(7590:JASDAQ) タカショー 2013年1月期上期業績レポート

2012/10/25

今回のポイント
・13/1期上期は前年同期比10.6%の増収、同11.6%の経常増益。プロユース部門をけん引役に個別売上高が増加した他、国内及び中国を中心に子会社全体の売上も増加した。先行投資負担等を増収効果で吸収して同19.2%の営業増益。 

・下期は閑散期に当たるため、上期比で売上・利益共に大幅に減少するものの、ホームユース向けでの値上げの浸透等で売上総利益率が改善。前年同期比7.8%の減収ながら、経常利益は同2.3倍に拡大する見込み。通期では、前期比2.5%の増収、同22.0%の経常増益を見込む。配当は1株当たり1円増配の年15円を予定。

・「スマートリビングガーデン」や「景観建材」といった新規分野でも足掛かりができつつある。また、4月にはタカショーブランドの発信基地であり、販促の拠点となる「ガーデナーズ・ジャパン」が本社隣接地にオープンした。同社は産業型から文化型へシフトさせる事で潜在需要を掘り起こしていく考えだ。

会社概要
「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材等の庭園資材を製造・販売。LED(発光ダイオード)ライト等の照明機器、池・滝・噴水等のウォーターガーデンや坪庭等も手掛けている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニアへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。

【販売ルート】

営業部門は、販売ルート別に設計・施工が必要な工務店向け「プロユース」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース」、「e-コマース・通信販売」、「輸出」に分かれる。個別ベースの売上構成比は、それぞれ47.3%、46.1%、2.8%、3.8%(12/1期実績)。
「プロユース」では、プロユーザー向けのカタログ「PROEX(プロエクス)」を業界最大の約25万冊印刷し、造園業者、設計士、エクステリア施工店、商業施設等にダイレクトメールで配布している。カタログには商品を使った庭園イメージの写真が掲載されており、この写真を見ながら実際に施工する場所と庭園の簡単な図面を書いてファックスもしくはWebで発注すると、CAD(コンピュータによる設計支援システム)、CG(コンピュータ映像)を駆使した完成予想図と共に見積書を当日中に返送し、正式な注文があれば商品を短納期する仕組み作りが確立している。

事業戦略
同社は今後の事業展開のキーワードとして、垂直ビジネス、グローバルビジネス、トータル化ビジネス、及び近代化ビジネスの4つを挙げている。

垂直ビジネスでは、商品の企画・製造・販売だけでなく、最下流に当たるサービスにも注力していく考え。ネットと他のメディアによるメディアミックスと商品・サービスのコンテンツの充実により、ガーデンに係る全てをサポートしていく。尚、販売については、ガーデンセンター、各地域展示場、ガーデニング関連雑誌「BISES」(連結子会社(株)日本インテグレート)等を展開しており、この一環として2012年4月に日本初の本格的なガーデンセンターを本社隣接地にオープンした。オープンガーデンのように、施設全体の半分が緑に包まれ、長時間滞在したくなる楽しい空間に造り込んだと言う。

グローバルビジネスでは、中国の生産工場を拡大し、日本品質の製品を、米、英、独、豪、中国、韓国に展開していく。また、米ガーデナーズサプライ社と提携し、サービス・商材・施工等をセットにした展開を、ネット対応を含めて進めている。尚、ホームユース商材については、九江高秀(中国江西省)をはじめ中国各地の工場で生産しており、プロユース商材は、100店舗ものフランチャイズを有する企業(正特集団)との合弁会社である正特高秀(中国浙江省)においてエバーアートウッド等を生産し日本向けの出荷が始まっており、中国国内での販売も計画している。

トータル化ビジネスでは、プロユース、ホームユース、ネット関連等、「ガーデン」を起点にトータル化して展開していく。具体的には、「ガーデン」にかかる国際ビジネス、アジア・中国ビジネス、国内ビジネス、環境・エコビジネス、小売ビジネス、ネットビジネス等すべてを国内外のクループネットワークでつなぎ、利益を確保しながら積極的に投資していく。

近代化ビジネスでは、成長分野である「スマートリビングガーデン」と「景観建材」(非住宅)に注力していく。前者では、「スマートハウス」に力を入れているハウスメーカーのとの提携の中で、「庭からできる省エネ・節電」と銘打って「スマートリビングガーデン」を提唱している。「スマートリビングガーデン」では、庭の緑化やグリーンカーテン等、昔からの知恵をうまく取り込んだ生活を基板としつつ、ソーラーパネルやソーラーライト等の利用により更に省エネ機能を高める。
一方、「景観建材」(非住宅)では1県に1社の代理店を設置して、病院・施設等非住宅の市場開拓を進める。ポイントは、高齢化、情報化への対応、快適性の向上、空間の有効利用、防災・安全化、省エネ・省力化、イメージ向上等で、中でも内外装のイメージ向上が非常に重要であり、外装分野で同社の商品や技術・ノウハウを活用する余地が大きい。

