(2405:東証マザーズ) フジコー 2012年6月期業績レポート

2012/09/27

今回のポイント
・建設工事現場から出る廃棄物を始めとして食品残渣など、産業廃棄物、一般廃棄物の処理を行う。木くず、繊維くずなどを用いたバイオマス発電ビジネスに力を入れている。許可を取得している廃棄物品目数の多さ、最新鋭の施設と技術の導入、食品リサイクル事業のパイオニアであることなども同社の強み。 

・12/6期は処理施設の点検、改修などで受入制限を行ったため増収・減益となったが、受入制限を解除した2012年5月以降は順調に売上・利益ともに拡大しており、今13/6期は、営業力を強化することに加え、施設休止期間も少なくなり増収・増益へ。配当は1円増配の6円/株を予定している。
電力小売り事業での参入のため子会社を設立。固定価格買取制度での施設認定を2012年10月前後と見込み、今期の売電売上は前期比18百万円増の109百万円を計画している。

・食品リサイクル、バイオマス発電に軸足を移していく同社の当面の注目点は、今期スタートする電力小売り事業が計画通りに推移するかという点だ。また、1か所25~30億円が必要なバイオマス発電設備新設を、スポンサー企業の獲得によってどの程度のスピードで進めることができるのかという点も注目していきたい。

会社概要
建設工事現場から出る廃棄物を始めとして、産業廃棄物、一般廃棄物の処理を行う。
事業セグメントは①建設系リサイクル事業、②食品系リサイクル事業、③白蟻解体工事の3つに分類される。
「動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)」を用いたバイオマス発電ビジネス(同社は木くず、繊維くずなどを利用)に力を入れている。
許可を取得している廃棄物品目数の多さ、最新鋭の施設と技術の導入、食品リサイクル事業のパイオニアであることなども同社の強み。

【沿革】

住宅の害虫防除や白蟻駆除工事からスタートした同社は、白蟻が発生する前の新築時に「予防」を行えば、白蟻の発生を食い止めることができると考え、ハウスメーカーや工務店向けに「新築時の白蟻予防工事」を提案。その後、「白蟻は家屋の解体時に発見される」ことに着目し、白蟻工事の受注拡大を目指して解体工事をスタートした。
この家屋解体工事の際に排出される廃棄物を処理することを目的として、建設系リサイクル事業を開始。
その後、事業領域拡大を図り食品系リサイクル事業を開始し、一般廃棄物の取扱も始めた。CO2削減と適正処理、高収益を目的に発電事業にも参入した。

1974年 2月 東京都台東区花川戸に株式会社フジコーを設立し、有害動物昆虫等の防除の受託および関連商品販売のため、環境事業の営業を開始
1974年 8月 家屋ビル鉄骨等の解体とその資材の販売のため、解体事業の営業を開始
1976年 2月 本社を東京都台東区駒形2丁目6番5号に移転
1988年10月 千葉県印旛郡白井町(現千葉県白井市)に白井事業所を新設
1991年 1月 自走式破砕機により建設廃材のリサイクル事業を開始
1991年 6月 産業廃棄物処分業許可を取得
1991年 8月 白井事業所内に建設廃材破砕再生施設を新設
1996年 4月 千葉県印旛郡白井町(現千葉県白井市)に試験用飼料加工施設を新設し、食品廃棄物の飼料化試験を開始
1998年 5月 千葉県印旛郡白井町(現千葉県白井市)に試験用堆肥化発酵施設を新設し食品廃棄物の堆肥化試験を開始
2000年 7月 一般廃棄物処分業許可を取得
2000年 9月 千葉県印旛郡白井町(現千葉県白井市)に白井再資源堆肥化センターを新設、堆肥化事業として食品循環資源のリサイクル事業を開始
2001年 6月 有限会社白井遊楽ファームを子会社化
2001年 6月 本社を東京都台東区駒形2丁目7番5号に移転
2003年 1月 白井事業所にて焼却施設「新1号炉」竣工
2004年 2月 白井事業所にて焼却施設「新2号炉」竣工
2004年 3月 白井再資源化センターにて食品資源による乾式メタンガス発電施設完成
2004年 7月 東証マザーズ市場に上場
2007年11月 白井事業所内にバイオマスガス化発電施設を新設、バイオマス発電によりエネルギー資源の利活用を開始
2009年10月 茨城県鉾田市に食品残渣を加工した液状飼料(リキッドフィード)による養豚事業を開始
2011年 4月 食品リサイクル事業において(株)ファームネットジャパンと業務提携
2012年 7月 電力小売り事業の子会社「里山」を設立
【経営理念・ビジョン】

