(9422:東証1部) コネクシオ 2014年3月期第2四半期業績レポート

2013/12/11

今回のポイント

・伊藤忠商事(株)系列の携帯電話販売会社。業界第2位。全国でキャリア認定ショップ427店舗(2013年9月末)を運営。法人向けソリューションサービスも提供。NTTドコモとの関係が深く、ドコモショップ運営店舗数およびドコモの端末販売台数は業界第1位。店舗運営を支えるバックヤード機能、強固な法人顧客基盤も強み。

・14/3期第2四半期は、パナソニック テレコム(株)の合併により、累計期間の前年同期比で増収・増益は確保したが、7-9月に限ると、携帯電話販売市場の影響を受け夏商戦や9月の販売苦戦により粗利を伸ばすことができず営業利益は減益。対前期比(第1四半期 4-6月)との比較では売上、利益、販売台数ともに減少した。

・14/3期通期は、NTTドコモが取り扱いを始めたiPhone販売の強化に加え、Android端末も含めたスマートフォン、タブレットの販売促進や、一部店舗への投資や経費の見直しも進め増収・増益を確保する計画。配当は、前期比5円増額の一株当たり31.50円を予定している。配当性向40%超を基本方針としている。

・NTTドコモのiPhone出荷も、ようやくドコモショップにも十分広がり始め、現在では漸次予約残も解消に向かっている。まずはアゲインストの風は止んだという事だろう。ただ、同社はキャリアの動向に依存しない収益構造の構築が必要と認識しており、そのためのより具体的な施策の打ち出しと推進スピードが注目される。また、会社側は、業界第2位という規模と比較して個人投資家における認知度が低いと考えており、安定・着実な成長、40%台の配当性向目標の下で安定配当を実施している点などを注目してもらいたいとのことだ。

会社概要
伊藤忠商事(株)系列の携帯電話販売会社。販売台数で業界第2位。全国でキャリア認定ショップ427店舗を運営。法人向けソリューションサービスも提供。NTTドコモとの関係が深く、ドコモショップ運営店舗数およびドコモの端末販売台数は業界第1位。店舗運営を支えるバックヤード機能、強固な法人顧客基盤も強み。 

【沿革】

1991年、伊藤忠商事(株)が携帯電話販売事業に進出し、翌92年10月、全国ドコモショップの第1号店となるドコモショップ八王子店を開店。97年8月、伊藤忠商事(株)100%出資で、通信関連事業の業務委託先としてアイ・ティー・シーネットワーク(株)を設立。02年4月、伊藤忠商事(株)からの会社吸収分割により、携帯電話販売に関わる一次代理店としての地位を承継。06年3月、東証2部上場。07年12月東証1部に指定替え。08年7月、(株)日立モバイルの携帯電話販売事業を買収。12年10月、パナソニック テレコム(株)と合併。13年10月、コネクシオ(株)に社名変更。

携帯電話の急速な普及という外的要因に加え、ビックカメラ、ヨドバシカメラなど家電量販店との関係構築も早い段階から行ってきたこと、顧客が携帯電話購入時、実際に使用出来るようにするための必要な手続きを行う「開通センター」の規模が業界第1位であり、事務処理作業の効率性や迅速さが評価されたことなど、内的要因もあり順調に成長を遂げてきた。同業界では2005年頃より再編が進み始めているが、同社も(株)日立モバイル、パナソニック テレコム(株)へのM&Aを実施し業容を拡大させてきた。

【企業理念】

合併に伴い、社名変更を行うとともに企業理念を新しく策定した。理念ステートメントは、「人をつなぐ、価値をつなぐ」とし、10年ビジョンとして「コミュニケーション・ネットワークの世界でお客様1人ひとりの想いを先取りしたサービスを創出し最も頼りになるパートナーとなる」を掲げている。
ラテン語の「絆」を語源とする社名「コネクシオ」は、これらの理念やビジョンを表現している。

【特徴・強み】
①業界第2位の販売代理店

同社の2013年3月期の携帯端末総販売台数は約335万台規模で業界第2位。
2013年9月末現在、全国でキャリア認定ショップ427店舗を運営しているが、うちドコモショップは370店舗と、業界第1位の店舗数である。また、NTTドコモの端末販売台数も業界トップとなっている。

②店舗運営を支えるバックヤード機能

同社は全国で427店舗のキャリア認定ショップに加え、大手家電量販店での売場運営を行っている。この販売現場における業務をスピーディーに効率的に進める事が出来るのは、同社が物流センターや開通センターという優れたバックヤード機能を保有していることが大きな要因だ。

入荷・加工・出荷処理能力を持つ物流センターでは、携帯電話の入出荷および在庫を集中管理している。また、徹底した在庫管理で人気商品や新商品をタイムリーに供給し、販売機会のロスを防いでいる。

