(9419:東証マザーズ) ワイヤレスゲート 2013年12月期第3四半期業績レポート

2013/12/25

今回のポイント

・自社で通信インフラを保有せず、複数の他社からインフラを借受け、Wi-Fi、WiMAXなどワイヤレス・ブロードバンドサービスを提供する。利用可能なエリアは全国で約4万か所と日本最大。会員数は約40万人を突破しシェアNo.1。ヨドバシカメラを中心とした強力な販売チャネル、低い固定費率による安定した収益基盤などが強み。

・13/12期3Qも参考値ではあるが、大幅な増収・増益となり、売上高、営業利益、経常利益の水準は過去最高を更新した。ワイヤレス・ブロードバンドサービスの会員数は、当第3四半期末で約40万人を突破と順調に拡大している。また、6月より開始したオプションサービスの9月末の会員数は1万人とこちらも順調な立上がりとなった。

・同社は以前から、新興市場銘柄ではありながら、着実な成長と株主への安定した還元の両立を行うと述べていたが、早くも今期から配当を実施する。目標配当性向は明示していないが、現在の収益拡大ペースが継続する中、株主資本と配当双方の拡大を十分期待することができるだろう。

会社概要
自社で通信インフラを保有せず、複数の他社からインフラを借受け、Wi-Fi、WiMAXなどワイヤレス・ブロードバンドサービスを提供するアグリゲーター。利用可能なエリアは全国で約4万か所と日本最大。月額有料会員数は約38万人を突破しシェアNo.1。ヨドバシカメラを中心とした強力な販売チャネル、低い固定費率による安定した収益基盤などが強み。

【沿革】

工学博士号を持つ池田CEOは、エヌ・ティ・ティ・移動通信網(現 NTTドコモ)在籍時の2001年より2年間、スタンフォード大学客員研究員としてアメリカへ留学。当時の日本はモバイルネットワークと言えば携帯電話が殆どであったのに対し、米国では無線LAN等を使用した高速・大容量のデータ通信が普及し始めており、今後日本でもこうした通信環境に対する需要が高まることを予測した池田氏は、帰国後の2004年1月に同社の前身である(株)トリプレットゲートを創業し、自前で通信設備を持つことはコスト負担も大きく困難と判断し、当初からアグリゲーターと呼ばれるスタイルによるビジネスをスタートさせた。

<アグリゲーターとは?>

自らはアクセスポイント等の設備を設置せずに、各アクセスポイントを設置している複数の事業者からインフラを借り受けて無線LANサービスを1つの認証で提供する事業者または事業形態の名称。

しかし、2005~2006年の日本においては、「無線LAN」といってもまだまだサービスエリアも少なく、誰もが容易に使用するような環境ではなく創業後しばらくは低空飛行が続く。
この状況を脱し、同社が大きく成長することになるきっかけが2つあった。
一つは有力な「デバイス」の登場、2007年9月5日のApple「iPod touch」の発売開始だ。従来のiPodでできた音楽や動画の再生のみならず、無線LANを通じて内蔵のiTunesでiPod touch単独で楽曲の購入が可能となったほか、ウェブサイトの閲覧をはじめとするインターネット端末の役割を持ち、加えてApp Storeからダウンロードしたゲームなどアプリケーションの実行機能も搭載されている「iPod touch」は、無線LAN無しにはその魅力を十分に享受することができないものだった。

