(2375:東証マザーズ) スリープログループ 2012年10月期第3四半期業績レポート

2012/10/03
今回のポイント
・12/10期3Q(累計)は前年同期比24.3%の減収ながら、経常利益は10倍に拡大した。減収は教育支援事業からの撤退によるもので、経営資源を集中したBPO事業単独では同12.4%の増収。営業・販売支援、フィールドサポート、コンタクトセンター等、主要事業が堅調に推移する中、教育支援事業からの撤退で販管費負担が軽減された。
・通期では前期比19.3%の減収ながら、経常利益が同3.2倍に拡大する見込み。モバイル・ブロードバンド関連を中心にBPO事業の売上が同9.2%増加。全社的な生産性の改善も進み、営業利益以下の各利益段階で最高益の更新が見込まれる。
・3Q(5-7月)は(株)インベストメントブリッジが想定したよりも若干弱かったが、収益性や財務体質の改善が着実に進んでおり、4Q(8-10月)も不安は少ない。来期以降については、海外企業の日本進出を支援するグローバルBPO事業が注目される。SYNNEXグループとのシナジーが期待できるだけに、ポテンシャルは大きいと考える。
会社概要
IT環境及びIT関連機器のユーザーを顧客とする企業、或いはそれを活用する個人及び企業を対象に、多様なIT関連のサポートサービスを日本全国で展開している。”市場創造サポーター”、”IT ビジネスのパートナーカンパニー”を標榜し、①バランスのとれたサービスポートフォリオと優良な顧客資産、②12万人の登録エージェントによる全国的なサービス展開力、③多様なニーズへの的確な対応力・即応力、更には④日本におけるBPOサービスの成長性とSYNNEXグループ(後述)とのワールドワイドのシナジーを強みとする。
【事業内容】
事業は、BPO(Business Process Outsourcing)事業の単一セグメントだが、サービス内容に応じて、マーケティング&コミュニケーション、フィールドサポート、コンタクトセンター、及びテクノロジーの4分野に区分されている。11/10期の売上構成比は、マーケティング&コミュニケーション29.6%、フィールドサポート31.2%、コンタクトセンター28.3%、テクノロジー10.9%。
マーケティング&コミュニケーション
販売や営業の支援を行っており、具体的には、マーケティングサービスとして、量販店の店頭等での消費者への製品説明、実演・イベント等の販売応援、売場環境・展示環境の整備、及び消費者の意見・競合他社や売場の情報収集を行っている他、コミュニケーションサービスとして、法人や店舗を対象にした通信キャリアサービスの新規顧客開拓、地域での市場シェア獲得代行、モバイル基地局の営業支援・コンサルティング等のサービスを提供している。
フィールドサポート
ITに特化したフィールドサポートから運用保守にいたるまでをワンストップでサポートしており、具体的には、オフィスのITインフラ整備や電子マネー端末などIT端末の導入・設置、バージョンアップに伴う入れ替え作業、更には運用・監視(ヘルプデスク、定期メンテナンス、駆けつけ障害対応)等のサービスを提供している。
コンタクトセンター
コールセンターの構築等に関する「困った・わからない」を解決するコールセンターコンサルティング、同社施設を利用した電話業務全ての受託や顧客の施設内で業務を行うコールセンター受託サービス、及びテレフォンオペレーターやリーダーの派遣サービスを提供している。
テクノロジー
自動車部品メーカー向け機関システム開発、化粧品メーカー向け生産管理システム開発、通販Webサイトシステム開発等の実績を有するシステム開発サービス、及び大手自動車メーカーの機械CAD設計、大手自動車部品メーカーの電子・制御システム開発・実験・解析・生産管理、更には化学製品・建設機械・事務機器メーカーの設計・開発・管理等の実績を有するエンジニアリング開発サービスを提供している。
【成長戦略 BPO事業への経営資源集中で成長を目指す】
第1、第2の創業 「ITビジネスのパートナー」「市場創造サポーター」として事業を拡大
1977年1月に(株)ザポイントスタジオとして創業。休眠会社として活動を停止した時期もあったが、96年4月に開始した導入・設置交換支援サービス(スリープロ事業)が転機となり業容が拡大。99年1月のスリープロ(株)への社名変更を経て、2003年11月に株式を東証マザーズに上場した。その後は、M&Aでサービスラインナップを拡充し、IT業界に特化した販売支援、導入・設置・交換支援、及び運用支援を手掛けるBPO事業を展開。06年5月にはスリープログループ(株)に商号を変更し、持株会社へ移行。第2の事業の柱としてパソコン教室等の学習支援サービスの育成にも取り組み、10年3月にはパソコン教室大手の(株)アビバを子会社化した。
第3の創業 (株)グローバルBPOを筆頭株主に迎えBPO事業に経営資源を集中
上場後はM&A効果で売上が拡大したものの、外部環境次第で利益が大きく変動する不安定な状態が続いた。10年11月に中高の祖とも言える高野氏が辞任し、11年4月から6月にかけて(株)グローバルBPOが同社議決権の16.13%を取得。BPO事業に経営資源を集中するべく、同年8月に(株)アビバの株式を全株売却した。
