(2453:東証1部,名証1部) ジャパンベストレスキューシステム 2013年9月期第3四半期業績レポート

2013/09/11

今回のポイント
・第3四半期決算発表に先立ち、今期2度目となる業績予想の上方修正を発表した。引き続き好調な生活会員事業、少額短期保険事業に加え、新たに開始した福島県で放射能物質の除染を行う環境メンテナンス事業などが拡大した。
人件費、広告宣伝費も増加したが、増収効果で吸収し、第3四半期として売上高、経常利益は過去最高を更新した。

・2013年9月期通期でも2ケタの増収・増益を見込む。売上高は初めて100億円を突破する。生活会員事業、環境メンテナンス事業が引き続き牽引。加えてこのところ弱含むコールセンター事業にも梃入れを図る。配当予想に変更はなく、通期1,500円/株。

・「バイノスRDⅡ工法」はその作業効率の高さから今後も採用される場面はさらに増大し、来期通期では売上40億円規模まで成長する可能性もあるだろう。また、粗利率100%という高収益事業のコールセンター事業に底入れ・回復の兆しが見られれば、利益拡大にはさらに弾みがつくことだろう。梃入れ策の成果に注目したい。

会社概要

破損ガラスの交換、水まわりのトラブル解決、更にはカギの交換、パソコンのトラブル解決等の生活トラブル全般を解決する生活救急車による緊急駆けつけサービスを全国展開。「困っている人を助ける」と言う経営理念の下、「110番・119番以外の全てのお困りごとを解決する組織作りに挑戦」(経営方針)している。同社自身は加盟店本部として、ブランディング、広告宣伝活動、企業提携、新事業開発、加盟店開発、加盟店教育研修、コールセンター運営、営業活動、更には業務管理等を行い、実際の顧客サービスは全国の加盟店・協力店が提供する。2005年のマザーズ上場を経て、07年9月14日、東証1部に株式を上場。 2013年2月には環境メンテナンス事業に参入。ジャパン少額短期保険(株)や(株)ライフデポなど連結子会社7社、及び持分法適用関連会社6社と共にグループを形成。

<事業内容>

事業は、カギ、パソコン等の緊急のトラブルに対応するコールセンター事業、賃貸住宅入居者向け会員サービスの会員事業、旭硝子(株)、(株)LIXIL、セコム(株)との包括提携事業、コールセンター業務を代行するコールセンター受託事業、加盟店向けサービスの加盟店事業、環境メンテナンス事業、少額短期保険事業、自動車賃貸事業及びその他の事業に分かれる。事業(サービス)は多岐にわたるが、いずれもコールセンター業務(お困りごとの受付)と生活救急車による緊急駆けつけサービスがベースとなっている。

2013年9月期第3四半期決算概要(累計)
今期2度目の上方修正。第3四半期として売上、経常利益とも過去最高を記録

第3四半期決算発表に先立ち、今期2度目となる業績予想の上方修正を発表した。
2013年2月に子会社化した(株)バイノスが手掛ける東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う放射性物質汚染の除染作業が予想以上の作業量となったことに加えて、会員事業「学生生活110番」会員・「安心入居サポート」会員が好調だったことが主な理由。
売上高は前年同期比39.5%増収の7,728百万円。第3四半期の過去最高を記録した。コールセンター事業は弱含んだが、生活会員事業、少額短期保険事業、新たに開始した環境メンテナンス事業などが拡大した。

企業提携事業の売上総利益率が上昇した一方、生活会員事業ではボリューム増に伴い販売提携先への支払手数料増大もあり粗利率は低下し、全社の粗利率も3.6%低下したが、粗利額は約3割の増益。
Web広告の増加による広告宣伝費75百万円増、コールセンター設置や営業力の強化に伴う人件費254百万円増などの販管費増加を吸収し、営業利益は前年同期比35.0%増加の699百万円。
それに伴い経常利益も約4割の増益となり第3四半期の過去最高を記録した。

作業件数はガラス関連サービス16千件(前期17千件)、水まわり関連サービス30千件(同35千件)、カギの交換関連サービス44千件(同48千件)。生活会員(ライフデポ会員等を除く)は新規入会会員298千人(同203千人)、継続会員25千人(同23千人)で合計323千人(同226千人)。

コールセンター事業

売上高は前年同期比5.6%減の459百万円、セグメント利益は同17.8%減の99百万円。
カギ、パソコン等はほぼ前年同期並で推移したが、競合の価格競争等によって受付件数が全般的に低迷したため、コールセンター事業全体の売上高は前年同期を下回った。
カギ部門の売上高は310百万円(前年同期比4.1%減)、パソコン部門の売上高は61百万円(同3.7%減)となっている。