そしてもう一つのきっかけが、ヨドバシカメラにおけるサービス取扱いの開始だ。
自社サービスの普及、認知度向上のために、同社の無線LANサービスが使える空港などで様々なイベントを打ってみるものの思ったようなレスポンスを得ることができない中で、「デバイスを既に持っている人ではなくこれから買う人に訴求することが利用者拡大の最短距離」と考えた池田CEOは、家電量販店の中でも、集客力の高さはもちろんの事、インターネット・モバイル端末の販売力に定評があり、店員の商品知識の豊富さや商品説明力の高さを評価されているヨドバシカメラの藤沢社長との面談に漕ぎ着け、「ヨドバシカメラとして顧客に新しい付加価値を提供できること」、「ストックビジネスとして安定的な収益をヨドバシカメラに提供できること」等をメリットに、顧客の通信端末購入時に合わせて同社のワイヤレス・ブロードバンドサービスも販売する事を提案したところ、ほぼその場で取扱いが決定。提案した数か月後の、2007年のクリスマスには秋葉原店で取扱いがスタートするという異例のスピードだった。
ヨドバシカメラという強力な販売窓口を得た同社のサービスは、サービスエリアの着実な拡大の中、低額でワイヤレス・ブロードバンドが利用できる利便性が評価され、利用者が急増。2012年には東証マザーズに上場。
利用者のニーズに対応し、WiMAXサービス、LTEサービスもラインナップに加えると共に、販売窓口の多様化による利用者拡大の施策も進めている。

2004年 1月 ワイヤレス通信サービスの提供を目的として(株)トリプレットゲートを東京都品川区に設立
2004年10月 公衆無線LANサービス「ワイヤレスゲート・サービス」の提供を開始
2005年10月 「ワイヤレス・プラットフォームサービス」の提供開始
2007年12月 ヨドバシカメラが「ワイヤレスゲート・サービス」の販売取り扱いを開始
2009年 3月 東海道新幹線車内での「ワイヤレスゲート・サービス」の提供開始
2009年 7月 次世代・高速モバイル通信「ワイマックス・サービス」の提供開始
2010年11月 「ワイヤレスゲート・サービス」がNTTコミュニケーションズ(株)のホットスポットサービスに対応
2010年12月 Android OS向け接続ソフトウェア「WG Connect for Android」を提供開始
2011年 3月 商号を(株)ワイヤレスゲートへ変更
2012年 7月 東京証券取引所マザーズ市場に上場
2012年12月 住友商事(株)系列の携帯電話販売代理店が「ワイヤレスゲート・サービス」の取り扱いを開始
NTTドコモXi(クロッシィ)対応の「LTEサービス」を開始
2013年 3月 「ワイヤレスゲートWi-Fi」のサービスエリアが約4万か所に
2013年 6月 電話リモートサービス(オプションサービス)開始
【経営理念】

理念として、「ワイヤレス・ブロードバンドサービスを通じて、より創造性あふれる社会の実現を目指す。」を掲げ、簡単で使い易く、なおかつ安価に高速ワイヤレス通信サービス利用環境を提供することを目指している。

【市場環境】

2012年10月発表されたICT総研による「公衆無線LANサービス利用者予測調査」によると概要は以下の通り。

◎2012年度末の公衆無線LAN利用者は前年比1.6倍の1,274万人へ

公衆無線LANサービスの2011年度末(2012年3月末)利用者数は808万人、そのうち個人利用者は675万人、ビジネス利用者は133万人であった。2012年度末には58%増の1,274万人に急拡大する見通しで、個人利用者だけで1,000万人を突破する勢いだ。
今後も利用者数は毎年400万人以上のペースで伸び続け、2015年度には2011年度の3倍にあたる2,568万人拡大すると予想している。

◎無線LAN対応のモバイル情報端末は2015年度に4,954万台へ

Wi-Fi通信機能が標準装備されたモバイル情報端末は、年々増加し続けている。2011年度に出荷台数3,722万台だった無線LAN対応モバイル情報端末は、2012年度に4,000万台を突破予定。今後もスマートフォンとタブレット端末の増加とともにWi-Fi対応端末は増え続け、2015年度には4,954万台に達する見通しだ。これらの機器増加に対応するため当面はWi-Fiスポットのサービスエリアが拡充され、それとともに公衆無線サービスの利用者が急増することが確実である。

また、2013年3月28日にリリースされたMM総研の「スマートフォン市場規模の推移・予測(2013年3月)によると、スマートフォン契約数は、2013年3月末に4,337万件に達する見込み。
以降、2014年3月末 5,915万件、2015年3月末 7,112万件、2016年3月末 8,034万件、2017年3月末 8,778万件、2018年3月末 9,383万件と今後も順調に拡大すると予想している。

