(2154:東証1部) トラスト・テック 2014年6月期第1四半期業績レポート

2013/12/25

今回のポイント

・13年8月22日にJASDAQから東証2部に市場変更し、その後12月3日に東証1部に市場変更。東証2部上場企業として初めての決算となった14/6期1Q(7-9月)は前年同期比7.9%の増収、同99.7%の経常増益。自動車関連企業を中心に人材需要の取り込みが進み、技術者派遣・請負・委託事業、技術者派遣・請負・委託事業共に稼働社員数が増加。限界利益の増加で大幅な増益となった。

・上期及び通期の業績予想に変更は無く、通期で5期連続の増収・増益が見込まれる。両事業共に2Q以降も自動車関連を中心に増収基調が続く見込み。技術者派遣・請負・委託事業では半導体関連の回復も見込まれる。7月1日を効力発生日として1株を100株に分割しており、配当は、東証2部への市場変更記念配10円を含む年40円を予定(上期末:記念配含む20円、期末:普通配20円)。

・足元の好業績に満足する事無く、中長期的な成長力維持に向けた取り組みも進めていく考え。具体的には、「派遣」の売上を維持しつつ「請負」を拡大させる事で主力2事業の収益基盤強化を図ると共に、成長ドライバーとして海外事業や建築分野等への人材紹介を育成・強化していく。また、メーカー向けのアウトプレースメントサービスや高齢者派遣等、新たな領域の開発にも取り組んでいく。

会社概要
製造業の技術開発部門や製造部門を対象とした人材派遣及び業務の請負・受託を中心に事業展開。製造部門向け派遣・業務請負・受託の(株)TTM、障がい者雇用(清掃・梱包等の軽作業を中心とした業務)の共生産業(株)、及び香港を拠点に中国に人材サービスを展開する香港虎斯科技有限公司(HKTT)の連結子会社3社と共にグループを形成し、製造業に特化したトータルソリューションの提供を特長としている。

【事業内容】

事業は、研究開発における技術分野の派遣、請負、業務委託を手掛ける技術者派遣・請負・委託事業、子会社の事業領域で製造工程業務等の請負・受託を手掛ける製造請負・受託・派遣事業、障がい者雇用促進事業、及び不動産賃貸事業の4セグメント。開発・設計(上流)から製造・流通(下流)まで一気通貫のサービスを提供する事で「技術」と「製造」の事業セグメントのシナジーを追求している。尚、障がい者雇用促進事業では、特例子会社の共生産業(株)を通じて、法定の障がい者雇用率を上回る雇用を維持している。

技術者派遣・請負・委託事業(13/6期 売上構成比52.5%)
事業主体:(株)トラスト・テック、香港虎斯科技有限公司(HKTT)

売上の約8割を占める技術者派遣を中心に、技術者の人材紹介、紹介予定派遣にも対応している。技術者派遣は派遣期間制限のない専門26業種の一つで、研究・開発、設計・解析、試作・実験、生産・技術等の業務を行う。尚、当事業に就業する技術社員は「常用雇用者」であり、期間の定めのない雇用契約を締結している。また、海外では、中国で事業展開する日系企業向けに香港虎斯科技有限公司(HKTT)が人材紹介サービスを提供している。今後は、タイ、ベトナム等の東南アジアへ進出する企業への対応も進めている。

製造請負・受託・派遣事業(同 売上構成比47.0%) 事業主体:(株)TTM

請負は主に顧客企業の構内において、同社が業務遂行指示や管理業務を含めて、加工・組み立て、仕上げ、検査、梱包・出荷等の作業を行うもので、一般の製造業同様に労働基準法等の関係法令の規制を受ける。売上の約4割が請負・受託で、約6割が派遣。

【トラスト・テックの特長・強み】

同社の強みとして、営業力、採用力、請負化の実績、及び国際化対応力、の4点を挙げる事ができる。営業力の源泉は、全国へ展開する拠点ネットワークとグループの総合力であり、この強みを活かして、顧客企業に最適なサービスを迅速に提案する事が可能だ。全国の拠点には採用担当者と営業担当者が配置されており、両者の連携により、即戦力の人材を機動的に採用し(採用力)、顧客企業のニーズとタイムリーにマッチングさせるスピード感が顧客企業から評価されている。
また、派遣法改正による規制強化を受けて、「派遣」から「請負」へ人材サービスの利用をシフトさせる企業が増えているが、自己完結で結果責任(生産量、品質、コスト)が求められる「請負」は、「派遣」のノウハウしかない人材サービス会社にはハードルが高い。同社は業務請負で豊富な実績を有し、自社の開発センターでの受託業務にも対応が可能だ。
更に、香港の現地法人(HKTT)は、人材紹介と日本型派遣サービスによる日系企業の中国進出支援や中国現地企業向けサービスで実績を有し、人材サービス会社の海外展開では先頭集団を走る。東南アジアへの展開を視野に入れ、事業を進めている。