業界最大規模を誇る開通センターでは、量販店店頭で顧客が購入した携帯電話の回線開通業務や機種変更に伴う各種手続き等を行っている。日本最大台数の開通業務端末を配置しており、1日5,000件を越える契約を処理する事が出来る。

③強固な法人顧客基盤

個人顧客向け携帯端末販売が売上高の約9割を占める同社だが、法人事業部門の顧客数も7,600社 50万回線という規模を有している。M&A効果もあるが、多くは自ら獲得した顧客であり、この面での親会社である伊藤忠商事(株)への依存度は低い。法人事業の売上構成比の目標は特に明示していないが、コンシューマ事業の営業利益率が約3%程度なのに対し、法人事業では2ケタとなっており、法人顧客基盤を更に拡大してより安定した収益構造とすることを目指している。

④コンプライアンス重視

コンプライアンス遵守を重視しており、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及びコンプライアンスに係る事項を統括する部署を設置するとともに、定期的なコンプライアンス委員会の開催、社内研修を開催し、全社員のコンプライアンス意識の向上に努めている。

⑤企業理念重視

10月に新社名への変更を行ったことにも表れているが、同社は企業理念およびその全社への浸透を重視しており、社長自らが考えを述べるDVDも制作し、全社員を対象とした「理念研修」を定期的に開催している。

【事業内容】
◎コンシューマ事業
売上高 191,546百万円 営業利益 7,276百万円(2013年3月期実績)

個人顧客向けのキャリア認定ショップ(ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップ)を運営している。
前述の通り、キャリア認定ショップの運営店舗数は427店舗(ドコモショップ 370、auショップ 53、ソフトバンクショップ 4)。また、全国のビックカメラ、関東地方全店舗のヨドバシカメラなど量販店店頭での販売支援も行っている。
他社店舗との大きな特色の違いを打ち出すことは難しい部分もあるが、同社では「お客様に選んでいただける付加価値の高いショップづくり」を掲げ、顧客満足度を重視し、楽しんでもらえる店舗を目指している。
また、携帯端末のみでなく、安定した収益を確保できる商材としてSDカードやアクセサリーなどの付属品の販売にも力を入れている。

◎法人事業
売上高 17,757百万円 営業利益 1,859百万円(2013年3月期実績)

携帯電話端末の提供・運用サポートを通じて、法人顧客の通信コスト削減や端末回線管理等、携帯関連ソリューションを幅広く提供している。
スマートフォン、タブレットなどを使用したビジネスシーンのサポートにも力を入れている。これらスマートデバイスを利用台数の大小にかかわらず、利用可能な状態で納入する体制を全国規模で構築しているほか、導入時のコンサルティング、各種設定、セキュリティ対策、業務効率向上、営業力強化、導入後の運用に至るまで、多種多様なニーズに一貫して対応している。
中でも、同社が業界に先駆けて開発した通信回線管理システム「E-PORTER」は法人顧客に高く評価されている。
通信キャリア(全キャリアに対応)から一括して送られる請求書を、回線情報を基に部署や支店ごとにまとめるもので、多数の携帯端末を使用している顧客企業の業務効率向上に大きく貢献している。
現在は、双方向機能を持たせる形に発展させ、顧客企業から同社に対する各種発注も「E-PORTER」上で行う事が出来る。
また、「マネージドサービス」の拡大にも注力している。これは、企業の総務機能をサポートするBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の一種で、携帯端末紛失時のキャリアとの対応、納入時の事前設定、ヘルプデスク機能など携帯端末に派生する様々な作業を同社が顧客企業に代わって行うものである。
加えて、スマートデバイスを利用したクラウドサービスの開発・提供にも力を入れている。

2014年3月期第2四半期決算概要
合併により大幅な増収・増益となるも、7-9月は苦戦。

2012年10月のパナソニック テレコム(株)合併による規模拡大により、累計期間の前年同期比で増収・増益は確保した。ただ、7-9月を見ると、NTTドコモが新たにiPhoneの取扱いを開始したものの、品不足もあり売上機会をロスするなど、夏商戦や9月の販売苦戦により粗利を伸ばすことができず営業利益は減益となった。また、対前期比(第1四半期 4-6月)との比較では売上、利益、販売台数ともに減少した。

コンシューマ事業

合併による規模拡大で増収となったが、第2四半期(7-9月)は減益となった。

NTTドコモがiPhone取り扱いを開始したが、発売前のユーザーの買い控えと供給不足が重なり、販売台数は振るわなかった。10月に入り新型iPhoneの品不足も解消されつつあるということだ。
SDカードやアクセサリーなど付属品の販売を積極的に行った。
8店舗の移転・改装を行った。
店頭受付時間の短時間化に取り組んだ。
法人事業