このように、デバイスの普及、アクセスポイントの増大等を背景に、公衆無線LAN利用者数は急速に増加すると見込まれており、同社を取り巻く市場環境は極めて良好だ。

【事業内容】

同社の事業内容の説明の前に、無線ブロードバンドサービスについて、その種類、概要、特徴などについて簡単に触れておく。

<Wi-Fiとは?>

無線通信規格の一種で、無線LANでインターネットに接続すること。

<WiMAXとは?>

これも無線通信規格の一種で、Wi-Fiよりも広いエリアで、高速通信が可能。日本ではKDDIの子会社である UQコミュニケーションズによりWiMAXサービスが提供されているほか、UQコミュニケーションズから同社を含めた数社のMVNO(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)がインフラ部分を借受けて提供している。

<LTE(Long Term Evolution)とは?>

第3世代(3G)携帯電話のデータ通信を高速化した新たな携帯電話の通信規格で、理論上は3Gの10倍以上の速度も可能。

同社では、無線ブロードバンドサービスの評価は「速度、エリア、コスト、デバイス」という4要素で決まると考えているが、上記3種類の通信サービスには以下のようにそれぞれ長所・短所がある。

そのため、一つの通信技術のみではユーザーのニーズに合ったサービスの提供は難しく、また時代の流れや技術の進歩と共に登場することが予想される新たな通信技術にスピーディーに対応することも難しい。
そこで、同社はアグリゲーターとして複数の通信キャリアからインフラを借受け、統合して、利便性の高い「一つのサービス」としてユーザーに提供するという形態を選択した。

主に2つのサービスを展開している。

一つは、同社のプラットフォームで高速ワイヤレス通信サービスを提供する「ワイヤレス・ブロードバンドサービス」。
もう一つは同社のワイヤレス・ブロードバンドサービスの基盤プラットフォームである、ID・パスワードの認証プラットフォームと課金プラットフォームを活用した付加価値提供事業である「ワイヤレス・プラットフォームサービス」。
2012年12月期の売上高は「ワイヤレス・ブロードバンドサービス」が5,489百万円、「ワイヤレス・プラットフォームサービス」が9百万円と、「ワイヤレス・ブロードバンドサービス」がほぼ100%という売上構成となっている。

1.「ワイヤレス・ブロードバンドサービス」

複数の公衆無線LAN事業者から仕入れたWi-Fiスポットを、同社のプラットフォーム上で統合的にユーザーに提供する「ワイヤレスゲート・サービス」と、UQコミュニケーションズから借り受けたWiMAX「ワイヤレスゲート・サービス」に、その他の通信事業者等から仕入れた通信回線と公衆無線LANを組み合わせた高速通信サービスである「ワイマックス・サービス」を提供している。

(1)ワイヤレスゲート・サービス

東海道新幹線車内や主な鉄道・地下鉄の駅ホームやコンコース、空港、大手カフェチェーンや大手ファストフードチェーンの各店舗内などで、無線LANを利用した高速インターネット接続サービス「ワイヤレスゲート」を提供している。2013年6月現在でサービスエリアは全国約4万か所以上と、国内最大級のサービス提供者。
昨今のスマートフォン利用者の急激な増加により、既存のスマートフォン通信回線では、十分な通信スピードの確保が難しくなっている一方、Wi-Fiによる公衆無線LANサービスは、最大54Mbpsの高速通信が可能となっており、スマートフォンユーザーに、携帯電話の3G回線よりも高速で快適な通信環境を提供している。
中心サービスの「月額継続会員プラン」は、月額380円(税込)で全国約4万か所のWi-Fiスポットを利用できる。