「住まいと環境を守る」を経営理念に、創業時から各種サービスを提供してきた。
今後は未利用資源の利活用を事業化することにより循環型経済社会の構築に貢献していきたいと考えている。

【市場環境】

環境省が2012年5月に発表した「環境への取り組みをエンジンとした経済成長に向けて」と題する報告書によれば、廃棄物処理・資源有効活用の市場規模は2000年の35.5兆円から2009年の37.6兆年へ5.9%増加した。
このうち小項目では、「廃棄物処理用装置・施設」は同期間に明確な減少傾向を示しているが、「廃棄物処理・リサイクルサービス」は15.2%と増加している。また細分類では「中間処理」10.4%増、「産業廃棄物処理」10.3%増と過去10年では堅調な伸びを見せている。

ただ、グラフで見ると明らかなようにどの項目も2004年頃をピークに横這いとなっており、会社側もリーマンショック後は市場の拡大は(特に建設系廃棄物)見込みにくいと考えている。
そのため、食品系リサイクルへの注力、取引先の多様化、バイオマス発電事業の開始など事業領域の拡大を図っている。

【事業内容】

産業廃棄物や一般廃棄物を顧客である事業者から受入れ、自社保有の施設で中間処理(破砕、焼却など)を行っている。

≪廃棄物処理業界について≫
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」および「輸入された廃棄物」が産業廃棄物と定義されており、産業廃棄物以外のものが一般廃棄物とされる。
廃棄量は一般廃棄物が年間約5,000万トンに対し、産業廃棄物が年間約4万トン。
産業廃棄物は同法により21品目が列挙されているが、取扱許可は品目ごと、施設ごとに取得しなければならない。廃棄物処理を委託する側からすれば、受入品目・受入施設がより広範な事業者の方が手間が少なく、効率的である。
産業廃棄物処理業者数は全国で約13万。(環境省産業廃棄物処理業者 検索システムより。2012年8月14日現在。)
産業廃棄物処理施設数は、中間処理施設数 19,320、最終処分場数 2,157。(産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況。平成21年度実績より)

事業セグメントは「建設系リサイクル事業」、「食品系リサイクル事業」、「白蟻解体事業」の3つであり、売上高および売上総利益の構成は以下のようになっている。

<建設系リサイクル事業>
売上高 1,411百万円、売上総利益 229百万円
(2012年6月期実績)

主要顧客:廃棄物処理会社、ハウスメーカー、工場、倉庫、ショッピングセンター等

首都圏近郊の廃棄物処理会社、ハウスメーカー、工場、倉庫、ショッピングセンター等からの委託を受け、木くず、紙くず、廃プラスチック類、がれき類等の産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設で、焼却、破砕、リサイクル処理を行っている。
発電施設では、受入れた木くず等のバイオマス(生物資源)を原料とした発電により、温室効果ガスの削減を推進し、自然エネルギーとして付加価値の高い電力販売を行っている。
また住宅、アパート等の新・改築時に発生する廃棄物を発生場所から処理施設まで運搬する収集運搬業務も行っている。

≪バイオマス発電とは?≫

バイオマスとは、「動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)」のことで、主に木材、海草、生ゴミ、紙、動物の死骸・ふん尿、プランクトンなどを指す。
化石燃料と違い、バイオマスは太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素から生物が生成するものなので、持続的に再生可能な資源であることが大きな特徴。 バイオマスの種類は主に「廃棄物や未利用のもの」、「資源作物」に大別されるが、同社では木くず、紙くず、繊維くずを利用している。

これら受入廃棄物を破砕した後、低酸素状態で可燃性ガスを抽出し、燃焼させて蒸気タービンを回転させ、発電を行う。毎時1,800kW(1日43,200kW)の発電能力は、バイオマスによるものとしては、非常に高効率といわれている。

<食品系リサイクル事業>
売上高 256百万円、売上総利益 39百万円
(2012年6月期実績)

主要顧客:スーパーマーケット、レストラン、食品加工工場等

スーパーマーケット、レストラン、食品加工工場などの食品関連事業者等から委託を受け、食品廃棄物のうち、リサイクルが可能な食品循環資源である産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設で、発酵分解による堆肥化、メタン発電による発電、乾燥及び発酵による飼料化へのリサイクル処理を行っている。

