(2660:東証1部) キリン堂 2014年2月期第3四半期業績レポート

2014/02/19

kirindo

今回のポイント

・14/2期3Q(累計)は前年同期比1.3%の増収、同16.8%の経常増益。新店効果並びに既存店プラス転換で売上高が増加。売上総利益率改善並びに経費コントロールで経常利益率が改善した。ただ、販促実施期間中の天候不順等で売上高及び営業・経常利益が、いずれも計画を下回った。

・通期予想に変更はなく、前期比3.1%の増収、同15.5%の経常増益。既存店は同1.5%の増収を見込んでおり、海外2店舗を含む14店舗(上期2、下期12)の新規出店と7店舗(上期3、下期4)の退店を織り込んだ。下期12店舗の新規出店は既に完了しており、期末店舗数は海外3店舗を含む330店舗となる見込み。配当は1株当たり年20円を予定(上期末10円、期末10円)。

・グループの再編が進んだ事とコストコントロールの精度向上で収益力が回復してきた。有利子負債の削減が進み財務内容も改善しているが、集客面での課題解決は道半ば。このため、ロイヤリティの高いポイントカード会員の取り込みとクーポンの配布等による再来店の動機付けを強化していく考え。来期以降はドミナント深耕を念頭に新規出店ペースも上げていく。

会社概要

関西圏を地盤とする中堅のドラッグストア。グループで医薬品等卸売事業や医療・介護コンサル等も手掛けている。ドラッグストア事業では、近畿2府5県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、三重)を中心に、香川、徳島、石川、及び関東1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)においてドミナント戦略を進めている(特定地域内に集中出店することで経営効率を高めるとともに、地域内でのシェアを向上させ競争優位に立つ戦略)。

グループは、ドラッグストアを展開する同社のほか、卸売事業や健康食品・医薬品の企画・販売を手掛ける(株)健美舎、医療・介護分野のコンサルティングやマネージメントを手掛ける(株)ソシオンヘルスケアマネージメント、輸出入とその関連業務を手掛ける麒麟堂美健国際貿易(上海)有限公司、及び12年9月に設立し中国江蘇省でドラッグストアを展開する忠幸麒麟堂(常州)商貿有限公司等。

グループ
(株)キリン堂 第3四半期末店舗数:324店舗
 忠幸麒麟堂(常州)商貿有限公司 中国でのドラッグストア展開(第3四半期末店舗数:2店舗)
(株)健美舎 卸売事業や健康食品・医薬品の企画・販売
(株)ソシオンヘルスケアマネージメント 医療・介護分野向けコンサルティング・マネージメント
 麒麟堂美健国際貿易(上海)有限公司 輸出入及びその関連業務
【グループの基本方針と中期3カ年計画】

グループの基本方針として「地域コミュニティの中核となるドラッグストアチェーンの確立」を掲げ、関西地域における小商圏フォーマットでのドミナント深耕を進めていく考え。

ポイントは、①「楽・美・健・快」のコンセプトに沿った顧客第一主義の店づくりと②医療提供施設としての機能強化。前者では、未病をテーマにした健康・美容の専門性と利便性の向上に取り組んでおり、後者では、足元、順調に事業規模が拡大している調剤事業の更なる推進と在宅支援に取り組んでいる。

現在進行中の中期3ヵ年計画(ローリング方式により毎期見直し)は、①既存店の活性化、②調剤事業の推進、及び③中長期の成長に向けた取り組みの3点を骨子とし、連結経常利益3%を念頭に、16/2期に売上高1,176億円、経常利益39億円の達成を目指している。