(2)ワイマックス・サービス

「ワイヤレスゲート・サービス」に、UQコミュニケーションズから借り受けたインフラを使用した「WiMAX」を組み合わせたもの。北海道から沖縄まで全国主要都市を中心に高速データ通信サービスを提供している。利用者は、ノートパソコンやその他のインターネット端末にて、自宅、外出先や移動中などワイマックスによる高速なインターネット通信が可能.。WiMAXはWi-Fiよりも速度は劣るがサービスエリアが広域で、UQコミュニケーションズによればWiMAXのサービスエリアは全国主要都市(東京23区・政令指定都市・47都道府県の県庁所在地)の99%カバーし、全国市区町村の役場所在地での調査では、約94%をカバーしているということだ。
中心サービスは「年間パスポート:月額3,880円(税込)」となっている。WiMAXサービスは約款により、UQコミュニケーションズは借受けを希望する全てのMVNOに対し同条件での貸し出しをしなければいけないこととなっているため、料金による差別化は図れないが、同社の場合はWi-Fi利用の「ワイヤレスゲート・サービス」が組み合わされているため、WiMAXの速度に不満な場合でもWi-Fiが利用できる点がユーザーに評価されているという事だ。

(3)ワイヤレスゲートWi-Fi + LTE

NTTコミュニケーションズ(株)から設備提供を受け、NTTドコモの「Xi」(クロッシィ)エリアで次世代通信規格LTEによる高速データ通信が可能なサービスの提供を2012年12月から開始した。
これも「ワイマックス・サービス」同様、ワイヤレスゲートWi-Fiも利用可能。
人口カバー率90%のNTTドコモ Xi(クロッシィ)対応エリア以外に移動した場合でも、自動的に人口カバー率100%のFOMA(3G)に切り替わる。
利用料金は「ワイヤレスゲートLTE2年フラット:月額3,980円」。

2.「ワイヤレス・プラットフォームサービス」

同社のワイヤレス・ブロードバンドサービスの基盤プラットフォーム「公衆無線LANサービスのID・パスワード認証及び課金システム」を、法人向けに提供している。

特徴と強み
①強固なポジショニング

特徴であり且つ大きな強みはアグリゲーターであるという点だ。
前述のように、同社は様々な通信事業者から様々な通信技術の仕入が可能なため、ユーザーのニーズに合ったサービスの提供が可能であり、今後も時代の流れや技術の進歩と共に登場することが予想される新たな通信技術にスピーディーに対応することができる。
また、日本の無線LAN黎明期より同マーケットの成長に携わり、ヨドバシカメラという強力なパートナーとの連携の下、会員数を急速に増大させることができた。2011年3月末における公衆無線LANサービスの契約数は日本全国で244万件。その内当社は有料サービスではシェア11.1%でトップとなっている。
認知度の向上による効率的な顧客獲得、マーケットシェア1位というスケールメリットの享受(好条件での仕入)、上場に伴う信用力の向上とそれに伴うビジネス機会の増大などといった先行者利益も大きく、参入障壁を構築することができたと会社側は考えている。

②強固で安定した販売パートナー

これも前述のように、家電量販店の中でも優れた販売ノウハウを持つヨドバシカメラと共に、通信端末(ハード)とサービスを組み合わせる販売手法を構築することができており、今後も新しいデバイスの登場と共に着実な会員数増加を見込んでいる。
また、住友商事と提携し新たに強力な販売代理店を獲得することもできた。

③安定した収益構造

同社のビジネスは、「利益=会員数 × 顧客単価 - コスト」という構造となっている。
会員数は2013年9月末に約40万人を突破し、累積会員数が収益の拡大に繋がるストックビジネスとなっている。
一方、顧客単価は、「ワイヤレスゲート Wi-Fi月額380円」が他社との競争でこの水準からさらに低下するという状況は現時点では考えにくい一方、WiMAXやLTEの利用会員の拡大などで上昇することは十分想定できる。

また、コストを見てみると、通信回線使用料(2011年12月期2,093百万円、対売上高比60.8%)およびヨドバシカメラ向けを主とする支払手数料(同659百万円、19.2%)は売上(=会員数増加)に連動した変動費であり、両費用の合計額は売上原価と販管費合計3,054百万円の約9割にあたり、コストの大半は変動費となっている。
同時に、通信インフラを持たないこと、役職員数20名弱と少数であることなどから固定費率は低く、今後も大幅に固定を増加させることは計画していない様であり、何らかの事情で短期間に会員数が激減するといったことが無い限り、安定して継続的に利益を計上することができる収益構造となっている。