同社が保有する鉾田ファームの養豚施設では、リサイクル製品である液状飼料(リキッドフィード)を利用して、豚の肥育を行っている。通常の飼料は、食品残渣を乾燥させるのに時間と燃料費がかかるが、リキッドフィードはそうした手間がかからないことから注目し、まず自社で試験的にリキッドファームを使った養豚を手掛け始めた。
その後、2011年4月に業務提携を行った(株)ファームネットジャパンの協力もあり、リキッドフィードは徐々に養豚業者に広がりつつある。リキッドフィードの拡大は、そのものの売上拡大ももちろんだが、受入食品残渣の拡大にもつながることから、引き続き拡大に注力していく考えだ。
また、再生堆肥の品質向上を目的として、農作物の栽培試験及び農作物の生産販売をグループ会社の(株)遊楽ファームで行っている。
将来的には、養豚も含めた「農業」に力を入れ、東北地方の復興に貢献すると共に、差別化を図っていきたいと考えている。

≪乾式メタン発電とは?≫

堆肥化処理の一環として発生するメタンガスを回収し、エネルギー源として利活用する発電方法。
従来の湿式メタン発電と比べて、汚水の処理が不要で、原料を破砕する必要がなく、あらゆる食品循環資源に対応可能な技術をドイツのビオフェルム社より導入している。
発電した電気は、白井再資源化センター内の堆肥化処理、飼料化処理における機械設備の電力として利活用している。

<白蟻解体事業>
売上高 197百万円、売上総利益 31百万円
(2012年6月期実績)

主要顧客:ハウスメーカー、工務店、一般個人等

ハウスメーカー、工務店などの建築関連事業者から、または直接一般の個人からの依頼により、住宅及びアパート等の解体工事、白蟻予防工事の見積調査及び施工を行っている。
また、リフォーム会社からの依頼により、既存住宅の白蟻防除工事、家屋害虫の駆除工事等も行っている。

強みと特徴
①許可品目の多さ

前述のように、廃棄物処理の許可は品目ごとに必要だが、同社は産業廃棄物21品目中13品目の許可を得ている。また民間事業者では少ない一般廃棄物処分業の許可も取得している。

②多様な取扱廃棄物

建設系廃棄物からスタートした同社だが、現在は事業領域の多角化を進める中で、食品工場、製造業、飲食業など多様な廃棄物を受入れている。

③創業時から社会的に意義のある事業活動

「住まいと環境を守る」を経営理念に、創業時から現在まで社会的貢献度の高い事業を手掛けている。

④最新鋭の処理施設と技術を導入

破砕、焼却、熱分解、乾式メタン発電、バイオマス発電と常に業界に先駆けて最新の処理施設と技術を導入しており、高い信頼性と安心感を提供している。

⑤食品リサイクル事業のパイオニア

同社は首都圏の事業者としては食品リサイクル事業への参入第1号。食品リサイクル事業における堆肥化、飼料化、養豚事業等を通じ今後益々重要性が高まる農業との連携を深めている。

⑥廃棄物処分業としてのバイオマス発電

廃棄物処分業者の中でバイオマス発電を手掛けているのは同社を含めごく少数。リサイクル及び温室効果ガス削減への貢献と、売電による新たな収益源確保を目指している。

2012年6月期決算概要
新規開拓などにより売上高は過去最高を更新するも、外注費増、R&D費用増などで減益へ。

売上高は前期比 9.5%増の1,866百万円で過去最高を更新。
第1四半期に4年に一度の発電施設の法定点検、第2四半期末から第4四半期にかけて焼却施設等の改修工事を行ったため、通期で約6か月間、受入制限を行ったが、取引先新規開拓に注力したこと(取引先社数は前期比77社増の920社)や受入価格の引上げもあり、前期比増収を達成した。
売上高実績は期初計画も上回ったものの、利益面では、人件費や維持管理費の増加は計画内だったが、受入制限に伴う廃プラスチック類の埋立増加など外注・埋立処分費用が計画を上回り、売上原価が増加。販管費も飼料改良のためのR&D費用が増加したことなどから、営業利益は21.2%の減益となった。固定資産の評価損・除却損、税制改正に伴う法人税等調整額の計上により当期純利益は前期に比べ大きく減少した。

<建設系リサイクル事業>

主力施設の焼却施設及び発電施設の法定点検や改修工事を実施したため、稼働日数は例年よりも少なくなった。
ただ、焼却・発電における受入平均単価のアップ(前期比 +14%)により、焼却施設の売上高は同0.7%増、発電施設も同3.8%増となった。
受入平均単価は、焼却施設では前期比+12.2%、発電施設でも同20.2%増加した。
売電数量は発電施設の稼働日数の減少により、前期比8.6%減少した。

