(3784:JASDAQ) ヴィンキュラム ジャパン 2013年3月期第1四半期業績レポート

2012/09/11

今回のポイント
・2013年3月期第1四半期の売上高は、前年同期比3.7%増収。各段階利益ともに黒字を確保した。特定顧客化戦略によるアウトソーシング案件が増加し、ライセンス販売も好調に推移したことが奏功した。また、生産性向上による原価低減を図ったことが収益構造の改善に繋がり、最終利益を確保した。 

・2013年3月期は、前期比12.5%増収、各段階利益ともに黒字化を見込む。海外子会社を最大限活用し、中国・アセアン地域に向けて積極的な事業展開を図ることにより、グローバルIT企業として着実な成長が見込まれる。中期経営計画における3つの基本戦略(①特定顧客化戦略、②グローバル戦略、③商品・サービスの差別化戦略)を着実に遂行し、収益並びに事業規模の拡大に繋げる。配当は1株当たり2,000円(中間配当1,000円、期末配当1,000円)を予定している。

・中期経営計画のスタートとなるこの四半期は、増収・黒字化達成と、まずは順調な立ち上がりを見せたようだ。流通小売業の中国・アセアン地域への展開をIT面から支援するシステム運用・管理サービスが本格稼動しており、海外に進出している日系企業から一定の高い評価を得ている。また、日系企業の海外進出支援の実績が国内ITベンダーとしての存在感を高める結果にも繋がり、国内での受注拡大に寄与しているようで、成長のための事業基盤は着実に構築されつつある。
グローバルIT企業としての新たな成長ステージに向け、中計の3施策をどれだけのスピード感を持って進めて行くことができるのかを注目していきたい。

会社概要
流通・サービス業向けを中心に、ソリューション(システム構築)、アウトソーシング(運用・管理、ソフトウエア保守、ヘルプデスク等)、及びパッケージソフト開発等を手掛ける。自社の海外展開経験を活かしながら、有力企業のグローバルサポートを着実に行っている点で顧客からの高い評価を得ている。
富士ソフト(株)が60.39%の株式を保有。POS端末用アプリケーションソフト開発を手掛ける(株)4U Applications、百貨店向けソリューションに強みを持つ(株)エス・エフ・アイの国内連結子会社2社、維傑思科技(杭州)有限公司、上海新域系統集成有限公司の海外連結子会社2社及びFMSソリューション(株)の持分法適用国内関連会社1社と共にグループを形成している。これらのほか、ヴィンキュラムマレーシア(海外非連結子会社)がグループのアセアン拠点として2012年7月より事業を開始している。

<事業内容>

事業は、アウトソーシング分野(12/3期売上構成比41.8%)、ソリューション分野(同33.6%)、プロダクト分野(同10.4%)、その他IT関連分野(同14.2%)に分かれる。

アウトソーシング分野
システム運用・管理サービス、ソフトウエア保守サービス、ヘルプデスクサービス、ASP(ソフトウエアの期間貸し)サービス等を提供している。
ソリューション分野
流通・サービス業向け基幹システムやクレジットカードシステム等の流通・サービス業向け各種業務システムの企画・開発を行っている。
プロダクト分野
流通・サービス業システムに関する技術やノウハウを活かした流通・サービス業向けパッケージソフトウェア、及びシステム運用管理パッケージソフトウェアの開発及び販売を行っている。
その他IT関連分野(11/3期より「ハードウエア販売サービス事業」と「その他事業」を統合)
上記の各事業に付随して発生する事業。ソリューション事業及びプロダクト事業におけるシステム構築の一環としてのハードウエア販売、店舗システム導入展開サービス(POSシステムや発注システムなど店舗システム機器の導入・設置、教育、移設)等を提供している。
<主な取引先>

イオングループ、(株)サンマルクホールディングス、(株)東芝テック、(株)マツモトキヨシホールディングス、(株)ワールド等。

2013年3月期第1四半期決算概要
(1)2013年3月期 第1四半期(4~6月)連結業績
<増収・黒字化を達成。収益構造改善傾向が鮮明に。>

売上高に関しては、ハードウエア販売が前年同期比でやや減少したものの、特定顧客化戦略によりアウトソーシング案件が増加し、ライセンス販売が好調に推移したほか、MD基幹システムに関する大型開発案件等の売上寄与もあり、前年同期比でプラスを確保することができた。
収益面では、ライセンス販売が好調だったことや、生産性向上による原価低減が奏功し、売上総利益率が前年同期比3.2ポイント改善した。収益構造の改善傾向が鮮明になってきている。