無線LANがまだ馴染の薄い時期に、誰でも簡単に無線LANへの接続が設定できる「簡単接続アプリ」を初めて導入したのも同社という事であり、サービスの提供側でありながら、アグリゲーターとしてユーザーの目線を常に意識している点もユーザーの支持拡大に繋がっていると言えるだろう。

2013年12月期第3四半期決算概要
売上高、営業利益、経常利益は過去最高を記録。

前期第4四半期より連結決算となったため、前年同期比は参考値となるが、大幅な増収・増益となり、売上高、営業利益、経常利益の水準は過去最高を更新した。期初予想も上回った。
ワイヤレス・ブロードバンドサービスの会員数は、当第3四半期末で約40万人を突破し、順調に顧客ベースが拡大している。スマートフォンやタブレット端末の出荷台数は堅調に推移していると見られ、無線データ通信サービスに対する需要も引き続き拡大していくと思われる。
粗利率が低下しているのは、Wi-Fiよりも粗利率の低いWiMAXの売上高構成が上昇しているため。ただ、WiMAXは粗利率は低いが、売上単価がWi-Fiよりも10倍高いことから利益の絶対額ではWiMAXの貢献は大きい。

(2)各事業における取組
①ワイヤレス・ブロードバンドサービス

【公衆無線LANサービス】
売上高は617,418千円。

ヨドバシカメラにおいて積極的な告知活動を行うとともに、住友商事(株)系列の携帯電話販売代理店の一部地域において試験的に取扱いを開始する等、新規会員の獲得に注力した。
(株)ケイ・オプティコムとの協業スタートにより、同社が提供する「eoモバイル Wi-Fiスポット」約1万か所が加わり、提供エリア数は全国約4万スポットとなった。
WiMAXに関しては、モバイル・ブロードバンドの主力サービスとして積極的に展開した。

【モバイルインターネットサービス】
売上高は4,517,833千円

ヨドバシカメラにおける積極的なキャンペーンの展開やインターネット上での販売促進を推進し、新規会員の獲得を進めた。

②ワイヤレス・プラットフォームサービス

売上高は21,391千円となった。

2013年6月より、ワイヤレスゲートWi-Fiのオプションサービスとして、月額料金480円でPCやスマートフォンについての操作方法や活用方法などを電話でサポートする「電話リモートサービス」をスタートさせた。
第3四半期末の会員数は1万人となった。
サービスの申し込みは主として、ヨドバシカメラ店頭で「ワイヤレスゲート Wi-Fi」申し込みの際に同時に受け付ける。
電話リモートサービス自体は委託先である日本PCサービス(株)が提供するサービスで、ワイヤレスゲートは自社の課金プラットフォームで決済した後、一定額を同社に手数料として支払う。詳細は明らかにしていないが、自社インフラで決済できることなどから高い利益率となることが見込まれる。

③その他

売上高668千円となった。

(3)トピックス
①株式分割の実施

2013年9月1日を効力日として、1:2の株式分割を実施した。流動性の向上と、投資家層の拡大を目的としている。

②記念配当の実施

創立10年を記念し、10円/株の記念配当を期末に実施する。
普通配当40円/株に記念配当10円/株を加えた今期配当予想50円/株は、株式分割を考慮しない場合100円/株となり、実質20円/株の増配となる。

自己資本比率は前期末からやや低下して60.1%となった。(前期末 61.6%)

2013年12月期業績見通し
通期見通しに変更なし。

通期見通しに変更はない。引き続き月額有料会員数は順調な増加が見込まれている。特段追加的なコスト発生も想定しておらず、大幅な増収・増益を計画している。
第3四半期実績の通期予想に対する進捗率は純利益以外75%に達していないが、ストックビジネスである同社のビジネス構造上、売上・利益は下期が上期を上回る傾向にあるため、計画通りに進んでいると会社側は考えている。
配当は、期末に普通配当40.00円/株、記念配当10.00円/株の合計50.00円/株を計画している。

