Q累計経常利益の通期予想に対する進捗率は95.6%と高く、予想を上回って着地すると思われる。配当は3円増額修正し1株当たり24円の期末配当を予定。

・前下期からの情報サービス産業の回復基調という追い風に乗り、今期は四半期ごとに売上が伸びている。マクロ経済の面からも、円高修正や株価上昇による景況感改善 → 景気の本格回復 → 設備投資の回復  → IT投資への波及、と言うシナリオが描ける。中期的な見通しも明るい。足元の好業績に加え、今後の中期的な事業環境が良好にもかかわらずPBRは低位にとどまっている。配当利回りが高いこともあり、株価には見直し余地がありそうだ。尚、東証2部に市場変更した。

会社概要

金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社。システム運営管理とソフトウエア開発・保守を二本柱とし、一つの顧客に対し、コンサルティングからソフトウエア開発、システム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing(BOO)戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。尚、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更した。

【事業セグメント】

事業は、システム運営管理、ソフトウエア開発・保守、及びその他に分かれ、各事業の概要と売上構成比は次の通り。

システム運営管理 (13/3期売上構成比61.4%)

1,200名規模の技術者を擁する専門部隊が、ミドルウエアのカスタマイズからハードウエアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。

ソフトウエア開発・保守 (13/3期売上構成比34.9%)

500名を超える技術者が、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。金融機関、運輸、エネルギーをはじめとする幅広い分野のお客様へ、多くの開発実績を築いている。

その他 (13/3期売上構成比3.7%)

セキュリティ&コンサルティングを中心に展開している。海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。

また、顧客別では、メガバンク、有力地銀、生損保、農林系等の金融機関が52.1%、SIer、情報通信機器ベンダー、或いは通信キャリア系情報サービス大手等の情報・通信・サービスが31.9%、製造、輸送、公共団体、エネルギー等のその他が16.0%。

【IDグループ】

グループは、同社の他、国内外の連結子会社7社。このうち国内(4社)は、システム運営管理を手掛ける(株)日本カルチャソフトサービス(出資比率100%。以下、CS)、日本ユニシス(株)との合弁会社(株)ソフトウエア・ディベロプメント(同80%、SD)、情報システム・コンサルティング等の(株)プライド(同54.4%)、障がい者雇用を促進するための子会社愛ファクトリー(株)(同100%)。一方、海外(3社)は、中国でソフトウエア開発、システム運営管理等を手掛ける艾迪系統開発(武漢)有限公司(同100%、ID武漢)、シンガポールでソフトウエア開発やシステム運営管理等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT SINGAPORE PTE. LTD.(同100%、IDシンガポール)、及びアメリカで人材採用・育成、現地市場調査、情報収集等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT AMERICA INC.(同100%、IDアメリカ)。

【IDグループのサービスの特徴 -i-Bos24®(ID’s Business Operations-Outsourcing Service 24)-】

同社グループはコンサルティングからソフトウエア開発、システム運営管理、クラウド・セキュリティ、BPOまで、トータルなITアウトソーシングサービスを「i-Bos24®」のブランドで提供している。ソフトウエア開発事業ではユーザーの立場に立った柔軟な発想と姿勢でシステムを構築し、システム運営管理事業では24時間365日システムをノンストップで運営管理。セキュリティ事業ではセキュリティ製品の販売やネットワークセキュリティに関わる業務を行う。更にクラウドサービス「iD-CLOUD」では、コンテンツやセキュリティの運用・遠隔監視、Web会議システムの導入等のニーズに応え、BPO事業ではITを活用した事務作業を代行する事で顧客の業務効率化に貢献する。

【情報サービス業の動向と同社の業績推移】
(1)情報サービス業の動向

経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(14年2月18日発表。12月確報値)を見ると、受注ソフトウェアおよびシステム等管理運営受託の売上高の12月前年同月比はそれぞれ+5.3%、+4.8%と好調で、情報サービス産業全体でも同+5.4%となり、回復傾向が鮮明になっている。また、内閣府が2月17日に発表した13年10-12月の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算で1.0%増となった。外需寄与が2期連続マイナスとなった一方で、内需は2期連プラス。情報サービス産業との関連性が深い民間企業設備(実質)は7-9月期0.2%から1.3%へと伸び率は拡大した。

(2)同社の取り組み

キーワードは、「Business Operations Outsourcing」、「グローバル展開」、及び「iD-CLOUDの推進」。具体的には、一つの顧客に対し、ソフトウエア開発からシステム運営管理、BPOまで、複数のサービスを提供する「Business Operations Outsourcing」を“i-Bos24®” のブランドで展開し、既存顧客1,000社から抽出した13企業グループを深耕する。また、「グローバル展開」では、ITの導入支援から運用・保守までのワンストップサービスを日本仕様で提供する事でグローバル展開を進める日本企業のニーズを取り込んでいく。この一環として、100%子会社 ID武漢が、武漢、上海、無錫及び東京を活動拠点とし、日本と中国において、ソフトウエア開発からシステム運営管理、BPOまでのトータルITサービスを提供している他、米国、シンガポールでの子会社設立、英国における支店設立、業務提携でグローバルなITサポート体制の構築を進めている。