(2)財政状態
今後の成長戦略
<中期基本方針「グループ力を結集しグローバル企業として新たな成長ステージへ」>

従前に発表していた「中期経営計画(2011年度~2013年度)」は、足下業績の状況を加味し、2014年度計画も加える形で2012年5月に改めて「中期経営計画(2012年度~2014年度)」としてローリングされた。基本戦略に関しては大きな変更はない。2012年3月期を基点とした3ヶ年の年平均成長率は+11.8%、最終年度2015年3月期の売上高営業利益率は4.8%を想定している。主な施策は次の通り。

(1)特定顧客化戦略

イオングループとの関係を強化することで、グループ会社への展開、新規領域の提案を積極的に推進し、売上規模及び受注拡大に繋げていく。その他の既存特定顧客に対しても新領域の提案、運用・保守業務への展開を図る。既に取引のある顧客に対しては保守・運用業務へと繋がるサービス範囲の拡大を図り、特定顧客化を推進していく。その他の取り組みとしては、ストックビジネス(データセンターサービス、運用監視サービス、ヘルプデスクサービス、クラウドサービスなど)の拡大展開、スモールビジネス(既存システムの改善、コストダウン提案等の小規模案件)を積極的に展開し一層の関係強化を図っていく。

(2)グローバル戦略

イオングループの中国・アセアン地域展開におけるベストパートナーとしての地位を確立するほか、クロスボーダーITソリューション(IT環境・人材・ノウハウとサービスコンテンツを有機的に組み合わせて日本・中国・マレーシアのそれぞれに拠点を持つ顧客に対し最適なソリューションを提供するもの)による新規開拓を積極的に進めていく。グローバル戦略の具体的な取り組みとしては、上海新域系統集成有限公司における中国国内顧客向けデータセンターサービス及びネットワークサービスの開始、マレーシア現地法人であるヴィンキュラム マレーシアの設立及び事業開始などが挙げられる。
また、システム開発、インフラ構築、回線リセールサービス、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)といった分野に関しては、現地の有力企業とアライアンスを組むことでスピーディーな事業展開を図る。中国に関しては、2012年9月にイオンディライト(株)、(株)東忠とBPO事業を行う合弁会社である永旺永楽(杭州)服務外包有限公司の設立を予定している(2012年8月3日付プレスリリース)。

(3)商品・サービスの差別化戦略

顧客の規模やニーズに合わせた最適なサービスを低コスト・短納期で提供し、新規顧客開拓と収益力向上を図るために、クラウドサービスによるプロダクト製品のラインアップ拡充を進める。ここでは東芝テック(株)との共同開発によるクラウド型「顧客情報システム」が活躍することになろう。グローバル展開に連動したプロダクト製品のローカライゼーションも順次進めていく。

2013年3月期業績予想
<前期比12.5%増収、各段階利益ともに黒字化の見込み>

売上高は前期比12.5%増の10,300百万円を計画。海外子会社を最大限活用し、中国・アセアン地域に向けた積極的な事業展開により、グローバルIT企業として着実な成長を見込む。中期経営計画における3つの基本戦略(①特定顧客化戦略、②グローバル戦略、③商品・サービスの差別化戦略)を着実に遂行し、収益並びに事業規模の拡大に繋げる考えだ。
尚、配当は1株当たり2,000円(中間配当1,000円、期末配当1,000円)の予定。

今後の注目点
中期経営計画の最終年度2015年3月期「売上高128億円、営業利益6.1億円」に向けたスタートとなるこの四半期は、増収・黒字化達成と、まずは順調な立ち上がりを見せたようだ。
流通小売業の中国・アセアン地域への展開をIT面から支援するシステム運用・管理サービスが本格稼動しており、海外に進出している日系企業から一定の高い評価を得ている。また、日系企業の海外進出支援の実績が国内ITベンダーとしての存在感を高める結果にも繋がり、国内での受注拡大に寄与しているようで、成長のための事業基盤は着実に構築されつつある。
今後は、グローバルIT企業としての新たな成長ステージに向け、中計の3施策をどれだけのスピード感を持って進めて行くことができるのかを注目していきたい。
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