(4849:JASDAQ) エン・ジャパン 2014年3月期第1四半期業績レポート

2013/09/04

今回のポイント
・14/3期第1四半期は売上高が前年同期比10.7%の増収、営業利益が同1.4%の減益。売上面は、「[en]社会人の転職情報」における成功報酬型求人広告及び子会社エンワールド・ジャパン(株)を中心に売上が増加。利益面では、人員の増加や積極的なプロモーション活動を行ったほか、今第1四半期から新たな子会社を連結したことなどにより、費用が増加した。 

・14/3期予想は期初計画である前期比20.2%の増収、同15.0%の営業増益に変更なし。売上高は中途採用事業がけん引する見込みで、海外子会社等の連結化も始まる。利益面では、新卒採用事業のプロモーション強化や連結子会社ののれん代発生等による営業費用の増加を増収効果で吸収。配当も期初予定である期末2,150円(13年10月予定の株式分割を考慮すると21.5円)から変更なし。

・積極的な海外事業展開の成果に加えて、足元急回復している求人掲載件数の増加が、今後、同社のコアビジネスである「[en]社会人の転職情報」を中心とする中途採用事業の拡大にどのようなインパクトをもたらすのか、今後の業績動向が注目される。

会社概要
人材総合サービス企業として、求人サイトの運営と人材紹介を中心に事業を展開。創業以来、「独自性」、「社会正義性」、「収益性」という考え方を背景に求職者に徹底的に尽くすというスタンスを貫いてきたことで優位性を確立。現在は、更なる成長を実現すべく成功報酬型サービスの推進と海外展開を進めている。より組織・事業にフィットした人材の採用から、入社後の活躍・定着までを一貫して実現するサービスを提供することで継続的な成長につなげていく考え。グループは、同社の他、連結子会社9社、持分法適用非連結子会社1社等。

2014年3月期第1四半期決算
「[en]社会人の転職情報」における成功報酬型求人広告と子会社エンワールド・ジャパンが増収をけん引

売上高は前年同期間比10.7%増の36億51百万円(約3.5億円増)。「[en]社会人の転職情報」の売上が成功報酬型求人広告を中心に1.6億円、子会社エンワールド・ジャパン(以下、EWJ社)の売上が1.5億円、それぞれ増加し増収をけん引。この他、当第1四半期から新たに子会社を連結したことも売上増加に寄与した。
利益面では、売上総利益が前年同期比14.0%増加したものの、販管費が同19.3%増加したため営業利益は同1.4%減少した。これは、人員の増加や積極的なプロモーション活動を行ったほか、当第1四半期から新たな子会社を連結したことなどが影響したものであるが、営業利益は会社計画を上回った模様。この他、為替差益1.3億円の計上により経常利益が同15.3%増加、投資有価証券売却益19.9億円の計上により四半期純利益は278.6%増加した

中途採用事業

当事業には、「[en]社会人の転職情報」、「[en]転職コンサルタント」、「[en]派遣のお仕事情報」、「[en]チャレンジ!はた☆らく」、
「[en]ウィメンズワーク」、EWJ社、海外子会社、中途関連その他(適性テスト等)の収益が計上されている。
「[en]社会人の転職情報」及びEWJ社をけん引役に売上高が33億40百万円と前年同期比12.7%増加したものの、人件費やプロモーション費用の増加によりセグメント利益は8億67百万円と同3.5%の増加にとどまった。今第1四半期から新規に連結した海外子会社の売上も加わったが、利益貢献は来期以降になる見込み。

商品別では、「[en]社会人の転職情報」は、成功報酬型商品の新商品入社数が順調に推移したことなどから前年同期比増収となった。また、人材紹介サービス「[en]PARTNER」の本格展開を開始し、営業人員及びコンサルタントを増強するなど組織体制の強化を行った。
この他、「[en]転職コンサルタント」は、人材紹介マーケットが回復基調にある中、顧客の人材紹介会社への拡販が進み、同増収となった。「[en]派遣のお仕事情報」は、小規模派遣会社向けの新商品の販売が好調に推移し掲載事業所数及び売上が前年同期比増加した。「[en]チャレンジ!はた☆らく」は、若手未経験の販売系職種やオフィス事務職種のニーズが高かったことから同減収ながら会社計画は上回った。「[en]ウィメンズワーク」は、トライアル掲載から有料掲載への移行が徐々に進み、概ね計画通りの売上となった。

グローバル企業向けにバイリンガル人材の人材紹介・人材派遣を手掛けるEWJ社は、消費財、医療、IT領域を中心に顧客企業の人材採用需要が高かったことや、前期に採用した人員の戦力化が進んだことから、前年同期比増収となった。日系企業向けの管理職・専門職人材紹介サービス「[en] PREMIUM」も堅調に推移し、会社計画を上回った。

また、今四半期から海外子会社7社の新規連結を開始したことから売上の増加要因となったものの、各会社ともに営業赤字となった。海外事業全体での利益寄与は、来期以降を計画している。