マネージドサービスの獲得増やPOSAカードの販売好調により増収・増益となった。

合併に伴い顧客基盤が拡充したため、これを活かしたクロスセルの浸透に取り組んだ。
提案営業により、マネージドサービスや、スマートフォン等の携帯端末を管理するMDMサービス導入者数は増加した。MDMサービスは、会社が従業員に支給するスマートフォンに関して、どんなアプリを入れているのか?を管理したり、仕事と関係のないアプリを勝手にダウンロードできないようにするもので、ニーズは大きいと会社側は考えている。
プリペイドカード(POSAカード)の販売は順調に拡大している。
集合住宅向けインターネット接続サービスや、MVNO、M2Mサービスを提供した。
米国セールスフォース・ドットコム社の営業支援クラウドサービス「Sales Cloud」を導入し、営業活動の「見える化」と業務効率化を実現した。

*MVNO:仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator, MVNO)とは、物理的な移動体回線網を自社では持たないで、実際に保有する他の事業者から借りて(再販を受けて)、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のこと。

*M2M:マシンツーマシン(Machine-to-Machine)のこと。コンピュータネットワークに繋がれた機械同士が人間を介在せずに相互に情報交換し、自動的に最適な制御が行われるシステムを指す。

(3)財政状態とキャッシュ・フロー

13年3月末に比べ、売上債権の減少などで、流動資産が121億円の減少。総資産も127億円減少した。一方、負債面では、流動負債が76億円減少したが、固定負債は長期借入金の増加等で37億円増加し、負債合計は39億円の減少にとどまった。この結果、自己資本比率は13年3月末の32.4%から26.1%へ6.3%低下した。

営業CFは前年同期に比べ104億円拡大した。投資CFはほぼ前年並みだったため、フリーCFも大きく拡大した。
一方、財務CFは自己株式91億円の取得などでマイナス幅が拡大した。
キャッシュポジションは前年同期に比べ65億円減少した。

2014年3月期業績予想
業績予想に変更無し。iPhoneを含めたスマホ取り扱い強化、投資、経費の見直しなどで増収・増益確保へ

iPhone取り扱い強化に加え、Android端末も含めたスマートフォン、タブレットの販売促進や、一部店舗への投資や経費の見直しも進め増収・増益を確保する。
配当は、前期比5円増額の一株当たり31.50円を予定している。配当性向40%超を基本方針としている。

<下期以降の主な取り組み>
コンシューマ事業
iPhone取り扱い店舗数は9月時点では約半分だったが、現在は全店舗となっている。人気のiPhone5Sの予約残解消を進める。品不足も無くなりつつあるという事で、早期の解消を見込んでいる。
iPhoneのみでなく様々なタイプがリリースされているAndroid端末も含めたスマートフォンの販売台数を増加させる。各種アクセサリーの販売増にもつながると考えている。
スマートフォンのみでなくタブレットや、現在も根強い需要があるフィーチャーフォンの販売にも力を入れる。
安定した収益が見込まれるSDカードやアクセサリーなどの付属品、コンテンツの販売を強化する。規模のメリットを活かして仕入れコスト低減を図る。
店舗の移転や改装といった投資計画を見直すとともに接客時間の短縮化を行う。これによりスタッフの配置見直しを含め、より効率的な経営を目指し経費の削減にも取り組む。
店頭個人会員810万回線超(2013年9月末)という顧客資産を活用したコンテンツの拡販等、通信キャリア各社の動向に依存しない収益構造への変革に着手する。
法人事業
マネージドサービス、MDMサービスを継続して拡販していく。
クラウドサービスの導入を推進し、早期の実績積み上げを目指す。
プリペイドカード(POSAカード)取扱店舗の拡大、新商材の投入、売場スペースの拡大を進める。2013年10月1日には、ポプラグループ全店(ポプラ、生活彩家、くらしハウス、スリーエイト)でギフトカードの販売を開始した。また、新商材としては、全国のファミリーマート約9,900店を対象に、LINEプリペイドカード、バニラVisaオンラインのプリペイドカードの販売を開始した。ファミリーマートにおいてはプリペイドカードの販売が好調なことから、販売スペースをこれまでの24面から40面に拡大することとなった。
MVNO案件の獲得に注力する。下期には大口案件の獲得が見込まれている。
今後の注目点
販売開始当初は家電量販店に偏る傾向のあったNTTドコモのiPhone出荷も、ようやくドコモショップにも広がり始め、現在では漸次予約残も解消に向かっているという事だ。ユーザーがNTTドコモのiPhoneに乗り換える、または新規契約するかどうかの見通しについては、いろいろな見方があるようだが、まずは同社の足元の収益という観点からはアゲインストの風は止んだという事だろう。ただ、本文中にもあるように、同社としてはキャリアの動向に依存しない収益構造の構築が必要と認識しており、そのためのより具体的な施策の打ち出しと推進スピードが注目される。
また、会社側は、業界第2位という規模と比較して個人投資家における認知度が低いと考えており、安定・着実な成長、40%台の配当性向目標の下で安定配当を実施している点などを注目してもらいたいとのことだ。
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