「ギリシャ問題」、合意へ最後の詰め(欧州)

2015/05/29

<今日のキーワード> 「ギリシャ問題」、合意へ最後の詰め(欧州)

欧州連合(EU)とギリシャは、6月末を期限とする既存のプログラムに基づく支援を協議しています。EUが求める年金減額と最低賃金の引き上げ凍結をギリシャは依然として拒み続け、合意には時間と労力がなお必要です。6月中の国際通貨基金(IMF)への債務返済は、滞っても直ちに債務不履行(デフォルト)にはならないことから、6月末の期限直前での合意の観測も浮上しています。

【ポイント1】年金減額などの先送りをギリシャは模索

IMFへの返済遅延はデフォルトとならない
■ ギリシャのチプラス首相は27日に「合意は近い」と述べました。しかし、ギリシャが想定する合意内容にEUが求める年金減額などが含まれておらず、EUは近く合意に至る予定はない、とチプラス首相の発言とは異なる報道がなされました。双方の間には依然として深い溝が見られます。
■ ギリシャの内務相は24日、6月中に予定されるIMFへの「返済資金はない」と発言しました。ただし、ギリシャのIMFへの債務返済が滞ったとしても、格付け機関は、それを理由として債務不履行(デフォルト)と認定しないとしていることから、合意は期限とされる6月末の直前になるとの観測も浮上しています。

【ポイント2】合意で6月中に37億ユーロ

期限内の合意へ向けて最後の詰め
■ギリシャとしては、EUとの合意以外に資金調達の方法は無いと見られます。EUと合意すれば、37億ユーロのEUからの追加支援を6月中に受け取ることが可能となります。さらに、第3次金融支援に向けた協議開始も想定されます。
■ チプラス首相は、反緊縮財政を掲げて政権についたため、他の条件は譲歩してでも、年金減額などを先送りし、期限内の合意に持ち込む狙いと見られています。

 150529 図表MK

【今後の展開】期限内の合意により、不透明感の後退を期待

 ■合意によるデフォルト回避は、双方にメリット
ギリシャがデフォルトになると、金融市場の混乱が想定されます。また、大多数のギリシャ国民はユーロ圏残留を望んでいると見られ、歩み寄りの余地は十分にありそうです。交渉の長期化でギリシャ経済がすでに苦境にあることも期限内の合意が望まれる理由です。

■鍵握るドイツの対応
交渉の鍵はドイツが握ると見られます。ドイツは、ユーロ圏で最大の支援資金を負担する立場から、緊縮財政の継続を強く求め、年金減額などの先送りに反対しています。期限内で合意がなされ、「ギリシャ問題」を巡る不透明感がひとまず後退し、金融市場の安心材料となることが期待されます。

(2015年5月29日)

印刷用PDFはこちら

http://www.smam-jp.com/market/report/keyword/__icsFiles/afieldfile/2015/05/29/150529mk.pdf

関連マーケットレポート

2015年05月26日 最近の指標から見る欧州経済(2015年5月) 

2015年05月14日 「ギリシャ問題」、合意にはなおギャップ(欧州)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