新卒採用事業

当事業には、「[en]学生の就職情報」、新卒関連その他(適性テスト等)の収益が計上されている。
売上高は前年同期比14.5%減の1億90百万円、セグメント利益は1億71百万円(前年同期は93百万円の損失)の損失となった。プロモーションを強化したことで、会員の獲得は順調に進んだものの、これに伴う費用の増加(広告宣伝費・販売促進費は、前年同期の12百万円から87百万円へ増加)により前年同期比でセグメント利益の損失が拡大した。

教育評価事業

当事業には、人事制度コンサルティング、定額制研修サービス「エンカレッジ」、適性テストの収益が計上されている。
売上高は前年同期比47.9%増の1億20百万円、セグメント利益は同17.1%減の16百万円となった。定額制研修サービス「エンカレッジ」は、契約更新が集中する4月に向けて前期に積極的な営業活動及び契約継続施策を行ったことが新規受注の獲得やリピート率向上につながり会員企業数が増加した。また、子会社のシーベースが新たに連結対象となった。

今後の事業方針
13/3期は、成功報酬型求人広告の成果を高め成長ドライバーとする事、海外事業を積極的に推進しグローバル展開の基盤を構築する事の2点を事業方針に掲げ、取組んだ。この結果、前者については、成功報酬型求人広告の売上が前年同期比93.4%増加した。また、後者については、13/3期中にオーストラリアの人材紹介会社Calibrate Recruitment Pty Ltdを買収した他、韓国に人材紹介会社を設立。13年4月にベトナムNo.1の求人サイト及び人材紹介を展開しているNavigos Groupを買収し、同社は14/3期より連結に組み入れる(但し、PLは第3四半期から連結)。

14/3期も、成功報酬型求人広告の成果を高め成長ドライバーとする方針を継続していく考え。13年4月にはエン・ジャパンが行う人材紹介サービス「[en]PARTNER」を本格的にスタートするなど、商品ラインアップを拡充し、人材紹介を含めた成功報酬型商品の売上高、比率を伸ばす計画。

また、もう一つの方針であるグローバル展開については、M&Aを中心に進めていく。現在、5カ国に7つの事業会社を展開しており、うち5社が14/3期から連結対象となる。

※1 (株)シーベース(2012年に子会社化) 採用管理、人事評価、Webリサーチシステム等のASP事業を展開。

※2 Navigos Group は2014年3月期第3四半期からPLを連結化する予定。

2014年3月期業績予想
前期比20.2%の増収、同15.0%の営業増益予想

期初計画である前期比20.2%の増収、同15.0%の営業増益予想に変更なし。
14/3期の事業環境について、同社は円安や株高を背景とした企業業績の回復が期待され、IT、不動産、ヘルスケアを中心に企業の人材採用意欲が旺盛な状況が続くと見ている。EWJ社を含めた中途採用事業が業績をけん引する見込みで、海外子会社等の連結化も始まる。利益面では、新卒採用事業のプロモーション強化や連結子会社ののれん代発生等により営業費用が増加するものの、増収効果で吸収して営業利益が32億円と同15.0%増加する見込み。
投資有価証券の売却益を特別利益に計上したことから、5月16日に当期純利益の計画を16億円65百万円から29億円へ修正済み。
配当も1株当たり21.5円の期初予定から変更なし。尚、13年10月1日を効力発生日として1株を100株に分割する予定であり、分割を考慮した金額を記載している。

今後の注目点
アベノミクスによる景気回復期待から、6月の国内有効求人倍率は、2008年6月以来の5年ぶりの水準となる0.92倍まで回復した。また、完全失業率(季節調整値)も5月の4.1%から3.9%まで低下するなど雇用環境が急速に改善している。また、社団法人全国求人情報協会の調査データによると、求人サイト(インターネットの求人専門サイトで提供されるもの)へ掲載された求人掲載件数は6月に前年同月比で39.5%増加した。こうした雇用環境の改善は、ネット求人広告専業で業界トップの同社の業績へも好影響を与えるものと予想される。同社の今第1四半期業績においても、中途採用事業における、成功報酬型商品の増加が確認された。また、収益性の高いビジネスである人材紹介サービス「[en]PARTNER」の本格展開を開始し、営業人員及びコンサルタントを増強するなど組織体制の強化も図られた。しかしながら、求人掲載件数の増加と同社の売上拡大にはタイムラグがあると予想される。こうした非常に強い求人掲載件数の増加が、今後、同社のコアビジネスである[en]社会人の転職情報を中心とする中途採用事業の拡大にどのようなインパクトをもたらすのか、今後の業績動向が注目される。
更に、現在積極化している海外展開において、事業拡大策による売上拡大がのれん償却費の増加を上回り、今後どのように利益貢献してくるのか、引き続き連結子会社群の業績動向に注目したい。
株式会社インベストメントブリッジ
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