(3770:東証1部) ザッパラス 2013年4月期第1四半期業績レポート

2012/10/03

今回のポイント

・13/4期1Q(5-7月)は前年同期比16.8%の減収、同21.1%の経常減益。フィーチャーフォン会員の減少が響き減収・減益となったものの、対応が進んだスマートフォンでは会員が順調に増加。1Q末のスマートフォン向けサイトは420サイトと前期末比51サイト増加し、「iPhone」向けサービスも開始した。

・現在、「ライフタイムプラットフォーム」戦略を推進している。主要顧客層であるF1層が年齢を重ねても同社のサービスを利用し続ける事を目的としており、併せて顧客層の拡大にもつなげたい考え。この一環として、5月に藤巻幸大氏プロデュースによるWebサイト「藤巻百貨店」(男性層に向けて“こだわりの商品”を提案)をオープンした他、7月にはママ層向けコマースサイト「cuna select(クーナセレクト)」をオープンした。

・上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比19.0%の増収、同15.2%の経常減益を見込む。スマートフォンの月額課金会員の増加や子会社の販売拡大で2Q(8-10月)以降は増収に転じる見込み。ただし、利益面では、広告宣伝費を中心に今後の注力分野への投資を優先するため、コスト負担が響く見通し。配当は1株当たり4,200円の期末配当を予定。

会社概要
「占い」を中心にしたデジタルコンテンツの企画制作・開発・運営を行うコンテンツ事業を中心に、Eコマース等を手掛けるコマース関連事業等を展開しており、売上構成比(12/4期)は、それぞれ78%、18%(この他、プロフィールサイト運営等の「その他」が4%)。占い」に代表されるコンテンツの企画制作に強みを持ち、「顧客の属性や消費動向の分析により、顧客のニーズに合致したサービスや商品の提供を行う事で高収益を実現している。顧客層は一般的に可処分所得が高いと言われる20~34歳の女性層(F1層)が中心。

モバイル占いシェアNo.1の実績、コンテンツの企画制作力(12/7第1四半期末サイト数フィーチャーフォン512サイト及びスマートフォンフォン420サイト)、及び強固な会員基盤を強みとし、蓄積されたデータベースを元に、嗜好を予測し、顧客に合ったコンテンツ・商品をメルマガ・リンク等を活用し訴求する事で、LTVの最大化に努めている。

【沿革】

2000年3月にサイバービズ(株)として設立され、同年6月にiモード公式コンテンツ「待受ギャラリー」の配信を開始。03年3月にモバイルコマースに参入し(iモード公式ショップ「アロマガーデン」をオープン)、同年4月には占いコンテンツの配信を開始(04/4期は通期で新規占いコンテンツ22サイトを投入し、「占い」でトップシェアを獲得)。05年5月の東証マザーズ上場を経て、09年2月に東証1部へ指定替えとなった。10/4期以降は占いコンテンツ市場の成熟が顕著となり、12/4期は上場以来初の減収減益となったが、11年8月には創業メンバーの一人であった川嶋副社長が代表取締役会長兼社長に就任。成長軌道への回帰に向け、コンテンツ事業のスマートフォン対応を加速すると共にコマース事業の構造改革に着手。この一環として、11年11月にオーガニックコスメを手掛ける(株)ビーバイイーを子会社化する一方、グループ経営の効率化を図るべく、12年4月に携帯電話販売を手掛ける子会社(株)ジープラスを清算した。

2013年4月期第1四半期決算
前年同期比16.8%の減収、同21.1%の経常減益

売上高は前年同期比16.8%減の23.6億円。売上高の内訳は、フィーチャーフォン会員の減少が響いたコンテンツ事業が同16.2%減の17.6億円、コマース関連事業も前期の第2四半期(8-10月)に商材の絞り込みを行った影響で5.2億円と同23.9%減少。一方、1月に事業譲受したプロフィールサイト「前略プロフィール」の寄与等でその他が0.7億円と同61.0%増加した。減収の影響をカバーできず営業利益は6.0億円と同21.3%減少したものの、運営コスト(外注費・労務費等)の最適化に加え、コマース関連事業においては自社商品を販売する(株)ビーバイイーの子会社化で売上総利益率が2.9ポイント改善。一方、販管費は、子会社やサイト買収による減価償却費の負担が増加したものの、広告宣伝費や人件費の最適化が奏功したほか、売上の減少による回収代行手数料の減少もあり、10.4億円と同7.5%減少した。