廃棄物の受入制限による売上高減少を補うために、その他施設の受入数量拡大に努めた結果、廃プラスチック類の破砕・圧縮梱包施設の売上高は前期比138.7%の増収となった。
また、取引先社数の増加によりがれき類の破砕施設の売上高は前期比29.8%、震災廃棄物受入により畳分解施設の売上高は同76.7%増、収集運搬業務の売上高もリフォーム工事の増加により同11%増となった。
焼却施設の受入制限を解除した2012年5月以降は計画を上回る売上高及び売上総利益を確保している。

<食品系リサイクル事業>

中長期的な成長戦略に基づき堆肥化施設での受入れを縮小し、飼料化の拡大を進めてきた。
鉾田ファームを営業拠点として、液状化飼料の販売を推進した結果、新規供給先も増加している。当面の供給目標を日量30トン、月間900トンとして、受入数量の増加により売上の拡大に注力した。

また、受入価格の安定した常温保存の包装食品に関して、運輸倉庫会社との協力体制により、受入拡大に向けた取り組みを推進している。
堆肥化施設の受入平均単価は前期比30.2%アップしたが、2011年10月から受入を大幅に制限した結果、受入数量は前期比50.5%減少。第4四半期(4-6月)では同67.0%減少した。
一方、飼料化施設の受入数量は前期では57.5%増加したが、受注競争が発生している飼料化に適した品目に受入を限定したため、期首の計画を下回る結果となった。

<白蟻解体事業>

解体工事売上高は、住宅エコポイントの影響等により、5.6%増収の7百万円へ。白蟻防除工事は既存工事の受注キャンペーン等により、同8.0%増収の4百万円となった。ただ、外注費の増加等により売上総利益は減益となった。

総資産は2,882百万円と前期末比91百万円の減少。
流動資産が現預金の減少などで10百万円減少。固定資産が81百万円減少した。
負債の部では、短期借入金が37百万円増加する一方、長期借入金は198百万円減少し、有利子負債は141百万円減少した。
自己資本率は前期30.0%から30.8%へ上昇した。

営業CF、フリーCFともに前期よりも減少したが、連続して黒字となっている。

◎第三者割当増資について
同社は2012年8月24日払込による第三者割当増資を実施。約1.5億円の資金を調達した。
割当先である株式会社ティーティーアイは同社と資本関係、人的関係および取引関係のない純粋な投資家ということだ。この割当によって(株)ティーティーアイは株式保有比率19.49%の筆頭株主となるが、長期保有を約束しているわけではなく経営に関与する予定もないという。
同社事業の将来性と現在の株価水準を比較検討し、出資を決めたという事だ。

調達資金の使途としては、①売掛債権担保ローンの返済50百万円、②運転資金76百万円、設備資金25百万円としている。(上記3つの支出は遅くとも2012年12月までに完了する予定)
今回の資金調達により自己資本比率は35%程度まで上昇すると会社側は見ている。

2008年6月期、2009年6月期の損失計上に伴い、2010年3月に全取引金融機関との間で返済期間延長契約を締結し、その期限が2012年6月に到来したが、今回の増資により資金繰り不安も低減したことから、2012年下期は毎月16,667千円返済での延長契約を締結することができた。また、2013年1月~12月においても同条件での延長契約の締結を要請している。
今後はCFの範囲内で返済を進め、来期末には有利子負債を12億円以下に削減したいと考えている。

2013年6月期通期業績予想
営業力を強化し増収・増益へ。

受入制限を解除した2012年5月以降は計画を上回る売上高、営業利益を確保することができており、今期は営業力を強化することに加え、施設休止期間も少なくなり増収・増益を達成することができると考えている。
前期1.4億円ほどかかった修繕費については、今期も1.5億円ほどと固目に計画している。
同社は月次の売上高を公表しているが、足元の状況は堅調で、7月、8月共に計画及び前年を上回っている。

発電施設の売電に関しては、固定価格買取制度での施設認定を2012年年10月前後と見込んでおり、今期の売電売上は前期比18百万円増の109百万円を計画している。
配当は1円増配の6円/株を予定している。目標配当性向は設定していないものの、6円/株を最低水準として安定した配当を継続していく方針だ。

<建設系リサイクル事業>

焼却発電施設においては、受入数量1%増加で、受入平均単価も6%の増加を見込んでいる。
発電施設において、売電数量は10%増、売電平均単価は6%増加と計画している。
全体では、増収・増益の見込み。