<今後の主なポイント>

◎携帯電話販売会社チャネルの取組み
住友商事系列の最大手携帯販売会社ティーガイア(東証1部、3738)における「ワイヤレスゲートWi-Fi」販売体制構築とともに、ティーガイア以外の大手携帯販売会社開拓も進めている。
販売チャネルの多様化により、四半期ごとの加入者を1万人から2万人へと引き上げていく計画。

◎オプションサービス
オプションサービスの第一弾、「電話リモートサービス」の会員獲得数は予想を上回るペースで推移している。
利益率の向上、ARPU(Average Revenue Per User:加入者一人あたりの月間売上高)の引上げ、顧客基盤の拡大が期待できるオプションサービスを「今後の事業の柱」として注力していく考えで、今期中にも新たに2~3のオプションサービスをリリースする事を予定している。

(2)トピックス: 無線LAN環境構築支援プロジェクトについて

同社は、(株)電通、(株)OOHメディア・ソリューション(以下、OMS社)、(株)シーエスイー(以下、CSE社)と共同で一般社団法人銀座通連合会の無線LAN環境構築支援プロジェクトに参画しているが、既に銀座通りで実施しているG Free(銀座フリーWi-Fi)を、11月30日(土)から晴海通り(数寄屋橋~三原橋)へと拡大した。

<新規整備箇所>
今回、晴海通り沿道の19番から27番に新たに9基を設置。銀座通り沿道には既に1番から18番の18基を設置済で、合計27基を設置。

G Freeは、2012年10月に開催されたIMF(国際通貨基金)・世界銀行年次総会の東京開催を契機として、銀座通り沿道で「いつでも・どこでも・だれでも・無料で」簡単に利用できるWi-Fiとして、2013年9月から中央区の補助を受けて実施されているもの。
今後は、東京で開催されるスポーツの祭典や大規模な国際会議等に向けて、銀座地区全域への展開を目指して、各通り会(商店街)や商業施設等とともに整備を進めていく予定だ。

<各社の役割と今後の取組み>
・同社は、米国アルバネットワークスの高機能アクセスポイントを活用し、利用者が複数のアクセスポイントの間を移動してもWi-Fiアクセスが途切れないシステムの構築を支援した。また、このシステムの構築・運用には、同社が提供するクラウド型Wi-Fi環境サービスソリューションが活用されており、構築者・運用者の負担が大きく軽減された、

・さらに、利用者のアクセス状況をモニターして、アクセスデータを収集・分析。商店街にもフィードバックしていくためのソリューションを独自に開発している。

・今後はより広範囲なエリアを効率的に構築できるメッシュ型ワイヤレスLAN などの最新技術を活用し、屋外型無線LAN システムの整備にも取り組んでいく。また、単なるWi-Fi環境の整備にとどまらず、屋外広告の専門会社である電通グループのOMS社及び電通とも協力し、Wi-Fiを使った街メディアの活性化、スマートフォンを中心とするモバイルメディアとWi-Fiの連携によるプロモーション展開、ビッグデータの収集と活用等、Wi-Fiを活用したサービスの開発にも積極的に取り組んでいく。

・また、数多くのWi-Fi環境構築、ネットワーク構築、保守運用の実績を持つCSE社との連携により、安定的かつスケーラブルなWi-Fiインフラの整備・運用・活用を推進していく。

・3社の独自の強みを組み合わせることで、最先端の技術を活用したWi-Fi環境の構築と運用、更にそのWi-Fiを使ったサービスの開発までをトータルにサポートする体制を整備した。この体制によって、新たな屋外型公衆無線LANの市場を積極的に開拓する考えだ。

今後の注目点
引き続き「月額有料会員数」は順調に増加している。また同社が今後の事業の柱と位置付けるオプションサービスは3か月強で1万人とこちらもスムーズな立ち上がりとなったということだ。
同社は以前から、新興市場銘柄ではありながら、着実な成長と株主への安定した還元の両立を行うと述べていたが、早くも今期から配当を実施する。目標配当性向は明示していないが、現在の収益拡大ペースが継続する中、株主資本と配当双方の拡大を十分期待することができるだろう。
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