(4301:東証1部) アミューズ 2014年3月期第2四半期業績レポート

2013/12/18

今回のポイント

・14/3月期2Qは、前年同期比10.5%増収、同1.7%営業増益。第1四半期は前年同期比で減収・減益だったが、7-9月にサザンオールスターズ等の大型コンサートが開催され、それに伴いファンクラブ・商品売上収入も増加した。利益面でも、舞台公演の減少、新規ミュージカルの低稼働率はあったが、コンサート関連収入増、旧譜印税収入増加などで増益。ただ、期初予想に対しては、売上高は上回ることができたものの、プロダクトミックスの変化等で利益率が低下したことから利益は未達だった。

・14/3期通期の業績予想に変更は無い。前期まで2期連続で最高益を更新したが、今期は現時点では減益を見込んでいる。第3四半期のクリスマスおよび年末商戦、映画興行成績動向によるところも大きいため、その推移を見つつ、利益の上積みを図りたいと考えている。配当は普通配当30円に、創立35周年の記念配当15円を加えた45円を予定(上期末22.5円、期末22.5円)。

・今後の成長戦略のカギを握る「新市場開拓」のうち、「日本から海外への展開」は、福山雅治、Perfumeなど、同社業績への寄与という観点からはまだ大きいとは言えないまでも、その道筋は着実に築かれているようだ。一方、「海外から日本への展開」についても、徐々に実績が積み上がりつつある。日本でのマネージメント契約を結んだ、「Mayday」は2014年1月に東京、大阪でLiveを行うが、チケットは一般販売開始と共に即完売となった。アジアにおいて最も観客動員力のあるグループの一つである同グループの今後の展開が注目される。また、海外拠点拡充に伴う、こうした有力アーティストとのマネージメント契約について今後の進捗を期待したい。

会社概要
芸能プロダクション大手。サザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティなど人気アーティストを数多く抱えている。グループ全体の事業の核を「コンテンツビジネス」におき、文化を創造する総合エンターテインメント集団として、テレビ番組や映画の企画・制作、海外舞台の招聘等でも豊富な実績を有する。グループは、同社の他、子会社14社(連結子会社7社)及び関連会社3社からなり、特に、映像ソフトの製作・製造・販売を行なうアミューズソフトエンタテインメントの業績への寄与が大きい。 

【事業内容】

事業は、コンサートの収入、テレビ・CM出演料、新譜楽曲の印税、ファンクラブ会員収入や商品販売収入等のアーティストマネージメント事業(13/3期売上構成比78.3%)、テレビ番組・映画制作収入、及びビデオ・DVD販売等のメディアビジュアル事業(同14.7%)、及び旧譜楽曲の印税収入や二次使用にかかる収益等のコンテンツ事業(同7.0%)に分かれる。

2014年3月期第2四半期決算
7-9月に大型コンサートが増加し、前年同期比で増収・増益を達成

第1四半期は前年同期比で減収・減益となったが、7-9月にサザンオールスターズなどの大型コンサートが開催され、それに伴いファンクラブ・商品売上収入も増加し、営業収入は同2ケタ増の165億円。
利益面でも、舞台公演の減少、新規ミュージカルの低稼働率はあったが、コンサート関連収入増、旧譜印税収入増加などで増益となった。
ただ、期初に発表した予想に対しては、売上高は上回ることができたものの、目標とした売上高営業利益率16.0%に対し実績は12.2%と下回った。設定がやや高めだったことに加え、プロダクトミックスの変化で利益率が低下したことが要因だった。

アーティストマネージメント事業

サザンオールスターズ(8-9月)、ONE OK ROCK(5-6月)および、同社音楽アーティストが一堂に会した野外イベント「Amuse 35th Anniversary BBQ in つま恋」(7月)など大型コンサートが開催され、それに伴い関連種入も増加し、イベント、ファンクラブ・商品売上、出演収入・CM、印税(新譜)、4部門すべての営業収入が前年同期を上回った。
ただ、前年同期に高稼働率の舞台公演があった反動、レーベル収入が減少した事等により利益は減少した。

メディアビジュアル事業

同セグメントの約8割を占めるDVD販売では、福山雅治主演ドラマ「ガリレオⅡ」、大泉洋主演邦画「グッモーエビアン!」、等を販売したものの大型作品が少なく、DVD販売収入は前年同期に比べ大幅に減少し、減収に伴い利益も減少した。(前年同期は「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」、「カイジ2人生奪回ゲーム」、「一命」、「1911」等が寄与)。

コンテンツ事業

当セグメントは、サザンオールスターズ、福山雅治、BEGIN、ポルノグラフィティ、Perfume等による発売後1年以上経過した旧譜楽曲の販売及び旧譜楽曲の二次使用等の収益を計上しているが、貸与報酬等の増加により増収増益となった。

