(4282:東証1部) イーピーエス 2013年9月期第3四半期業績レポート

2013/12/04

今回のポイント

・13/9期3Q(累計)は前年同期比4.3%の増収、同55.1%の経常減益。案件の端境期や一部事業の受注苦戦等で売上が伸び悩む中、国内事業を中心に実施した人員増強や新規事業所設立等の先行投資が負担となり、営業利益が同51.2%減少した。その一方で、新たな収益の柱として育成中の海外事業は順調に拡大。

・通期予想は前期比7.5%の増収、同33.3%の経常減益。海外事業を中心に売上が増加するものの、人材採用や新規事業所設立等による先行投資負担で営業利益が同32.4%減少する見込み。1株当たり1,000円の期末配当を予定しており、上期末配当1,600円と合わせて年2,600円。
*平成25年4月に2:1の株式分割を実施。期末配当1,000円は分割前は2,000円、よって1株あたり配当金予想に変更なし。

・13/9期は国内事業の先行投資が負担となるが、CRO関連事業は山梨事業所開設等のコスト削減効果が徐々に顕在化してくるものと思われ、SMO関連事業も、3Qに入り、新規案件の取り込みと経費削減効果の顕在化で業績回復が鮮明。また、CSO関連事業も受注・受注残が増えており、来期以降、先行投資の成果が顕在化してくるものと思われる。育成中の海外事業は順調に売上を伸ばしており、来14/9期の業績は増収・増益基調に転じると考える。

会社概要
「価値あるソリューションの創出を通じて、健康産業の発展に貢献します」を企業理念に掲げ、臨床試験に関連して製薬会社を支援するCRO(Contract Research Organization)、医療機関を支援するSMO(Site Management Organization)、MR派遣等、医薬品や医療機器等の開発に関わる業務を様々な角度からサポートし、グループ全体でフルサービス体制を構築している。

事業領域は、臨床関連のITを含むCRO関連事業、子会社(株)イーピーミントの事業領域であるSMO関連事業、MR派遣やDI(医薬品情報)の専門コールセンターサービスを手掛けるCSO関連事業(以上、国内事業)、グローバル治験に対応した海外CROや海外SMOのGlobal Research(GR)関連事業、及びBPO・ジェネリック研究開発・創薬の中国関連事業に分かれ、国内CROで1位、国内SMOで3位のポジションにある。グループ企業と事業領域は次の通り。

2013年9月期第3四半期決算
前年同期比4.3%の増収、同55.1%の経常減益

売上高は前年同期比4.3%増の267億23百万円。国内3事業(CRO関連、SMO関連、及びCSO関連)の売上がそろって減少したものの、海外事業(Global Research 関連事業、中国関連事業)の伸びで吸収した。

利益面では、売上が伸び悩む中、国内事業を中心に実施した人員増強や新規事業所設立等の先行投資が負担となり、営業利益が17億91百万円と同51.2%減少。為替差損の増加(△98百万円→△2億07百万円)等で営業外費用が増加した他、投資有価証券評価損2億82百万円など3億60百万円を特別損失に計上したため、四半期純利益は3億90百万円にとどまった。

尚、受注高は同2.8%増の268億43百万円。海外事業が大きく伸び、国内もCSO関連事業が増加した他、医療機器等のその他業務をけん引役にCROもわずかに増加した。一方、受注残高は前年同期末と同水準の432億82百万円。

国内CRO関連事業

イーピーエス(株)を中心に事業展開している国内CRO関連事業は、売上高157億14百万円(前年同期比2.0%減)、セグメント利益19億87百万円(35.1%減)。売上の面では、臨床研究、医療機器関連分野が順調に推移した他、若干のプロジェクト遅延を抱えつつモニタリング業務も概ね計画通りに推移したものの、大型案件が終了し、運用フェーズから立上げフェーズに移行したデータマネジメント業務の売上減少をカバーできなかった。一方、利益面では、人材採用や山梨事業所の開設等の先行投資が負担となった。

国内SMO関連事業

(株)イーピーミントの事業領域である国内SMO関連事業は、売上高42億13百万円(前年同期比3.2%減)、セグメント利益1億77百万円(同65.2%減)。上期の苦戦が響き大幅な減益となったものの、第3四半期(4-6月)は、新規案件の取り込み強化と経費削減等の効果で損益が改善した。

国内CSO関連事業

(株)ファーマネットワークと(株)メディカルラインの事業領域である国内CSO関連事業は、売上高41億72百万円(前年同期比6.5%減)、セグメント利益13百万円(同97.3%減)。派遣MRの稼働率低下で減収・減益となったが、ドラッグ・インフォメーション業務や医薬・医療・ヘルスケア業界向けBPO業務をけん引役に第3四半期は回復傾向を示した。

Global Research 関連事業

イーピーエス(株)のグローバルリサーチ部門と臨床試験に関わる海外グループ会社で構成されているGlobal Research 関連事業は売上高10億85百万円(前年同期比47.2%増)、セグメント損失73百万円(前年同期は36百万円の損失)。売上が順調に増加したものの、円安是正による円ベースでの海外拠点の経費増が響いた。

中国関連事業

イーピーエス(株)の中国事業部門と益新(中国)有限公司グループで構成されている中国関連事業は、売上高15億37百万円(前年同期は40百万円)、セグメント損失3億17百万円(前年同期は3億80百万円の損失)。2013年1月にグループ会社化した益通(蘇州)医療技術有限公司の医療機器販売が好調に推移した事で売上が増加し損失が減少した。

2013年9月期業績予想
前期比7.5%の増収、同33.3%の経常減益予想

売上高は前期比7.5%増の378億34百万円。海外事業を中心に増加するものの、国内CRO関連事業のプロジェクト遅延を織り込んだため、従来予想をわずかに下回る見込み。
利益面では、人材採用や新規事業所設立等による先行投資負担で営業利益が34億96百万円と同32.4%減少する見込み。予想との比較では、売上の下振れによる利益の減少や円高の是正による中国事業での為替評価損、及び投資有価証券評価損等の特別損失を織り込んだ。

配当については変更がなく、1株当たり1,000円の期末配当を実施する予定で、上期末配当1,600円と合わせて年2,600円(13年4月に1株を2株に分割)。

今後の注目点
13/9期は国内事業の先行投資が負担となるが、CRO関連事業は山梨事業所開設等のコスト削減効果が徐々に顕在化してくる見込みで、SMO関連事業も、3Qに入り、新規案件の取り込みと経費削減効果の顕在化で業績回復が鮮明。また、CSO関連事業も受注・受注残が順調に増えており、来期以降、先行投資の成果が顕在化してくるものと思われる。また、CSO関連事業は10月に予定されている(株)ファーマネットワークと(株)メディカルラインの合併効果も注目される。合併で、相互補完が可能なMR派遣業務とドラッグ・インフォメーション業務のシナジーが期待でき、製薬会社や医療機器製造販売会社の多様化・高度化するニーズへの対応力が高まろう。一方、海外事業は、Global Research事業が利益面で為替の影響等を受けているものの、中国事業と共に順調に売上が拡大しているため、徐々に損益の改善ピッチが加速してくるものと思われる。このため、利益の減少は一時的なもので、来14/9期は増収・増益基調に転じると考える。
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