前年同期比では減収・減益となったものの、前四半期比では減収ながら増益。フィーチャーフォン会員の減少を補えなかった事が減収の要因だが、占いを中心にしたサイト数やメニューの増加でスマートフォン会員及び同売上高は着実に増加している。
また、売上高全体に占める個別課金売上高の比率も上昇している。個別課金とは月次の定額課金(月額課金)ではなく、利用の都度の課金。月額課金を安定的な収益減としつつ個別課金を増やす事で、収益の安定化と成長が可能になる。

利益面では、売上減に伴いロイヤリティや外注費が減少した事等で売上原価が前年同期比で減少。広告宣伝費の効率化や回収代行手数料の減少等で販管費も前年同期比で減少した。

ロイヤリティ 211百万円→167百万円  広告宣伝費   384百万円→331百万円
外注費    102百万円→ 81百万円  回収代行手数料 242百万円→213百万円

前期の第2四半期(8-10月)に商材の絞込みを行った影響や携帯電話販売事業からの撤退の影響で前年同期比減収だが、オーガニックコスメを手掛ける(株)ビーバイイーの新商品の販売好調で前四半期比では売上高が増加した。尚、5月に藤巻幸大氏プロデュースによるWebサイト「藤巻百貨店」(男性層に向けて”こだわりの商品”を提案)をオープンした他、7月にはママ層向けコマースサイト「cuna select(クーナセレクト)」をオープンした。

コスト面では、売上高の減少に加え、自社商品の卸販売を中心とする(株)ビーバイイーを子会社化した事で商品原価や荷造運搬費が低減したため、売上原価が前年同期比で減少。また、自社商品の卸販売が中心となった事で広告宣伝費や支払手数料が減少し販管費も前年同期比で減少した。

商品原価   389百万円 →274百万円  広告宣伝費 48百万円→21百万円
荷造運搬費  77百万円 → 8百万円  支払手数料 27百万円→13百万円

第1四半期末の総資産は前期末比1.3億円減の92.8億円。実質無借金で流動性の高い優れた財務体質も同社の強みである。自己資本比率は84.1%。

2013年4月期業績予想
上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比19.0%の増収、同15.2%の経常減益を見込む

上期予想に対する進捗率は、売上高47%、経常利益74%、純利益69%と進捗率は高めに推移しているが、会社側では「概ね計画通り」としている。スマートフォン会員の増加や(株)ビーバイイーの売上増で第2四半期以降、増収に転じる見込みだが、利益面では、広告宣伝費を中心にした注力分野への先行投資が負担となる。
尚、コンテンツ事業において、8月に「LINE」向けに占いコンテンツの配信も開始した。また、コマース関連事業においては、(株)ビーバイイーが7月に商品リニューアルを実施(オーガニックシャンプー「rinRen/凛恋」)し、8月には全国放送のTVCMも開始した。

配当は前期と同額の1株当たり4,200円の期末配当を予定。同社は個別当期純利益をベースにした配当性向30%を目処に配当を実施していく考えだが、「各期の経営成績に加え、内部留保の充実と事業投資等を総合的に勘案し、毎期検討していく」としている。13/4期の配当性向は39.6%となる見込み。

今後の注目点
コンテンツ事業、コマース関連事業共に、今後のポイントは顧客層の拡大である。スマートフォン市場での競争は、キャリアに守られていたフィーチャーフォンとは異なる厳しさがあるが、同社のコンテンツ事業においてはスマートフォン対応が順調に進んでおり、コマース関連事業においても、商材開発や新たな客層開拓の導線整備等で成果をあげている。これら取り組みの成果が現れてくる第2四半期以降の業績に期待したい。
株式会社インベストメントブリッジ
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