流動資産は、現預金、売上債権の増加などで33億円の増加。固定資産は、投資有価証券増等で345百万円増加し、総資産は36億円増加した。
一方、仕入債務の増加などで負債合計は25億円増加した。この結果、自己資本比率は前期末の66.2%から約5%低下し61.3%となった。

2014年3月期業績予想
業績予想に変更なし。通期で前期比1.2%の増収、同16.2%の経常減益予想

業績予想に変更は無い。前期まで2期連続で最高益を更新したが、今期は現時点では減益を見込んでいる。第3四半期のクリスマスおよび年末商戦、映画興行成績動向によるところも大きいため、その推移を見つつ、利益の上積みを図りたいと会社側は考えている。
配当は普通配当30円に、創立35周年の記念配当15円を加えた45円を予定(上期末22.5円、期末22.5円)している。

合計の売上、利益予想に変更は無いが、アーティストマネージメント事業のセグメント利益を「3,570百万円 → 3,400百万円」に、メディアビジュアル事業のセグメント利益を「60百万円 → 230百万円」に変更している。

今後の成長戦略
同社では中期基本方針として、『国内コア事業の更なる強化』と『新市場開拓の本格化』を掲げている。 

『国内コア事業の更なる強化』に関しては、イベントにおいては福山雅治の横浜公演(12月)、Perfumeの東京・大阪公演(12月)、ONE OK ROCKのヨーロッパ・アジア公演(10~12月)およびアメリカ公演(2014年2月)などが大型イベントとして期待されている。
また、印税(新譜)売上としては、10月に発売されたPerfumeのアルバム「LEVEL3」の売上推移が注目される。

一方、新市場の開拓においては、「日本のものを海外市場へ」と「海外のものを日本市場へ」の2方向を展開していく。

◎「日本のものを海外市場へ」

これまで注力してきたアジア市場に加え、それ以外の、ヨーロッパ市場等でも積極的に事業を展開していく考えだ。

カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した福山雅治主演の映画「そして父になる」は海外でも高く評価され、台湾や香港、スペインの映画祭に招待されている。またハリウッドでS.スピルバーグ制作によるリメイクも決まるなど大きな話題となっている。
既にアジアで高い人気を誇るPerfumeのヨーロッパツアーや、ONE OK ROCKのヨーロッパ・アジアツアーを実施。ONE OK ROCKのコンサートではチケットが完売する会場も出ているという事だ。
台湾で日本のファッションや音楽を紹介するTV番組「完全櫻楽」を制作。若い女性から高い人気を得ており、台湾市場に進出しやすくする環境作りも進めている。
◎「海外のものを日本市場へ」

台湾の人気グループ「Mayday」の日本におけるマネ-ジメント契約を締結することに成功した。
「Mayday」は累計集客数が1,000万人を超す台湾No.1の人気アーティストで、北京公演でも20万枚の入場チケットが販売開始と共に完売したという。日本初のベストアルバムをリリースすると共に、日本公演もスタートさせ、日本においても圧倒的なポジションを確立させたいと考えている。
また、2012年より韓国の人気歌手「イ・スンギ」のマネ-ジメント契約も締結しており、こちらも日本でのライブ入場券は即完売となっている。

◎海外拠点の拡充

こうした海外展開をより効率的、効果的に進めるために海外拠点の充実を図っていく。
今年8月には上海に海外拠点「」を設立したほか、11月には韓国を中心にエンターテインメント事業を展開するKhan Enterprise Co., Ltd の株式を取得し、子会社化した。
Khan Enterprise Co., Ltd は韓国において、アーティストマネージメントを手掛け、韓国内において数多くのテレビドラマ制作に携わるなど、エンターテインメント業界において豊富なネットワークを有している。同社を子会社化することで、韓国内におけるエンターテインメント事業をより発展拡大させると同時に、日韓共同の新しいエンターテインメントコンテンツの創出が可能になると判断し、子会社化に踏み切った。
自社アーティストの海外展開に加え、他社アーティストのサポート実績も積み上げながら、現地アーティストの日本市場への展開も進めていく。
また、Khan Enterpriseのような、現地有力パートナー発掘のためにも海外拠点の拡充は必要と考えている。

今後の注目点
今後の成長戦略のカギを握る「新市場開拓」のうち、「日本から海外への展開」は、福山雅治、Perfumeなど、同社業績への寄与という観点からはまだ大きいとは言えないまでもその道筋は着実に築かれているようだ。
一方、「海外から日本への展開」についても、徐々に実績が積み上がりつつある。前述の「Mayday」は2014年1月に東京、大阪でLiveを行うが、チケットは一般販売開始と共に即完売となった。同グループは、現在アジアにおいて最も観客動員力のあるグループの一つと評価されており、現時点では国内マネージメント契約という枠内ではあるが、今後の展開が注目される。また、海外拠点拡充に伴う、こうした有力アーティストとのマネージメント契約について今後の進捗を期待したい。
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