2013年1月期上期決算
前年同期比10.6%の増収、同11.6%の経常増益

売上高は前年同期比10.6%増の92.5億円。プロユース部門をけん引役に個別売上高が増加した他、事業の再構築に取り組む欧州子会社の苦戦を国内や中国子会社の好調でカバーして子会社全体の売上も増加した。

利益面では、先行投資負担等で売上総利益率が低下した事に加え、子会社の設立等で販管費も増加したが、増収効果で吸収。営業利益は7.5億円と同19.2%増加した。リスクヘッジと活用している為替予約に係る差損益の悪化(7百万円→△35百万円)で経常利益は同11.6%の増加にとどまったものの、特別損失の減少(41百万円→23百万円)や税負担率の低下等で四半期純利益は3.8億円と同18.4%増加した。

プロユース部門では、積水ハウスなど大手ハウスメーカー6社との取り組みの成果や新製品の寄与で、家と庭をつなぐ空間となる「ポーチガーデン」シリーズが好調に推移。部材として使われるエバーアートウッドや人工竹垣関連等の売上が増加した。一方、ホームユース部門では、前期好調だった反動でソーラーライトが大きく落ち込んだものの、暑さ対策としてシェードやよしず等の日除け商品が伸びた他、夜の庭を演出するローボルトライト(12ボルトLEDライト及び100ボルトLEDライト等)も新商品の寄与と同社の認定制度である「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」の認定者の拡大で売上が増加した。

子会社では、同社の子会社としては最大の売上規模を誇るガーデンクリエイト(株)(和歌山県海南市)の売上がラッピング工場の増設効果で増加した他、新潟支店(約800m2(約240坪)のスペースにガーデン・エクステリア関連のトータル的な商材をそろえた大型展示場を有する)が本格稼働したトーコー資材(株)の売上も伸長。ガーデニング関連雑誌「BISES」等の発行を手掛ける(株)日本インテグレートの売上も伸びた。
海外では、江西高秀(中国江西省)による日本のホームセンター各社への直送が軌道に乗った他、生産が本格化した正特高秀(中国浙江省)が日本への輸出を開始した。一方、欧州子会社は、現地の販売先が中国からの直接仕入れにシフトしたため商流が細り業績が悪化した。このため、8月に100%子会社化し、現在、現地の小売店の開拓に力を入れている(従来の商社的な輸入代理ビジネスからのシフトを進めている)。
この他、今期2月に屋内LED 照明機器及び業務用サイン照明の販売等を手掛けるデジライト販売(株)を設立した(和歌山県海南市)。尚、ガーデンクリエイト(株)は、12年1月に和歌山ガーデンクリエイト(株)が奈良ガーデンクリエイト(株)を吸収合併すると共に商号を改めた。

主な商材の売上高

人工竹垣関連     1,152百万円(前年同期9%増)
エバーアートウッド  1,035百万円(同26%増)
日除け商品      1,876百万円(同16%増)
ソーラーライト     268百万円(同41%減)
ローボルトライト    102百万円(同83%増)

上期末の総資産は前期末比26.8億円増の148.7億円。売上の増加で売上債権及び仕入債務が両建てで増加した他、欠品リスクの回避を念頭に在庫の積み増しを行った事や新規事業に伴う新アイテム等でたな卸資産が増加。この他、純資産や長期借入金の積み増しで有利子負債が増加した。尚、12年4月に新株発行及び自己株式の売り出しによる資金調達を行った。発行株数及び調達額は、新株発行が140万株、512百万円、自己株式の売り出しが21万株、76百万円。

中国子会社の事業拡大や米国・豪州での大型納品契約等による運転資金の増加で営業CFが4.3億円のマイナスとなる中、子会社を中心にした設備投資の増加で投資CFのマイナス幅も増加した。長期借入金の積み増しや新株発行及び自己株式の売り出しで運転資金や設備投資資金の増加に対応したため財務CFが大幅な黒字となり、現金及び現金同等物の上期末残高は前期末(18.0億円)比1.5億円増加した。

2013年1月期業績予想
下期は閑散期に当たるため、上期比で売上・利益共に大幅に減少するものの、ホームユース向けでの値上げの浸透等で売上総利益率が改善。売上が60.8億円と前年同期比7.8%減少するものの、経常利益は同2.3倍に拡大する見込み。通期では、売上高153.3億円(前期比2.5%増)、経常利益8.4億円(同22.0%増)を見込む。配当は1株当たり1円増配の年15円を予定。

今後の注目点
国内外で生産及び物流体制の整備が進んでおり、また、「スマートリビングガーデン」や「景観建材」といった新規分野でも足掛かりができつつある。また、4月に本社隣接地にオープンしたオープンガーデンはタカショーブランドの発信基地であり、販促の拠点ではあるものの、多分に文化的な意味合いも持つ。「顧客の生活価値を高め、家の資産価値を高め、その結果として地域の価値向上に貢献していく」というコンセプトに沿って事業が進んでいる。同社は産業型から文化型へシフトさせる事で潜在需要を掘り起こしていく考えだ。海外展開を共に今後の進捗に期待したい。
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