尚、(株)グローバルBPOはデータ入力及びそれに伴う事務処理の受託等のBPOサービスを提供しており、ニューヨーク証券取引所に株式を上場するSYNNEX社(米)グループ傘下の日本法人。11年8月に開催された臨時株主総会において、(株)グローバルBPOの代表取締役を務める関戸明夫氏がスリープログループ(株)の代表取締役に、SYNNEX社の創業者であるRobert Huang氏が取締役会長(社外取締役)に、それぞれ就任した。
また、SYNNEXグループはハードウエア、ソフトウエア、サービスソリューション等のITディストリビューションを展開しており、年商は8,000億円を超える(11/12期:10,410 $M)。SYNNEXグループとの協業はスリープログループ(株)にとっても大きなビジネスチャンスであり、具体的には、SYNNEXグループが提供するプロダクトやサービスの営業販売支援の受託、SYNNEXグループが納品したプロダクトの導入・設置・交換業務の受託、更にはSYNNEXグループが提供する商品やサービスから生じる運用・保守業務の受託等で大きなグループシナジーが期待できる。
12/10期は、営業、経常、当期の各利益段階で最高益更新が見込まれる
(株)グローバルBPOとの提携の実質初年度となる12/10期は営業利益が倍増し、営業利益以下の各段階で最高益更新が見込まれるが、グループシナジーを本格的に発揮するのはこれからだ。
2012年10月期第3四半期決算
前年同期比24.3%の減収ながら、経常利益は10倍に拡大
売上高は前年同期比24.3%減の7,147百万円。売上の減少は(株)アビバの株式を売却し教育支援事業から撤退した影響によるもので、BPO事業単独では同12.4%の増収。キャンペーンの取り込みやWi-Fiアンテナ設置営業等の好調でマーケティング&コミュニケーションサービスの売上が増加した他、全国的な対応力を活かし、フィールドサポートサービスも堅調に推移。この他、スマートフォンやタブレット端末関連を中心にコンタクトセンターサービスの売上も増加した。
利益面では、売上総利益率が高い教育支援事業(その一方で広告宣伝費を中心に販管費の負担が重い)から撤退した影響で売上総利益率が低下したものの、販管費の減少で営業利益率が改善。増収効果と相まって前年同期は40百万円だった営業利益が208百万円に拡大した。貸倒引当金(50百万円)や偶発損失引当金(38百万円)の戻入等で営業外損益も改善。子会社株式売却益(339百万円)が無くなった事等で特別損益が悪化したものの、四半期純利益は308百万円と同87.5%増加した。
(2)サービス別動向
前期に子会社を売却し教育支援事業から撤退したため、現在、BPO事業の単一セグメントだが、BPO事業は、①通信キャリアの新規顧客開拓や家電量販店での店頭販売支援サービスを提供するマーケティング&コミュニケーションサービス、②ITに特化した導入・設置・交換支援から保守運用までワンストップでサポートサービスを提供するフィールドサポートサービス、③IT周辺機器やインターネット接続等に関わるヘルプデスクサービスを提供するコンタクトセンターサービス、及び④情報システム(オープン系・汎用系)やエンジニアリング分野(自動車・機械・電子・通信・制御等)における受託開発や人材支援を行うテクノロジーサービスに分ける事ができる。
この第3四半期累計期間では、(株)グローバルBPOとの提携に至った昨夏以降の営業強化が実り、マーケティング&コミュニケーションサービスにおいて年度末のキャンペーン需要の取り込みが進んだ他、Wi-Fiアンテナ設置営業やブロードバンド加入促進営業等の業務も伸びた。一方、フィールドサポートサービスでは全国的な対応力を活かし、大手家電メーカー製品の点検交換業務やスマートデバイスのキッティング等のスマートフォン導入業務等の取り込みが進んだ。この他、セキュリティソフトやスマートフォン等のタブレット端末のテクニカルヘルプデスク業務を中心にコンタクトセンターサービスが堅調に推移した他、テクノロジーサービスでは東海地方における車両関連のシステム開発需要の増加でソフトウエア開発・評価業務等の売上が増加した。
第3四半期末の総資産は前期末比2.2億円減の26.2億円。売上債権や長期貸付金の回収が進んだ事等で資金が効率化し、有利子負債の削減につながった。昨夏以降、財務体質の改善が顕著に進んでおり、自己資本比率は前期末の22.6%から37.1%へ14.5ポイント改善した。
2012年10月期業績予想
通期業績予想に変更は無く、前期比19.3%の減収ながら、経常利益が同3.2倍に拡大する見込み
連結売上高は9,548百万円と前期比19.3%減少する見込みだが、Wi-Fiアンテナ設置営業、企業内での新型OSへの移行に伴う関連需要の取り込み、更にはスマートフォン、タブレット端末、Wi-Fi等のデジタル機器の導入支援サービス等を中心にBPO事業単独では同9.2%の増収を見込む。全社的な生産性の改善も進み、営業利益以下の各利益段階で最高益の更新が見込まれる。
今後の注目点
第3四半期(5-7月)は(株)インベストメントブリッジが想定したよりも若干弱かったが、収益性の改善や財務体質の改善が着実に進んでいる。このため、通期業績は、ほぼ予想に沿った着地になると思われ、下振れの懸念は少ない。来期以降については、海外企業の日本進出を支援するグローバルBPO事業が注目される。SYNNEXグループとのシナジーが期待できるだけに、ポテンシャルは大きいと考える。
株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
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