会員事業

売上高は前年同期比38.5%増の2,397百万円、セグメント利益は同29.9%増の648百万円。
提携企業の賃貸住宅入居者向け「安心入居サポート」会員、エコキュート、IHクッキングヒーターといった家電・住宅設備機器のメーカー保証期間終了後をサポートする「あんしん修理サポート」会員、全国大学生活協同組合連合会の「学生生活110番」会員の販売がそれぞれ拡大し、入会会員も順調に増加している。
「安心入居サポート」会員の売上高が1,735百万円(前年同期比56.4%増)、「あんしん修理サポート」会員の売上高が66百万円(同98.8%増)、「学生生活110番」会員の売上高が137百万円(同 34.3%増)と増収だったが、「ライフサポートパック」会員等の売上高は携帯電話からスマートフォンへの移行の影響を受け371百万円(同7.5%減)となりました。

企業提携事業

売上高は前年同期比3.6%減の2,272百万円、セグメント利益は同23.8%増の172百万円。
包括提携事業のうち、水の救急車事業の売上高は1,243百万円(前年同期比2.1%減)、旭硝子ガラスの救急車事業の売上高は505百万円(前年同期比12.0%減)、セコムウィン事業の売上高は58百万円(前年同期比7.6%減)となり、コールセンター受託事業の売上高は465百万円(前年同期比3.2%増)となった。
水の救急車事業は、ほぼ前年同期並で推移したが、旭硝子ガラスの救急車事業は、ガラスの緊急割れ換え及び窓や玄関ドア等のリフォームの伸び悩みにより、前年同期比2ケタの減収となった。
コールセンター受託事業では、現場出動作業件数が堅調に推移するとともに、コールセンター受託企業数も引き続き順調に増加し200社と、前年同期の177社から23社の増加となっている。

加盟店事業

当事業では、主に広告プロモーションの提供を中心にした加盟店・協力店向けサービスの対価が売上計上されている。
プロモーション業務等による加盟店への売上高が130百万円(前年同期比4.1%増)となったが、生活救急車全般のプロモーションに関連する広告宣伝費を当セグメントで負担しているため、営業損失は205百万円(前年同期は営業損失217百万円)となった。
なお、2013年6月末の加盟店数は464拠点(前年同期426拠点)、協力店数は1,060拠点(同999拠点)となっている。

少額短期保険事業

売上高は前年同期比50.5%増の1,285百万円、セグメント利益は同21.1%減の120百万円。
賃貸住宅の家財を補償する「新すまいRoom保険」が順調に伸びて増収となったが、保険業法113条に基づく繰延資産への費用繰り延べ終了の影響により減益となった。

自動車賃貸事業

自動車賃貸事業の売上高は前年同期比20.4%増の207百万円。セグメント利益は同136.2%増加の31百万円となった。
一般顧客向け高級車の賃貸が伸び悩んだが、(株)バイノスが実施する除染事業の拡大に伴う作業用車両の増加により大幅な増収・増益となった。

環境メンテナンス事業

(株)バイノスの子会社化によって新たに開始した事業セグメント。
セシウム、ストロンチウム等の放射性物質を効率的に取り込む新種の微細藻類「バイノス」の特性を活かした排水・廃液及び廃棄物処理、除染作業等の事業を展開している。
福島県での受託作業が順調に拡大し売上高は982百万円となったが、作業用重機及び賃借車両に関する初期費用やのれんの償却26百万円が発生したため、営業利益は27百万円にとどまった。

医療機器事業他

医療機器事業が順調に推移したことで、売上高は316百万円(前年同期1百万円)と大きく増加したが、先行して投じた広告宣伝費等の増加により、営業損失は13百万円と、損失幅は前年同期の営業損失210千円から拡大した。

(3)財政状態

売上債権の増加などで流動資産は1,033百万円増加。(株)バイノス子会社化等で、のれんが283百万円増加したほか、長期貸付金が148百万円増加し、固定資産は606百万円増加した。総資産は1,578百万円の増加となった。負債面では、仕入債務が285百万円増加したほか、有利子負債は短期、長期がそれぞれ261百万円、580百万円増加した。これらの結果、負債は1,639百万円の増加となり、13年6月末の自己資本比率は、23.0%と前期末に比べ5.3ポイント低下した。

2013年9月期業績予想
業績見通しを再度上方修正。売上高は100億円を突破し、経常利益とともに過去最高更新を見込む。
売上高は前期比4割増の104億円で過去最高を更新。引き続き好調な生活会員事業、短期少額保険事業に加え、四半期で9~10億円程度の売上が見込める環境メンテナンス事業が寄与。中小同業他社からの攻勢を受けているコールセンター事業も、社内SEM(Search Engine Marketing:検索エンジンから自社Webサイトへの訪問者を増やすマーケティング手法)チームを強化し、集客力の梃入れを図る。
Web広告を前期比47百万円増の386百万円と更に大幅に増強するとともに、マグネット広告520万枚を9月中旬より配布するなど、広告宣伝費は前期比108百万円増加の731百万円を計画。費用対効果を見極めた有効な広告宣伝を展開する。また、コールセンター設置、営業力強化に伴い人件費も前期比約3億円の増加を見込むなど、販管費は前期比24%増加の34億円を計画している。
こうしたコスト増を増収効果で吸収し、営業利益は前期比3割増益の784百万円を予想。経常利益も過去最高を更新する見込み。
配当は安定性、継続性に基づいて中間500円/株、期末1,000円/株の1,500円/株を計画。予想配当性向は21.6%。
(2)トピックス
①JBRグループの新たなチャレンジ:(株)バイノスの復興支援事業