2014年2月期第3四半期決算
前年同期比1.3%の増収、同16.8%の経常増益

連結売上高は前年同期比1.3%増の767億28百万円。売上の内訳は、小売事業が同1.2%増の762億76百万円、その他が同17.9%増の4億52百万円。
小売事業の増収要因は、新規出店効果と調剤売上高や季節関連商材の増加による既存店売上高の増加(同0.1%増、客数同2.7%減、客単価同2.9%増)。8店舗(スーパードラッグストア5店舗、小型店1店舗、調剤薬局1店舗、海外1店舗)の新規出店を行う一方、5店舗(スーパードラッグストア2店舗、小型店2店舗、調剤薬局1店舗)を閉店した結果、第3四半期末の店舗数は326店舗と前年同期末(322店舗)に比べて4店舗、前期末に比べて3店舗、それぞれ増加。また、既存店対策として、7店舗での改装に加え、会員化による囲い込みとポイントカード会員への販促策を実施した(ポイントカード会員向けの売上高は0.7%増、客数同1.6%減、客単価2.5%増)。
一方、その他事業では、麒麟堂美健国際貿易(上海)有限公司が手掛ける卸売事業が増収をけん引した。

利益面では、利益率の高い調剤の売上構成比が上昇する一方、利益率の低い雑貨等の売上構成比が低下する等で売上総利益率が26.6%と0.1ポイント改善。販管費の伸びを計画の範囲内(計画比 △0.8%)に抑え、営業利益が同15.4%増加した。支払利息の減少等で営業外損益も改善したものの、前年同期における一過性の要因(吸収合併した子会社の繰越欠損金を利用した節税効果)の反動で四半期純利益は同17.0%減少した。

尚、販管費の内訳は下記の通り。販売費や人件費が増加したものの、営業費用(租税公課1億94百万円減、物流費35百万円減)や施設費(リース料、地代家賃、減価償却費等)が減少した。租税公課の減少は前期末に仕入等にかかる消費税額の算出方法の変更によるもの(一括比例配分方式 → 個別対応方式)。

期初計画との比較

販促実施期間中の天候不順で売上高が1.4%計画を下回った。コストコントロールにより販管費を計画値以下に抑えたものの、営業利益が25.4%、経常利益が16.9%、それぞれ計画未達。一方、特損の計上見込み額が想定を下回ったため、四半期純利益は計画を上回った。

9-11月の3ヵ月間では前年同期比1.3%の増収ながら、同9.8%の経常減益

小売事業の売上が同0.9%増と伸び悩む中、売上総利益率が悪化する一方で販管費が増加したため、営業利益が同44.2%減少した。

第3四半期末の総資産は前期末比11億56百万円増の421億16百万円。自己資本比率は26.7%と同0.1ポイント改善した。

2014年2月期業績予想
通期予想に変更はなく、前期比3.1%の増収、同15.5%の経常増益

既存店は同1.5%の増収を見込んでおり、14店舗(上期2、下期12)の新規出店と7店舗(上期3、下期4)の退店を織り込んだ。この結果、期末店舗数は海外3店舗を含む330店舗となる見込み。配当は1株当たり年20円を予定(上期末10円、期末10円)。

(2)下期の取り組み

下期の取り組みとして、新規会員様獲得とポイントカード会員様への販促施策の実施、値引きコントロールの徹底、PB商品の新規投入と販売強化、及び販管費の計画内コントロールの継続、の4項目を掲げている。第3四半期累計期間における取組の成果は次の通り。

新規会員様獲得とポイントカード会員様への販促施策の実施

定期的なDMの実施によるポイントカード会員様の維持拡大とともに、レシートクーポンの提供による来店回数の増加に取り組んでいる。また、チラシ期間中のキャンペーンやクーポンによりポイントカード会員様の獲得と獲得後の再来店の動機付けも強化している。

PB商品の新規投入と販売強化

第3四半期末のPB商品のSKU数は753。PB比率が8.2%と前年同期に比べて0.3ポイント改善。付加価値の高いHBCの構成比が61.7%と同0.3ポイント上昇した事もあり、PB商品の売上総利益率が42.0%と同0.2ポイント改善した。

今後の注目点
グループの再編が進んだ事とコストコントロールの精度向上で収益力が回復してきた。加えて、有利子負債の削減が進み財務内容も改善しているが、集客面での課題解決は道半ば。このため、ロイヤリティの高いポイントカード会員の取り込みとクーポンの配布等による再来店の動機付けを強化していく考え。また、グループの再編と整備が進んだ事を踏まえて、来期以降はドミナント深耕を念頭に新規出店ペースも上げていく(年間16店舗を目処に新規出店)。この一環として、用地確保に向けた取り組みも強化する。
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