一方、「iD-CLOUD」の推進では、クラウドコンピューティングの普及に伴い、今後、需要の増加が見込まれる基盤系(プラットフォーム系)開発業務において要員の育成を行い、顧客ニーズに広範かつ迅速に対応できる体制を構築する。クラウド関連サービスを提供する他社との提携にも柔軟に対応していく考えだ。尚、プラットフォーム系開発業務とは、ハードウエア、OS、ミドルウエアの機能を最適な手段で活用し、低コストかつ信頼性の高いシステム稼働環境を設計・構築するサービス。

これまでの業績推移と今後のイメージ
2014年3月期第3四半期決算
前年同期比8.2%の増収、同73.2%の経常増益

売上高は前年同期比8.2%増の130億9百万円。主要事業のシステム運営管理事業において、一部顧客における運用構築業務が回復、プラットフォーム系開発業務の受注が増加し、大手ITベンダー経由の受注も好調であった。また、ソフトウエア開発・保守事業では、顧客ニーズを捉えた積極的な提案活動や、オフショアを活用した高付加価値サービスの提供等により受注が堅調に推移した。
経常利益は前年同期比73.2%増の5億92百万円。売上高の増加および高収益案件の獲得、事業構造改革実施に伴う収益体質の改善、低採算案件の見直しなどにより大幅増益となった。売上高総利益率は前年同期17.4%から18.5%に、販管費率は同14.6%から14.2%に、いずれも改善している。

システム運営管理事業の売上高は前年同期比5.6%増の79億44百万円。昨年度一時的に減少した一部顧客における運用構築業務が回復、プラットフォーム系開発業務の受注が増加し、大手ITベンダー経由の売上も増加した。
ソフトウエア開発・保守事業の売上高は前年同期比14.8%増の46億81百万円。企業のIT投資に明るさの見えるなか、顧客ニーズを捉えた積極的な提案活動や、一括受託サービスの提供等により既存顧客からの受注が拡大した。
その他事業の売上高は前年同期比8.4%減の3億83百万円。海外現地法人の売上が増加したものの、コンサルティング売上が減少した。

四半期ごとに見ると、3Q(10~12月)では前期(2Q)比、前年同期(13/3期3Q)比とも増収となっており、着実に回復している。利益率も比較的高い水準を維持している。

3Q末の総資産は前期末比5億65百万円減の92億35百万円。現預金が6億19百円、繰延税金資産が1億58百万円減少し、売上債権は2億36百万円増加した。負債は前期末比8億57百万円減の33億1百万円。有利子負債が1億95百万円、未払金が4億81百万円、賞与引当金が2億65百万円減少した。純資産は前期末比2億91百万円増の59億34百万円。四半期純利益3億15百万円及び配当金の支払い1億48百万円あった。自己資本比率は62.4%で前期末比6.5ポイント改善した。

2014年3月期業績予想

通期予想に修正はなく、売上高は前期比2.6%増の168億70百万円、経常利益は同38.4%増の6億20百万円を見込む。主力のシステム運営管理事業をさらに強化すると同時に、これまで推進してきた「BOO戦略」、「グローバル戦略」、「プラットフォーム系開発業務およびクラウドサービスの拡大」にいっそう注力する。尚、プラットフォーム系開発業務とは、ハードウエア、OS、ミドルウエアの機能を最適な手段で活用し、低コストかつ信頼性の高いシステム稼働環境を設計・構築するサービス。配当は1株当たり24円の期末配当を予定、これまでの21円から増額修正した。

今後の注目点
前下期からの情報サービス産業の回復基調という追い風に乗り、今期は四半期ごとに売上が伸びている。主に企業の先行投資であるソフトウエア開発・保守で14.8%の増収となっていることが今後の明るいことを示しており、システム運営管理の売上増に結びつく構図が考えられる。通期予想に修正はなかったが、3Q累計経常利益の通期予想に対する進捗率は95.6%と高く、予想を上回って着地すると思われる。マクロ経済の面からも、円高修正や株価上昇による景況感改善 → 景気の本格回復 → 設備投資の回復 → IT投資への波及、と言うシナリオが描ける。中期的な見通しも明るい。
東証2部に市場変更している。足元の好業績に加え、今後の中期的な事業環境が良好にもかかわらずPBRは低位にとどまっている。配当を増額修正、配当利回りが高いこともあり、株価には見直し余地がありそうだ。
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