【成長戦略】

「派遣」の売上を維持しつつ「請負」を拡大させる事で主力2事業の収益基盤強化を図る事と、成長ドライバーとして、海外事業や建築分野等への人材紹介を育成・強化していく事が成長戦略の2本柱。また、メーカー向けのアウトプレースメントサービスや高齢者派遣等、新たな領域の開発にも取り組んでいく考え。

(1)技術者派遣・請負・委託事業

受注拡大に向け、工作機械、産業機械、電気機器等の業種や設備メンテナンスなどの新分野の開拓も含め、従来の営業戦略(繁忙企業に対する総合提案)を徹底すると共に、17/6期に売上構成比50%超を目指して「請負」の拡大を進める。また、業容拡大に向け、同セグメントのM&Aにも積極的に対応していく。14/6期から16/6期にかけての3カ年の計画では、「派遣」の売上を13/6期比40%増加させ、「請負」の売上を同300%増加させる。売上の増加に伴い経常利益率は10%以上に高まる見込み。

(2)製造請負・受託・派遣事業

顧客企業における請負No.1を目指しシェア拡大に取り組む。具体的には、「派遣」の事業規模を維持しつつ、「請負・受託」において、14/6期から16/6期にかけての3年間で13/6期比80%の増加を目指している。また、生産負荷変動への対応と単価・条件交渉の徹底により「請負」の利益率を向上させ、経常利益率を4.5%以上に引き上げる。

(3)海外・紹介事業

海外事業では、紹介事業を中心に香港現地法人のビジネスが順調に拡大しつつある事を踏まえて、中国現地法人の設立や東南アジアでの拠点開設についての検討を始める。また、国内においては、派遣の代替としての需要も見込める紹介事業を、建設分野への展開も視野に強化する他、メーカー向けのアウトプレースメントサービスや高齢者派遣を念頭に新たな領域の開発にも取り組んでいく。

2014年6月期第1四半期決算
前年同期比7.9%の増収、同99.7%の経常増益

売上高は前年同期比7.9%増の40億09百万円。自動車生産の増加を受けた自動車関連企業の旺盛な人材需要の取り込みで技術者派遣・請負・委託事業の売上が21億66百万円と同12.8%増加。製造請負・受託・派遣事業は、自動車関連企業や住宅関連企業の開拓が進み、売上高が18億26百万円と同2.7%増加した。

経常利益はほぼ倍増の2億66百万円。技術者派遣・請負・委託事業は順調な採用と採用した社員の早期稼働でセグメント利益が前年同期の1億16百万円から2億03百万円へ拡大。稼働社員数の増加(前年同期末1,941人 → 2,148人)で製造請負・受託・派遣事業の利益も前年同期の13百万円から58百万円に増加した。

第1四半期末の総資産は前期末に比べて5億12百万円減の50億31百万円。自己資本比率は66.7%と同3.9ポイント改善。同社は流動性に富んだ優れた財務体質を有する。

2014年6月期業績予想
(1)上期及び通期の業績予想に変更は無く、通期で5期連続の増収・増益を見込む

両事業共に第2四半期以降も引き続き自動車関連をけん引役に増収基調が続く見込み。加えて技術者派遣・請負・委託事業では半導体関連の回復も見込まれる。利益面では、営業及び採用担当者の増員や滋賀営業所の立ち上げ等の先行投資を、売上の増加で吸収。助成金収入の減少を織り込んだため営業外利益が減少するものの、上期、通期共に高い経常利益の伸びが見込まれる。

7月1日を効力発生日として1株を100株に分割しており、8月22日にはJASDAQから東証2部へ市場変更となった。配当は、1株当たり東証2部への市場変更記念配10円を含む年40円を予定(上期末:記念配10円を含む20円、期末:普通配20円)。

今後の注目点
業績予想に変更はなかったが、上期予想に対する進捗率は、売上高49.3%、経常利益64.0%。利益面では想定を上回って推移しているものと思われる。下期は、技術者派遣・請負・委託事業において、工作機械、産業機械、電気機器等での新規開拓案件の寄与や半導体関連の立ち上がりが見込まれ、製造請負・受託・派遣事業においては、航空関連、住宅関連及び電気機器等の既存取引先で請負が増加する見込みだ。想定通りに新規取引先の開拓と既存取引先の回復で売上を積み増す事ができれば、来期の業績拡大にもつながる。比率向上が収益力の強化につながる請負比率の動向と共に注目していきたい。
株式会社インベストメントブリッジ
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