<食品系リサイクル事業>

微増収ながらも、粗利率は大幅に向上する見込み。
受入数量、受入平均単価ともに微増を見込んでいる。
鉾田ファームの養豚事業は、販売単価は横這いながらも、出荷頭数は前期比30%増加を計画している。

<白蟻解体事業>

減収・減益。
解体工事は件数、単価ともに前期並みの見込み。
白蟻工事は、千葉地区は縮小するものの、神奈川・東京は既存工事が増加する。

(3)今後の取組
◎取引先社数の拡大

安定した収益確保のために、引き続き取引社数及び取引先業種の拡大に努めていく。
また、各施設の稼働率向上のために新規開拓にも注力していく。

受入時のサービス体制の向上も、取引先の継続率向上、新規獲得のための重要なポイントだ。
同社は現状では廃棄物の収集・運搬を原則的に行っていない。運搬業者は同社が受入を契約した事業者から廃棄物を収集し、同社の処理施設に搬入するのだが、1日に多数の運搬車両がやってくる施設においては、運搬業者にとっては、待ち時間が少なく、より短時間に作業が終了する施設が好まれる。同社は、待ち時間を少なくするための導線を考慮した施設設計を行い、待ち時間を快適に過ごしてもらうためのサービスを提供しているため、運搬業者からの評価も高い。
運搬業者は廃棄物処理を委託する事業者と同社との間に立ち、同社のセールス活動も行って貰えることから、受入時のサービス体制の向上に今後も力を入れていく。

また比較的収益性の高さが期待できる小口取引先の開拓にも力を入れており、着実に実績も上がっている。

◎一般廃棄物の受入強化

建設系廃棄物は発生量の減少により価格競争が発生し、受入価格の低下が避けられないが、一般廃棄物は処理施設が少ないため受入価格が安定している。
民間企業では少ない一般廃棄物の許可も得ている同社はそのアドバンテージを活かし受入強化に取り組んでいく。

◎電力小売り事業の立ち上げ。子会社「里山」を設立

建設系リサイクル事業において大きな成長が見込みにくい現状で、同社は今後「食品リサイクル事業」および「バイオマス発電事業」に軸足を移して売上、利益の拡大を目指していく考えだが、そのために、電力の小売販売などを行う100%子会社「株式会社里山」を2012年7月に設立した。

2007年よりバイオマス発電施設を稼働運営し、再生可能エネルギー電力の供給を進めてきた同社は、現在、発電電力を自社施設の電力に利用するとともに、外部への卸売販売を行っている。
今後は、2012年7月より施行された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により電力の販売単価が向上し増収効果が見込まれるため、同制度を活用し、CO2を発生させない電力需要に対応して小売販売事業に参入する。

前述のように発電施設の認定を2012年10 月下旬頃に取得する予定。固定価格買取制度を活用するとともに、機動的な電力小売りを専門的に行っていく。

また、今後は現在の木くず、繊維くずなどの廃棄物を利用したバイオマス発電以外に、「森林資源(間伐材)」や「廃プラスチック」を活用した発電施設の事業化による拡大も視野に入れている。
特に間伐材を使用したバイオマス発電施設は、事業化の可否に関する調査及び採算性の検証を進めることにより、将来の事業拡大に向けた取り組みに注力している。
バイオマス発電事業の拡大にあたっては自社単独では時間もコストもかかることから、アライアンスによるスピードアップ、ボリュームアップを図る考えだ。
特に1基当たり25~30億円という建設資金をいかにして調達するかについては、雇用創出を期待する地方自治体や新たなグリーン電力の調達を望む大企業も多く、こうした自治体、企業をスポンサーとした投資を行っていくことにより、財務負担の軽減と早期の事業化をバランスよく着眼している。

今後の注目点
産業廃棄物処理業は、絶対必要な業務であるにもかかわらず、様々な要因で評価が低いのが実情だが、同社は、リサイクルによるバイオマス発電事業の拡大によって、外部ステークホルダーに対する自社のみならず業界の認知度を上げ、社会貢献に対する理解を深めてもらうとともに、従業員とその家族に誇りを持ってもらうことが企業価値の向上につながると考えている。当面の注目点としては今期の電力小売り事業が計画通りに推移するか?という点だ。「固定価格買い取り制度」については、グリーン電力拡大の大きなステップとなるという見方が大方だが、国民負担の増大など慎重な見方もある。また、中期的には25~30億円が必要なバイオマス発電施設の新設を、スポンサー企業の獲得によってどの程度のスピードで進めることができるのかという点も注目していきたい。
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