豪ドルの足元の状況と今後の見通し ~日豪金利差などから見て底堅い推移へ~

2016/02/10

豪ドルの足元の状況と今後の見通し ~日豪金利差などから見て底堅い推移へ~

【ポイント1】足元の豪ドルは弱含みの推移

中国経済の先行き不透明感が背景
■豪ドルの対円レートは、足元で軟調に推移しています。中国経済の先行きに対する不透明感、それに端を発する金融市場の混乱から、いわゆる「リスクオフの円高」が進んだためです。1月中旬から同月末にかけては、失業率や雇用者数、小売売上高といった豪州国内の景気指標が市場予想を上回ったことから豪ドルは上昇しましたが、2月に入ると再び中国経済への懸念の高まりや、全般的なリスク回避の流れのなかで、弱含みの推移となっています。

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【ポイント2】政策金利は当面据え置き?

物価は低い水準で安定
■オーストラリア準備銀行(RBA)は、2月2日の会合で、政策金利を2.0%に据え置きました。豪州の景気は、昨年までの利下げ効果などにより緩やかな回復を続ける見込みです。一方、資源価格の下落や賃金の伸び悩みによりインフレは低位で推移すると予想されます。

■景気や物価の動向から判断すると、政策金利は当面のところ据え置かれると予想されます。ただし、RBAは最近の金融市場の混乱が内外の需要を弱める可能性に言及しました。インフレが低位で落ち着いていることから、必要な場合はさらなる緩和の余地もある点には、留意しておく必要があります。

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【今後の展開】日豪の金融政策の方向性から見ると、豪ドルは底堅い推移へ

■豪州経済に大きな影響を及ぼす中国の景気については、既に不動産投資に上向きの兆しが見られるうえ、政策余地もあることから、徐々に底堅さを取り戻しそうです。

■金利据え置きのRBAに対し、日銀はマイナス金利を導入し強力な金融緩和を進める方針です。日銀の追加緩和によって拡大した日豪金利差は当面継続すると見られ、豪ドル円レートを支える見通しです。

(2016年2月10日)

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