Jトラスト株式会社(8508 東証2 部)
韓国金融事業は着実に成長、国内金融事業の利益は安定化

2016/03/15

ベーシックレポート
㈱スクアード・リサーチ&コンサルティング 奥山 智子

韓国金融事業の業績が大きく改善
2016年3月期第3四半期の営業収益は579億円、前年同期比約20%増(98億円増)での着地となった。国内金融事業がKC カード事業売却等により縮小した一方で(73 億円減)、前年第4 四半期に実施した韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行等の買収や、2016 年3 月期よりJ トラストインドネシア銀行のPL 連結開始に伴い、韓国金融事業(62億円増)及び東南アジア金融事業(90 億円増)の営業収益が大きく増加した。国内金融事業は減収ながらも、コスト削減や過払金返還請求から解放された点が寄与し、営業利益29億円(14億円増)を達成した。韓国金融事業は、新規貸付が堅調に伸び1億円の営業利益を計上、前年同期が42 億円の営業損失であった点を鑑みると、業績は大きく改善。事業の立て直しは一段落し、攻めの経営を推進するステージに突入したと言える。東南アジア金融事業については、J トラストインドネシア銀行がかつて破綻行であったこともあり、収益構造の改善を進めているが、現在のところ赤字が続いている(営業損失58 億円)。2016 年3月までには赤字基調から脱却する見込みであり、来期以降の業績への貢献を期待したい。また、今期はタイGroup Lease の転換社債の株式転換等に伴い、投資事業で25億円の営業利益が発生、営業利益の下支えとして大きく貢献している。

第3四半期は営業損失も、通期では営業利益となる見通し
営業損益は前年同期のマイナス33 億円から12 億円改善し、マイナス21 億円での着地となったが、計画営業利益75億円と比較すると96億円の乖離がある。但し、うち15億円はJGGAP とIFRS の差によるもので、2016 年3 月のIFRS適用開始により解消する見込みである。残りの81 億円のビハインドについては、既に計画達成が確定している国内金融事業での営業利益上乗せ(想定8 億円程度)や、韓国の不良債権売却益(同20 億円超)及び通常業務からの営業利益(同5億円程度)、東南アジア事業でIFRS適用により発生見込みの貸倒引当金戻入益(同20億円超)などで補い、計画達成を目指す。IFRS適用開始に当たって不確定要素もあり、結果次第で営業利益が大きく振れるが、営業利益50億円超での着地を期待したい。また、韓国金融事業で生じた特殊要因により(P31参照)、業績改善の実態が数値に表れきれていない部分もあり、東南アジア金融事業が損益分岐ラインに乗れば、金融3事業で60億円超の営業利益を稼ぐアセットを有していると考えられる。

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