2013年2月に子会社化した(株)バイノスは、筑波大学発のバイオベンチャー企業で、主に同社が発見した新種の微細藻類「バイノス」を使用した排水・廃液及び廃棄物処理、除染作業等の事業を展開しており、現在、福島第一原子力発電所爆発事故後の福島県を中心とした除染作業に従事している。

「バイノス」の特徴
新種の微細藻類で、ストロンチウム、セシウム、ヨウ素等約20種類の放射性物質を高効率で取り込み、吸着させることで汚染水を再利用可能な状態まで浄化する。
除染によって排出される汚染物質の減量に貢献する。乾燥させれば体積を20分の1に圧縮することが可能。
増殖スピードが速く、比較的容易に大量生産が可能である。

具体的な作業は同社が開発した「バイノスRD工法」および「バイノスRDⅡ工法」というもの。「バイノスRD工法」とは、ケルヒャー製シティクリーナーにより洗浄と同時に洗浄水を回収し、洗浄水が溜まったタンクにバイノスを固形化した吸着沈殿剤「バイノスフロック」を添加すると、タンクの底に放射性物質が吸着沈殿する。脱水カゴとろ過用のろ布で処理水と沈殿物を分離し、沈殿物はろ布ごと廃棄する。

「バイノスRD工法」の特徴
従来のマンパワー中心の洗浄方法と比較し、同等のコストで3倍以上のスピード除染が可能。
汚染水の飛散・流出が無い安心工法。
高い除染効果。実証実験によれば、中線量地区で87%、低線量地区で69%低減させることができた。

同社では、これを更に高速処理し、洗浄水の還元を可能にした「バイノスRDⅡ工法」を開発した。

「バイノスRDⅡ工法」の特徴
アスファルト、コンクリート面に効果的なロードリフレッシャーに「バイノス」を用いた水処理設備を搭載。
除染作業後の汚水を95%以上の高効率で自動的に回収。
回収した汚水を再利用可能な状態まで車上で連続的に浄化。洗浄水の給水に要する時間を短縮する。
車両への給排水に係る人による作業をカットできるため、人件費削減と作業員の低線量被爆を抑止できる。
作業時間も10分の1以下に短縮可能。

福島県では、放射性物質汚染対処特措法(正式名称:平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法)に基づき、2012年1月より各市町村レベルで本格除染がスタートしているが、2013年5月末時点での除染の進捗は下記の表のように決して順調とは言えない。

特に、「バイノスRDⅡ工法」が得意とする道路の除染は5分の1しか進んでおらず、今後も同工法による除染作業が増大すると見込まれる。こうした状況に対応し同社では2013年9月から除染に使用するサイクロンシステム車両を現在の2台から12台に増強し、さらに作業効率の向上を図る考えだ。

②JBRグループの新たなチャレンジ:(株)アットワーキングによる医療機器事業

JBRが51%の株式を保有する子会社(株)アットワーキングは、輸入医療機器のメンテナンスサポートを24時間365日体制で提供している。

先端うつ病治療機器など海外で実績のある先進的な医療機器を医療現場に供給することは、本格的なストレス社会の到来で「うつ病」が大きな社会問題となっている現在、急務になっている。
同社はクリニックからの委託を受けて、レーシック治療機器なども含めたこうした先端医療機器のメンテナンスや搬入をサポートし、ドクターへの商品説明、機器の整備、問い合わせなど全て日本語で対応する「メンテナンス事業」と、国内外のメーカーを顧客とし、メーカーに代わって各種交換・返品手続、雑貨販売、問い合わせセンター運営、輸入代行を手掛ける「カスタマーサポート事業」を手掛けている。
主要サポート先は、品川近視クリニック、品川スキンクリニック14院、提携美容外科25院、南青山アイクリニック東京、新宿メンタルクリニック等多数に渡っている。

③株式分割を発表

流動性の向上、株主数の増大を目的とし、1:5の株式分割を実施することを2013年8月20日に発表した。
基準日は2013年9月30日(月)、効力発生日は2013年10月1日(火)。
「売買単位の集約に向けた行動計画」に基づく、売買単位を100株に統一するための株式分割等の対応については改めて公表する考え。

今後の注目点
環境メンテナンス事業の滑り出しが極めて好調だ。
前述のように、「バイノスRDⅡ工法」は作業効率が極めて高いため、スムーズな車の流れが不可欠な道路の除染作業において大活躍しているようだ。今後、放射能汚染物質の中間処理施設の建設地が決まれば、除染現場から処理場までの道路も度重なる除染が必要になると思われ、同工法が採用される場面はさらに増大することも予想される。来期通期では売上40億円規模まで成長する可能性もあるだろう。
一方このところ低調なコールセンター事業においては、SEM対策に本腰を入れる。粗利率100%という高収益事業であるだけに、同セグメントに底入れ・回復の兆しが見られれば、利益拡大にはさらに弾みがつくことだろう。大いにその成果に注目したい。
株式会社インベストメントブリッジ
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